草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

民主党崩壊を予言していた小室直樹

2010年09月11日 | 思想家

 小沢一郎を支持しているのは、小室直樹のエピゴーネンが応援しているからだという人がいる。江藤淳の次は小室なのである。しかし、破天荒な学者であった小室は、もともとは会津人なのである。栗本慎一郎あたりがシティボーイと位置づけたのは、とんでもない勘違いだ。たまたま東京で生まれただけなのである。会津高校を卒業しており、その当時は頭を坊さんのように剃って、そこにメンタムを塗っていたという逸話の持主だ。渡部恒三とは無二の親友で、その意味でも、小沢をヨイショするような学者ではない。ただし、田中角栄を弁護したことで知られ、テレビに一緒に出演していた小沢遼子を、エキサイトして足蹴りしたという武勇伝も語り継がれている。小室が学者としてデビューしたのは、岩波の「思想」に「危機の構造」という論文を掲載してからだ。そして、昭和55年に『ソビエト帝国の崩壊』で言論界にデビューし、一躍売れっ子になったのである。思想的には「急性アノミー」という概念を定義し、それによってソビエトを分析し、崩壊が間近いことを予言したのだった。その核心部分は「カリスマ的指導者は絶対に否定されてならない。もし否定されたが最後、濃硫酸をかけられた鉄のように、鉄の団結はたちまちボロボロになる。これが急性アノミーである」と書いたのだった。ここにきて小沢も、女性問題や金のことで神話が崩れてきている。本人が裸の王様になっているだけで、本当はボロボロではなかろうか。つまり、小室はソビエトの崩壊だけでなく、民主党の崩壊までも予言していたのである。その小室が去る9日に死去した。巨星落つという思いがしてならなかった。もう何十年も前になるだろうが、会津高校の同窓会で、講演者として壇上に立ったのに、その前に酔っ払ってしまって、台無しになったことがあった。そこでは会津藩の教学について語ることになっていただけに、残念でならなかったのを覚えている。今となっては、ただ冥福を祈るだけである。

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中共の挑発行為に屈することなかれ!

2010年09月11日 | 政局

 民主党が愚かな代表選にうつつを抜かしている間に、中共が虎視眈々と日本を狙っている。尖閣諸島での挑発行動は、あらかじめ準備されたもので、日本の民主党政権がどこまでやれるかを瀬踏みしたのだと思う。今回の漁船の領海侵犯の件では、仙谷由人官房長官は、サヨクを自称しているだけあって、迷走してしまったようだが、ためらうことなく決断すべきだったのである。そのことを真正面から論じているのは、せいぜい産経新聞くらいだ。後のメディアは中共をおもんばかるあまり、情報として伝えることすらためらっている。さらに、領土問題だけでなく、日本国内でも、中国人の勢いは日に日にたかまっている。韓国人どころではないのである。暴力の海のただなかにある世界は、かつての帝国主義時代に逆戻りしたような雲行きだ。米国は新型潜水艦を日本に寄港させたり、韓国は韓国で、日本との軍事的な同盟関係を強化しようとしている。それぞれの国が危機感を抱いているのである。にもかかわらず、日本だけは、平和惚けのままである。ソ連崩壊によって冷戦構造は崩壊したので、平和になったと思い込んでいるからだ。しかし、現実は厳しいのであり、日本は国家としてのかたちを強化し、身構える以外にないのである。菅直人首相も小沢一郎前幹事長も、代表選でそのことを語らないのは、愛国者とはほど遠い政治家だからだろう。

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民主党に期待していなかった江藤淳

2010年09月11日 | 思想家

 民主党代表選で小沢一郎を支持する人たちは、何かすると故江藤淳を引き合いに出す。江藤と小沢との個人的な付き合いがあったことは確かだが、江藤は民主党に対しては、結成当初からはなはだ懐疑的であった。さきがけを離党して、民主党を立ち上げた鳩山由紀夫の不甲斐なさについても、「鳩山家四代の禍根」(「諸君!」1996年11月号)で触れており、早い段階から批判していた。優柔不断が講じて、サヨクの菅直人にしてやられることを危惧していたのだった。「世才のないソフトクリームが溶けて、鳩山家の名望と石橋家の富を食い荒らされ、結局は菅カイワレ大臣に名をなさしめることになるのではないでしょうか」とも書いていた。江藤からすれば、鳩山が甘ちゃんであることを見抜いていたのである。戦後民主主義を過信し、自虐史観に縛られていることに違和感を感じていたからだ。鳩山が日本の政治をメチャクチャにし、菅に最高権力者の座を渡したのだから、能無しであったことは確かである。そして、「21世紀の日本人は民族の歴史を忘却し国家に誇りを持ち得ず、ついには亡国の憂目を見るのではないでしょうか」とも予言していたのである。江藤のエピゴーネンでありながら、今なお民主党に肩入れしている人たちは、その江藤の言葉をどう理解するのだろうか。   

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