Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

初のJ2J3入替戦

2014-11-30 22:13:41 | トリニータ


J3の創設によって初めて開催されたJ2J3入替戦の観戦に長野へ出撃。長野は現在ホームスタジアム改装中のため、今季はずっとジプシー状態。


今日も長野運動公園陸上競技場で開催。地域リーグによくあるスタジアムですな。ちなみに今季は長野のホームゲームを3試合観たけど、西が丘、佐久、長野と全て別のスタジアム。クラブもサポーターも大変だっただろうね。



生き残るか、這い上がるかの入替戦。当然スタジアムの雰囲気は緊迫したものに。この写真は奥側で選手バスの入り待ちを決行してる讃岐サポと、次に入ってくる長野の選手バスの入り待ちをするために待機している手前の長野サポという構図。緊迫して気合は入ってたけど、讃岐の選手バスが入り終わると、讃岐のリーダーの人が「長野のバスも来ますので、すぐに撤収しましょう」なんて呼びかけてて、静かに待ってた長野サポも含めてマナーはパーフェクトでした。

この水色とオレンジのサポが入り混じるのを見て、4年前の地域決勝を思い出した。思えば、この2チームはJFL昇格同期。この記事にも写真載せてるけど、先に昇格を決めた長野サポと次に昇格を賭ける讃岐サポが入り混じるタイミングがあった。あれから4年。長野のリーダー自ら讃岐のことを「ご縁のあるクラブ」と言っていたように、記念すべき初の入替戦のカードとしては申し分のない組み合わせだったんじゃないだろうか。


(たまたまだけど、向こう側の体育館に五輪マークが入ってるのが、長野っぽい。)


長野サポは本当に増えた。この日も狭いスタジアムながら、9千人入った。


「あの人」も鍵持って来てたね。




これは何だったんでしょうか。



試合は予想通りにドローで終わった。







前半は讃岐、後半は長野のゲームだったけど、総合力では若干讃岐の方が上に感じた。前半の讃岐の決定機が決まっていれば、試合はもっと動いたように思うけど、得点が欲しい以上に失点したくない心理が働き過ぎた故の凡戦だったように思う。特に讃岐はこれで次戦1-1のドローで降格なわけで、後半の戦い方があまりにも消極的だったと思う。先制された瞬間に2点が必要になるわけで、そこで慌てるようなことにならなければいいけどね。たったの2週間前のリーグ戦の時とは全く別のチームのようだった。



これ、ヨンギ先輩だよね?生で見たの初めてかもしれない。



入替戦はその緊迫した雰囲気に触れたくて、出来る限り観に行ってるわけだけど、今日も行くまではどっちを応援するというのはなかった。ただ、試合前に時間があったので、試合会場から10kmほど離れてる長野の新スタジアムの現場に行ってみて、その気持ちは変わった。

一言で言えば、「長野、上がってこいや!」です。


今日の試合後に長野市長が話してたけど、完成は来年の2月だそうです。ということは、来季の開幕に間に合う。ということは、長野が昇格すれば、トリニータがここで戦うことが出来る。もうね、俄然長野を応援したね。2週間前に行ったばかりの香川も本当にいいところだったし、まだまだ回りたいところも一杯あるけど、やっぱスタジアムがね。中までは見られなかったけど、もういいスタジアムの雰囲気しかしなかったもん。











いや、ホント素晴らしい。ワクワクする。

サイズ感はユアスタに近い感じ。鉄骨感はベアスタっぽい。アルウィンがJ1に行ってしまって悲しいけど、南長野がJ2に上がってきてくれれば、寂しくない。アルウィンとの決定的な違いとして、屋根があるわけだけど、3方向にしかなくて、アウェイサポーターは洗礼を受ける可能性が高いけど、それくらいいいわ。



椅子は当然ながらオレンジ。数年前に改装前の南長野に試合を観に行った時、新スタ建設の募金をしてきたので、この椅子をとめるネジ1本分くらいは貢献してるかもしれない。

どんなに良い陸上競技場でも、やっぱり球技専用スタジアムの臨場感には及ばない。昨日はキンチョウのJ2入り、今日はヤマハの残留が決まった。来週も日本平orNACK5のどちらかの専用が降格することが確定してるので、その勢いでフクアリの残留と南長野の昇格が決まれば、スタジアム好きとしての目論見はパーフェクトに完遂する。

松本はJ1昇格を決めた。ライバルの松本にカテゴリーで2つも差をつけられるわけにはいかないよね。絶対昇格、がんばれ長野!!
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2014年 シーズン総括

2014-11-25 23:47:52 | トリニータ
タイムマシーンに乗って、開幕戦前日の自分に会いに行く。そして、「順位は言わないけど、今季はジュビロと勝ち点4差で終わるよ」と教えてあげたい。きっと9ヶ月前の自分は「うお、2位で自動昇格か!」と小踊りするに違いない。何と言うか、それくらいに微妙なシーズンだったと思うし、7位という結果はあまりにも妥当だったと思う。


目標が達成出来なかったわけで、思い返すと色んな「たら・れば」が出てくる。一番近くでいえば、当然水戸戦のアディショナルタイムになる。ただ今季はアウェイ札幌、アウェイ横浜FC、ホーム岡山と結構ギリギリのゴールで勝ち点を拾った試合も多かったから、やっちゃった時期が時期だから悔しいけど、全体的には相殺なのかなと思う。個人的に思う最大の「たら・れば」はダニエルをあと5試合早く獲得できて「れば」。ホーム福岡戦でデビューしたダニエル。特にその前の2試合の総力戦・熊本戦とアウェイ富山戦で落とした勝ち点5は本当に痛かったし、ダニエルがい「れば」絶対に勝てた試合だった。まあ、「たら・れば」は語り出したらキリがないけど、それくらいにダニエルの存在感は際立ってたということ。


