国家の第一は民主主義である。美しさとか品格はまやかしの国家論である。新聞に掲載されている論文を中心に批判する。
品格より民主そして自由
野田首相批判の我部琉大教授批判
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我部琉球大学沖縄国際研究所長は沖縄に米軍が駐留していなかった場合をシュミレーションしたことがあるだろうか。
もし、米軍が沖縄に駐留していなかった場合はウィグル地区やチベットのように中国の人民解放軍に沖縄は武力制圧されていただろう。中国に支配された沖縄とアメリカ軍が駐留した沖縄を比べると、アメリカ軍が駐留してきた沖縄のほうがずっといいことがわかる。
チベットは民主化を求めて若い僧や僧侶が痛ましい焼身自殺をしている。ウィグル地区ではテロで差別に反抗している。沖縄では民主化を求めた焼身自殺はない。テロもない。戦前までつづいていたソテツ地獄(飢饉のために毒性の強いソテツを食べた)も戦後60年以上ない。
世界一の経済国であり、民主主義国家アメリカの軍隊が駐留したから沖縄の経済はよくなり、政治も民主主義政治になった。もし、戦後沖縄が独立国になっていたらどうなっていただろう。戦前の沖縄の思想は武士支配思想、軍国主義、共産主義はあったがが民主主義思想はなかった。もし、沖縄が独立していたら独裁政治国家になっていただろ。独立国沖縄には外国の経済援助がなかったはずだから琉球王朝時代から戦前まで続いていた飢饉によるソテツ地獄を繰り返していただろう。
アメリカ軍が駐留していなかったら沖縄は中国に支配されていたか、ソテツ地獄の貧しい沖縄になっていたはずである。
沖縄が民主主義社会になったのも140万人もの人間が住めるようになったのも米軍の駐留が強く影響している。だから米軍さまさまといっているのではない。評価するべきことは評価したうえで批判をするべきであるといいたいし、今後の沖縄経済を考えると、基地経済からの脱出は簡単ではないことを覚悟するべきであるといいたいのだ。
自衛隊員は全国で230000人である。在日米軍人は全国で44000人である。米軍より圧倒的に自衛隊が多い。「沖縄に来て、日本の安全のために沖縄の人々に米軍基地を今後も引き受けてもらわねばならない」と野田首相に皮肉を言い、まるで米軍が日本防衛をやるように我部氏は述べているが、23万人の自衛隊と4、4万人の米軍ではどっちが日本を防衛することができるか明白だ。たった4.4万人の米軍が自衛隊より防衛能力が優れているはずがない。防衛の役目は自衛隊だ。米軍ではない。
「日本政府は、米国の戦略とは関係なく、沖縄に米軍基地が存続することを当然視し、そのことが沖縄を除く日本の利益だと考えてきた」と我部氏は分析する。我部氏の分析は日本政府の政治家や官僚が裏でアメリカと日本の国益のために激しい交渉をしてきたことを軽視している。
沖縄に関する特別行動委員会(SACO)は、1996年に嘉手納飛行場以南の米軍基地の返還、在沖海兵隊8000人のグアム移動、普天間飛行場の辺野古移設を発表した。在沖米軍は22000である。そのうちの8000人を移動するということは半分近くの海兵隊が沖縄から減るということである。基地も海兵隊も激減させる案であり、アメリカ側は強く反対したが橋本首相の強い要求が働いて実現したはずである。
16年前のSACOの発表を見ても、「沖縄の基地を固定化するための論理として」うんぬんというのだからあきれる。日本政府もアメリカも沖縄に基地を固定化することは考えてはいない。中国、北朝鮮の脅威を抑止する必要がなければアメリカ軍は沖縄から撤退する。なぜ、我部氏はアメリカ軍が沖縄に駐留している理由を正確に理解しようとしないのだ。学者は政治屋のような嘘をつく必要はない。学者は客観的な事実を積み重ねて論理的に解明する存在であるべきだ。沖縄に住んでいる国際政治学者なら日本やアメリカだけでなく、中国や北朝鮮やアジアの国々の政治状況を真摯に分析するべきだ。その上でアメリカ軍がアジアでどんな役割をしているか、そして、アメリカ軍の中で沖縄のアメリカ軍はどんな役を果たしているのかを明確にし、沖縄の人々に伝えるのが沖縄に住んでいる学者の役目ではないか。野田首相へのケチツケの理論なんてつまらない。
