参議院選挙で自民党が勝つかどうかは予断を許さない。あまりにも楽観し過ぎて、手痛い敗北を喫することもありうる。マスコミの報道に流されることなく、それこそ常在戦場で自民党は臨むべきだろう。ここで気になるのは、自民党が多数派になる「一強多弱」になることへのためらいだ。各種の世論調査で自民党の支持率が高いので、ついついそうした見方が流布されてしまっている。しかし、自民党が支持されるのは、異常事態であるという危機意識からであり、それはもっともな反応なのである。安倍内閣になってから、次々と政策が実行に移されている。衆議院で自民党が多数だということもあるが、国民の支持をバックに大胆なことを行ってきた。それは今後も継続されなければならない。しかも、強権的な権力の行使ではなく、民意のもとづくプロセスを踏むことで、より強固な政治が実現するのである。中共が尖閣諸島を侵略しようとしても、韓国が日本を世界から孤立させようとしても、日本が国家としての力を発揮できれば、相手は尻尾を巻くしかないのである。健全な野党があり、議会を通じて国民的な合意を形成する。それはあくまでも平時でのことである。今は違う。いつ想定外のことが起きるか見当がつかないのだ。そこでは政治的指導者の果敢な決断が求められる。躊躇している暇などないのであり、かえって「一強多弱」が望ましいのである。
←自民党に多数を持たせるべきだと思う方はクリックを