Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

まだ何も手にしていない(J1昇格プレーオフ準決勝・京都戦)

2012-11-20 00:28:59 | マッチレポート12’
完勝だった。

「完膚なきまでに叩きのめす」とはまさにこんな試合のことを言うんだろうと思う。運動量で圧倒、個で圧倒、声で圧倒、そして何よりも気持ちで圧倒。試合前はレギュレーションがどうのとか、メンタルがどうのとか、あれこれ考えてたのがバカバカしくなるくらいに圧倒した。夏に徳島で4-0の試合を観た時に「あー、年イチの試合観たなぁ」って幸せな気持ちに浸ってたけど、こんなにすぐにまた4-0の試合が、それもこんな痺れるシチュエーションで観られるとはあの時は想像すら出来なかった。

個人の良かったとこ列挙し出すと多分書いてるうちにプレーオフ決勝が始まっちゃうくらいたくさんあったので、それは土曜日にでも泣きながら(もちろんうれし涙ね)書こうと思うんだけど、一人どうしてもここに書いておきたいのは、土岐田のこと。昨日はキジが60分で完全に足が止まったり、キャプテンも足つったりとみんな本当によく走ってた。中でも群を抜いてたのが土岐田だったと思う。録画を観てて気が付いたんだけど、アディショナルタイム5分もほぼ終わりかけの頃、最後の相手の攻撃の芽を摘み取ったのが土岐田のパスカットだった。さらに最後の大分の攻撃も土岐田のライン裏への飛び出し(結果的にはオフサイド)だった。そして最後にタイムアップの笛が吹かれた時、ゴール裏のサポーターから見て最も近く、つまりは相手ゴールに最も近い位置にいたのが土岐田だった。スコアは完全に決していたとは言え、95分守り倒した3バックの一角の選手がその試合のラストプレーで相手ライン裏に飛び出すなんて、そんなサッカーしてるの世界中探したってそうそうないと思うぞ。福岡戦後の記事で土岐田がプロフェッショナルだと書いた。あれから3週間。この試合があるかどうかすら確定していなかったにも関わらず、最高の準備をして待っていたことが十分に分かるパフォーマンスだった。そう言えば、去年は途切れちゃったけど、土岐田は最終節男だったね。国立はどんな結果になろうが、泣いても笑っても最終戦だ。いや、別にだから何だってわけじゃないんだけどね。そういうことなのかもしれないかなって少し思っただけだ。そういうこともあるかもしれないと思えるくらいのプレーを土岐田は西京極で見せてくれたってこと。

昨日は新幹線で京都に行きました。前の週の最終節・アウェイ松本戦にあれだけの人が駆けつけて、さらに来週国立で試合があるかもしれないっていう日曜日の試合。さすがに今日はサポーターも少ないかもなって思いながら家を出た。ところがどっこい、京都どころか新横浜で早速この日最初のトリサポに遭遇して、こりゃひょっとするとと思い直して、西京極に入った。結果はあの埋まりっぷり。完全に松本を超えてたし、サポーターの声の出方もハンパなかった。大一番での大分サポーターの機動力の高さと愛情の深さには毎度泣けてくる。負けたチームのことをあれやこれや言っても仕方ないけど、せっかくのこの盛り上がるシチュエーションで、さらに相手クラブからも大挙してやってきてるのに、1万人ちょぼちょぼしか集められないクラブがJ1にふさわしいかと言えば、そうではないと思う。もちろん集客の多さでサッカーをしてるわけではないけれど、大分VS千葉がプレーオフ決勝に相応しいカードだと断言出来る。永芳にも煽られちゃったことだし、大分県民の皆さん、こりゃ民族大移動を再びやるしかないっすな!

最近は準決勝の勝者が常套句のように使う「まだ何も手にしていない。」っていうコメント。昨日もうちの選手や千葉の選手から何度となく出たコメントだ。言わんとするところはもちろん分かるんだけど、本当に今のうちの選手たちは「まだ何も手にしていない」んだろうか?昨日の試合を観てて、オレはもう既に大分の選手たちが「自信」という何物にも勝る武器を手にしてるような気がしてならない。永芳が試合後に言っていた「ダメなら走ってリズムを作る」っていう言葉に今の大分の選手たちが持つ自信が集約されていると思う。あとやるべきは目に見えない「自信」を「昇格」という形あるものに変えていく作業だけだ!いよいよ2012シーズンの集大成。全力で楽しんで、全力で戦って、そして歓喜の瞬間へ!

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