Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

何が起こるか分からない(27節秋田戦)

2016-10-31 02:26:38 | マッチレポート16'


走れー走れー 2塁ベースへー ラララ光より速く 青い稲妻ー♪


「ブラウブリッツ」とはドイツ語で「青い稲妻」という意味だそうです。「青い稲妻」と聞いて真っ先に思い出すのは、林田健司でもSMAPでもなく、ジャイアンツの松本匡史なくらいには子供の頃はG党でした。今じゃ完全にアンチですが。









ブラウブリッツ秋田のホームスタジアムであるあきぎんスタジアムは球技場なので、メインスタンドからとても見やすくいいスタジアムだった。JRの駅があって、繁華街があって、官庁街があって、スタジアムがあるという中心部からのアクセスも抜群で、大分で言うなら新川とか碩田あたりにスタジアムがあるようなもんで、いいところもかなりあるんだけどね。




ただ如何せんサイズが小さく、選手バスも道路から直接横付けだったり、チームトラックも路駐。外から丸見えの部分もあったりと有料興行を行うにはちょっと適さないかな。秋田がJ2以上に上がってくるには、ここではないどこかに新しいスタジアムが必要なんだろうね。



長野戦の時ほど固い感じがせず、程よい緊張感で試合に臨めてるなという印象だった。


序盤は五分の展開だったものの、すぐに大分ペースに。アタッキングサードでの工夫やアイデアも十分にあり、PKがなくても得点が出来そうな匂いはしていた。秋田はとにかく守備時のボールへの寄せが速く、かつ人数もかけてきてた。ただそのやり方に徐々に大分の選手たちが慣れてくると押し込む時間が長くなった。秋田の選手は総じて寄せは速いものの、大分の選手にフィジカルで負けるシーンが目立った印象。


DFは4枚。選手の力量差を考えると、積極的にズレを作りにいった片野坂監督の狙いはハマっていたと思う。2列目、3列目から効果的な縦パスが頻繁に入るし、バイタルエリアのケアがかなり甘いなと思った。ホームでの勝率7割と聞いていたけど、強いなという印象はほとんど受けなかったし、普通に勝てる相手だったと思う。




そんな試合が一変したのが、伊佐へのレッドカードから。怒るでもなく、まあこんな顔になっちゃうのも分かるくらいに酷い判定だった。PKで先制した直後で、秋田が攻勢を強めてくるのが明白な時間帯で伊佐は意図的にチェイシングの強度を高めていて、チームへの貢献度の高いプレーだった。そんな中で勢いが良過ぎて、相手のボールを蹴った後の足にタックルが入ってしまった。軸足を刈ったわけでもなく、明らかに足裏が見えていたわけでもない。誰がどう考えてもイエローが妥当なプレー。


多分直前のPKの判定に自信がなかったんでしょう。俗に言う「帳尻」というやつなんでしょう。さらに言えば、レッドのジャッジにも自信がなかったんでしょう。後半は微妙なプレーはほぼ全て大分寄りの笛になったし、露骨に時間を稼ぐ大分の選手たちに注意を与えることもほとんどなかった、ましてや遅延行為のイエローなんてあるわけもなく。宇田賢史というらしい。昨季までJでの主審のキャリアが3試合しかないひよっこちゃん。毎度思うがこんなのに当たりたくなかったら、昇格するしかない。

ここからは推測だけど、PKからレッドへの一連の判定をたまったもんじゃないと感じてるのは多分我々だけではないんじゃないだろうか。数的不利になって後半は確かに圧倒的にボールを保持されたけど、後半最もゴールに近付いたのはATの昌也のシュートだったように、秋田の攻撃でこれはヤバいと思ったシュートは1本あったかなかったかという印象。秋田は押し込む展開のサッカーに慣れていないのか、攻撃を作る前にボンボン前線に放り込んでくれて、うちが5バックにしてからはむしろ放り込んで欲しいと思うくらいに可能性の低い攻撃に終始してくれた。序盤に秋田が見せていた前線の選手の1枚がボールを受けに下がってきてスルーしてもう1枚が反応するといった攻撃の方が遥かに恐かった。結局シュート数9という数字が秋田の攻撃が機能していなかったことを証明している。普通に同点で同数の状況で試合をやりたかったんじゃないだろうか。






