5月に植えられた稲は、6月末頃にもなれば、分けつして逞しくなり、これから穂つくりに入る大切な時期を迎える。
かっては、稲の成長とともに、稲の葉を食い荒らす害虫に手を焼いた。
稲の葉を食い荒らし、葉を白くしてしまうイネドロオイムシ、 成虫は葉を、幼虫は根を食べるイネミズゾウムシ、 二化メイチュウは茎に入り込み稲を枯らす、 取入れが近くなるとウンカやイナゴに食い荒らされる。
先人は稲の病気と共に害虫にも悩ませられ、時には害虫の大発生で、全滅に近い被害もあったらしい。
現代はすっかり楽になった。
良い農薬が開発されて、田植え前に、苗にパラパラと一振りしただけで、稲の生育前半の虫は勿論、病気も防いでくれる。
穂が出た後の後半、稲を全滅させることもあるイモチ病や、お米の表面に吸汁あとの斑点を残し、品質を落とすカメムシは農薬に頼る事になるが、農薬散布はラジコンヘリの出番、そして、ドローンの登場も近い。
大昔の事
夏の暑い時期に、田畑に害虫が蔓延し、農家の人たちが困っていたところ、偉い修験者が「虫除け、虫封じ」のお祈りをして、お札(おふだ)を農民に授与し、そのお札を田畑に建てたら、害虫が退散したと言う。
初夏、近くの神社に、夏越のお祓いに詣り、茅の輪をくぐって、この半年の穢れを祓い、家族の無病息災を願い、帰り道、虫除けのお札を頂戴する。(もっとも昨今は集落 ごとに係の人が注文をまとめて、お札を配布する。)
田んぼに建てられた「昆虫除祈祷大祓」、は田んぼを睨み、害虫を追い払ってくれる。
お札の効はまだある。
「虫除け、虫封じ」は、邪虫除けとして凶虫を退ける。
すなわち、浮気虫、賭博虫除けにも効があると言われている。
思い当たる方はご利用を?