ケチツケの理論の果てにたどりついたのが「多数者に対抗する少数者には哲学が不可欠だ」の発言となった。哲学が不可欠だといったからといったちころですばらしい哲学が生まれるものではない。我部氏が望む哲学は我部氏のの染む哲学であり、他の人が望む哲学ではない。我部氏の望む哲学は我部氏が生み出すのであり、他人が生み出すものではない。理想な哲学が生まれてくるまでいかに生き延びていくのかという発想は苦笑するしかない。理想な哲学を期待するより、自分自身の哲学を半歩でも前進させることが大事だ。
現代沖縄の課題は理想の哲学が生まれるのを待つのではなく、沖縄・日本・アメリカ・アジアの国々の事実を正確に把握したうえでこれからの沖縄を考えることだ。
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首相・知事会談・・・佐藤沖国大教授批判
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仲井真知事は、「日本の中のどこかの地域に探してもらった方が早いので『県外』を目標にしている」と野田首相に話している。しかし、仲井真知事は野田首相に「県外移設」を要求しているのではない。仲井真知事は「私はこの通り、野田首相に県外移設を要求していますよ」と県民にアピールしているのだ。
仲井真知事は辺野古移設の推進派だった。しかし、去年の県知事選で辺野古移設を公約にしたら落選する恐れがあったので、県知事選の幹事長だった翁長那覇市長の忠告で仲井真知事は辺野古移設をひっこめて「県外移設」を公約にしたのだ。「県外移設」は当選するための公約であり仲井真知事の本心ではなかった。2007年には滑走路を沖の方に5メートル以上移動させないと埋め立てを許可しないと政府に要求したのは仲井真知事だった。仲井真知事は海の埋め立てを広げた人間でもある。
仲井真知事の本音は「辺野古移設」である。「県外移設」を口にしながら内心は辺野古移設を実現するために色々考えているのだろう。
野田首相と仲井真知事は前日の夜に1時間食事をしている。前日の食事談話のほうが本格的な対談であり、昨日は県民向けの儀式的な対談であっただろう。
佐藤学沖縄国際大学教授(政治学)は、「さまざまな案を検証」した結果辺野古移設に戻ったことを「さまざまな案」には内実がなかったといい、政府が県外移設を真剣に模索しなかったから実現しなかったと暗に述べている。ほとんどの沖縄の知識人は佐藤氏のように政府が真剣に県外移設に取り組まなかったから「県外移設」を実現できなかったと主張している。
しかし、沖縄の知識人や政治家は政府を一方的に避難するだけで、自分たちで「県外移設」の可能な場所を指摘したことは一度もない。鳩山元首相の時代に「県外移設」の候補地が色々上がったが、普天間飛行場の移設場所としての条件が満たされていなかったり、住民の猛反発などで移設場所を見つけることはできなかった。
普天間飛行場の「県外移設」が非常に困難であることを知ったのが鳩山元首相の時だった。もし、沖縄の知識人や政治家が真剣に「県外移設」を求めるのなら、鳩山元首相の時に候補地に上がった場所以外を探すべきだ。しかし、一人も探そうとしない。政府を非難するだけである。非難するのは口があればだれでも簡単にできる。真剣に「県外移設」をしたいのなら移設場所を探すはずである。
佐藤氏は日本政府が「米国に対して、一度も『県外・国外』を実現すべく交渉しなかった」ことを批判しているが、辺野古移設は日米両政府が話し合って決めたことであるのにどうして日本政府が辺野古移設案をゼロに戻して「県外・国外」を米国と交渉しなくてはならないのか。そもそもは民主党政権の前の自民党政府の時に県も名護市も辺野古移設に賛成していていたのだ。あとは工事を始めるだけであったのに、鳩山元首相が「県外移設」を主張して、米国と約束していた辺野古移設を反古にした。
