草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

トランプ現象には一過性でなく世界を変革するエネルギーが!

2021年02月26日 | アメリカ
トランプは敗れ去ったのであろうか。日本の保守派にまで影響を与えたトランプ現象とは一体何であったのだろうか。トランプを支持する人たちは陰謀論に加担しただけであったのだろうか。彼らは新たな神話を必要としたのである▼山口昌男は神話について「われわれの心の底に沈殿して、われわれの意識の表層を決定するエピステーメ(認識)の膜のようなものであることは、ここ10数年の神話研究が明らかにした」(『歴史・祝祭・神話』)と書いている。人間は合理的な動物ではなく、ともすれは快不快とかの感情に押し流されて、単純の物事を割り切りたいのである。だからこそトランプが英雄視されることになったのだ▼政治を動かす力が不合理な情動であることを山口は見抜いていた。「政治的世界がもっとも喚起しやすいのは、世界を脅かしている隠れた世界からの諸力が、この世界に侵入し、この世界を擾乱し、秩序を崩壊させ、死がこの世界を支配するが、神の申し子たる聖痕を帯びた英雄が立ち現われ、この魔性の者を斃し、この世界に統一と光明を回復するというパターンの説明である」(『同』)▼リベラルを気取ったマスコミがトランプ支持者を恐れたのは、爆発的なエネルギーを秘めていると勘付いたからだろう。神話的モデルの悪魔として中共が名指しされたことは興味深い。実際に中共が行っていることは残酷非道である。トランプ現象は一時的なものではない。統御することができない民衆のエネルギーの爆発であり、甘く見てはならないのである。

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