まずはシーズン全体の流れについて。

・序盤は勝ったり負けたりの繰り返しで、波にも乗れないけど、連敗もしない。基本はホームで勝って、アウェイで負けるという流れだった。今季が終わってみて思うのは、実はこういう時期を我慢して最低限の勝ち点を拾っていくというのが意外と大事だということ。うちもそうだったし、山形も夏まではいい補強をしたのにパッとしないクラブの代表のような存在だった。それが最後の勝負どころでグッとアクセルを踏み始めて、最後までPO圏内を争える位置にいることが出来た。今季の湘南のような特別な存在を除けば、1年を通して調子のいいクラブなんてなかなか作れないし、良くない時に落ち過ぎないことが重要だと改めて思った。それはまさに理想と現実のバランスで、詳細は省くけど、夏までそれがうまく出来てたのは岡山だったと思う。終盤の失速の原因は林の放出という冗談はさておき、まさに岡山は最後で落ち過ぎたことが敗因。
・転機が訪れるのが6月頃。シーズン中にフィジカルコーチを変えるという大胆な人事を敢行した。それと時を同じくして全く勝てなくなり、6試合連続勝ちなしという泥沼に陥る。この時期は明らかにピッチ上の選手たちに異変が見られた。特にホームの千葉戦なんかはもうボールが足についていないイージーミスばかりでサッカーになっていなかった。練習メニューの変更で選手たちもフィジカルコンディションの管理が難しかったんだろうと推測する。結果として目標を達成することは出来なかったわけで、このシーズン途中での人事が良かったのかどうかは分からないけど、シーズン終盤に強度の高いサッカーを展開出来たのは土斐コーチによるフィジカル強化の賜物だと思ってる。ここは絶対に来季も継続してほしい点。
・ラドンチッチの加入等で8月以降は何とか持ち直すも、連勝して上昇気流に乗っていくことは遂に出来ず。今季はターニングポイントになりそうないい試合の後に結果が続かず、じれったい状態のまま進むということが多かった。例えばジャックしたアウェイで逆転勝利した福岡戦や、数的不利になりながら逆転勝利したホーム栃木戦と絶好のチャンスは何回かあったが、ことごとくそのチャンスを逃した。勝負弱かったのか、そういったポイントとなる勝ち方をした試合がフロックだったのかは判断が付かないけど、とにかくもったいなかったの印象はシーズンを通してつきまとった。
・個人的に最も大きな転機になったと思うのは、最初にも書いたけど、ホーム熊本戦とアウェイ富山戦の連敗(正確には違うけど、感覚的には連敗)。結局はラドンチッチのラストゲームになったホーム熊本戦は内容的には今季最悪と言ってもいいもので、さらに最下位富山相手にアウェイでも勝ち点を落とすこととなり、田坂さんはこの辺りでサッカーの方向性を少し変えた。そしてこの頃には林が豊富な運動量で代えの利かない選手になりつつあり、ラストピースと呼ぶにふさわしいダニエルが加入する。
・そして何度も書いてるけど、10月になった途端にチームは劇的な変貌を遂げる。ホーム福岡戦くらいから予兆はあったものの、完全に自分たちのものにし切れていない部分もあり、さらに戦前から勝負の月となると叫ばれ続けてた10月になったことでチーム全体の意識が統一されたことと相まって、いわゆる「いいチーム」になった。ただ結局、松本、千葉、湘南というシーズン上位3クラブには勝てなかったわけで、昇格にふさわしい実力を備えていたかと言えば、そうじゃなかったと言わざるを得なかった。



とまあ、時系列で振り返ってみてもやっぱり微妙なシーズンだったなと。ここからはシーズンを通して気になった点をいくつか箇条書きで。

・補強を含めた人事について
オフ期間中に獲得した選手でシーズンを通して活躍したのは、伊藤、末吉、宏矢、武田の4人。新加入選手の数からしてもまあまあの成果だったと言える。昨季は天皇杯をベスト8まで勝ち進んだ関係でオフ期間が極めて短かった。そういう意味では降格したことも含め人事編成は大変だったと思う。上記のフィジカルコーチについても、完全に任せきれる人材をシーズン前に連れてこれなかったのはこのことが影響したんじゃないかと思ってる。また田坂さんがラドンチッチを補強した時に、「強化部には夏の補強まで予算を残しておいてほしい」と要望しておいたと言っていたが、これも裏を返せば、シーズン前に欲しかった選手が獲れなかったことの表れじゃないかと思う。ただ、林、ダニエルという大当たりの補強が出来たことが、シーズン終盤の巻き返しに繋がったわけで、シーズントータルとしては及第点だったと思う。

・右SBについて
今季右SBで先発した選手は以下の通り。
1.西    14試合
2.岩武   10試合
3.松本怜   8試合
4.若狭    5試合
5.土岐田   4試合
6.ジョンハン 1試合
岩武が2種登録、西の初先発が第14節、怜の初先発が第23節、土岐田がケガで序盤の出場は絶望的だったことを考えると、田坂さんおよび強化部は右SBは誰を主軸として考えていたのだろうか。松原健の放出が理解出来ないという声をよく聞くけど、個人的にはそれには納得感があって、昨季降格が決まって4バックにしてからもマツケンは出場機会がなく、ジョンハン、土岐田に次ぐ3番手評価だったわけで、田坂さん続投ならレンタルでの放出は確実だと思ってた。その行き先がJ1クラブだったことには驚かせられたけど(そこでレギュラーに定着したことや、代表に複数回選ばれたことにはもっと驚かせられたけど)。マツケンの実力云々ではなく、田坂さんとの相性としてマツケンのチャンスは限られてたと思ってたけど、第2節には早々に明らかに本職ではない若狭を起用していて、混迷を深めている感は否めなかった。十分にやれてると思ってた岩武を突然使わなくなったことも謎だし、当初からやりくりでやり過ごすポジションと割り切ってたんだろうか。しかしマツケンの成長はもう見過ごすことは出来ないだろうし、岩武を昇格させなかったことも含めて、マツケン奪還のメドはある程度立ってると思いたい。ダメだとしても最低でも高値でのお買い上げだ。

・ラドンチッチについて
今季最大の謎と言えば、これをおいて他にはない。最終的には公式の発表はケガということだったけど、ハッキリ言って「そんなわけない」。例え本当にそうだとしても、だったら何でもっと早くに発表しないんだと言いたい。別に監督と合わずに干すこともプロだから全然アリだと思うし、何かトラブル起こしたのならそれも人間だし十分にあり得ることだと思う。この件で何が納得出来ないって、事実が明らかにされようとしていないこと。いやもっと言うと、その部分を期待したいメディアの方々の腰が引けてる(ようにしか見えない)ことだ。箝口令を敷かれたのか何なのか知らないけど、このことに触れることがまるでタブーであるかのように、どのメディアもこのことに突っ込まなかった。サカダイのクラブダイジェストで「あの人はいま」的にネタ扱いされてるのを読んで、リアルにずっこけた。もちろんラドンチッチがいれば、もっと勝てたとかそういうことを言いたいんじゃない。試合に出なくなって2ヶ月も経ってから、「ケガをしてたんで退団します」なんて言われて信じるほどサポーターはバカじゃないということ。

・観客動員について
最終的に今季の観客動員数は平均で8422人。昨季J1とはいえ、愛想を尽かされるようなシーズンを送ったにもかかわらずこの数字は健闘した方じゃないかと思う。Jリーグ全体で動員が落ち込んできている中で、J2の中ではまだ上位にいられるわけで、このままズルズルいかずに何とか挽回したい。1万3千人近く入った最終節の雰囲気はやっぱり良かったし、ビッシリと埋まったスタンドは壮観だ。正直に言って、観客動員のために一番必要なことってここ数年の動向を見ててもよく分からない。ただ今季に限っては、これだけホームで結果を残してるんだから、もっと観に来てよと思うことが多かったことは事実。でももう自分は完全なる中毒者だから、フラットにトリニータを見てる人たちからすれば、ふ~ん程度にしか過ぎないんだろうなとも思う。観客動員はクラブの収入として重要なことはよく分かる。ただ昨今の割引チケットを乱発してるところを見ると、シーパス以外のチケット収入にはそんなに期待してなさそうだという気もする。だけど観客動員のもう一つの大事な側面として、新しく移籍してこようと考えてる選手の大きな判断材料になるんじゃないかということ。競合した2つのクラブが全く同じ条件を提示していたとして、一つのクラブが常時1万人、もう一つが3千人だとすれば、その選手の気持ちは前者のクラブに大きく傾くんじゃないかな。