国と国の約束を鳩山元首相は破ったのだ。佐藤氏が政治学者であるなら、国のトップの人間が国際条約を破ることがいかに愚かであることを知っているはずだ。こんなことをやれば日本の国際的な信用を失墜する。鳩山元首相はやってはいけないことをやったのだ。
まあ、佐藤氏が学者である前にウチナーンチュであり政治屋であるなら鳩山元首相の「県外移設」を歓迎しただろう。
佐藤氏は、「在沖海兵隊抑止論への具体的批判が数多く出た今、なおも、事務方が用意した『抑止力』論を強調する点に、不誠実さが如実に表れている」と野田首相を批判している。首相は細かいところまですべてを頭の中にいれているのではない。在沖海兵隊の抑止論は高度で複雑な軍事論であり首相が専門的な見識まで持つのは無理だ。国家は首相、大臣、副大臣、実務員などそれぞれの仕事を分担して成り立っている。細かい問題は事務方が用意するのは当然だ。
沖縄の海兵隊は韓国からフィリピン、カンボジア、タイなど中国の周辺国の軍隊と演習や訓練をやって周辺国の軍事力を高めて、周辺国との連携で中国への抑止しようという米軍の作戦を展開している。グアムには周辺国を招いて規模の大きい軍事演習を行っている。日本には自衛隊の設備があるのになぜグアムでやるのかと言えば日本でやれば社会問題化するからだという。
アジアでの海兵隊のローテーションは沖縄を中心にやって、グアムでは大掛かりの演習をするというのがアメリカ軍の計画である。すでにグアムでは自衛隊やオーストラリアなどの軍隊が海兵隊の指導で演習を実行している。
佐藤氏は「米側の大きな状況の変化に目をつぶり続け」と野田首相を非難しているが、米側はアジアの状況を分析し、中国への抑止として最良と思われる作戦を立てたのであり、「目をつぶり」というのならアメリカの作戦の欠点を示して、「目をつぶったことは日本に不利益をもたらした」ことを証明するべきだ。アメリカの作戦変更に口出しをしなかったからといって非難するのはおかしい。
佐藤氏「ひたすら辺野古を差出すれば」と述べているが、鳩山元首相は真剣に「県外移設」を目指した。しかし、移設場所を探すことができなかった。「県外移設」の実現は不可能であるという厳しい現実を鳩山元首相の時に思い知らされたのであり、以後の菅首相や野田首相はそのことを痛感し、辺野古移設しかないと考えるようになった。
沖縄の知識人や政治家は鳩山元首相が辺野古移設に戻ったことを「約束を破った」と非難するだけで、鳩山元首相の努力を無碍にし、「県外移設」の厳しさを理解しなかった。
辺野古移設しかないと考えている政府は佐藤氏のいう通り強引に辺野古移設を進めていくだろう。
佐藤氏は、「日本政府は、自ら変わる意思を放棄した」と民主党を批判しているが、それば逆だ。「日本政府は、変わることができなかった」だ。国内問題は民主党自身に問題があるが、辺野古に関係するのはアメリカ、中国、北朝鮮、フィリピン、台湾、ベトナムなどアジアの国々の政治・軍事が複雑に絡んだ問題であり、自民党から民主党になったところで簡単に変われるものではない。変われると思う方が浅はかな考えである。
中国と北朝鮮が社会主義である限り、アジアの国々は中国や北朝鮮の圧力を跳ね返す軍事力を持つ必要がある。アメリカ軍の存在は中国の抑止に大きい影響を与えている。沖縄が日本返還されてアメリカから日本に管理が移ると、中国は尖閣諸島の領海を荒らした。フィリピンもアメリカ軍が徹底すると領海を中国に取られた。
佐藤氏はアジアに背を向けたまま日本政府とアメリカ政府を見て、普天間飛行場の移設を問題にしている。佐藤氏は背中に矢を刺されてからアジアを振り向くタイプだ。それでは遅すぎる。
沖縄の海兵隊は、周辺国と中国が紛争も起こさないために、周辺国と軍事演習をしたり訓練をして軍事力を高めている。
