くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「まついさんちの子どもメシ」まついなつき

2010-06-23 04:58:56 | エッセイ・ルポルタージュ
「食DRIVE」の事例としか思えない! 「変わる家族変わる食卓」と同時期にこの本も読みました。まついなつき「まついさんちの子どもメシ」(株式会社カンゼン)。
男の子三人を一人で育てる漫画家の生活を、食を中心にまとめたものです。
わたしは「たべもの」や「料理」に関わる本が大好きなので借りてみたのですが、あれあれ、これは、料理のアイディアではないぞ、ということが少し読むとわかるわけです。
例えば、息子たちだけでもひな祭りは実施。ちらし寿司の写真も載っています。でも、これ、市販の素を使って作ったと書いてある。他のページにもすし酢を使っているとの記述があり、それは果たして「本」として出版するべきものなのか疑問に思いました。
アパートに友達呼んでハロウィンパーティー。夕食はお菓子。友達の親も喜んでくれたそうです……。
うちでそんな生活したら、間違いなく叱られますね。
にんじんご飯とか餃子のレシピはいいのですが、本当にこういう調子のご飯でいいのかいな、と思うわけです。サツマイモとジャガイモとサトイモを蒸すだけ、とか。ホットケーキミックスに傷みかけたフルーツを加えて作るとか、ホームラン記念日(だっけ?)のメニューを創作して(オロナミンCと野球に見立てた一品)みるとか。
こういうの、参考になるのかな。それとも、ただの読みものとしての本なのかしら。
悩みます。
そういえば、十年くらい前、讀賣新聞をとっていたのですが、まついさんの連載記事がありました。
これまで隔年で子供を産んできたのに、八年めには恵まれなかった。出産まんがも描いているから、そういう気がするかもしれないなーと思っていたら、その数回あとに離婚報告があったのでした……。

食べるということ。まついさんの描いている食卓は、「楽しむ」ということなのだと思います。でもそれは、違う角度から見るといい加減にも見えるもの。
魚をおろせない、生肉を触れないという女性すらいる現在、カレーライスや五目寿司を作るのに、インスタント調味料(ルーや素)を使うのは、もう「料理」として認定されているのでしょう。(岩村さんの本だとカレーライスの味付けにあれこれ素材を加わるのはレシピとはいえないように思うので、敢えて)
でも、まついなつきのエッセイやまんがを読んでいると、この人ってフツーの人だよな、と感じるのです。ほかのうちの夕ご飯、ちらっと見せられる感じですかね。