60日に一度の庚申さん(当地では、おかのえさん)は今年2月2日が初庚申。
人の体に住む三尸(さんし)という蟲は、自分が人の体から自由になりたいために人の死を望んでやまない。
隙あらば宿主の体を抜け出し、天帝(閻魔大王)に、宿主の寿命を縮めてくれろと宿主の悪行を報告するために、蟲はその人が熟睡してる間に天に登り閻魔さまにチクル。
天帝は庚申の日、蟲たちの話を聞いて賞罰を考える。
大きな罪は300日、小さな罪は3日、命を縮められる。
庚申の日は蟲を逃がさぬように青面金剛と蟲の天敵の猿が描かれた掛図の前でご詠歌を唱え、眠らずに過ごす。
あさひさし とうしん かがやく かのえてら
いりあいひびく まつかぜのおと
つきつきに いのれよまもる かのえさる
ときのさいなん のぞきたもうぞ
げにいのる こころぞかのえ よいのそら
うんはてんより さずけたもうぞ
”おかのえさん”はかって集落ごとに組織されて農村の楽しみとして長い間、続けられたが最近では少なくなっている。
地区内には最上講碑や念仏碑と共に庚申講碑が数多く見られる。
現代では庚申の日も早々と寝てしまう。
体を抜け出した蟲たちは天帝に宿主の日頃の数々の悪行を詳しく報告しているに違いない、合計何日の命が縮められることか。
庚申の日、願い事を念じながら北を向いて黙して「こんにゃく」を食べると願い事が成就するという地方もあるらしい。
(あれ!最近は似たようなことがあったような・・・・・)