語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【派遣】ハローワークは使えるか? ~中高年派遣社員物語4~

2017年02月06日 | ノンフィクション
 (1)筆者(森川氏)は、ハローワークにたびたび通った。
 中高年に役立つかどうか、検証してみたい。

 (2)問題点は、
  (a)営業時間。中高年の場合、どうしても土日、あるいは仕事が終わってから行くことになる。18時以降もやっているところや、土日も相談に応じてくれるところは少ない。
  (b)筆者(森川氏)のような調査研究等のコンサルタント系は登録職種にない。いつも仕事を探すのに苦労する。職種の登録方法を見なおし、求人情報検索の機能を高めてもらいたい。

 (3)最近、ハローワークでも遠方の派遣会社に登録に行ったら、社長に、「求人票に年齢不問とあるが、実は求人企業は若い女性を希望している。この仕事は若い女性には無理だと企業によく言い聞かせる」と言われた。面接後、電話が来て、「やはり求人企業は若い女性を希望している」と言われ、就職できなかったことがある。交通費と半日の手間賃を支払ってほしい、と憤慨したものだ。
 普通、ハローワークからの紹介で面接に行けば、大方、希望がかなう。しかし、派遣会社が仲介するようになると、派遣会社の面接と、(職場訪問という名目で)求人会社の面接があり、二度の手間と交通費がかかる。求職者から見ると、一度の手間ですむハローワークよりかなり厄介だ。

 (4)実際のところ、ハローワークの求人票にある「年齢不問」や「経験不問」は信用できない。
 年齢・経験に関係なく応募してみると、まったく相手にされていないことに気づく。経験者優遇とか、中高年者が活躍している職場であるとか、女性の多い職場であるとか、求人票に書き入れることができないものか。
 せめて、ハローワークの職員には求人企業の正直な希望がわかる仕組みを作ってほしい。求職者は中高年であることを電話などで伝えて、問題ないかどうかを確認してほしい。伝えていない職員を時々見かける。

 (5)履歴書、職務経歴書、自己PRを書き、さらに交通費を使ってハローワークまで紹介状をもらいに行き、封筒に92円の切手を貼って、それらを送付するという手間を想像してほしい。中高年の雇用を考えていないならば、はじめからそれと分かる仕組みを作るべきだ。
 しかも、面接が決まるまで、書類送付後2週間以上は必要で、今のインターネット事情に合わない。ハローワークが求人企業に電話するような、民間なみの職業紹介ができないか。
 せめて、ハローワークの紹介状がないと応募できない仕組みは見直す必要がある。ハローワークに登録する際、必ず職員との面談があるのだから、その段階で経歴や自己PR、どんな話し方をしているかをチェックして、ハローワークでも紹介できると見極めたら、原則、紹介状をメールで送付できないか。ぜひ検討してもらいたい。

□森川海守「ハローワークは使えるか? ~中高年派遣社員物語4~」(「週刊金曜日」2017年2月3日号)
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 【参考】
【派遣】転職・就職サイトに登録しまくる ~中高年派遣社員物語3~
【派遣】FXでの損が運の尽き ~中高年派遣社員物語2~
【派遣】余はいかにして派遣社員となりしか ~中高年派遣社員物語1~



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