結果的に勝ったし、時間も経ったから今は冷静に振り返ることが出来るけど、直後は到底受け入れられるジャッジじゃなかったし、腹が立った。でも選手たちは違った。いつの間にか修行を中心に10人全員で残り時間のやり方を話し合う姿があった。もちろんハーフタイムには監督からも指示があっただろうけど、ピッチ内の選手たちだけでも意思統一を図ろうとする冷静さや、簡単に諦めないメンタリティが呼び込んだ勝ち点3だったのは間違いないと思う。主審の心理状態を察してか、やり過ぎだろと思うくらいに時間を稼いでくれた修行、何本放り込まれても徹底してはね返し続けた鈴木と福森、1回外されても2回、3回としつこく追いかけ続ける姫野、そして何よりも局面局面で頼もしかったぐっさんとソンスのベテラン2人。岩田の代表やダニエルの累積がなければもしかすると出番がなかったかもしれない2人だけど、今日は何度「いてくれて良かった」と思ったことか。


今日は本当に選手たちのがんばりに頭の下がる試合だった。勝てて本当に良かった。意図したものとはまるで違ったかもしれないけど、グッドゲームだった。



昇格するチームはこういった試合をモノにする、もしかするとそんな試合が今日だったのかもしれないとは思う。ただ、今日の教訓としてどんなに十分に準備をしても何が起こるか分からないわけで、もう一度気を引き締めないとと思い直した。U23チームとのホームゲームと今のYSにはまず勝てるだろうと個人的には思ってるんだけど、そうじゃない何が起こるか分からないんだと、まさに勝って兜の緒を締める。今はそんな心境。何が起こるか分からない、それは栃木にも同じことが言えるわけで、残り3試合だけど、我々が勝ち続けられれば、何が起こるか分からないんだ。




伊佐の退場に伴い、次節のFWがいないというのも楽観出来ないと思う大きな要因の一つ。苦しいけど、この秋田からの帰り道から既に次の週末への戦いは始まってるんだ。そんな戦いの始まりの場所である秋田空港に大きく飾ってあったこのレリーフが次節に向けての何かを示唆しているような気がしてならない。
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エースに求めること(25節長野戦)

2016-10-16 22:26:47 | マッチレポート16'


そんなにうまくいくわけねーだろ、とサッカーの神様から頭をぶん殴られたような今節の結果。もう一度前を向いて勝っていくだけ。



さんぺーの不帯同の理由が分からないけど、前節までの序列からいけば伊佐が先発だった流れでのキリノの先発起用。そして清本→怜。岩田不在の最終ラインの対応は想定通りだったものの、前線については試合前から動いてきた片野坂監督。試合後に監督が100%采配ミスと言い切っただけあって、今日は何をやってもダメだった。そんな印象の試合だった。


まずはキリノ。長野の最終ライン(特に阪田の脇を固める2番と3番)が想像以上に強かったこともあるけど空中戦はほぼ全敗。ごっちゃんとの連携皆無。上や前には強かった長野の最終ラインだけど、前半に怜が2度ほど飛び出した時の対応を見れば、裏への動きに対しては弱そうだったにもかかわらず裏抜けもなし。唯一良かったと感じたのは、自陣のマイボールのスローインで自分に投げられたボールの頭でのリターンを失敗してロストしたボールを絶対に奪い返すという誠実さを見せたプレー。ただしそれも結果的には相手に絶好の位置でのFKを与えたわけだけど。監督はキリノのプレーに何度も首を振り、たまらず後半10分で交代させた。ハッキリ言ってキリノの先発起用は失敗だった。

