■起きよ、光を放て／福井 誠

2016/3/3放送

　世の光の時間です。いかがお過ごしでしょうか？　福井　誠です。今日のバイブル・メッセージは「起きよ、光を放て」です。それではイザヤ書60章1節から読んでみましょう。

　「起きよ。光を放て。あなたの光が来て、主の栄光があなたの上に輝いているからだ。」

　イザヤはエルサレムが再建されることを預言していますねえ。一度戦争で敗れ、滅びた国が再建される、それは神が救い出されるからだ、神が助けを与えるからだ、と言います。イザヤは神は、戦争に敗れ、国を失い、立ち上がる力のない人のもとへ降りてきて自ら救い出される、と言うのです。ですから今日お読みしたように、「起きよ。光を放て。あなたの光が来て、主の栄光があなたの上に輝いているからだ。」と続くのですね。

　注意しましょう。イザヤは「自分の力で光を放ちなさい」とは言っていません。「あなたの光が来て、主の栄光があなたの上に輝くので、その光を反射するように光を放て」と言うのです。全て立ち上がらせるのも神様、栄光の光を輝かせるのも神様です。聖書の神様は不思議なお方ですねえ。イスラエルはその昔、神の前に驕(おご)り高ぶり、神を捨て去り、自ら滅びに突き進んだのでした。イスラエルは神様を見捨てて、自分勝手に打ち破れていったのに、これを立て直すという神様は随分奇特な方だと思いませんか？

　しかし神様というのは私たちの考えを越えた方、私たちの思いを超えて私たちを深く愛し私たちに向かい合ってくださるお方です。その神様が言います。「目を上げて辺りを見よ」と。破れ疲れ切っているあなたが、自分で何もかも立て直そうとしなくても良い。見てご覧。まわりが動いてあなたの絶望的な状況を変えてくださる、と言うのです。

　そのようにして戦争に敗れ、捨て去られた後、エルサレムは再び再興され、世界中から巡礼の人々が集まる所とされる、と。やがて南からも北からも東からも西からも、世界四方から人々が集まって来ると言うのですね。それはただ神様の建て直そうとする熱心さのゆえであるというのです。

　皆さんは神様をどう思い描いていましたか？　悪いことをすれば罰し、良いことをすれば誉めてくださる。確かにそういう面もあるかもしれませんね。しかし人が知るべきことは、悪いことをしても悔い改めるならば全力を尽くして立て直してくださる神様がおられるということです。この神様に期待をもってどんな人生も乗り越えていきたいものですね。

(PBA制作「世の光」2016.3.3放送でのお話より )

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