草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

人間教育の場である農業を破壊するのがTPPだ!

2011年11月18日 | 思想家

 私の住む会津地方は、日本でも典型的な農村地帯である。雪の季節が目の前に迫っていても、時間があれば、人々は農作業にいそしんでいる。その営みのなかで培われてきた文化というものが、日本人のバックボーンになっているのではないか。しかし、今の日本では、インテリと評する売国奴が、農業を侮辱するような言葉を平気で吐いている。TPPを推進するにあたって、農業は障害にしかならないのだという。「どうせ後継者もいないのだから、外国から安い農産物を買えばいい」と。とんでもない暴論ではないか。農業を人間教育の場として位置づけたのは、数学者の岡潔であった。「春にまき、夏に育て、秋にとりいれるという基本は、自然との協同を率直に示している」「人間の能力の限界を超えた自然の力にたよりながらも、また自然の猛威をおそれ、天に祈り地に伏してなげくということのなかで、ひとは自然の鼓動、天地万象のいぶきを感じるだろう」(「日本の理想」)。その主張の根底にあるのは、自然との一体感を回復することで、人と人との結びつきも回復するという哲学だ。文明が進歩することで、自然は征服されるべき世界となり、いわば他人化されてしまった。この結果、人間は孤独となり、不安と絶望感にさいなまれることとなった。ここで農業を切り捨てるならば、「日の光、風の音とともにある」(同)という生活とまったく無縁になり、人間一人ひとりが、なおさら孤立してしまうに違いない。

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原発事故対応などの非常事態に決断できない民主党政権

2011年11月18日 | 政局

 どうして民主党政権は真実を語らないのだろう。どうして逃げてばかりいるのだろう。細野豪志原発担当相は、福島第一原発について、年内の冷温停止に自信があるようだが、炉心がどこにあるのか、どうなっているのかも分からないのだから、これまで同様に目くらましであることは、国民の多くが見抜いている。だからこそ、民主党政権や東京電力のスポークスマンと化したマスコミに対しても、不信を持ち始めているのだ。あまりにも出鱈目な情報が流されることで、できもしない除染に一縷の望みを託して、避難を先延ばししている福島県民がいることを、一体どう考えているのだろう。絶望的で手の打ちようがないのであれば、それを正直に語ればいいのである。外国人献金問題や闇世界との結びつきを国会で追及されても、ふてぶてしい態度をとり続けている野田佳彦首相は、衆議院議員の任期一杯まで政権の座にあり続けたい一心で、その場しのぎの政治をしているのではないか。そこで統治能力がある政府であれば、果敢にリーダーシップを発揮するが、責任逃れと言い訳に終始するようでは、最悪の事態を招くことになる。カール・シュミットが書いているように「主権者とは非常事態についての決断者」(『政治神学』)であり、政治の真価が問われるのは、まさしく危機的な状況においてなのである。

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