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つつましい三つの幸せ冬の夜・1172句~1173句
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大阪市・市バス運転手年収38%減提示へ
大阪市交通局は、市バス運転手の年収(平均739万円)を38%減の約460万円、地下鉄運転士の年収(同734万円)を5%減の約700万円とする給与カット案をまとめた。
「民間並みに合わせる」との橋下徹市長の方針を受け、民営交通の平均水準まで引き下げる。
4月の給与改定を目指しているが、異例の大幅カットに組合側の反発は必至で、段階的に削減する案も浮上している。
交通局によると、市バス運転手(約700人)の平均年収は、在阪大手5社の544万円より36%高い。しかし、市バス事業は28年連続の赤字決算で、累積赤字は2010年度で604億円に上っている。
同局は、在阪大手5社だけでなく、中小も合わせた民営バス運転手、鉄道運転士の平均を算出。それぞれ約460万円、約700万円とはじき出した。
給与改定には、労使交渉で協約を見直す必要がある。同局は、近く橋下市長に給与カット案を提示する方針で、実現すれば、年20億円以上の人件費減になるという。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
38%カットか。すごいカットだ。バス運転手たちはパニック状態かもしれない。運転手側の反発はものすごいだろうな。しかし、民間より38%も高級だったことは問題だ。38%は確実に削減するべきだ。運転手が納得するように2,3年をかけてやらざるをえないかもな。
橋下市長の政治改革は本物だ。
教育行政基本条例は公明党との連携で大阪市議会でも成立しそうだ。大阪の改革は着実に進んでいる。
「民間並みに合わせる」との橋下徹市長の方針を受け、民営交通の平均水準まで引き下げる。
4月の給与改定を目指しているが、異例の大幅カットに組合側の反発は必至で、段階的に削減する案も浮上している。
交通局によると、市バス運転手(約700人)の平均年収は、在阪大手5社の544万円より36%高い。しかし、市バス事業は28年連続の赤字決算で、累積赤字は2010年度で604億円に上っている。
同局は、在阪大手5社だけでなく、中小も合わせた民営バス運転手、鉄道運転士の平均を算出。それぞれ約460万円、約700万円とはじき出した。
給与改定には、労使交渉で協約を見直す必要がある。同局は、近く橋下市長に給与カット案を提示する方針で、実現すれば、年20億円以上の人件費減になるという。
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38%カットか。すごいカットだ。バス運転手たちはパニック状態かもしれない。運転手側の反発はものすごいだろうな。しかし、民間より38%も高級だったことは問題だ。38%は確実に削減するべきだ。運転手が納得するように2,3年をかけてやらざるをえないかもな。
橋下市長の政治改革は本物だ。
教育行政基本条例は公明党との連携で大阪市議会でも成立しそうだ。大阪の改革は着実に進んでいる。
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太田元県知事批判・辺野古の現実を知ってくれ
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太田昌秀氏は元琉大学長であり元沖縄県知事である。太田氏は沖縄の最高の知識人にして最高の政治家である。太田氏は沖縄の人々に尊敬され、太田氏の発言は多くの沖縄の人々に影響を与える。であれば太田氏は客観的な事実に踏まえて考慮し、自分の発言は責任を持って発言しなければならない。
