民主党代表選で小沢一郎を支持する人たちは、何かすると故江藤淳を引き合いに出す。江藤と小沢との個人的な付き合いがあったことは確かだが、江藤は民主党に対しては、結成当初からはなはだ懐疑的であった。さきがけを離党して、民主党を立ち上げた鳩山由紀夫の不甲斐なさについても、「鳩山家四代の禍根」(「諸君!」1996年11月号)で触れており、早い段階から批判していた。優柔不断が講じて、サヨクの菅直人にしてやられることを危惧していたのだった。「世才のないソフトクリームが溶けて、鳩山家の名望と石橋家の富を食い荒らされ、結局は菅カイワレ大臣に名をなさしめることになるのではないでしょうか」とも書いていた。江藤からすれば、鳩山が甘ちゃんであることを見抜いていたのである。戦後民主主義を過信し、自虐史観に縛られていることに違和感を感じていたからだ。鳩山が日本の政治をメチャクチャにし、菅に最高権力者の座を渡したのだから、能無しであったことは確かである。そして、「21世紀の日本人は民族の歴史を忘却し国家に誇りを持ち得ず、ついには亡国の憂目を見るのではないでしょうか」とも予言していたのである。江藤のエピゴーネンでありながら、今なお民主党に肩入れしている人たちは、その江藤の言葉をどう理解するのだろうか。
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