キリノの活かし方にも問題があったと思う。早々に空での優位性は保てないと誰もが気付いたはずなのに、キリノの頭を狙ってははね返されるという単調な攻撃が多かった。夏以降に練度の上がったボールを保持して主導権を握るサッカーは、前半あまりうまく機能しなくても我慢強く回していれば後半に相手がバテ始めるという効果を見せる試合も多かった。もっとそこを信じて遅攻に徹しても良かったと思った。前半の20分頃にスタンドに乗せられて長野の攻撃陣が猛烈にフォアチェックをかけてきたけど、修行の冷静な逆サイドへの展開で完全にかわされたのをきっかけに長野は全くフォアチェックに来なくなった。こちらのボランチをガッチリとケアするでもなかったからもっと主導権は握れたと思う。

前の記事でも書いた通り、ラストチャンスに賭ける長野は確かに強い気持ちで戦ってるなと感じるシーンは多数あった。ただハッキリと強いなと思うほどのチームではなく、残念ながらこの試合に対する思いの強さで負けたような印象。ただ長野はラスト2試合が栃木、鹿児島と自身が昇格出来るかどうかは別として、間違いなく昇格レースの鍵を握るクラブ。残り5連勝で来たとしても、うちが3勝2分で逃げ切れる。この敗戦を重く受け止め過ぎる必要はない。



何をやってもダメと感じた要因の一つ。高松の神通力も炸裂しなかったこと。



ラストプレーのCKでゴール前に上がったにもかかわらず競ることすら許されなかった修行。ごっちゃんからアイスの1本でもおごってもらうべき。



浦和がやり始めてからよく見るやつ。






2度目の南長野。メインスタンドからは初めてだったけど、やっぱり素晴らしい。位置や高さを総合的に判断するとバックスタンドの2階席最前列が多分サッカーを観るのにベストポジションだと思われる。





この時期になると大目標も目前に迫ってきて、サポーターとしては「こんな局面で不甲斐ない試合はまさかしないだろ」という勝手な思い込みをどうしてもしてしまう。チームとして十分に準備もしてきただろうし、選手たちも油断なんて微塵もしてないと思う。それでもうまくいかない試合がある。そんな試合は昇格争いや残留争いをしてきたシーズンを思い返してみても必ずあった。でもそれを仕方ないで割り切ってしまっては目標の達成はないと思う。ましてや残り5試合で栃木まで勝ち点5差と追い込まれた状況を考えればなおのこと。富山戦も今日の長野戦も個人的には決してネガティブには捉えていない。ただもうここからは理屈を超越した部分で勝ち点を取るような試合が出来なければ、栃木をひっくり返すことは出来ない。順位通りの結果にならないことは百も承知だけど、残り5試合にボトム3を残してるだけに可能性はあると信じてる。









ずっと試合に出続けてきた選手として初先発の相棒を活かすような仕事が全く出来なかったこと。90分を通して存在感を見せるようなプレーがほとんどなかったこと。ゴール前の絶好機をフカしたこと。修行まで上がってきたラストのCKで軸足をスリップさせ、チャンスをふいにしたこと。これら全てが不満なわけだけど、オレがもっと不満に思うことは、試合も残り10分くらいで相手陣内の左45度くらいのいい位置で得たFKを2階席に届こうかというくらいの勢いでフカしたこと。多分誰も触らなければそのままゴールに吸い込まれるような軌道をイメージして蹴ったんだろうけど、ミスは誰でもするし、フカしたことに対しては不満はない。でもその数分後に同じような位置からのFKでファーの選手の頭に合ったものの、フンワリと置きにいくようなキックをしたことが何よりも不満だ。大げさに言えば、あそこで置きにいくキックをするところに今日の不甲斐ないプレーの全てが凝縮されているとさえ思う。こういう試合に勝つこと、昇格することってそんなに簡単なことじゃない。