しかし、残念ながら太田氏は妄想癖があり、現実を無視したとんでもない理論を展開し、超楽観的な将来を描く。「こんな沖縄に誰がした」という太田氏の本を読んでたまげた。こんな荒唐無稽なことをべらべらとよくも書けるものだとあきれた。しかし、内容が沖縄の軍事基地と経済のことであり、太田氏の理論が現在の県事務局に影響を与えているのであれば、あきれただけでは済まされない。
太田氏は「こんな沖縄に誰がした」で、ハンビー飛行場が返還され民間に利用されたら、雇用が100人から数千人以上になり、固体資産税が357万円から1億9507万円にも増えた事実を参考にして、だから軍用地が返還したら何十倍も経済が発展すると述べている。普天間飛行場はハンビーよりも11倍広いからハンビーの11倍もの経済効果があると述べている。
太田氏は、嘉手納飛行場は成田飛行場の2倍の大きさだが雇用されているのは成田飛行場が4万人以上であるのに嘉手納飛行場は2734人しか雇用されていない。もし嘉手納飛行場が民間空港になったら成田飛行場の二倍の雇用が見込まれると「こんな沖縄に誰がした」で断言している。雇用は飛行機の利用客数に左右される。利用客数が多ければ雇用は増えるし、利用客が少なければ雇用減る。太田氏は飛行場が大きければ大きいほど利用客も多いと考えているが、利用客は飛行場の大きさに比例しない。むしろ利用客が多ければ滑走路を増やし飛行場を広くし、利用客が少なければ飛行場は小さくする。これが普通の考えだ。
嘉手納飛行場が民間空港になると、同じ沖縄にある那覇飛行場の客が嘉手納飛行場に流れるのは当然である。ところが太田氏の考えにはそれがない。太田氏の考えは、那覇飛行場の利用客は一人も減らないで、嘉手納飛行場の利用客が成田空港の利用客の2倍になる考えである。こんなことはありえないことだ。嘉手納飛行場が民間空港になったら那覇飛行場の客は確実に激減するだろう。
成田空港は日本の玄関とも呼ばれる国際空港である。成田空港と沖縄にある空港とは広さは関係なく成田空港の客が多いのは当然である。ところが太田氏は飛行場が広ければ客も多いという理屈であり、嘉手納飛行場のほうが広いから客は成田空港以上だという。そんなことはありえない話だ。嘉手納飛行場が成田空港の二倍の広さがあるからといって客も二倍になるなんて荒唐無稽の理屈だ。誰も太田氏の理屈に納得しないだろう。
ところが太田氏の理屈は県事務局に受け継がれていた。太田氏の理屈を踏襲した県事務局は那覇新都心の経済成長を参考にして、沖縄の全軍用地がすべて返還されたら現在よりも9000億円以上の経済効果あるという試算を去年発表した。那覇新都心もハンビータウンと同じ消費経済である。那覇新都心の店が売り上げた分だけ県内の別の店の売り上げが落ちただけだ。那覇新都心経済は県内でお金が移動する経済であり、県全体から見たら0成長である。
しかし、基地経済は違う。お金が日米政府から沖縄県にお金が入ってくる。約4000億円であり、観光の売り上げ4300億円に近い。基地が返還されたら沖縄県に約4000億円の金が入らなくなり、一兆円余の商品移輸入のうち4000億円分商品の移輸入が減るということになる。約4割の商品が県内に入ってこないから沖縄の経済はパニックになる。
基地返還をしても沖縄の経済が現状維持を実現するには観光産業や沖縄のベンチャー企業の売り上げが4000億円増えなければならない。企業の成長に必死に取り組まなければ沖縄経済は危うくなる。
沖縄の経済を発展させる理論が太田氏にはない。
インタビューの中にも太田氏らしい楽観論がある。「大浦湾が地域住民にとってどんなに大事な所か知らないだろう。戦中戦後の食糧難の時代に生活を支えた豊かな漁場であり、沖縄県が『一切の開発を認めない、現状のまま保全すべき場所』にした。さらに沖縄の経済を支える観光にとってエコツーリズムのメッカになる自然のきれいな場所だ」
