新報社説批判・大阪府教育条例は拙速ではない




 毎日社説を書かないといけないから、できるだけ多くの情報を分け隔てなく集めて、その日その日でまとまった評論を書かないといけないから、社説を書く人の知識は広く浅くなってしまうのは仕方がないのかも知れない。紋切型の文句を使うのも仕方がないのかもむしれない。

今日の新報社説は大阪府条例が議会に提出されたことについて「拙速避けて徹底討論を」の見出しで、「あまりに急すぎる。丁寧な議論を欠いたスピード優先の変革だ」と述べている。拙速に見えるのは社説の筆者が大阪府知事時代の橋下氏に関心がなかったせいだろう。橋下氏が大阪市長選で自民党、民主党、共産党の結束を跳ね返して当選してから俄然マスコミに注目された。そのあたりから新報社説も橋下市長に興味を持ったのだろう。だから、「拙速避けて徹底討論を」と忠告するのだ。

 橋下氏の教育改革は大阪府知事になってからすぐに始まっている。府の教育委員は全員入れ替えて今は全員橋下市長が招聘した人たちであり、教育に情熱のある人たちである。橋下市長が府知事の時には彼らと何百時間も討論をした。大阪府教育条例については橋下氏と教育委員は激しい討論を何度もやっている。教育委員たちは大阪府教育条例を議会に提出するなら全員教育委員を辞職するとまでいって橋下氏と激しく対立した。橋下市長は維新の会の教育条例案に反対なら対案を出すように教育委員たちに要求したこともあった。教育条例案を提出しないように泣いて訴えた教育委員もいた。

 辞職すると宣言した教育委員たちは辞職宣言を撤回し、最後まで橋下市長、維新の会と闘うことを宣言した。そして、教育委員たちは妥協できるところは妥協し主張すべきところは主張した。最初の教育条例案では、知事が教育の方針を決めるであったが、教育委員からの提案で、知事と教育委員が協議して決めることに訂正した。

 知事が教育委員と真剣に徹底討論したのは日本の歴史上はじめてだろう。残念ながら新報社説はこの事実を知らないようだ。だから、「拙速を避けて徹底討論を」などという見出しを出すのだ。

 社説は「現場とも徹底的な対話、議論を繰り返して」などと書いているが、橋下市長は知事時代から徹底的な議論をやっている。

 その現場のビデオの発言を書き写した。
 

 
橋下知事が教育について保700人府民との討論会を開いた。討論会には教職員が乗り込んで激しいヤジを飛ばし、橋下知事非難の発言もした。橋下知事は教師を真っ向から批判した。
橋下知事の教育への情熱を知ることができる。教師たちが府民から浮いているのも明らかである。

橋下府知事の発言。
「学校の先生は府民から選ばれたわけでもなんでもない。僕は失敗した責任をとらなければならない。学校の先生は責任を取らない。一生身分保障がある公務員の生活の中でぬくぬくとやっていけるわけですよ。どこの会社で社長の方針に従わない部下がいますか。それならクビでしょう。

大阪の子供たち、夢や希望を持っていない子供たちの率がものすごく高い。
(会場から、教師にも意見を言わせてくださいよとヤジが飛ぶ)。
まず保護者の方に意見をきいているから、まずは(教師は)黙りなさい。聞こえないじゃないですか(大拍手)。
家庭のみなさんがコントロールしてください。よろしくお願いします。

ヤジが激しく飛ぶ。
橋下知事
「大阪の教育現場の本質を見てください。皆さんが学校の運営に入ってください。
9割は一生懸命になっている先生がいる。みんな疲れきっている。だから地域・家庭で学校の先生を支えて学校の運営の中に入ってください。そして、1割のどうしようもない先生を排除してください。

日教組の小学校の教師の発言
「私は日教組の組合員ですが、中山氏の発言は絶対に許せません。
(橋下府知事は2008年の中山大臣の「日教組は教育のガン」「子供の教育よりは政治活動に力をいれている」発言に賛同した)。
さすがに中山氏は全国民から非難され、大臣を辞任しましたが、橋下知事だけがこの発言は「なかなか本質をついている」と擁護しました。ちょっと汚い言葉ですがくそ教育委員会とか(学力テスト)非公表の地域に予算を下ろさないなどと橋下知事の暴言こそルール違反、マナー違反ではありませんか」

橋下府知事の発言
「僕が考えている学力というのは子供たちがちゃんと社会に出て壁にぶつかった時に自分の頭で考えて、その壁を乗り越えられる能力。これが絶対に必要なんです。そのためには子供たちに分かる・できる自分は分かるんだ。自分はできるんだということを繰り返し繰り返し積み重ねをして、子供たちにその体験をさせることがどうしても必要なんです。子供たちが途中で自分は分からない自分ができないとなった途端に自分の将来に夢や希望は持てなくなります。大阪の子供たち、夢や希望を持っていない子供たちの率がものすごく高いんです。
大阪のものすごく高い(教師のヤジが多い)。(教師集団に向かって)まず保護者の方に意見を聞いてるから黙りなさい。まず聞こえないじゃないですか(保護者大拍手)。まず黙って話を聞きなさい。いい大人なんだから。やっぱりちゃんとね、子供たちにはしんどいかもわからないけど、最初の基礎中の基礎の部分は絶対に積み重ねないといけない。
これが小学校4年5年、中学になって学校に行きたくなくなる。大阪の中学生、犯罪率一番高いんです。
学校に行きたくなくなる。ドロップアウトしてしまう。それは途中で自分はできないんだ。分からないんだということで自暴自棄になってしまう。
だから必ず子供たちに夢や希望を捨てさせないためにも僕は必ず学力から真正面に取り組んで今のこのような教育のね、こんな先生方、こういう状態にならないように子供たちをこんな先生に任せられないんですよ。僕は絶対に任せられない(大拍手)。
中山大臣の発言。あの発言こそまさにまさに正しいじゃないですか。この大阪の現状を見てくださいよ(大拍手が続く)。
学校現場をまず変えていかなければいけない。こんな先生方に子供を安心して預けるわけにはいかないんです。
だけれども、やっぱり子供が走り回って授業にならない。何か注意すれば保護者がワーワー叫んでくる。ちょっと叱って頭をごっつんしようものならやれ体罰だと叫んでくる。こんなことで赤の他人の先生が子供を教育なんかできるわけがありません。それはやっぱし叱るところは叱らなければしょうがないし、口で言って聞かなければ手を出さなきゃしょうがないんですよ。
あとはどこまでそれを許していくのか、どこまで教育を認めていくのかはそれは先生だけの判断に任せるわけにはいきませんから。それは家庭なり地域なりがきちんとコンセンサスを形成していくこれが第一なんです。


保護者の感想
きょう、うちの娘が来ています。これだけの大人が真剣に自分のことを考えていることをうれしく思っていると思います。

橋下府知事の感想

「(会場に)子供たちがいる中で政治的闘争を繰り広げる先生」とくくってもらえればいいと思う。
全く支持されているわけでもない。全く反対されているわけでもない。賛否両論あるのであれば自分が思った通りに勧めます。



 


 橋下市長の教育への情熱に触れれば触れるほど、八重山教科書問題がとても馬鹿らしくなってくる。
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