Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

不安な環境を乗り越えて(6節ガンバU23戦)

2016-04-23 22:24:24 | マッチレポート16'
勝てはしなかったけど、とても面白くてエキサイティングな試合だったというのが素直な感想。



大分に住んでいないので、地震が選手たちにどれくらいの影響を与えているのか全く分からなかったし、心身ともにどんなコンディションで大阪に乗り込んでくるのか、試合が始まるまでは心配することくらいしか出来ずに何とも言えない気分でキックオフを迎えた。



キックオフしてすぐに戦える状態でこの日を迎えてくれたことが分かった。期せずして消耗度の高い試合となったけど、全員が最後まで戦う姿勢を貫いたことに感動したし、今日ばかりは勝敗抜きでいいと思う。ホームで再スタートだ。





桜色のクラブの下部組織出身で20歳。青黒の23歳以下の選手が大半のチームを目の前にして、大津耀誠が燃えないはずがない。


そして結果でその気持ちを見せつけた素晴らしい先制ゴール。右からのアーリークロスに相手DFとのポジション争いに勝ってヘッドでドン!大津のようなプレーヤーに期待したいゴールそのまんまのようなゴールだった。


それだけに負傷での途中交代は大津個人としても残念だっただろうし、組織としてもゲームプランが大きく狂ったし痛かった。試合後の挨拶には自力でゴール裏まで行ってたし、長くはならないだろうけど、早い回復を祈る。ひとまず初ゴールおめでとう。


トリニータの主なチャンスメイクはサイドから。特に前半はトリニータの右サイドが広大なスペースを作り出し、優位に立った。ただ大津がいなくなったことも影響したと思われるけど、その後クロスが全く中に合わなくなった。翼、後藤の2枚なので高さで勝てることは当然なく、さらに2人の動き出しが被ることが多く、サイドまでは行くもその先でため息という攻撃が本当に多かった。そうなると坂井を入れて細かく崩すしかないんじゃないかなと思ってたところに、坂井が投入されるも姫野との交代でポジションもそのままボランチに。攻め込んで行く時にも坂井の位置取りが低くてあまり攻撃に絡めない。ちょっと期待してた役回りと違った。坂井もケガからの復帰戦でまだ本調子じゃなさそうだった。今日のようなゲーム展開で能動的に攻撃を構築したい時に坂井の存在は絶対に必要なので、出来れば2列目より前で、相手の懐に飛び込んでいけるポジションで使ってほしい。


ラスト15分のノーガードの打ち合いは、トリニータは相手のビルドアップを引っ掛けて2~3枚でカウンター、ガンバU23は徹底したショートパスでひたすらに真ん中をこじ開けにくるという展開。両者ともに少しの賢さと冷静さがあればゴールを奪えたんじゃないかなと思った。でもあの時間帯の攻防は熱かったし、手に汗握った。ちなみに2点目のPKはハンドではあったけど、エリア外だったと思う。メインスタンドで観ていた周囲の人も口々にそれは言ってたし、自分もそう思った。まあ、ラッキーだった。



開幕から1ヶ月超。ついに山岸さんトリニータデビュー。前半のぐっさんは2失点目の処理はお粗末だったものの、大津へのクロスは見事だったし、後半頭からフォーメーション変更があったわけでもないのに交代をさせられちゃうほどの出来だったとは思わなかった。山岸のプレーは、メインスタンドから見て逆側だったこともあって細かいところまでは分からなかったけど、怜と絡んだ攻撃には厚みがあって良かった。左足の切り返しからペナに侵入していったシーンは右足でぶちかましてほしかった。ただそれ以上にあの山岸からのパスに攻撃の選手として完全に反応が遅れた松本怜の集中力はちょっとどうなのと思った。後半は押し込む回数が多かったことと相手の攻撃が中央に偏ってたので、DF面での山岸の仕事っぷりがあまり見られなかった。そこでぐっさん以上の水準が見せられるのなら、レギュラーは変わるんだろうなと思った。いずれにしてもケガからの復帰戦の45分でSBがあれだけチャンスに絡めるのはいい選手の証拠。これからコンディションを上げてくるであろう山岸に期待したい。