半世紀前に、沖縄中が米軍の強制土地収用に反抗し闘っているさなかに辺野古は土地収用に賛成した。これには沖縄中を驚かせ怒らせたが、それは辺野古が悩みぬいた結果の苦渋の選択たった。「どうせ接収されるなら、接収を受け入れて、逆に自分たちの要求を聞き入れてもらう」という条件闘争を辺野古はやったのだ。米軍と対立するのではなく協力しあうという辺野古独自の方法を選択した。
その後、基地建設で辺野古は空前の活況を呈することになる。辺野古の人口も4倍になった。辺野古の人々は女子供を守るために自警団を結成する一方、米軍とは親善委員会をつくって村の行事に米軍も参加させて米軍と有効関係を築いた。犯罪防止についても米軍と相談をした。それが辺野古のやり方だ。
しかし、基地は整理縮小し、アメリカ兵が激減した。辺野古の経済はアメリカ兵の減少につれて落ちていき、今は過疎化の危機が襲ってきている。
太田氏は辺野古の人々の苦渋の選択を知らない。辺野古の戦後の歴史を知らない。それに沖縄の自然が生活を豊かにしてくれない事実を理解していない。沖縄は海岸が自然に恵まれていても、海岸の恵みはお金に換算するとわずかであり生活を維持することができない。沖縄の漁はパヤオ漁によって生活を支えている。「戦中戦後の食糧難の時代に生活を支えた豊かな漁場」と太田氏はいうが戦中戦後から半世紀も過ぎた今は昔の漁では生活できない。
「一切の開発を認めない」のならなおさら漁師を貧しくさせるだけだ。海の一部は鉄条網で閉ざされ基地になっている。基地が隣接している辺野古の海がエコツーリズムのメッカになるというのは妄想だ。それにエコツーリズムのメッカになったところで辺野古の住民の生活がよくなるわけではない。
太田氏の理屈は辺野古を過疎にしていく理屈である。
辺野古の住民は過疎化を防ぐ方法として普天間飛行場の受け入れを認めている(全員ではない。移設に反対している住民もいる)。
太田氏は県知事であったにも関わらず、過疎化に苦しんでいる県民のことを知ろうとしない。太田氏は県知事であったにも関わらず、辺野古の人たちが普天間飛行場の移設を受け入れるという苦渋の選択を無視している。太田氏は県知事であったにも関わらず、辺野古の人々の悩みに見向きもしない。
「新聞などの投書で沖縄の基地問題を称して『差別』という言葉が増えたのは戦後ないこと。基地の過重負担は差別から発していることに県民は気付き、怒りを感じている」などと、『差別』の理論が反戦平和主義による米軍基地撤去から、反差別主義による本土への基地移設と変わり、米軍の日本駐留を認める思想に変わったことも知らないで、「首相が県民感情を軽く見たら、安保そのものが危うく」なると呑気なことをいう。太田氏は「構造的差別」だなどという言葉の流行に流されてもっともらしいことをいう。呑気なお人だ。
太田氏のいう通り沖縄は人間の住む島だ。人間はかすみを食って生きていくことはできない。太田氏は21世紀ビジョンなどと上だけを見て妄想しないで、沖縄の底辺の生活者に目を向けてほしいものだ。
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夕日なく冷えて暮れゆく雲寂し・1170句~1171句
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新報社説批判・大阪府教育条例は拙速ではない
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毎日社説を書かないといけないから、できるだけ多くの情報を分け隔てなく集めて、その日その日でまとまった評論を書かないといけないから、社説を書く人の知識は広く浅くなってしまうのは仕方がないのかも知れない。紋切型の文句を使うのも仕方がないのかもむしれない。
今日の新報社説は大阪府条例が議会に提出されたことについて「拙速避けて徹底討論を」の見出しで、「あまりに急すぎる。丁寧な議論を欠いたスピード優先の変革だ」と述べている。拙速に見えるのは社説の筆者が大阪府知事時代の橋下氏に関心がなかったせいだろう。橋下氏が大阪市長選で自民党、民主党、共産党の結束を跳ね返して当選してから俄然マスコミに注目された。そのあたりから新報社説も橋下市長に興味を持ったのだろう。だから、「拙速避けて徹底討論を」と忠告するのだ。