書き出すととりとめなくなってくるので、強引だけどこの辺で。何度も言うけど、シーズンを通せば微妙なシーズンだったけど、終盤に団結したチームは見応えがあったし、来季への期待を抱かせてくれる内容だった。うがった見方をすれば、うまく丸め込まれちゃったような気がしないでもないけど、長い3ヶ月間のオフを楽しみに待てる気持ちで終われたというのは実はけっこう大事だったりするんじゃないだろうか。願わくば、選手たちも同じ気持ちであってほしいと思う。このサッカーの続きをまた来季大分で、田坂さんの下でやりたいと思っていてくれることを願う。



あー、でもやっぱまだ12月にもなってないこと考えると、オフ長ぇーなー。
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PO進出ならず(42節湘南戦)

2014-11-24 17:21:02 | マッチレポート14’

本当に素晴らしい雰囲気の最終節だった。試合終了のホイッスルが鳴ってわずかな沈黙の後のスタジアム全体を包んだ拍手には鳥肌がたった。あの拍手はシーズンの目標を達成出来なかったことはひとまず置いておいて、目の前で魂のこもった戦いを見せてくれた選手たちへの労いの拍手だったと思う。結果は二の次とは微塵も思わない。だけど、10月から豹変したチームは結果が伴わなくとも大多数の人に拍手させたいと思わせるほどに成長したことは間違いない。もちろん自分も最大限の拍手を送った。

シーズンが終了したので、シーズンを通しての感想になりがちなので、この記事では最終節の試合に出来る限り絞って、シーズン総括は次の記事で書こうと思う。


この試合で一番目立ったのはジョンヒョン。もうその活躍は3年間見続けた者にさえも少々の驚きを帯びさせる。水戸戦の後半戦に見せたFKで「あ、ジョンヒョンあるな」とは思ってたけど、それでもあのブレ球FKにはド肝を抜かされた。かつてこのスタジアムで「ベッカムのよう」と発言した選手がいたが、昨日そのスタジアムでクリスチャーノ・ロナウドの影をオレは見たよ。

もう一シーン。後半始まってすぐに相手陣内で相手の縦パスをカットして、そのままドリブルでゴール前に侵入。ファーに流れ気味の林に縦パスを送るもDFにカットされるけど、そのこぼれ球を直接シュートしたシーンがあった。偶然に見えるこぼれ球も前に前に進む選手にこぼれてくる必然性があると個人的には思ってる。2列目、3列目にそういう意識の高い選手がいるチームは強いと思うし、シュート自体はしょぼかったものの、そのジョンヒョンの意識こそがチームに推進力をもたらしていた。そのシュートも含めて、アンカーに位置しながら多分4~5本はシュートを打った。まだまだ最良のチョイスをしたとは言えないプレーも多いし、判断の面で改善の余地は残すものの、田坂さんが辛抱してその成長を待った秘密兵器がこの最終盤で遂に花開いたと言っていいでしょう。ちなみに最後に判定への不満でボールを叩きつけたのは、完全にジョンハン先輩の影響と思われる。

今季成長が著しかったタメとジョンヒョンの同級生コンビ。思い返すと二人のルーキーイヤーだった一昨年のアウェイ横浜FC戦はダブルボランチで同時起用なんてこともあったし、その年の大一番だったアウェイ千葉戦もジョンヒョンは先発だった。苦しかったけど、どっちも勝ってるんだよね。この二人をここまで育て上げたことだけでも、田坂さんは育成に関しては胸を張っていいんじゃないかな。来季も二人とも残ってくれると本当に嬉しい。



田坂さんが言うように負け惜しみでなく五分の勝負が出来たと思ってる。でもそれは勝ちたくてたまんないうちの心理状態を分かった上で湘南が真っ向勝負に応じてくれたからに他ならない。ちょこざいなゲームコントロールをすることなく、いつもの湘南で戦ってくれた。悔しいけど、そういうところを含めて完全に格が違った。「内容」は五分だったかもしれないけど、結局「結果」の部分は順当でしかなかった。間違いなく「過去最高、最強」だと思いますよ。でもそれは湘南ベルマーレ史上ではなく、J2史上「過去最高、最強」だと言っても過言ではない。常識的な投資でこんな成績出せるクラブなんて今後そうそうないと思う。でも楽しみな反面、来季のことを思えばきっと恐いよね。10年、13年と来年、また失敗すれば3季連続のUターンだもんね。別に応援する気はないけど、ここまで強かったクラブが来季J1でどこまでやれるかには興味がある。それと4年続いたあのスタジアムとお別れ出来るのは正直嬉しい。


先に10月にチームが豹変したと書いたけど、終わってみればその10月からの残り8試合は4勝4敗だったわけで、昇格を目指すチームの成績としては不十分だった。それでも個人的にはあの磐田戦から気持ちがブレることは全くなかった。それは目指すサッカーの完成に近付きつつあるチームの手応えが手に取るように分かったし、クラブ全体の前向きなメンタリティも分かりやすく伝わってきたからだと思う。それを信じられたからの気持ちの安定だった。そしてそれを象徴するようなゴールが林の先制点だったように思う。大きくボールを動かした若狭のサイドチェンジ、完全にサイドを破った西と怜の二本の矢、そして抜群のタイミングでニアに飛び込んだ林。そうそうお目にかかれない美しい崩しの形だった。正直、西や怜のSB起用については否定的だったけど、この終盤は両側に構えても、同サイドに並べても、効果的に相手陣内に突き刺さった。懸念してたディフェンス面も対人についてはかなり上達したし、後はポジショニングと高さかな。前者は経験を積めば改善するだろうけど、後者はどうにもならないところがある。怜の去就も含めて(西は今日の合同のコメントで残留確定と見てる)、来季以降はどうなるか分かんないけど、複数ポジションをこなせることは試合中の不測の事態に対応しやすいという面もあるから、ないよりはいい。いずれにしても松原健の動向次第か。そして林は本当に救世主並みの仕事っぷりだった。近年の夏の補強選手の中でも特A級認定でいい。林の獲得が発表された時に何の期待感も持たなかったあの頃のオレをぶん殴ってやりたい。林を放出してから下降線を辿った岡山と獲得してから上昇曲線を描いた大分。直接対決でも決定的な仕事をしたし、あまりにも対照的。さてと、FC東京のクラブハウスにお歳暮を贈る準備をしとかなくっちゃ。



