Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

中共政府「香港民主主義白書」の大茶番

2021-12-21 10:56:00 | 国際・政治

前回も国会提出された、中国大陸内のチベット・ウィグル族各位に対する人権抑圧策などに対する対中非難決議の採択が又も見送られそうだ。茂木自民幹事長らの説明では、年明けの北京五輪及び障碍五輪開催などを控え タイミングが芳しくない事からとされるが、真相に近い所は 二階前自民幹事長を初めとする与党媚中勢力への過分な配慮と忖度からではないのか。

もう一つの理由たる、習 近平(しー・じんぴん) 中共政府指導部の顔色を窺っているであろう所も勿論だ。賛否あるは分かるが、安倍政権時と違って 岸田現政権は及び腰の対中姿勢が目立つというのが拙所感である。前述の北京五輪等に際しての外交的ボイコット策との向き合いも、何となく弱い。このまま行けば「日本は圧せば屈する国」との間違った対中信号を送る事となりかねない、大いなるリスクを改めて認識願いたいものだ。

本題です。少数民族への人権的弾圧と共にもう一つ 中国大陸内で見逃せないのが、香港への強権的姿勢だ。先日の香港議会に当たる 香港立法会選挙にしても 歴史的低投票率と共に、親中勢力がほぼ全部を占める議席構成に 国際的にも大いなる疑念が寄せられていると聞く。この事につき 昨日の産経新聞ネット記事 2件を引用して、みて参りたい。

「香港立法会選 非親中派は 1人だけ 国家安全条例審議へ」

12/19 に投開票された香港立法会(議会、定員 90)選の結果が 12/20 発表され、親中派が議席をほぼ独占した。非親中派で当選したのは 1人だけだった。今後 中国(中共)政府から早期成立を求められている「国家安全条例」案の審議が始まるのは必至で、同条例の可決・成立は時間の問題となった。

「国家機密の窃取」などを禁じる同条例は 2020(令和 2)年 6月に施行された香港国家安全維持法(国安法) を補強するもの。2003(平成 15)年に香港市民が反対デモで廃案に追い込んだ経緯がある。

選挙管理委員会の発表によると 20議席の直接選挙枠と 40議席の選挙委員枠では親中派が全勝する一方、間接選挙で選ばれる職能別選挙枠(30議席)で、民主派でも親中派でもない中間派が 1人当選した。

投票率は 前回 2016(平成 28)年の 58.3%を大幅に下回る 30.2%で過去最低を記録。民主派を排除する新たな選挙制度に 市民の大半が「NO」を突きつける形となった。

林鄭月娥(りんてい・げつが=キャリー・ラム)行政長官は 12/20夜から北京を訪問、中国最高指導部と会談するとみられる。今後の焦点は 来年 3月の行政長官選の行方だ。中国(大陸) 側の意向で全てが決まるだけに、最高指導部との会談が注目されている。(引用①ここまで)

「中国(大陸) 強弁『香港の民主は前進』正当性主張」

中国(中共)政府は 12/20、香港の民主主義に関する白書を発表した。12/19 投開票の 香港立法会(議会) 選に合わせた形で「民主の実践の新たな気風を十分に示せた」と選挙を称賛した。新選挙制度についても「香港の民主制度を最適化させ、時代とともに前進させるもの」と強調。中国(大陸)式選挙の正当性を強弁し、欧米の批判に対抗していく狙いとみられる。

白書は「『一国二制度』下の香港の民主発展」と題され、中国国務院(政府)新聞弁公室が発表した。英国統治時代から振り返り「英国植民統治下の香港に 民主はなかった」などと強調。香港で激化した反政府デモについて「反中乱港(中国に逆らい香港を混乱させる)勢力が 外部の勢力と結託し、たびたび香港の民主の発展を妨害した」と責任を押し付けた。

香港における民主制度について「過去の長い時期において 盲目的、形式的に欧米式の民主主義を追求したが、実際に香港にもたらしたのは本当の民主ではなかった」と主張。その上で、中国共産党の指導下で「優れた民主の建設を、法律に照らして秩序正しく推し進めなければならない」と香港側に求めた。

白書は「選挙制度を含めたいかなる政治体制を香港で行うかは 完全に中国(大陸)の内政だ」としており、選挙結果と同時期に出すことで 米欧の干渉を牽制する思惑がうかがわれる。

一方 直接選挙枠の投票率が 30.2%と過去最低となったことについて、中国外務省の 趙 立堅(ちゃお・りーちぇん)報道官は 12/20の記者会見で「香港各界はいずれも、正常な合理的範囲内にある投票率だと認めている」と反論。中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報も 12/20付で「米欧などの西側国家の地方選挙でも 投票率は低い」という識者の認識を強調した。(引用➁ここまで)

どの途 中国大陸当局の関係は聞く耳を持たないと思うが、一読して「白ける意の白書か?」とも思ったもの。正直 大茶番というのが素直な感想だ。中共主導の「民主体制」が中国にとっての「本当の民主」とは どう譲っても失笑を禁じ得ない。1989=平成元年に生じた天安門事件は 中共政府側にも多くの教訓を残したはずだが、そこから謙虚に学んで自国民に還元する努力が些かも感じられないのは「思考停止」の所があるとみられても仕方がないのではないか。まぁそれが「専制国家の実像」と言われるなら仕方のない事かも知れないが。

世間一般、そして国際レベルからしても明らかに低かった香港立法会選投票率の受け止めにしても、やはり中共寄りの視点が露骨に感じられて芳しくない。これで「米欧諸国の地方選でも低投票率」とよくも言えたものだ。まぁ我国地方選の実態からすれば必ずしも大口は利けない訳だが、それに留意するにしても「香港の民主主義に関する白書は、香港の実情を反映していない」とも言えるのではないか。

林鄭月娥・現香港行政長官は、来春の選挙で交代の可能性もある。その時、中共政府はこれまで以上に対香港の露骨な強権策に打って出るのではないか。欧米と民主体制面の価値観を共にする国として、我国も チベット・ウィグル少数民族や台湾、沖縄・尖閣を巡る問題などと共に、今度こそ「対中非難決議」の採択位できないと 更に中国大陸から軽視され、より深甚な挑発的脅威を受ける事ともなりかねない。在沖縄基地の芳しからぬ諸問題を抱える実情も分かりはするが、その諸事を乗り越え 米欧との連携深化に努めるべきであるも事実だろう。今回画像も以前ので恐縮。当地の直ぐ北郊、清州市内を新大阪方面へ向かう 東海道・山陽新幹線試験列車「ドクター・イエロー」の様子を。この辺りは沿線の防音壁増強が進み、現在は撮影困難な模様。

コメント (2)
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