「命の不思議②」料理の残り、おでんにしたら一口大の蕪を水に入れておいたら30㌢程まで伸びて何と小さな蕾をつけた。大自然のめぐみ、米も野菜も命です・・・・実感!
あだ討ちのあった陣ヶ森(前回投稿)はその昔、近くにあった添市城を攻める武将が陣を張った場所と言われる。
緩やかな傾斜の、この地はかって小さな棚田と大小のため池、ススキが生い茂り痩せた松が点在する寂しいところだった。
かって何処でもそうだったように、村でも死者は土葬が普通に行われたが土葬は棺おけに入った遺体をそのまま土中に埋めるために時間の経過と共に土が陥没するため土葬はある程度の広さの墓地が必要だったがその広さの墓地を持たない人は火葬にしたようだ。
村に何ヶ所かあった(野天の臨時)火葬場の一つが陣ヶ森にあった。
現代のように重油バーナーを使うことなく薪を沢山積んで火葬したことだろう。元気の良い、村の若者達が徹夜で火葬を続ける。
差し入れられたお酒で時には作業がおろそかになり、翌朝遺族が収骨に来るまでに火葬が終りそうにない時にはやむを得ず、焼けきらない遺体の一部を近くのため池に投げ入れた。
村の人たちもこんな状況を察しているので、子供達にはあの堤で釣りや水遊びはしないようにと理由も云わずに硬く禁じた
釣らないから池の鯉は益々大きくなり
「人を喰った大きな鯉」がいると恐れられた。
そんな火葬も昭和20年代には影を潜め公営の火葬場が出来て土葬の習慣もなくなった。
昭和40年代、大規模農地整備が行われ陣ヶ森麓まで田んぼが整備され大小のため池もブルドーザーで拓かれた。
かの、ため池にはやはり巨大化した鯉が棲んでいた
今、陣ヶ森からは雄大な岩手山、眼下に東北新幹線がはしり、花巻空港に離着陸する飛行機が眺められ、地区内でもっとも景観の優れたところの一つになっている。
昔、武将が陣を張ったり、狼を相手に愛児の仇討ち、「人を喰った巨大な鯉」・・・・のどかな景色からは想像も出来ない昔話である。