高木の涙は正直意外だった。ウエリントンにぶちかましたジャンボ鶴田ばりのジャンピングニーに代表されるように、高木のこの試合に対する気持ちの入り方はスタンドから見ててもすぐに分かった。サカダイのインタビューで今季は今までにないくらいにサッカーに時間をかけたというようなことを言ってたけど、それは40試合に先発してフィールドプレーヤー最長の出場時間という数字を見るだけで分かる。引退以外で高木ほどのベテランが涙するところはあまり見たことがなかったから、このシーンを見た時はグッときた。





試合結果がどうなろうと、既に来季に向けある程度の方向性が決まっていたかのようだった社長と監督のセレモニーでのコメント。社長が言うところの「勝負」というのが何を意味するのかは分からないけど、その言葉に素直に来季への期待を感じたし、個人的には昨シーズンからずっと反対してた田坂監督の続投にも今のサッカーならもう一年という気持ちがあの場で芽生えたことも事実。例えば、ダニエルの獲得に当たって、複数クラブと競合したと何かに書いてあったのを読んだ。もちろん競合の相手や条件も詳細には分からないけど、それを読んで感じたのはJ2では「勝負」が仕掛けられるくらいの土台は固まりつつあるんだなということ。




一般的に「勝負」と言うと、「大型補強」をイメージしてしまうけど、アノ一件からまだわずか5年。極端なその方向性はこのクラブが目指すべき方向性と違うと思うし、来季はそれこそ大分トリニータの「未来たち」が入団してくる。アカデミーの強化だって立派な育成だし、もっと言えば希望だ。信頼する青野社長がその方向性を踏み外すことはないとは思っているけど、「勝負」と言い切った社長の表情に心のどこかでうっすらと前社長の雰囲気が感じとれちゃったことは否定しない。


とにかく試合単品で評価すれば、とてもいい試合だった。チームの完成度だけを見れば、「終わり良ければ全て良し」と言いたいところだ。純粋にサッカーだけを楽しみたいという思いもあるけど、やっぱり「終わり良し」と言えるのは、順位であり昇格だから、今季の評価として「終わり良ければ全て良し」とはならない。その辺は総括記事に書こうと思う。

まずは大分トリニータに関わる全ての皆さま、1年間お疲れさまでした。また来季がんばりましょう!
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這い上がりたがり

2014-11-18 00:11:00 | トリニータ
いよいよ運命の1週間がスタート。一昨年もそれなりに緊張感のあった最終節だったけど、今年はそれを遥かにしのぎそうですな。個人的な思いとしては、前節しっかりと勝ってくれたことで覚悟は決まった。あとは選手たちが悔いのないように思い切って戦ってくれれば、それでいい。

今日はサカダイ特集の言霊効果について書いてみようと思う。

先週発売されたサッカーダイジェストには大分トリニータ特集が掲載された。このクラブダイジェストというコーナーは2年前のちょうど今頃にも大分トリニータ特集を組んでいる。その時もこのブログで記事にした。内容はモリシとさんぺーの対談の中で、ゴール数で勝負しようというもの。当時はさんぺーが既にリードしていたものの、自ら「モリシに逆転されれば、昇格出来ると思う」と語っており、そして見事にPOで4ゴール固め打ちしたモリシが逆転して、昇格するという結末。さんぺーの言霊めいた発言がすごいのか、サカダイの特集が縁起がいいのかは分からないけど、昇格争いの結末が目前に迫ったこの時期に再び大分トリニータ特集が組まれたことは、何かを示唆してるんじゃないかと思い、昇格にこじつけられることは何かないかとそれこそ目を皿のようにして探してみた。



ありましたよ。それもドーンと表紙に。「何度でも這い上がる!」今季のサカダイによる吉兆ワードはこの言葉しかない。先週発売されたわけだから、取材自体はもっと前のはず。つまりこの時点では水戸戦の結果は分かっていなかったと思われる。もしあのままATを凌ぎ切ってたら、今頃4位に浮上して、かなり有利な状況になってたわけで、「何度でも這い上がる」というフレーズはしっくりと来ない。とすれば、これは一旦PO圏外に自作自演的に転げ落ちて、そしてまたPO圏内に這い上がるということを示唆してるに違いない。

確かにわざわざ書かなくても、「這い上がりたがり」な気質がクラブ全体にあることは否定出来ないけど、これで最終節逆転でPO圏内入りしたら、これほど「何度でも這い上がる!」という言葉がピッタリなシチュエーションもないと思うよ。

ちなみに京都新聞の調べによると、過去2年38節終了時点でPO圏内にいたクラブでPOに進出出来なかったクラブは一つもないそうだ。38節終了時点の3~6位は磐田、北九州、千葉、大分。北九州がいるから、そのデータもう崩れてるとか野暮なツッコミは抜きにして、やっぱ山形にどいてもらうしかないかな。「そこ、オレらの席だから。2週間ばかし貸してあげてただけだから。」


覚悟は出来たとか言いながら、何かすがり付けるものはないかを探してしまう。そんなサポーター心理。今週はずっとこんな感じでしょうか。嬉しくもあり、辛くもあり。
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Jユースカップ準々決勝

2014-11-17 00:53:08 | トリニータ


今回の讃岐遠征は翌日高知に行く予定にしてた。高知の竹林寺というお寺の本尊が50年ぶりの開帳ということで、それに行く予定にしてたんだけど、Jユースカップの準々決勝が今日になったことで、相当迷ったんだけど、高知からの飛行機をキャンセルして、急遽サンライズ瀬戸で帰ってきた。まあ次の50年後は多分生きてないだろうから、もうご本尊を拝むことは出来ないんだろうけど、後悔はしてない(まあ、ちょっとはしてる)。





でもね、若人たちは後悔させないくらいのナイスゲームを展開してくれた。結果は本当に残念なものだったけど、実力差は全くなく、最後は運みたいなところで勝敗が決したように思う。特に試合開始から見せた猛攻は、坂井くんのクロスバー直撃弾を筆頭に本当にスカッとした。夏にクラ選で見た時もいいサッカーだったけど、対戦相手のレベルが明らかに違ったから、本当の実力を測りかねたけど、その力はホンモノだったね。


先発したCBが二人とも負傷退場するという不運がなければ、勝ててたと本気で思う。


今日やっぱり気になったのは、先日発表されたトップチーム昇格を果たした3人。


まずは坂井くん。序盤のクロスバー直撃のミドルシュート等、小柄だけど違いを見せるシーン多数。後半明らかにパスミスが増えたのは、フィジカル的に足りないのか、連携不足なのか、ちょっと多過ぎたように思う。ただボールを持って前を向いた時の期待感は目を見張るものがある。今季はトップのアウェイ札幌戦でもベンチで出場機会なし、ユースのクラ選でも温存となかなかプレーする機会を生で観られなかったけど、やっとこの目に刻みこめたよ。





ボランチの姫野くん。坂井くんよりも小さくて正直プロでやっていくには小さすぎるように思うんだけど、それを補って余りある下半身の強さと根性を持ってる。ボール奪取能力の高さは全盛期のエジ並みのもんがある。ボールホルダーに全力で寄せていって、力強く相手選手とボールの間に割って入っていくところ好きやわぁ。サポの心を掴むのは一番早そう。何よりも「姫野」といういかにも大分人っぽい姓がいい。





