国家の第一は民主主義である。美しさとか品格はまやかしの国家論である。新聞に掲載されている論文を中心に批判する。
品格より民主そして自由
民主主義・法治主義を破壊する者たち
八重山日報より転載
竹富町教委では慶田盛安三教育長が住民の会メンバー8人と会い、要請に理解を示すとともに「(東京書籍版の)無償給付を求め続ける。皆さんの支援や激励で持ちこたえている」と述べた。
今後も無償給付が認められない場合の対応について、メンバーからは「保護者が自分たちで教科書を買った、という形にして、あとで(教科書代を)払い戻してはどうか。保護者の負担という形になれば、文科省には痛手だ」という提案も出た。
住民の会メンバーは市教委も訪れ、職員が要請書を受け取った。玉津博克教育長は取材に対し「裁判で係争中のためコメントできない」としている。
要請書では、東京書籍版を採択した昨年9月8日の全教育委員による協議を有効としながら、石垣市、与那国町教委が無効とするなら「同一教科書採択へ新たな協議をしなければならない」と主張している。
要請後の記者会見で、住民の会の仲山忠亨共同代表は「八重山でいまだに教科書が定まらず、保護者、先生は不安。何とか打開しなくてはならない」と述べた。
メンバーの富里八重子さんは「育鵬社版が子どもの手に渡ると、どうなるのか。地元が主体性を持って、再協議するべきだ」と訴えた。
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9月8日は無償措置法第13条4項を根拠にできない
無償給与教科用図書の採択 第13条
4 「第1項の場合において、採択地区が2以上の市町村の区域をあわせた地域であるときは、当該採択地区内の市町村立の小学校及び中学校において使用する教科用図書については、当該採択地区内の市町村の教育委員会は、協議して種目ごとに同一の教科用図書を採択しなければならない」
県は3市町の教科書が統一しなかったという理由で第13条4項を根拠にして9月8日に全員協議を開いて賛成多数で全体協議を教科書を無償給与する協議会に決め、そして、賛成多数で東京書籍の教科書を採択した。
しかし、無償給付する教科書は3市町のそれぞれの教育委員会が中学で使用する教科書を採択する前に決めなければならない。そうでなければ3市町の教科書はいつもばらばらになってしまう。ばらばらにさせないためには無償給付する教科書を先に決めなければならない。第13条4項の条例は3市町がそれぞれの中学で使用する教科書を決める前に実施しなければならない法律なのだから、採用を決めた後に開催した9月8日の全員協議は無償措置法13条4項を根拠にすることはできない。9月8日の全員協議は法治主義に反する行為である。
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全員協議は採決機関になれないことを説明する
2010年の八重山地区の人口は、石垣市46938人、竹富町は4058人、与那国町は1695人である。与那国町を1とすると、石垣市は約28、竹富町は約2となる。与那国町の教育委員は3人だから、人口に比例させて教育委員を選出すると、石垣市は約84人、竹富町は約6人、与那国町は3人となる。
全員協議は民主的に見えるが実際は住民の一票も重みが全然違う。石垣市の人口46938人から選出された教育委員5人と竹富町の人口4058人から選出された教育委員5人では一票の重さが違いすぎる。協議や討論なら5対5の同じ人数でもいいが、無償給付の教科書を決定するには不公平である。衆議院選挙の票で2倍以上の差は憲法違反だと最高裁は判決を下している。一票の重さを同じにすると八重山地区の人口比は、28:2:1となる。石垣市は、竹富町とは14倍、与那国町とは28倍の格差がある。
全員協議の人口の比は28:2:1であり、教育委員が5:5:3人の全員協議で無償給付の教科書を決めるのは民主主義に反する。
教育委員会はそれぞれの市町村の教育に関することを運営する目的のためにつくられた機関であり、教育委員の人数はそれぞれの市町村が決めるものであり人口に比例させて人数を決めてはいない。教育委員はそれぞれの市町村の運営では賛成多数による決定は民主主義に準じているが、3市町が合流する地区協議会の場での全教育委員の賛成多数による決定権は民主主義に反する。だから、全員協議の賛成多数で教科書の無償給与を決める法律は地方教育行政法にもないし、無償措置法にもない。
9月8日の全員協議で、石垣市教育長と与那国町教育長は無償措置法の協議会にすることに反対し、採決にも参加しなかったから9月8日で全員協議は無効であるのは確実である。
