田原氏は橋下市長を高く評価している

田原総一朗です。

先月27日深夜、「朝まで生テレビ!」で
「激論!大阪市長“独裁”・橋下徹”は日本を救う?!」
を放送した。

「橋下さんが目指す大阪とは何か」
「大阪都構想にはどんな問題があるのか」
僕が疑問に思っていたこと、
みんなが知りたいことをテーマに、
橋下さんと7人の有識者で、
徹底的に激論してもらった。
「反橋下」の人たちに
鋭く切り込んでもらう、
それが番組の狙いだったのである。

しかし「反橋下」派は弱かった。
討論は橋下さんがはるかに優勢で、
「反橋下」派が橋下さんを
困惑させることはまったくなかった。


これまでも多くの文化人や学者が
橋下さんに論戦を挑んできた。
しかし、いずれも橋下さんが
楽勝という印象である。
なぜ、橋下さんに批判的な文化人や学者は
議論すると負けてしまうのか。

なによりも、日本のインテリは
まだ「左派」の影響が強い。
そしてインテリほど
選挙では野党に投票してきた。
以前なら社会党や共産党を応援してきた。
要するに体制が嫌いなのである。
「反体制」が正義だと
思っているのかもしれない。
メディアも同様である。
体制をウオッチして批判することが
ジャーナリズムだと思い込んできた。

ここまではよいだろう。
しかし問題なのは、批判だけで
終わってしまい、次がないのである。
だから討論で橋下さんが相手の批判を受けて
「では、あなたならどうしますか」
と問うと、対案が出てこない。
そこで討論が終わってしまうのである。

これは日本の政治と同じ構造である。
たとえば、民主党が消費税増税を
しようとすると、野党は反対する。
国の借金が1000兆円になり、
「これ以上増やしてよいのか」と問うと、
野党は「予算を削ればよい」と答える。
「福祉や医療などの予算を削ることになるが、
それでもよいのか」と言うと、
それにも反対する。
そして、与党から「では、どうするか」と
問われると対案が出てこない。

日本のインテリに共通する弱さだ、
と僕は思う。
「では、どうするのか」に対する答えを
用意していないのである。


僕は、長い間、権力者を批判すれば
新しいアイデアは出てくるものと
ばかり思っていた。
しかし現在の日本の権力者からは、
批判してもアイデアは出てこない。
しっかりとした体制というものが
なくなったからだと
最近になって気がついたのである。

そして、さらに権力者自身、
自分が日本を改革していくための
リーダーであるという意識が
希薄になっている。
だから、自分ならどうするといった
具体策がないのだろう。


日本のインテリの欠陥は、
いつまでも話し合いを重ね、
決断できないことだ。
ところが橋下さんは、
話し合いをしたうえで
決断して実行する。

この「決める政治」に対して、
日本のインテリたちは
危機感を抱いた。
そこで、橋下さんを「ファシズム」、
あるいはそれをもじって
「ハシズムだ」と批判している。
橋下さんとインテリの間に
ズレが生じているのである。

このようななかで橋下さんは、
「新しい権力をつくろう」
「新しい体制をつくろう」
ということを考えている。

さらに、橋下さんを中心にして
政界再編を図る動きが見られる。
石原慎太郎都知事と手を組む話もある。
大阪と東京が手を組めば
日本は変わるかもしれない。
橋下さんの「決める政治」が
日本をどう変えていくか。
僕は、これからも橋下さんに
どんどん突っ込んでいきたい。




学者や評論家は橋下批判の本を書いているのに橋下市長の政治姿勢、橋下市長がなにを目指しているのかを理解していなかった。橋下市長の発言の一部だけにこだわり、自分のこだわりから橋下氏長を批判していたが、橋元市長は相手の考えをきちんととらえていて、相手の主張を聞いた上で、相手の勘違いや矮小な発言を批判していった。6人のこだわり方はみんな違っていたが、橋下市長はそれぞれの主張に合わせて話し、しかもやり込めていた。

橋下市長は、「先に誰と組むか、誰とつるむのか、そんな話では国民はすぐに冷めてしまう」と内容のない数合わせの連帯はしないことをはっきりと発言している。橋下市長は維新の会が国へ進出するにあたりしっかりしたマニフェストをつくるのを最優先している。そして、維新の会のマニフェストと一致する政治家や党と組む。その姿勢が揺れることはない。

橋下市長が誰と組むかは大きな問題ではない。橋本市長が国の変革を実験できるマニフェストをつくれるかどうかだ。大阪の政治を改革するのと国の政治を改革するのとではスケールが大きく違う。国内問題だけでなく国際問題がある。巨大な官僚機構の改革は大阪の比ではない。自民党や民主党とは違う、国民が大歓迎できるようなマニフェストをつくれるかどうか気にかかる。

まだ大阪で実績はあげていない橋下市長や維新の会が国会で活躍するのは難しいと思う。国会解散を来年にしてほしい。民主党は解散総選挙すれば敗北するのは目に見えている。解散はないと思うがどうだろうか。
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