本当によく走ったルーキーの2人。翼の猛然と襲いかかるようなフォアチェックは何度も相手のボールを引っ掛けてカウンターの起点となったし、終盤まで清本の外を何度も何度も追い越して行く岩田にも感動した。沖縄から薄々と感じ始めてたけど、岩田がかなりの濃度で「別格感」を漂わせ始めた。同年代の代表でチームメートにもなる高木彰人や堂安律に見せつけるかのごとく強烈に体をぶつけてボールを奪う様はまさに別格。「早熟の県北」が産んだ新たなスター誕生の瞬間を我々は目撃しているのかもしれない。ちなみに岩田がU20W杯を目指す代表に最後まで選ばれ続けたとしたら西川周作、松原健に続く宇佐市出身者として3人目の選出になると思われる。宇佐市の人口は約6万人。こんなにも高確率で10代の最高峰の代表に選手を送り込む自治体が他にあるだろうか。「早熟の県北」マジで恐るべし。



試合後、ガンバU23の實好監督とかなり長く話し込んでた片野坂監督。遠くから見てると片野坂監督が話したそうにしてる感じが伝わってきた。自分の決断次第では今日の反対のベンチに座ってた可能性もあったわけで、色々と情報交換したいこともあったのかな。


5試合を終えて、3勝1分1敗と優勝を目指すチームとしては極めて普通の成績となってしまったわけだけど、冒頭にも書いた通り、今日についてはまずは普通に試合が出来たことを喜びたいと思う。もちろん地震についてはまだ予断を許さない状況なわけだけど、今日のような試合を出来る選手たちならこの先は大丈夫だろうと思える。次節ホームゲームから反撃開始だ。
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なんくるならない(4節琉球戦)

2016-04-11 23:07:09 | マッチレポート16'
「おい千明このヤロー、ここから10アシストしてチャラだからな、このヤロー!」

自分の記憶が正しければ、トリニータの選手があの類いのレッドをもらうのって09年の開幕戦の大輔以来じゃないかと思う。ただあの時は竹内の頭おかしいんじゃねーのレベルの殺人タックルを食らった後だったから同情の余地はあった。でも昨日の千明のは言い訳のしようのない「愚行」。個人的にはこういう個人レベルの「愚行」でチームに迷惑をかけた場合はきっちりと罰金をとった方がいいと思ってる。プレーに関してのイエローやレッドについてはやむを得ないものから、むしろチームを救うものまであるけど、プレーが切れてる時のカードには何の価値もない。本当だったらもうバッサリと斬ってしまいたいくらいに腹が立ったけど、千明投入から生き返った組織を見てしまうと、振り上げた拳をそっと下げざるを得ない。

「おい千明、残り25試合で10アシストだぞ、期待してんだよバカヤロー・・」



というわけで行ってきました沖縄。4月10日がそのシーズンの最初のスタジアム観戦というのは多分トリニータサポ歴の中でも最も遅いシーズンだと思う。その待ちに待った初観戦でチームが今季初黒星という最悪の展開。次節はオレが行かないからどうせ勝つんだろ、ハハハ。。


それにしても戦術云々の前にシュートやパス、クロスといったベーシックな部分の質が非常に低いのにちょっと驚きを隠せなかった。選手コメントにもあったように、暑かったしそれに慣れるまでは体が重かったんだろうなというのはスタンドから見ててもよく分かった。ただそれにしても、シュートが枠にいかない両松本、パスがズレまくる全ての選手、前半だけで5本のキックミスをした上福元等々、ちょっとひどかったね。よくシュートをフカすと「宇宙開発」と表現されるけど、後半に右からのクロスをダイレクトボレーで狙った怜のシュートは紛れもなく「それ」だった。種子島でよくああいう軌道の映像を見るもん、沖縄だったのに。。中でも昌也のキレのなさは、暑さだけが原因じゃないレベルに見えちゃったなぁ、そうであってほしくないけど。判断が遅くて、体のキレだけじゃなくて、頭のキレも鈍ってるように見えた。次節から立て直してほしい。


失点の起点となってしまったけど、90分を通して一番頑張ってたのは、間違いなく岩田。SBが適性ポジションだとは決して思わないんだけど、終盤にビュンビュン駆け上がってく姿は頼もしく痛快だった。姫野との阿吽の呼吸で裏のスペースに出されたスルーパスが届いてたら、昇天してたかもしれない。あれは思わず声が出たし、ホントに惜しかった。試合終了後も一人立ち上がれなかったし、オレは気が付かなかったけど、泣いてたみたいだね。





そして昂洋はベンチ入りおめでとう!こっからだぜ、頑張れ!!


