2020/1/30放送
世の光の時間です。いかがお過ごしでしょうか。大嶋重徳です。
ルカの福音書を読み始めました。ルカは誰かの傍らに立つ人でした。そのルカが人生をかけて傍らに立ち続けていた人、それはパウロ牧師でした。
パウロ牧師を捨てた人にデマスという名前の人が出てきます。「デマスは今の世を愛し、私を捨てた」とパウロ牧師は語ります。デマスは世を愛したのです。
「世を愛する」とは一体何でしょうか。神様のことよりも大切になることができたのです。信仰を捨てることがあります。デマスは教会を離れ、教会を捨てました。パウロ牧師との関係を捨てたのです。どれほどの悲しみとどれほどの衝撃がパウロ牧師にあったでしょうか。この時ルカはパウロ牧師の深い傷を思ったでしょう。
こういうとき自分を責めます。ああ自分のあの発言がそうさせたのかなあ。自分の至らないあの行動があの人を傷つけたのかなあ。理由は決してそうでなかったとしても、その事を知っておくことができなかった自分を責めます。
しかしルカはパウロの傍らに立ち、パウロのために祈ったのです。この悲しみはイエス様の悲しみでもあります。ルカはイエス様の悲しみの傍らに立っていたのです。ルカは決して有名な人ではありませんでした。しかしイエス様が最も喜ばれるのは、「ルカだけは一緒にいる」というようなイエス様のそばにいてくれる信仰者です。
私もいつの日か、イエス様から「大島だけはわたしのそばにいる」と言われたいです。信仰者にとって最大の幸福は死ぬまで信仰を続けることだと学生時代に聞いたことがあります。その時はピンと来ませんでしたが今はよくわかります。人生で偉大なことをするよりも、賞賛を浴びる人生を過ごすよりも、人生の最後までイエス様と一緒にいることをイエス様は喜んでくださるのです。イエス様が大きな手を広げて私たちの人生を迎えてくださるその胸に飛び込んでいくような、人生の終わりを生きる幸いをルカは今日、私たちに教えてくれているのです。
本来、教会とはもう私たちが一人で生きていかなくて良い場所です。教会は自分の傍らにいてくれる人があることを確認できる場所です。いつも傍らに誰かがいてくれる。傍らに立ってくださいイエス様がおられる場所です。そのイエス様のそばに私たちもまた傍らに立ちたい。世を愛するよりも豊かな人生があるのです。ぜひあなたにもその人生を選び取っていただきたいと思います。
( PBA制作「世の光」2020.1.30放送でのお話しより )
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