草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

帝国主義国家中共に幻想を抱いた竹内好

2010年09月20日 | 思想家

 中共の領土拡張の動きは、帝国主義そのものではないか。日本人にとって中国は、学ぶべき師であり、憧れの的であった。だからこそ、昭和維新の歌に登場するのは、屈原であり、「汨羅の淵に波騒ぎ」で始まるのである。日本人は中国の故事から多くのことを学んだのである。しかし、共産中国の誕生によって、孔子や孟子を生んだ精神的な土壌が否定されてしまったのだった。魯迅は「もちろん、われわれも現在に不満だ。だが振り返る必要はない。前方にも道路があるからだ。そして、この中国歴史上かつてなかった第三の時代を創造することこそ、現代の青年の使命である」(「燈火漫筆」)と書いているが、新しい道がどんなものであったかが、まさしく今問われているのではなかろうか。竹内好の著書を通じて魯迅を知っただけに、どれだけ理解しているかは心もとない。しかし、言論の自由が奪われている体制下において、「前方にも道路がある」というのを、どうして人々に知らせることができるのだろうか。竹内もまた、日本浪漫派の一員であったのだと思う。中共を一つのイデーとして思い描いたのではなかったか。領土問題で軍事力をチラつかせるなどというのは、そうした淡い期待を裏切ることである。もし竹内が存命であれば、どのようなコメントをしただろう。落胆のあまり、中共について、共産主義とは無縁な「帝国主義国家」と定義したのではないか。

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国家エゴ丸出しの中共に屈するなかれ!

2010年09月20日 | 政局
 国内に問題を抱えている中共は、ナショナリズムを煽り立てることで、体制の危機を乗り切ろうとしている。そのとばっちりを食っているのが日本ではなかろうか。いくら平和惚けしていても、中共から聞こえてくる恫喝には、日本人の多くが驚いたはずだ。軍関係者の口から、軍事行動をほのめかす発言があったり、沖縄は中共領だとする論文が発表されたりで、とんだことになっているからだ。しかし、よくよく考えてみると、それらはいずれも、民主党政権が誕生してからのことなのである。それまでは、中共とておとなしく振舞っていたのだ。東アジア共同体とかを民主党が言い出すようになってから、それに乗ずるようにして、強面になってきたのである。何のことはない、鳩山由紀夫前首相や菅直人首相を舐めてかかっているのである。また、中共を喜ばせるようなメッセージを発したことも、影響したに違いない。先の総選挙においては「沖縄の海兵隊を最悪でも県外に移転させます」と民主党は公言したからだ。それらがあったからこそ、今回の事態を招いたのである。中共が国家としてのエゴを丸出しにしているのに、日本は国家を否定するかのような言動が横行しているわけだから、これでは勝負にならない。今日本が問われているのは、国家として、中共に毅然として向き合えるかどうかなのである。コスモポリタンが多い民主党政権には期待する方が無理だろうが。

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