クロスの練習してたし、右SBでの起用なのかな。



ギリギリの内容で勝利を手繰り寄せてたようなところもあったから、遅かれ早かれ負けたんだろうけど、これを次にどう活かすかが大事。10人になってからも五分に近い内容で試合を進めたし、得点の匂いもした。監督の采配で試合の流れを呼び込めるのは素晴らしいことだけど、もっと選手だけで出来ることもあるはず。もっとしたたかに、もっと泥臭く、ここから開幕みたいなもんだ。また勝ち続けるぞ。




それにしても琉球はお客さん少な過ぎじゃないですかね。日曜日の16時キックオフで14百人って、この人数でJ3入会出来るんだったっけ?
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関東大学リーグ開幕

2016-04-04 00:50:36 | トリニータ
3連勝だー!!っと鳥取戦のことを書きたいけど、試合が観られなかったので、雄叫びだけにしておきます。


さて、今週末関東大学リーグが開幕。去年の観戦頻度も考えて今年はシーズンパスを買いました。開幕週だけで3割くらいのモトを取ったので、お得感がハンパない代物。


今週は一気に4試合を観たけど、何と言っても岩武くんのリーグ戦デビュー。



1年の時に既にアミノバイタルカップではデビューしてたけど、リーグ戦の出場はこれが初。同じ右SBの室屋がFC東京に加入したことで、今年はチャンスが巡ってくるかなと思ったけど、キッチリとチャンスをモノにしたみたいだね。素晴らしい。



体もデカくなったというか、厚みが出てきた感じだし、安定感があってポジション奪取も納得のプレーだった。ちなみにこの日の対戦相手の慶應の対面は、去年の新人王の松木(2年・青森山田)だったけど、何もさせなかった。慶應が前半で退場者を出した影響もあったとは思うけど、それまでも完勝だった。この水準を維持出来れば、試合には出続けられるんじゃないかな。
















ユースOBはみんな気になるけど、やっぱり岩武くんは特別。あれだけトップチームの試合に出たし、特別に気になる。このまま成長し続けて、このリーグで存在感を放てるようになれば、当然J1クラブの目にも留まるわけで、必ずしもうちに帰ってきてくれるわけではないけど、それでももっと成長してほしいと思える選手。下部組織出身っていうだけでかわいいのに、彼のツイッターのプロフィール欄を見ると、自分と同じ大学、同じ学部、同じ学科。やっぱり特別かわいい。


しかし明治は胸スポンサーがキリンビバレッジで、背中スポンサーが三菱電機とか、どこのビッグクラブだよって感じですな。



この週末で早稲田、流経、明治、慶應、専修、駒沢、国士舘、桐蔭横浜と12校中8校を見たけど、ほとんどの学校がまだ仕上がり途上という感じだった。明治は慶應を圧倒したけど、単純に慶應のセットプレーがお粗末だっただけのように思うし、実際に数的有利になってからも流れの中からゴールしてないし、まだまだ先は長いし、分からないなという印象。





開幕戦の主審は何と吉田寿光さんという豪華な審判団。ちなみに吉田さんの右隣にいる四審は明治の牛ノ濱容選手(3年・福岡U18)。こんなこともするんだね。




流経はチームとしてはイマイチだったけど、今年も個人として気になるのは小池裕太(2年・新潟ユース)。去年も良かったけど、今年はドリブルも積極的に見せてたし、何よりも既にピッチ内での落ち着きが抜群。左利きのSBというだけで日本サッカー界では既に希少性があるのに、さらにトレンドになりつつあるロングスローまで投げられるとくれば、引く手あまたじゃないかな。




流経の先発GKだったオビ・パウエル・オビンナ(1年・JFAアカデミー)。いかにもバネのありそうな見た目だけど、キックの質とかまだまだかなという感じ。193cmというサイズはやっぱり魅力だけどね。




2日目の今日一番楽しみにしてたのは昨年の得点王・松本孝平(4年・藤沢清流)。シーズン序盤でまだ重め残りなのか、まだ去年のような躍動感は見られず。高さでもマッチアップした桐蔭横浜の1年生DFにけっこう封じ込まれてた。ちょっと気になったのは、味方に落とすポストプレーとか上手くなってたんだけど、それと引き換えにダイナミックさが失われてる感じがしたこと。こじんまりと上手くなるより、いいとこ伸ばしてほしいタイプの選手だけにコンディションが上がってきてからもう一度見たい。成り上がってきたエピソードとか、プレースタイルとか、是非とも次のステージに上がってほしい選手だけに、絶対に「One Season Wonder」で終わってほしくない。



今年は宮地くんが学芸大に入ったこともあるし、東洋や中央に楽しみな1年生がたくさん入ったこともあるから、時間が許せば2部も見たいと思ってる。4月に異動がなかったことで仕事の新鮮味という点ではしんどい1年になりそうだけど、東京に住んでることで大学や高校年代のサッカーが観やすい環境だという点では今年も楽しみな1年になりそう。
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