橋下氏の教育改革は大阪府知事になってからすぐに始まっている。府の教育委員は全員入れ替えて今は全員橋下市長が招聘した人たちであり、教育に情熱のある人たちである。橋下市長が府知事の時には彼らと何百時間も討論をした。大阪府教育条例については橋下氏と教育委員は激しい討論を何度もやっている。教育委員たちは大阪府教育条例を議会に提出するなら全員教育委員を辞職するとまでいって橋下氏と激しく対立した。橋下市長は維新の会の教育条例案に反対なら対案を出すように教育委員たちに要求したこともあった。教育条例案を提出しないように泣いて訴えた教育委員もいた。
辞職すると宣言した教育委員たちは辞職宣言を撤回し、最後まで橋下市長、維新の会と闘うことを宣言した。そして、教育委員たちは妥協できるところは妥協し主張すべきところは主張した。最初の教育条例案では、知事が教育の方針を決めるであったが、教育委員からの提案で、知事と教育委員が協議して決めることに訂正した。
知事が教育委員と真剣に徹底討論したのは日本の歴史上はじめてだろう。残念ながら新報社説はこの事実を知らないようだ。だから、「拙速を避けて徹底討論を」などという見出しを出すのだ。
社説は「現場とも徹底的な対話、議論を繰り返して」などと書いているが、橋下市長は知事時代から徹底的な議論をやっている。
その現場のビデオの発言を書き写した。
橋下知事が教育について保700人府民との討論会を開いた。討論会には教職員が乗り込んで激しいヤジを飛ばし、橋下知事非難の発言もした。橋下知事は教師を真っ向から批判した。
橋下知事の教育への情熱を知ることができる。教師たちが府民から浮いているのも明らかである。
橋下府知事の発言。
「学校の先生は府民から選ばれたわけでもなんでもない。僕は失敗した責任をとらなければならない。学校の先生は責任を取らない。一生身分保障がある公務員の生活の中でぬくぬくとやっていけるわけですよ。どこの会社で社長の方針に従わない部下がいますか。それならクビでしょう。
大阪の子供たち、夢や希望を持っていない子供たちの率がものすごく高い。
(会場から、教師にも意見を言わせてくださいよとヤジが飛ぶ)。
まず保護者の方に意見をきいているから、まずは(教師は)黙りなさい。聞こえないじゃないですか(大拍手)。
家庭のみなさんがコントロールしてください。よろしくお願いします。
ヤジが激しく飛ぶ。
橋下知事
「大阪の教育現場の本質を見てください。皆さんが学校の運営に入ってください。
9割は一生懸命になっている先生がいる。みんな疲れきっている。だから地域・家庭で学校の先生を支えて学校の運営の中に入ってください。そして、1割のどうしようもない先生を排除してください。
日教組の小学校の教師の発言
「私は日教組の組合員ですが、中山氏の発言は絶対に許せません。
(橋下府知事は2008年の中山大臣の「日教組は教育のガン」「子供の教育よりは政治活動に力をいれている」発言に賛同した)。
さすがに中山氏は全国民から非難され、大臣を辞任しましたが、橋下知事だけがこの発言は「なかなか本質をついている」と擁護しました。ちょっと汚い言葉ですがくそ教育委員会とか(学力テスト)非公表の地域に予算を下ろさないなどと橋下知事の暴言こそルール違反、マナー違反ではありませんか」
橋下府知事の発言
「僕が考えている学力というのは子供たちがちゃんと社会に出て壁にぶつかった時に自分の頭で考えて、その壁を乗り越えられる能力。これが絶対に必要なんです。そのためには子供たちに分かる・できる自分は分かるんだ。自分はできるんだということを繰り返し繰り返し積み重ねをして、子供たちにその体験をさせることがどうしても必要なんです。子供たちが途中で自分は分からない自分ができないとなった途端に自分の将来に夢や希望は持てなくなります。大阪の子供たち、夢や希望を持っていない子供たちの率がものすごく高いんです。
