ハンナ・アレントは1963年に出版された『革命について』(志水速雄訳)の「序章 戦争と革命」において、「たしかに民族主義と国際主義、資本主義と帝国主義、社会主義と共産主義のような十九世紀のイデオロギーを主義主張として掲げている人々は依然としてまだ大勢いるが、これらのイデオロギーはもう現代世界のリアリティの大勢からかけ離れている。これに反して戦争と革命は、今日もなおわれわれの世界の二つの重要な政治課題となっているのである」との見方を示した▼イデオロギーは衰退しても革命に目指す者たちは陸続として現れるのだ。分断が進むアメリカで何かが起きつつある。アレントは「一般的にいえば、政治体の権威に本当に手が付けられないところでは革命は不可能であるといっていいだろう」とも書いているが、トランプとバイデンの大統領選を見るにつけ、政治家の権威は失墜し、まさしくアメリカは危機の只中にある▼アレントはアメリカの政体を高く評価した。豊かさに裏付けられていることで、夥しい血が流されたフランスやロシアの革命と区別して「アメリカ革命」と評した。貧困の除去よりも、自由が前面に掲げられたからである。しかし、多民族化し貧富の差が拡大している今のアメリカは、フランスやロシアの悲劇を繰り返す可能性すらある。目的意識を持った勢力が登場した場合には、取り返しが付かないことになるだろう。自由と民主主義の根本が問われているのである。
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