そしてキャプテンの佐藤くん。センス抜群のCBという感じ。残念ながら負傷交代をしてしまったけど、ハイボールの競り合いも強いし、周りがよく見えてる。ディフェンスの選手にしては少し線が細い感じがするけど、それはマツケンやタメを見てれば、まだまだ成長すると思うから心配ない。来季がJ1かJ2かによっても変わってくるとは思うけど、このまま行けばCBは激戦区になるから、刺激を受けて大きく成長してほしい。




詳しいことは知らんのだけども、今日の試合を観ててやっぱり岩武くんに上がってきてほしかったと思った。去年もそうだったように、全くのフラットで今日の試合を観たとしても印象に残ったのは岩武くんだったと思う。久しぶりにプレーを見たけど、落ち着いてて強くてうまい。今季J2で十分にやれてたから普通なら昇格させてるわけで、何か事情があるんだろうけど、早目につばつけとかないと、よそに持ってかれちゃうから、4年後と言わず、早々に2種登録しちゃおうぜ。



2年生で個人的にお気に入りの宮地くんは今日はバットマンスタイル。仕掛ける姿勢がいいね。





大分ユースの試合を今季観るのは2試合目なんだけど、実はFC東京ユースの試合を観るのも2試合目。6月に天皇杯東京都予選の横河武蔵野戦を観た。その時も9番の蓮川くんは存在感があったけど、今日も恐かった。ただそのフィジカルにまだ技術がついてきてない印象。確か早稲田に進学が決まったはずだけど、ここからの伸び次第でいい選手になりそうな雰囲気はある。


それにしても本当に残念だった。大阪まで行く心の準備はしてたんだけどな。でも最後にプレミア昇格という未来に繋ぐ大事なミッションがまだ残ってるから、是非ともそこでこの悔しさを晴らしてほしい。
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ドラマチックな「結」への序章(41節讃岐戦)

2014-11-16 18:04:44 | マッチレポート14’
「辛勝」という言葉がぴったりの一戦だったように思う。




今の大分と讃岐がそれぞれ置かれてる状況が生み出したどちらにも本当に痺れる一戦だった。まあ、ある程度の予想はしたものの、外しに外した。前半20分頃まではいい流れとして捉えられてたけど、その後は明らかにおかしな空気になり始めた。8~9人がしっかりと自陣に引いて前半は0で抑える、後半の勝負所でキジを投入して勝ちに行くというのが讃岐のプランだっただろうから、前半の終わりごろから少しずつ攻撃の形を作り始めた中でスコアレスで折り返した時点で、ほぼ狙い通りに試合を進められていたということ。後半は讃岐が攻撃の強度を上げてくるから、そこを凌ぎつつ、前半よりはスペースが出来てくるところをどれだけ突けるかにかかっていた。もう順位とかそんなの全く関係ない中で、本当によくこじ開けたと思う。

終盤の讃岐の放り込みに対して、不細工になりながらも必死にクリアしてる姿に前節の教訓が活かされているように見えた。もちろん2点目を獲りに行くことが大事だと思ってた。ただそこはあれだけ苦しい試合になった中では、2点目を獲りに行く姿勢だけでいいと個人的には思ってた。完全に引いてしまえば、相手に調子付かせるだけだから、牽制の意味も含めて、獲りにいく姿勢だけでいいと思ってた。だから昨日の試合のような進め方で良かったと思うけど、実際に前節を生で観た人たちだと思うけど、相手ボールをキャッチして、速攻に移らない武田に対して容赦なく罵声を浴びせてる人たちが多くてちょっと違和感があった。あの展開のあの時間帯ではそうそう素早く切り替えて、田坂さんのボキャブラリーで言うところの「行って来い」のサッカーを自ら選択するのは、いいとは思えない。あの進め方で良かったと思う。

前節くらいから急に緊張からくるイージーなミスみたいのを見せるようになった大分の選手たち。昨日もジョンヒョンや怜、武田あたりがそんな感じだった。怜はなかなかその感じが抜けなくて、ベンチが若狭を準備した時に怜を下げた方がいいと思ってただけに、あそこで怜を一列上げる采配を決断した田坂さんはお見事だった。それにしても謎だらけだった今季のSB事情だけど、結局何とか最後までやりくりし切っちゃったな。SB事情については一応シーズン後にまとめてみたいとは思ってる。



突然でちょっとビックリした上福元のベンチ入り。時期的にそういうことなのかなと思った。詳しくは知らないけど。


ゴールはなかったけど、何かもう仕掛ける時の姿勢とか完全に別人。「やれる」っていう自信が体中から発せられてるような雰囲気。素晴らしいの一言。残り3試合も大仕事をお願いします。


このシーンをノスタルジックという言葉以外では表現出来ない。長く一つのチームを見続けていると、こういうシーンが嬉しくなる。


過度にベタついてる感あるけど、この二人はただ単に健闘を称えあってるだけのような気もする。


この二人はどういう関係でしょうか。意外な組み合わせ。




田坂さんが、試合後にサポーターのところに来るのは珍しい。それだけこの試合に気持ちが入っていたんでしょう。




ええのう、ええのう。慣れない感じがええじゃないか。選手たちに言っておきたいのは、ヒーローになることは罰ゲームではないからね。つらくない程度に楽しんでもらえると、サポーターとしても嬉しいです。




予想はしてたけど、やっぱり歯ごたえのあったカマタマーレ。この日の結果で入替戦に回ることが決まったわけだけど、是非とも頑張ってほしい。このまま行けばJ3から出てくるのは長野。讃岐うどんVS信州そばの麺類ダービー。このカードは去年のJFLでも観たし、同日にJFL昇格した地域決勝も臨海で観たので、個人的にも楽しみなカード。入替戦は去年も経験してるし、J3クラブより1週先に準備出来るだけでも有利だね。そして何よりも、入替戦の前の大仕事よろしくお願いします!もし大仕事を果たしてくれた暁には、我が家では今後大みそかの「年越しそば」を未来永劫「年越しうどん」にすることをここに誓います!子どもや孫から「何でうちは年越しうどんなの?」と聞かれた場合には、その都度経緯を全て説明します。つまり我が家ではカマタマーレ讃岐の名が未来永劫語り継がれるということです。本当に、本当によろしくお願いします!!


