今年、日本クリスチャン・ペンクラブ(JCP)では400字のエッセイを書いています。テーマは花*鳥*風*月。2か月に1作品書いて例会に持っていき、合評会をしています。
「花」と「鳥」は書けたのですが、次の「風」はまだです。
わたしは、小説も短編より長編が書きやすく、エッセイは短くまとめたつもりでも原稿用紙10枚くらいになってしまうので、1枚にまとめるのに大変な苦労をしています。
悪戦苦闘しながら書いた文章を紹介します。
テーマ「花」ですが、花は花でも花火です。
嫌いだった花火
「花火はきれいだけど、あっという間に終わってむなしいから嫌いだ」従兄弟が言った。
当時中学生のわたしは、従兄弟の言葉に深くうなずいた。命のはかなさを思い、むなしさを感じていたからだ。
それまでは、煙が喘息の引き金になるという別の理由で花火を嫌っていたのだが……。
それから数十年後、全国花火競技大会を部屋から見ることができるマンションに住んだ。
煙は届かないのに花火を喜べず、大会が始まっても台所に立っていた。
「はじまったぞ」主人に呼ばれて振り向くと、夜空に大輪の花がいくつも咲いていた。花火は一瞬で消えてしまったが、目の奥には残像がくっきりと焼きついていた。
『草は枯れ、花はしぼむ。だが、私たちの神のことばは永遠に立つ。(イザヤ 四十:8)』
地上の人生がはかなくてもいいではないか。永遠なるものがあるのだから。永遠の命を下さるお方を指し示す文章を紡いでいきたい。