生かされて

乳癌闘病記、エッセイ、詩、童話、小説を通して生かされている喜びを綴っていきます。 by土筆文香(つくしふみか)

病気になったら

2012-06-14 15:37:58 | 読書
今月の水曜礼拝では、牧師先生方が良書を紹介してくださっています。昨日は、晴佐久昌英(はれさく まさひで)神父の著書を紹介していただきました。

晴佐久神父はAD/HD(注意欠陥/多動性障がい)のため子供のころから居場所のない状態だったそうです。

大腿骨に腫瘍ができ、癌だったら足を切断しなければならないと医師から告げられ、腫瘍を取り除く手術を受けました。癌ではなかったのですが、癌病棟に入院されました。

そのときに書かれた詩、「病気になったら」が多くの病人を慰めています。
水曜礼拝では、「恵みのとき」(サンマーク出版 晴佐久昌英著)から詩の朗読を聞きました。

書き写すことができなかったので、インターネットで調べると、わたしがよく訪れているサイト「仙台いたみのクリニック」の祈りのページに掲載されていました。

晴佐久昌英著「だいじょうぶだよ」(女子パウロ会)からの引用なので、「恵みのとき」に掲載されている詩と少し異なっているかもしれませんが、紹介させていただきます。
               

病気になったら               晴佐久昌英 

病気になったら どんどん泣こう

痛くて眠れないといって泣き

手術がこわいといって涙ぐみ

死にたくないよといって めそめそしよう

恥も外聞もいらない

いつものやせ我慢や見えっぱりを捨て

かっこわるく涙をこぼそう

またとないチャンスをもらったのだ

自分の弱さをそのまま受け入れるチャンスを

病気になったら おもいっきり甘えよう

あれが食べたいといい

こうしてほしいと頼み

もうすこしそばにいてとお願いしよう

遠慮も気づかいもいらない

正直に わがままに自分をさらけだし

赤ん坊のようにみんなに甘えよう

またとないチャンスをもらったのだ

思いやりと まごころに触れるチャンスを

病気になったら 心ゆくまで感動しよう

食べられることがどれほどありがたいことか

歩けることがどんなにすばらしいことか

新しい朝を迎えるのがいかに尊いことか

忘れていた感謝のこころを取りもどし

この瞬間自分が存在している神秘

見過ごしていた当たり前のことに感動しよう

またとないチャンスをもらったのだ

いのちの不思議を味わうチャンスを

病気になったら すてきな友達をつくろう

同じ病を背負った仲間

日夜看病してくれる人

すぐに駆けつけてくれる友人たち

義理のことばも 儀礼の品もいらない

黙って手を握るだけですべてを分かち合える

あたたかい友達をつくろう

またとないチャンスをもらったのだ

試練がみんなを結ぶチャンスを

病気になったら 必ず治ると信じよう

原因がわからず長引いたとしても

治療法がなく悪化したとしても

現代医学では治らないといわれたとしても

あきらめずに道をさがし続けよう

奇跡的に回復した人はいくらでもいる

できるかぎりのことをして 信じて待とう

またとないチャンスをもらったのだ

信じるよろこびを生きるチャンスを

病気になったら 安心して祈ろう

天にむかって思いのすべてをぶちまけ

どうか助けてくださいと必死にすがり

深夜 ことばを失ってひざまずこう

このわたしを愛して生み 慈しんで育て

わが子として抱きあげるほほえみに

すべてをゆだねて手を合わせよう

またとないチャンスをもらったのだ

まことの親に出会えるチャンスを

そしていつか 病気が治っても治らなくても

みんなみんな 流した涙の分だけ優しくなり

甘えとわがままを受け入れて自由になり

感動と感謝によって大きくなり

友達に囲まれて豊かになり

信じ続けて強くなり

自分は神の子だと知るだろう

病気になったら またとないチャンス到来

病のときは恵みのとき



病気になると早く治そうと、そのことばかり考え必死になります。
「痛い」「辛い」なんて言ったらいけないと思い、ぐっとがまんし、努力して何とか治そうとします。でも、がまんしないでいいのですね。どんどん泣いていいと言われてほっとしました。

世間では、病気はマイナスだと考えている人が多いです。病弱な人より、元気な人、体力のある人が人間として優れているという考えが一般的になっています。
だから、病を隠して人知れず悩んでいる人もいます。

でも、なぜ神様は地上から病気を消してしまわないのでしょう……。それは、病気がマイナスではないからです。人間にとって、ときには病むことが必要だからだと思います。
病気が与えられたら、それはまたとないチャンスなのですね。

元気だと日々の生活に忙しく、立ち止まって色々なことを深く考える暇もありません。病気のときは、病気のときにしか感じ得ないこと、考え得ないことを体験できるのですから、病気は決してマイナスではないですね。

「病のときは恵みのとき」心からそう思います。



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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (みかん)
2012-06-14 17:23:14
文香さんの今回のお話、心に染み入ります。

なぜ、神は病を創ったのだろう、全知全能の神なら、病をこの世から失くしてくれればいいのに・・と、何度天を仰いで涙したかしれません。

病になったからこそ、得られるものも あるはずですよね。

文香さんの前向きな言葉に、勇気がでました。

ありがとうございました。

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みかんさんへ (文香)
2012-06-14 20:42:35
コメントありがとうございます。

以前はわたしもなかなか病をいやしてくださらない神様に文句ばかり言っていました。

でも、神様がいつも最善をなしてくださると信じた時、病にも意味があるはずだと思えるようになりました。
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Unknown (まこ)
2012-06-15 11:26:43
素晴らしいの一言です。アーメン、アーメンの連続です。心に染み渡る心の正直で真っ直ぐな叫びに人はこんなに感動し、共感するものなんですね。皆、痛みと苦しみを通ったことがあるからなんですかね。それを我慢しないで、神様に曝け出して甘えていいんだと言われると、ほっと安心するんですね。この方の著書を検索して購入しようと思っています。やはり、先日の家庭集会で、先生が紹介してくださったんですよ。。。
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まこさんへ (文香)
2012-06-15 20:29:19
コメントありがとうございました。

正直でまっすぐな叫びに心打たれますね。辛い病を経験した人は、皆共感するでしょうね。

本を病の床にあって、精神的辛さに苦しんでいる方に差し上げたいなあと思いました。
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「病のときは恵みのとき」 (Janet)
2012-06-16 13:31:02
[病気になったら] 晴佐久昌英作
感動です!そしてそれを素直に共感できる文香さんにも感動です!

FBで出会った素晴らしい方が、同じご病気になられた事を知りました。祈りつつ・・、文香さんのブログをご紹介いたしました。
文香さんに感謝しつつ・・・・。

 

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Janetさんへ (文香)
2012-06-16 17:01:28
コメントありがとうございました。

わたしのブログを紹介してくださってありがとうございました。

Janetさんが出会われた方のためにお祈りします。
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