優れた物語には起承転結がある。今季の大分トリニータの物語を起承転結で言えば、間違いなく前節水戸戦が「転」だった。悲劇的で信じ難い敗戦だったわけだけど、その衝撃度が強ければ強いほど、その後に「結」ばれるエンディングはドラマチックになる。さあ、03年を上回るドラマチックな最終節へ。勝利あるのみ。
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まだ引きずってる

2014-11-14 00:38:31 | トリニータ
さて、讃岐戦。

前節は本当にショッキングな負け方だった。敗戦自体がショッキングだったわけではなく、負け方がショッキングだった。決して悪い試合じゃなかったし、この後も今の通りのサッカーを続ければ何か起こるんじゃないかと思えたし、一晩寝れば切り替えられると当日は思ってた。でも本当に珍しいことに今回ばかりは一晩寝ても切り替えられずに、引きずった。そんなことしたって何の意味もないことは重々承知なんだけど、勝ち点63だったら今ここで、次節以降これくらいの星勘定で行けるななんて妄想してはため息をつくようなことを何度かやっちゃってた。日を越えてこんなにも引きずるのはここ数年では本当に久しぶり。それくらいにショッキングだった。

でも冷静になって考えてみると、サポーターである自分がこれくらい引きずってるってことは、やってる選手たちはもっとしんどいだろうなと。中継の中で、水戸の山村の「(昇格争いの)プレッシャーがない分、メンタル面ではオレたちが有利」みたいなコメントが紹介されてて、最初に聞いた時は鼻で笑ってた。ストレスフリーで戦ってるお前たちよりもずっと高いレベルのメンタリティで試合に臨んでるんだという上からの気持ちで。でも、終盤の逆転劇をもう一度見返してみると、やっぱり見えない何かに追われてるようにしか見えなかったし、選手たちが直面してるプレッシャーは相当なもんなんだろうなと想像してみた。今のサッカーをそのまま出せばいいだけとか、軽く言っちゃうけど、それこそが一番難しいんだろうなと。

今週発売になったサカダイのインタビュー記事の中でタメは、2年前のPOの時は「正直試合に出たくなかった。」とコメントしてた。水戸戦の後は選手がどういう思いでこういう状況に対峙しているのかということに考えを巡らせてたから、このタメのコメントが本当にスーっと入ってきた。やっぱそうなのかと。サッカーがうまくいってるからって、簡単に行けるほど甘いもんじゃないんだと。だから結果がどうであれ、選手たちには納得のいく形でシーズンを終えてほしいと思うし、そうなるために出来る限りのことをしたいという思いが今は一番強い。まずは讃岐戦を全力サポート。



讃岐の直近3試合、水戸戦、北九州戦、札幌戦をチェックした。

讃岐は現在3試合連続引き分け中(4試合勝ちなし)。ただ、水戸戦は相手GKのビッグセーブに阻まれたものの、勝ってもおかしくなかった内容。北九州、札幌にも決して押し込まれ続けるような内容じゃないし、順位だけで判断出来ない力を持っている。今の讃岐には非常にオーソドックスな形がある。守る時はしっかりと引いてスペースを消す。だからと言って攻撃がカウンター一辺倒かというとそうでもなく、前2節で奪ったゴールはいずれもキレイに崩した形。試合が膠着した終盤に投入される元祖キジや高橋泰といったベテランFWたちの存在感も抜群だし、本当にバランスがいいチームだと思う。まあもちろんこの形にたどり着くまでに紆余曲折があったのは間違いないだろうけど、今の讃岐の力は21位のクラブのそれでは全くもってない。うちとの試合で勝ち点を落とせば、自動残留の可能性は完全に絶たれるわけで、「火事場の馬鹿力」が発動されるシチュエーションも整ってる。この試合に勝つ難易度は極めて高い。


気を付けたい選手は、3節ホームで対戦した時に書いたプレビューと同じになるけど、岡村とアンドレア。それと2試合連続ゴール中の沼田。この沼田という選手は全く知らなかったんだけど、今回3試合を観てて、讃岐がチャンスになるとことごとく絡んでくる。多分シュート数も多い。ただそれだけの存在感を放っているかというとそうでもないという何とも不思議な選手。高校卒業後にブラジル留学、そしてガンバとの契約に至るという経歴の持ち主だけに基礎技術はしっかりしてるし、シュートもうまい。攻撃の中心というほどではないんだけど、きっちりとチャンスに絡んでくる嗅覚の良さは注意したい。ちなみに沼田は現在イエローカードの累積3枚。すなわちうちとの試合でカードをもらうと最終節が出場停止になる。讃岐の最終節の対戦相手は千葉だ。そこで一仕事してもらうためには、今週は生かさず殺さずで行こう。そしてうちも高木、ダニエルはどうしてもカードをもらえない。アンドレアあたりはサイドがメインではあるけど、ガンガン仕掛けてくるから2つの意味で怖い。とにかく1対1の局面を出来るだけ作らせずに対応したい。本当に考えれば考えるほど、この試合の難易度は高い。

もう数時間もすれば、エルゴラやスカパーの予想スタメンが出てくると思うけど、讃岐の左の矢であるアンドレア対策として阪田さんを先発させるのも面白いと思う。一方で逆に考えて、固い盾で待ち構えるのではなく、その矢を引っ込めさせるためにも松本怜でガンガン押し込むのもアリ。怜は思ってた以上に球際も強いしね。

前節同様、どんなエアポケットが待ち構えてるか分からないから、どうしても先取点は獲りたい。それも前半に。自力昇格がない身としては、「やれることは全てやる」精神で、1時間遅れて始まる山形に少しでもプレッシャーをかける意味でも前半のうちにリードを奪っておきたい。ラスト15~20分で投入される元祖キジと高橋泰の帝京コンビの迫力は水戸の比じゃないから、前節の残像が選手たちの頭の中に残っていることを考えると、1点差で終盤を迎えるのも怖い。もう考えだすと全てが怖い。逃げ出したいくらいだ、逃げないけど。


正直に言って、前節あのまま勝っていれば、この記事でも「今節も楽勝」くらいのことを書いてたと思う。もう試合から4日も経つのに、未だに勝ち点計算したいくらいに引きずってるけど、こんなにも日々の生活をしょっぱくて苦くて辛いものにするスパイスがお前らには必要だとサッカーの神様が判断したからなんでしょう。乗り越えるしかない。このままやられっぱなしで終わってたまるか。

気持ちの面では、ドキドキ感に支配されて試合が来るのが怖い。でもサッカーの面では、今の大分の充実したサッカーを今すぐにでも観たい。二つの異なる気持ちを抱えたまま、決戦の地・四国へ。もうキックオフまで36時間とちょっと。
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受け入れ難い結末(40節水戸戦)

2014-11-09 19:19:19 | マッチレポート14’
この段階まで来て、自力での目標達成を手放してしまったのは痛すぎる。得失点差で実質勝ち点1少ないことを考えれば、もう相当な運がない限りPOが転がり込んでくることはない。今日の結果を持って、もう勝ち獲るなんてかっこいいことは言えなくなった。転がり込んでくるのを待つだけ。勝ち点計算をすれば、今節終わってこういう状況になることは足し算が出来れば小学生でも分かるわけだから、試合運びに厳しさが足りなかったと言わざるを得ない。特に勝ち越した後に、徹底して息の根を止めに行こうとしなかったのはちょっと解せない。前節は鹿島りきれなかったのに、勝ち点3を手に出来たのは、3点目を獲ってたからでしょ。決められたゴール自体は素晴らしかったし、ああいう流れになってしまったことは「サッカーだし、そういうこともある」って消化していいとは思う。でも問題だったのはそこじゃない。采配というよりも姿勢、もっと言えば「こだわり」だったように思う。