でもオレは信じる。お前がこのチームのエースなんだから。お前のゴールでオレたちをJ2に連れて行ってくれることを信じてる。
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運命のラスト6

2016-10-12 23:12:54 | トリニータ
3週間近く更新していなかったので、自らを奮い起こすリハビリ記事。


お祭りのような最終予選の代表ウイークも終わり、リーグ戦という名の日常が戻ってくる。そしてJ3はここからキレイに週1ペースでラスト6に突入する。J3中断中は今季の山場になると思われた富山→鹿児島→長野の3連戦も、ここまで2試合を終えて無失点で勝ち点4。さらに首位の栃木がズルズルと落ちてきていることを考えると想定以上の結果と言えるんじゃないだろうか。ただ一つ想定外だったのは、3連戦のラストの対戦相手である長野が昇格争いから脱落しかけていること。これは中断中には想定出来なかった。


ここで長野パルセイロというチームについて少し。大分トリニータとして公式戦で長野と対戦したのは、多分今季の開幕戦が初めてだったんじゃないだろうか。個人的に長野県という土地には縁もゆかりもあって、とても親しみがあるため山雅やパルセイロの試合も昔からよく観てきた。確かめる術はないけども、トリニータサポーターでオレよりも長野の試合を観たことある人って多分いないんじゃないかな?それくらいにたくさん観てきてる。南長野は新も旧も行ったし、長野市、佐久、アルウィン、西が丘での記念すべきJ3開幕戦等々、JFL昇格時の信濃毎日新聞の号外も持ってる。J3初年度から昇格候補と目されて今季で3年目。待望の新スタジアムも完成し、今季こその思いは強かったはず。毎年いいところまで行くものの、最後は昇格までわずかに届かずという悔しいシーズンを繰り返してきている。今季もこのままいけば、J2昇格の悲願は達成されないだろう。残り6試合で入替戦圏内の大分と勝ち点7差。今週末の試合で勝ち点3以外の結果であれば、長野の今季のJ2昇格は絶望と言っても過言ではないし、何よりも本人たちがそのことを一番強く感じていることだろう。つまりそういう悲壮感漂うような決意で試合に臨んでくるであろうことは容易に想像出来る。


ごっちゃんのファインショットで快勝した鹿児島戦から2週間。夏の中断に入る時に、「出来ることならこのままシーズンを続けたい」と栃木の選手が言ってた。調子が良ければそれが本音だろうし、現実に1ヶ月超も間のあいた栃木は調子を落としつつある。中断明けの大分は攻撃もさることながら4試合無失点と守備が安定してチームはいい状態にあると言えるし、実際に選手たちのコメントからも手応えらしきものがうかがえる。前述の栃木の選手と同様に、大分の選手たちも代表ウイークを挟まずにリーグ戦を継続したかったんじゃないかな。たったの2週間だけど、間を挟むことでリズムが乱れることも考えられるし、何よりも対戦相手の置かれた状況を考えると、ラストチャンスに賭ける長野の選手たちの死に物狂いの気迫はただでさえ難しいアウェイゲームをさらに困難なものにすることは間違いない。


もちろん昇格するのに簡単な試合なんて1つもない。それでもこの長野戦はとびきり難しい状況での一戦になったと感じている。チームはこの一戦に万全を期して金曜日に前々日移動とのこと。長野県への前々日入りというと、2012年シーズンの最終節松本戦を思い出す。あの試合は誤審もあってスコアレスドローだったけど、あの年と同様に昇格に向けてのクラブの本気感が伝わってくる。「恐いけど楽しみ、楽しみだけど恐い」。試合のことを考えてはこの無限ループにハマるのこそ昇格争いの醍醐味。東京から車で3時間もかからない長野だけど、我が家もチーム同様に気合いの前日入りを敢行する予定。いよいよ運命のラスト6。
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