くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「変わる家族変わる食卓」その2

2010-06-09 05:18:44 | 社会科学・教育
この前、あるネットの相談コーナーを見ていたら、「友人がマックで夕食を食べたそうですが、わたしには考えられません。これって普通のことですか」という主旨のトピックがたっていて、投稿者がものすごいブーイングをあびていました。普通のことだし、人が何を食べようと勝手ではないか。お高くとまっているのか、との激しい意見もありました。
でも、わたしも夕食にファストフードはないなあ。
「食べる」ことにたいする習慣は、多分その家ごとに違うのでしょう。世間的な「常識」も変わってきているかと思います。
知り合いの家庭科の先生が調査したところ、朝から焼きそばとかハンバーグというメニューも少なくなく、きちんとした献立で野菜もバランスよく出る家は三十件のうち一件だったそうです。
うーん……。
わたしはいつもワンパターンなので、あんまり強いことは言えないかもしれませんが。とりあえず、ご飯、焼き魚、おひたし、漬け物、味噌汁、納豆、ヨーグルト、時々豆乳。
朝からパン、というのは嫁にきてから二回しかありません……。
これはうちに親世代という監修者がいることが大きいと思います。夕食に焼きうどんもNGですから。
「変わる家族変わる食卓」では、主婦が結婚する前段階で家庭料理の手助けをしていなかったことが指摘されています。
生肉を触れない、魚をおろせないという主婦も多くなっているそうです。
でも、そのためのツールを、ステップを踏んで与えていかなければ、子供にできることというのは制限されてしまうのです。
料理ができるようになるまでに、どの段階で「包丁」を使わせるのか、火を扱えるようになるのはいつごろか、ある程度考えて仕込まないと。
まだ早いと思っているうちに時間がたってしまうのかも。
しかし、この本は何も料理というものをしなくなった主婦たちに説教をしようという本ではないのです。料理の概念が崩れ、家庭でのしつけが崩れ、世の中の考え方が昔とずれてくる。
それを昔に戻そうとするのは難しい。ひとつの要因をなんとかすればよいというものではないからです。
だから、父親の復権とか一家団欒で食事をとか言われても、根本のところ、現実はかなり「理想」からずれている。
理想? それは誰にとっての理想なのかということも、提起されているように思います。主婦たちも、最初のアンケート調査ではかなり模範的な回答をしていますから。
野菜中心の食事。栄養のバランスを考えている。
でもそういいながら、実際に食卓にのぼる食べ物に反映されていない事例がほとんど。指摘されると、「今日はたまたま」などとごまかす。
遅い時間まで出かけていたので、夕食をきちんと作れなかったという人の帰宅した時間が、3時くらいだったなどのアンケート分析が、おもしろいと思います。