ラスト数分は除けば、今日もここ最近のいい水準のサッカーが出来てたと思うし、残り2試合に向けて自信は失わないでほしい。もう2勝するしかないわけで、ここで迷っても何もいいことはない。得点がCKとカウンター。斜めのクロスに対して斜めに土岐田が走って合わせたシーン、宏矢がパス交換から真ん中を割ったシーン、ジョンヒョンの直接FKと、ゴールに迫るバリエーションも豊富になったし、本当に観ていて今のサッカーは面白い。流れが悪くなっても、引き戻す術を全員が同じ絵でイメージ出来てるから、耐える時間帯にもストレスを感じない。だから前節も今節も同点に追いつかれても、いい意味で何とかなると思えてた。

結果として昇格出来ないのは、仕方ない。だけど今日の結果に引きずられて、出来ていたいいサッカーが崩れていってしまうのは、シーズンの締めくくりとしては寂しい。もちろん昇格はしたい。死ぬほどしたい。死んだら来季J1で戦うとこ見られないけど、それくらいしたい。でも今は単純にこのチームであと4試合観たいという気持ちが強い。他力本願だから強気なことなんて何も言えないけど、どうかこの想いが叶ってほしい。

讃岐は間違いなく水戸より強い。それをアウェイで退けなければならないわけで、次節は「正念場of正念場」。みんな、豊予海峡渡ろうぜ。大挙して香川に乗り込もうぜ。絶対いいサッカーしてくれるから。そして勝ってくれるから。目の上の芋煮は次節磐田戦。磐田に意地を見せてほしいとこだけど、正直今の磐田じゃ好調の山形には勝てないと思う。ついでに磐田はここまでの40試合全試合フルタイム出場(ほぼ)している絶対的柱の藤田義明が出場停止になるという最悪のタイミング。運は運でも、相当な強運がないとPOは転がり込んでは来ないと思っといた方がいいね。ま、とにかく自分たちが讃岐と湘南に勝つこと。それだけ。



それにしてもタメのゴールは素晴らしかった。完全に一皮むけたと言いたいとこだけど、本当に素晴らしいプレーヤーなら、あの後に完全に水戸の心を折りに行ってほしかった。タメにはそれが出来たはずだから。今日のゴールを超えるもっとスーパーなゴールでチームをPOに連れてってくれ!そして一緒にJ1行こう!!
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ヨウヘイ・ハヤシ

2014-11-06 22:48:08 | トリニータ
さてレギュラーシーズンもいよいよ残すところあと3試合。今週末の水戸戦に思いを巡らせてみようと思う。

水戸の直近3試合、岐阜、讃岐、横浜FC戦を観た。ちなみにうちが今月対戦する岐阜、水戸、讃岐はそれぞれ直近で直接対決(37節岐阜ー水戸、38節水戸ー讃岐)をしているため力関係の把握がしやすくて助かる。両方の試合を観た印象として水戸は岐阜よりは強いけど、讃岐には及ばないという感じ。つまり讃岐>水戸>岐阜。讃岐はモチベーションが高くて、勢いのあるサッカーをしてるので、非常にやりにくいけど、そこを乗り越えれば、最終節は千葉と対戦なので、逆に期待も出来る。

現在の水戸はあまり思ったようなサッカーが出来ていないという印象。まずはFWの先発が非常に読みにくい。3試合を観て、一番怖いと感じるFWはオズマール。ただ、岐阜戦は先発していたものの、讃岐戦ベンチ、そして横浜FC戦ベンチ外と、チーム内でどういう扱いなのかよく分からない。ただ出てこないのなら、単純にありがたいと思うだけだ。鈴木隆行はコンディションがあまり良くなさそう。彼の最大のストロングポイントであるボールの収まりもよくなく、今の状態だったら先発で出てきてほしいと願う。

水戸の試合を観てて一つ思うのは、アウェイの方がいい試合をしそうということ。実際にここ3試合でもアウェイ岐阜で勝って、ホーム連戦はいずれも引き分け。要因として思うのは、ホーム・ケーズデンキスタジアムのピッチ状態があまりにも悪いこと。大銀ドームも決していいとは言えないけど、そんなピッチを見慣れてる自分が見ても良くないと思う。水戸はホームだと攻撃にキレを感じない。あれはやはりピッチの状態にキレを削がれているような気がしてならない。ベテランである鈴木隆行の調子が良くなさそうに見えるのもこのことと無関係ではないように思う。ちなみに大分とも縁のあるもう一人の鈴木こと、鈴木雄斗はいいピッチでやったらそれこそキレそうな雰囲気を醸し出してる。2年前に対戦した時は初々しいルーキーだったけど、すっかり立派なプレーヤーに変貌している。トップで先発するかは分からないけど、前節ゴールも決めてるし、多分先発してくるだろうから、警戒が必要。前目の選手では一番勢いがありそうだ。

岐阜戦の記事でCK時の守備を再確認しなきゃならないって書いたけど、水戸の前節横浜FC戦を観てて腰を抜かしそうになった。何と水戸が奪った2ゴールがいずれもCKから。それも1点目はうちが岐阜から食らった失点とほとんど同じ形。ニアでスラされて、ファーでドン。水戸には岐阜の高地にも負けないくらい、いいボールを蹴る船谷がいるので、これはマジで侮れない。これほど分かりやすい状況になってるわけで、十分な対策をしてきてるとは思うけど、何よりも最大の対策はセットプレーのチャンスを与えないことだ。ピンチになりそうなことは事前にその芽を摘んでおくことが重要。しかしこうなると、ヤスの離脱は高さの面からもやはり痛いと言わざるを得ない。背番号3の復帰が待たれる。

色々と相手チームで気になることもあるけど、今のうちは相手云々ではなく、走るという非常に単純明快な作業で試合の主導権を握ることが出来ているから、さほど心配する必要はないように思う。特に水戸の監督の性格からして、べったりと引いて勝ち点1を狙うようなサッカーはしてこないだろうから、やりたいことは出しやすい試合展開になるんじゃないかな。讃岐戦では、讃岐の中盤の厳しいプレスに後手後手に回るシーンを何度か露呈していたし、やれそうなイメージは十分過ぎるくらいにわいてきている。その讃岐戦は流れの中からのシュートを打つのにキックオフから68分もかかった。その辺りを考え合わせると、突っ込み気味に試合に入って、モチベーションを持ちづらい精神状態で来ている水戸の心を折りに行くのがいいんじゃないかと思う。


今節は勝ち点2差の千葉が松本と対戦なので、水戸に勝てばPOホーム開催圏に突入する可能性も多いにあるだけに是が非でも勝ちたい。ついでに群馬ー磐田、北九州ー湘南も十分に期待出来るカードだから、その上も見えてくるかもしれない。



