一周忌ー安保新領域の取り組み強化も、安倍元総理の遺志だ

一日遅れで恐縮だが、昨日で一周忌の　安倍元総理銃撃事件には、拙者も弔意を新たにする所。奈良県下の事件現場の今後のあり方など議論はあろうし、又　同元総理の「政治の軌跡」を巡る賛否は自由かもだが、銃火器で斃された事実は「あくまでも凶行」としての確たる受け止めが必要。

犯人の厳しい処分は当然だが、一方でやはり「実行犯だった」場合も考慮されるべき。拙者は不支持だが、一連の裁判は　初めは裁判員も加わる予定らしい。前述の理由もあって　拙者は極刑回避へ動くとみる者だが、それはあくまで非友好国などの関与が疑われる背後が一定でも解明される事が条件となろう。　

ここから本題。昨夏　安倍元総理が斃された直後に、我国経済安保に関する制度整備を要す事に触れた記憶があり、それは今　機密に関する取扱い資格としての「セキュリティ・クリアランス」の制度化への動きとなって表れている事を評価したいが、続く様に　サイバー・宇宙の各分野に代表される安保新領域に明るい人材を専門自衛官に登用する動きが見え始めた。昨日の共同通信ネット記事を引用して、少しみて参ろうと思う。

「安保の新領域専門家を自衛官に　宇宙やサイバーで能力強化」

政府は、サイバーや宇宙など　安全保障の新領域で高度な専門知識や経験を持つ民間人材を自衛官として採用する「即戦力ハイスキル自衛官」制度を来年度にも創設する方針を固めた。同分野での　自衛隊の能力強化が目的で、任期は最大 5年。

政府関係者が 7/8、明らかにした。現代戦では、宇宙やサイバーなどへ「戦場」が拡大。新領域新領域での能力の優劣が　戦いの行方を左右するとの危機意識がある。

自衛隊は 2027=令和 9年度をめどに、サイバー分野の専門部隊を約 4000人に増強する計画。宇宙部隊でも専門分野を持つ。新制度を活用し　人材確保を図る考えだ。昨年 12月に策定した安全保障関連 3文書で　自衛隊の人的基盤強化を打ち出したのを踏まえた措置。

自衛隊に採用した技術者には、レベルなどに応じて階級を付与する。応募しやすいよう、給与も民間企業と同様の水準に設定。民間の専門知識を取り込み、将来の自衛隊内での要員育成につなげる狙いもある。新隊員の採用では、任期がある「自衛官候補生」と定年制の「一般曹候補生」がある。一般曹候補生での採用割合を増やす。(引用ここまで)

「宇宙」はとも角「サイバー」はもう以前から再三取り組みの必要が指摘されてきた分野だが、遅ればせながらも　防衛省関連や自衛隊内にこうした動きが現れたのは一定評価の対象か。それにしても、民間を含めた諸組織にも言える事だろうが、人材は「定着が大事」だろう。

「居心地が良いだけではダメ」の主張は分かるが、他方で折角採用の人物が持てる能力や知見が十分に活かされないあり様も又ダメだろう。階級的立場や報酬面、心理的なものを含む福利厚生面をも考慮して、防衛省・自衛隊は安保新領域の取り組みに相応しい組織・職場の構築に注力を願いたい。些かの余談が許されるなら、最近盛りの　所謂オンライン・ゲームを競う「Eスポーツ」の秀逸な人物の採用も一策ではないだろうか。

注力の内には、近年続発した銃火器事案を含む不祥事の克服も含まれる事だろう。受け止めにもよるが、少なくとも拙者はこうした問題からも視線をそらさないつもりだ。その辺りの問題を克服しながら　安保新領域への課題と強く向き合い、取り組んでいく事が防衛省・自衛隊の信頼回復にも繋がるものと心得る。

それは又、生前我国安保の諸問題に尽力された　故・安倍元総理の遺志に報いる一つの道ではないかとも思うがどうだろう。今回画像も振り返り恐縮。先年夏、宿泊機会を得た滋賀・米原の宿舎窓から眺めた JR米原駅の終電後夜景を。既に東海道・山陽新幹線に　翌朝初電前まで線路整備を担う、保線機材複数が集まり始めている所。