くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「続・読んでくれて、ありがとう」プチタンファン編集部

2010-06-20 21:46:39 | 社会科学・教育
解答を求めている訳ではないのです。でも聞いてほしい、誰かに。
自分の悩みを文章にするためには、ある程度の客観性が必要です。そうすることで、見えてくるものもある。書き終えることがひとつの扉を開くこともあります。投稿し、掲載され、中には反響を呼ぶものもある。心の励みになるでしょう。
「続・読んでくれて、ありがとう」プチタンファン編集部(婦人生活社)。育児雑誌の投稿コーナーを書籍化したものです。前作がかなりおもしろかったので、古本屋にて購入。たいへん分厚い本ですが、読みごたえがあります。ページをめくる手が止まらない。前作ももう一度借りてこようかしらと思うほどです。
様々な悩みや惑いがテーマ別に紹介されているため、共感できる部分がきっとあるのではないか、と。そのためか、キャッチコピーは、「ここに、もう一人のあなたがいる」。
わたしは育児雑誌といえばNHKの「すくすく」しか読んでなかったのですが、当時この雑誌はもう書店にはなかったような?
確か前作に、読者層として結構落ち着いたお母さん方が多いと書かれていた気がするのですが、どのお手紙もじっくり書かれていて、そりゃ編集部の手は入っているんでしょうけど、よく考えられた内容なのです。
いろいろと驚くようなものもありますよ。紅一点の職場で、育休後いじめにあっているという女性。上司が有休を取らせてくれず、おすそ分けのお菓子も渡されない。飲み会に参加するといえば嘘をついてまで参加させない。
女の子が欲しかったのに、第二子も男の子と知り、憂鬱でしかたない女性は、周囲のママたちがみんな女の子礼讚主義であると言い、「いいなぁ、男の子欲しい!」という人は一人もいないと嘆きます。
そ、そうですか? 男の子可愛いと思うんだけど。これはわたしが男女どちらにも恵まれたからですかね。
全盲のお子さんを続けて出産された方、五人めのお子さんを突然亡くされた方、突然ダブル不倫した旦那さんが信じられなくなって離婚を決意された方……。
様々な人生が披瀝されるのですが、わたしが最もショッキングだったのは、お父さんとの関係を告白した女性でした。
ひどい。あまりにひどい。彼女が父親をいい親だと思っているのがまた切ない。高三のころ、親離れしていくのを感じ、土下座して、アル中で……。たった一度とはいえ、あんまりではないですか。
とても辛い気持ちになりました。
子育てをテーマにしながら、描かれるのは個人の生活でありそれぞれの家族の様子です。
もう十年も前のことですから、ここに相談を寄せた女性たちにはその後の人生があるはずで、当時は幼かった子供だって、もう中学生くらいでしょう。
あの悩みは解決したのですか? その後、どんな人生を送ってらっしゃるのでしょうか。
聞いてみたい方が何人か、いるような気がします。