大阪のものすごく高い(教師のヤジが多い)。(教師集団に向かって)まず保護者の方に意見を聞いてるから黙りなさい。まず聞こえないじゃないですか(保護者大拍手)。まず黙って話を聞きなさい。いい大人なんだから。やっぱりちゃんとね、子供たちにはしんどいかもわからないけど、最初の基礎中の基礎の部分は絶対に積み重ねないといけない。
これが小学校4年5年、中学になって学校に行きたくなくなる。大阪の中学生、犯罪率一番高いんです。
学校に行きたくなくなる。ドロップアウトしてしまう。それは途中で自分はできないんだ。分からないんだということで自暴自棄になってしまう。
だから必ず子供たちに夢や希望を捨てさせないためにも僕は必ず学力から真正面に取り組んで今のこのような教育のね、こんな先生方、こういう状態にならないように子供たちをこんな先生に任せられないんですよ。僕は絶対に任せられない(大拍手)。
中山大臣の発言。あの発言こそまさにまさに正しいじゃないですか。この大阪の現状を見てくださいよ(大拍手が続く)。
学校現場をまず変えていかなければいけない。こんな先生方に子供を安心して預けるわけにはいかないんです。
だけれども、やっぱり子供が走り回って授業にならない。何か注意すれば保護者がワーワー叫んでくる。ちょっと叱って頭をごっつんしようものならやれ体罰だと叫んでくる。こんなことで赤の他人の先生が子供を教育なんかできるわけがありません。それはやっぱし叱るところは叱らなければしょうがないし、口で言って聞かなければ手を出さなきゃしょうがないんですよ。
あとはどこまでそれを許していくのか、どこまで教育を認めていくのかはそれは先生だけの判断に任せるわけにはいきませんから。それは家庭なり地域なりがきちんとコンセンサスを形成していくこれが第一なんです。
保護者の感想
きょう、うちの娘が来ています。これだけの大人が真剣に自分のことを考えていることをうれしく思っていると思います。
橋下府知事の感想
「(会場に)子供たちがいる中で政治的闘争を繰り広げる先生」とくくってもらえればいいと思う。
全く支持されているわけでもない。全く反対されているわけでもない。賛否両論あるのであれば自分が思った通りに勧めます。
橋下市長の教育への情熱に触れれば触れるほど、八重山教科書問題がとても馬鹿らしくなってくる。
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夜が明けて男で賑わう弁当屋・1168句~1169句
ヒジャイのアート俳句
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人権を無視したのは宜野湾市だ
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1972年、沖国大が開学当初の写真である。黙認耕作地が返還された普天間飛行場周辺は畑と原野だけであった。沖国大をつくった理由は返還されたばかりの普天間飛行場の周辺には住宅はなく、広い大学をつくるのに適していた。
普天間飛行場のそばに国際大学をつくったのであり、沖縄国際大学のそばに普天間飛行場をつくったのではない。沖縄国際大学の建設を許可したのは米軍ではなく宜野湾市である。
世界一危険な飛行場になった普天間飛行場は一日も早く移設するべきである。しかし、普天間飛行場の周囲に大学や小学校の公共施設や、スーパーや病院など商業施設や住宅をつくらせたのは宜野湾市であって米軍ではない。普天間飛行場を危険な飛行場にした責任は宜野湾市にあるのだ。
宜野湾市の責任を米軍に転嫁するのは厚顔無恥である。人権を無視したのは米軍ではなく宜野湾市である。
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