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生かされて

乳癌闘病記、エッセイ、詩、童話、小説を通して生かされている喜びを綴っていきます。 by土筆文香(つくしふみか)

術後5年たって

2008-12-08 13:20:19 | 乳癌

乳癌の手術をして今日でまる5年になります。術後3年ぐらいの間は、再発または転移するのではないかという恐れとの闘いでした。再発リスクが高いので、長くは生きられないのだと覚悟を決めて、日々を過ごしていました。

5年たったからといって、再発転移のリスクが小さくなったわけではありません。むしろ、5年クリアーしてほっとしたのも束の間、再発がみつかって……という方が少なからずおられることを思うと、これで安心というわけにはいきません。
乳癌は、ほかの癌と違って5年間再発転移しなければ大丈夫なのではなく、10年以上たっても再発転移することがあるからです。

5年間飲んでいた薬は終わりになりますが、来年1月からは別の薬をさらに5年間飲むように医師から勧められています。どれほどの効果があるかわかりませんが、飲むことにしました。

5年たった今の心境は、これまで守られたことと、健康であることに感謝の気持ちでいっぱいです。乳癌になる前より元気です。もともと体が弱く疲れやすい体質なのですが、疲れても最近は回復が早く、風邪もあまりひかなくなりました。日常生活の中では、乳癌ということを忘れていることが多いです。

あまりテレビは見ない方ですが、最近フジテレビの「風のガーデン」を見ています。自分が末期癌であることを知った麻酔科医が離れて暮らしていた家族のところへ帰るという重いテーマのドラマです。

乳癌になってから、主人公が病気で死に至るとわかっているようなドラマは見られませんでした。それ以前は、自分と切り離して見ていたので平気でしたが、自分が癌になってから、このようなドラマを見ると身につまされるのです。
主人公の父親役の緒方拳さんが現実に末期癌で、それを誰にも言わず出演していたドラマだと知って見始めたのでした。緒方拳さんはどのような思いで演じたのだろう……と考えると胸が痛みます。
また、癌で2年前に召された父のことも思い出され、せつなくなります。


毎回涙を流しながらも見ていて、自分自身の心境の変化で気づいたことが2つあります。ひとつは、死を見つめることがつらくてたまらなかったのに、今はつらくとも耐えられること。もうひとつは、死を目の前にしている人の気持ちが痛いほどわかるということです。もちろん、100%ではありませんが……。

でも、死に打ち勝つお方がおられること。そのお方、イエス・キリストが永遠の命を与えて下さることを思うと、希望が沸いてきます。

今日これから母が泊まりがけで来ます。明日は母と教会のクリスマス会に出席する予定です。


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