県は9月8日の全員協議は教育委員全員が参加したから民主的であると主張している。それは正しいか検討する。
全員協議といっても石垣市:竹富町:与那国町の人口比は28:2:1であるのに、教育委員の比率が5:5:3である。人口に比べて不公平な全員協議の賛成多数で無償措置法の機関にすることは非民主的であり、憲法の精神に反する。
だから、全員協議は教科書を無償給与する協議会にすることはできない。3市町が特別に合意しない限り、全員協議は教科書を無償給与する機関にはなれない。
もし、人口の比率で無償給与する教科書を採択する機関をつくるなら、石垣市84人、竹富町6人、与那国町3人になる。そうなると総勢93人で協議をすることになり、協議が大変なことになる。協議会をスムーズにし、民主的な要素も採用して作ったのが3市町の教育長と教育委員長が加わり2人は有識者を採用した八重山採択地区協議会だ。八重山採択地区協議会にはちゃんとした規定があり、規定にしたがって無償給与する教科書を採決する。八重山採択地区協議会の規定を変更するときには全教育長の賛成が必要となる。
中学の無償給与の教科書を採択する八重山採択協議会は4年に一度特別に開く協議会である。今回の八重山採択協議会は2012年度から4年間国が無償給与する教科書を採択するために結成された特別な協議会であり、無償給与する教科書を採択した後には解散することになっている。規定によれば八重山採択地区協議会は問題が生じたときに8月31日に3市町の教育長が協議した後に閉会することになっている。そして、八重山採択地区協議会の協議委員はお役御免となる。
玉津教育長は規定通りに八重山採択地区協議会を運営し、無償給与する教科書を採択し、規定通りに八重山採択地区協議会を閉会つまり解散した。
閉会した八重山採択地区協議会が採択した教科書を破棄する法律はない。だから、八重山採択地区協議会で採択した教科書を変更する方法はないのだ。
八重山採択地区協議会は8月31日の3教育長の再協議を最後に規約通りに閉会した。そして、3市町に無償給与する教科書を伝える(答申)と、八重山採択地区協議会の運営は終了する。つまり八重山採択地区協議会は消滅するのだ。
9月8日に全員協議の賛成多数で八重山採択協議会で採択した育鵬社版を破棄したが、法律としては破棄できない。全員協議で八重山採択協議会が採択した教科書を破棄できるという法律がないからだ。全員協議ならなんでも賛成多数で決められるかと考えるのは大間違いだ。
現在、「押し買い」が問題になっている。年寄りから言葉巧みに金やダイヤなどの貴重品を安く買い、後で返品してほしいと頼んでも返品しない。このような被害が増大しているが「押し売り」を取り締まる法律はあるが「押し買い」を取り締まる法律がないので取り締まることができない。国会で「押し買い」を取り締まる法律ができない限り、「押し買い」はやりたい放題である。
法律に明文化されていない限り行動をすることができないのが法治主義である。法律の欠点に気付いた時は法律を改正したり新しい法律をつくることで問題を解決するしかない。法律ができる前の行為は裁くことはできない。全員協議でも法律に従った行動しかできないが、全員協議については無償措置法にも地方教育行政法にも書かれていない。
県は3市町の教科書が統一されていないことを理由に9月8日の全員協議を正当化しようとしているが、国が無償給与する教科書は八重山採択地区協議会によって育鵬社版に統一されている。統一されていないのは3市町の中学で使用する教科書である。使用する教科書は地方教育行政法によって決めるのだから、無償措置法は国が無償給与する教科書を統一することはできても、3市町の中学が使用する教科書を統一することはできない。地方教育行政法は石垣市の教育委員会は石垣の中学が使用する教科書を採択し、竹富町の教育委員会は竹富町の中学が使用する教科書を採択する法律である。地方教育行政法は3市町が統一した教科書を採択するための法律ではない。
実は、3市町が使用する教科書を統一しなければならいという法律はない。
メンバーの富里八重子さんは「育鵬社版が子どもの手に渡ると、どうなるのか。地元が主体性を持って、再協議するべきだ」と訴えている。
9月8日の全員協議が有効であると主張している人たちは富里八重子さんの発言で分かるように、八重山地区で育鵬社の教科書を使用させないのが目的であり、民主主義も法治主義も関係がない。いや、民主主義のルールを破り、法治主義を破壊してまで育鵬社版を八重山で使用することを阻止しようとしているのだ。
これが沖縄で最高学府を出た、一番教養のある教員の団体やOB団体の行動かと思うととても残念に思う。
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