「大分トリニータラドンチッチ欠場りゆう」
「ラドンチッチはなぜ試合に出ない」
「ラドンチッチ なぜ出場しない?」
「大分ラドンチッチ不在?」
「ラドンチッチ 使えない」×2
「トリニータ ラドンチッチ 出場しない理由」
「ラドンチッチ なぜ」
「大分 ラドンちっち 試合 でてない」
「ラドンチッチ ベンチに入らない」
「トリニータ ラドン どうなの?」
「大分ラドンチッチ 試合に出てない理由」
「大分 ラドンチッチ なぜ出場しない」
「ラドンチッチ 帰国」
「大分トリニータラドンチッチなぜ出ない」

これはラドンチッチが出場しなくなった9月下旬頃から今までに弊ブログに辿り着いた方々の検索ワードを拾ったもの。これらの言葉で辿り着いた方々と同じような思いで9月の末頃にラドンチッチのことを記事に書いたので、引っかかったんだと思う。まあ、前にも書いたけど、理由が全く明かされないままにエース級の選手が全く試合に出なくなったわけで、疑問に思って情報を探しに行く人たちが多数いるというのはごく自然なことだと思う。個人的にも釈然としない点はいっぱいある。

でも、もういいんじゃないかと思う。

何があったのかは知らないけど、もう2ヶ月も試合に出てないわけで、ここから突然すんなりと試合に入っていけるとはとても思えない。そんな幻影を追うよりも、オレたちには最強の助っ人外国人「ヨウヘイ・ハヤシ」がいるわけで、見えない幻のエースよりもリアルエースをサポートすることにもっとエネルギーを割きたい。今のハヤシのチームに対する貢献度は、例えラドンチッチが普通に試合に出続けてたとしても得られたかどうか分からないくらいのものだと言っても過言ではない。あれだけ走って戦って、バンバンゴール決めて、ついでにかわいい顔して審判にもけっこう文句を言う。ハヤシを見てると本当に熱くなれるし、夏頃に言ってた「ハヤシの途中加入=昇格」とかいう冗談が、冗談じゃなくなるんじゃないかと本気で思い始めてきてる。もちろんサッカーだから1人でやるわけじゃない。だけどハヤシのチェイシングをスイッチにしてチーム全体が連動し始める今の大分のサッカーは本当に面白いと断言出来る。


いやいや、それにしてもこんなにも最強で最高で最愛の選手を「もやし」とか呼んだ奴、誰だよ。出てこいや!

あ、若狭か。。
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割り切って勝ち切る(39節岐阜戦)

2014-11-03 14:00:50 | マッチレポート14’

岐阜までの道すがら、ずっと止まない雨を見ながら、長良川といえばピクシーのリフティングドリブルだし、時代が経過したとはいえ、ピッチ状態は期待出来ないだろうななんて思いながらスタジアムに向かってた。着いてピッチを見てみると案の定、田んぼ状態。今日はサッカーにならんなと思った。確かファンボ時代にメドウで押谷にメッタメタにやられた時も雨だった。


試合中はスタンドからお祭り状態で試合を観てたから、正直どっちが田んぼサッカーにアジャストしてたかは分からなかった。だけど、試合後の両監督のコメントで判断しても、大分の方がより徹底して試合が出来てたんだなと感じる。こういう不測の事態への対応はチームとして伝統的に下手くそなイメージがあるから、しっかりと割り切って勝ち点3を取りにいったことは素晴らしかった。

確かに冷静に振り返ってみても、前半3分の段階で西がクロスの前にあの判断が出来たのは、試合前の指示が徹底されてたことをうかがわせるし、ジョンヒョンや高木を中心に浮き球を背筋を目一杯使って跳ね返して、出来るだけ遠くへクリアしようとする意図も見てとれた。一方で岐阜は大分同様に長いボールが多いけど、ナザリトに当ててることが多くて、微妙な違いながらもそのわずかな差が試合の趨勢を分けたように思う。この辺はラモス監督が十分すぎるくらいに語ってくれてるから、やっぱりそうなんでしょう。


唯一反省点を挙げるとするなら、2失点したことよりも、CKで2度やられたことだろうか。失点した方はまだ仕方ない面があるけど、ヘニキをドフリーにしたシーンはチームでもう一度確認しておく必要がある。もうこの時期になれば、どのチームも万全のスカウティングをしてくるだろうから、セットプレーに迷いを見せるのは危険。


お祭りサッカーでワッショイワッショイだったことは確かだけど、今日も終盤まで運動量は落ちなかった。あれだけ足元が悪ければ、負担が普段よりもかかるのは間違いない。それでも最後まで前に前に出てくる感覚は微塵も緩んでなかった。走ることが今の好調のベースになってるのは間違いないわけで、だからこそ結果の如何にかかわらず、今のチームには100%共感出来る。夏に少々の犠牲を払ってでもフィジコ交代という勝負に出た成果が今出てると思いたい。その走るチームの象徴が前節の末吉だったり、あとは林だったりする。アディショナルタイムに入る少し前に早々に時間稼ぎをコーナー付近で始めた。そのきっかけになったのが、林がギリギリまでヘニキを追いかけ、キックフェイントにかわされながらももう一度食らいついて、さらにはブロックしたボールがヘニキに当たって大分ボールのCKになったシーンだ。もう限界までしんどかったと思うけど、一度かわされてもまだ食らいつく林の執念にゴールシーンと同じくらいに熱くなった。しばらくゴールがなくて、本人は苦しんだと思うけど、それだけじゃない貢献をみんな分かってるから。



ハーフタイムにはこんなスポンジを使って水をはき出す作業。原始的な作業で大変だったとは思うけど、効果はあったように思う。



初ゴールおめでとう、ジョンヒョン!隣の男前にも全然負けてないぞ!


ゴール決めてヒーローなはずなのに、若狭先輩からド突かれちゃうジョンヒョンかわいい。


照れっぷりが微笑ましい。


初めて見たよー、伊佐ダンス!このキレは永芳に通ずるものがあるね。


中継のアナウンサーまでもが吹き出してしまう破壊力。後ろの笑顔もめっちゃいいね。


勝負の10月から5試合で3ゴール。何だこの大黒柱っぷり。タメのサイドからの仕掛けが相手の脅威になり続けてる。ついに来たか、為田大貴「覚醒」の時!


ダニエルと高木は何とかあと2試合ノーカードで耐えてくれ。


試合後は宮さんと深谷がゴール裏に。


撮った写真を家で見返して、あぁ宮さんってこういう表情するよなって改めて懐かしかった。





泣いても笑ってもレギュラーシーズンも残り3試合。自力でPO圏の可能性があるわけで、有利なことには間違いはないけど、最終節はホームとはいえ相手は湘南。磐田-山形が残ってるから残り全勝じゃなくてもいける気はするけど、出来れば水戸、讃岐に勝って最終節はホーム開催権を争うだけの状況くらいにしておくのが理想。理想なんて言い出したらきりないけど。

次節ホーム水戸だけど、アウェイで水戸とやった開幕戦がつい昨日のことのように思うのは気のせいでしょうか。今シーズンもあっと言う間だった。
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