悠々人生

気が多すぎて「時間破産」状態。もっとゆっくりとした人生が目標です。

感動!「硫黄島からの手紙」

2006-12-29 21:06:05 | Weblog
 文芸春秋新年号の「硫黄島 栗林忠道の士魂」を読んで映画『硫黄島からの手紙』を見た。硫黄島に対する漠然としたイメージは持っていたが、東京都小笠原村に属しており、航空自衛隊入間基地からC130で3時間で行けることも知らなかった。

 アメリカ留学の経験がある栗林陸軍中将は、すでに勝ち目のない戦であることを十分知っており、サイパンが陥落したら和平交渉を始めるべきとの上申もしていたという。こういう上申を受け入れなかった幹部が戦争犯罪人として処罰されたのだろうか。

 戦争を始めたことにはそれなりの必然性を認めたとしても、戦況を正しく分析し和平交渉の決断をしていれば、その後の東京大空襲や広島、長崎の原爆投下もなかったのだから―。歴史に、―れば、―たら、をいっても仕方がないのだが、どうしてもなぜ?と考えてしまう。

 世田谷区の半分しか面積のない硫黄島、日米合わせて2万7千人(内日本人が約2万人)もの戦死者を出す激戦地だったが、当初米軍は物量、兵力の圧倒的な差から5日で陥落できると踏んでいたが、栗林中将の地下要塞を堀めぐらす作戦と、玉粋させずに最後まで戦戦法で激戦は36日間にも及んだ。
 
 「最後まで戦うことは後世の人たちに理解される」や「天皇陛下バンザイ」「靖国で会おう」など、豊かな国になった今、考えなければならないセリフが多い。

 現在の硫黄島は自衛隊の基地があり通常では一般人の立ち入りが出来ないという。しかし、遺骨の収集は戦死者の40%しか行われておらず、未だに1万2千人の遺骨は残されたままらしい。

 知識も少なく、その少ない記憶も薄れてしまう戦争の歴史を学習しなければならないし、この犠牲の上に今日があることを忘れてはなるまい。素晴らしい映画だった。硫黄島の戦闘を米国側から描いた『父親たちの星条旗』とともにお奨めする。

 観客に女子中学生の3人組、親子の2人連れが目に付いた。若い人たちが見てくれることは嬉しい。どう受け止めているのだろう。

お奨めの参考資料:http://www.iwojima.jp/
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする