Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

米国発「覇者の驕り」

2009-06-03 00:17:00 | インポート
コナサン、ミンバンワ!2009=平成21年6月も、拙日記を宜しくお願い致します。今月が終われば、今年も早折り返し点。齢のせいもあるでしょうが、1年の経過が、以前より速く感じられる様になったのも事実です。

さて、人が目的地まで速く便利に到達できる様にすべく発明開発された一つが自動車であるのはご存じかと思います。自動車の故郷は欧州。19世紀終わりの誕生だった様です。
元々は、馬車の車両に新たに発明された内燃動力と駆動系を付与したのが始まりで、そこから乗用車やスポーツカー、ワゴン車や大小のトラック、バスなどに分化して行ったのだろうと想像されます。
この自動車の世界的な大量生産を実現したのが、米合衆国。1908=明治41年創業のGMことジェネラル・モーターズ社を筆頭にフォード、クライスラーの大手各社の所謂「ビッグ3」の勢力にて、世界の自動車の多くを生産して参ったのはご存じの通り。
特にGM社は昭和初期の1930年代よりつい先年まで、80年近く生産量世界一を誇ったのも良く知られる所。
それだけに、今年に入り、合衆国自動車大手がフォード社を除き、相次いで経営破綻に追い込まれたのは、今も信じられない思いがしている所です。

所謂「アメ車」と呼ばれる合衆国産の自動車は、これもご存じの様に、どちらかと言えば「重厚長大」な印象がありますよね。道路の向こうから、やたら大きくてハンドルが左側のシルエットが現れると「ああ、アメ車だ」とすぐ分る次第。走行音にもそれが表れています。総排気量5Lを軽く超える様なOHV式V型8気筒エンジンの排気音は独特の重々しいもので、私個人は必ずしも嫌いではなかった。ただ、燃料消費はどうしようもなく不良だった様で、2~3km/Lなどと言うケースもあった模様。
勿論本国では高級車。最上位の「キャディラック」などは「成功者の証」と謳われ、本来は政財界の要人や、プロ・スポーツや映画、音楽など、芸能の世界の大物だけが保有を許された物だった様です。
もう一つの合衆国の顔である、四輪駆動車にしても、特殊大型車「ハマー」を筆頭とする重量級が多数派だった様ですね。何よりも、合衆国軍ご用達の軍用車の技術が生かされている事の信頼も大きなものがあった事でしょう。

件のGM社は、この様な合衆国民の長らくの大型高級志向の波に乗って、高い業績を維持して来た様ですが、今世紀に入ると状況が一変した様です。
直接のきっかけは、2001=平成13年9月にNYを襲ったイスラム軍事組織による同時テロ勃発による経済悪化だった様ですが、それより前より、燃料の石油供給不安が生じ、その為もあって車の小型化、環境適合化が進んだのだが、合衆国の主要メーカーは、明らかにその波に乗り遅れた。
やがて終焉する流れを意識する事なく、従来の大型高級路線と拡大路線に固執した為に、需要低迷と在庫増を生じて資金繰りが悪化、更にライバルのフォード社が手を出さなかったクレジット販売を過剰に行った事が、昨年の金融危機とも重なって、不良な売掛債権を増殖させ、退職者をも含めた社員向けの高額な福利厚生費の問題も絡んで、ついに今回の破綻へと繋がった模様であります。

負債総額は邦貨換算で\2兆を超えるとされ、同じく破綻するも、再建の道筋をつけたクライスラー社に続けるか、注目される所。GM社は事実上一時国有化の後、約3か月以内に再建への方向を定める計画の様ですが、規模が大きいだけに、円滑の事が進むかは未知数かもと言う所でしょう。この問題の時点で政権を担った、オバマ合衆国大統領の手腕と力量も、改めて問われる事となるでしょう。又、20万人を超えると言われる従業員、そして多くの関連企業にて相当数の関係者の離職が予想されるだけに、そちらの対策も急がれるべきではと思います。

それにしても今回のGM社の事態、思えば「覇者の驕り」の面が強くあるとの印象を受けます。
営々と築き上げた富と力、名声の上に胡坐(あぐら)をかき、前世紀の終わり、我国初めアジアの自動車メーカーが進出した折には正面よりの競争をせず、合衆国政府に自社に都合の良い規制を働きかけたり、業績に陰りが出て尚、アジアや欧州のメーカーより改善を学ぶ姿勢が欠如していたりした事が、今回の悲劇を招いた面は大きいと強く思います。
再建には多大な資金と政治を含めたマンパワー、それに一定の月日を要すると思いますが、願わくば新しい姿となった巨人GMに、再び表舞台に戻って来て欲しい気持ちはありますね。*(車)**(アメリカ)*
コメント
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