Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

これぞ消化試合(42節群馬戦)

2023-11-18 22:36:57 | マッチレポート23'
消化試合でそのシーズンのベストゲームが出がちなのはもはやあるあるだ。古くは2009シーズンのホーム川崎戦、2013シーズンのアウェイ大宮戦(内容はベストじゃないものの唯一まともに勝った試合)、2021シーズンのアウェイ柏戦。この3シーズンに共通するのは全て降格したシーズン。なぜこれが残留を争っている時に出来ないのかと思うわけだけど、選手たちもそれだけ強いプレッシャー下に置かれながらプレーしていることの裏返しでもあるよね。でもそのプレッシャー下でも出せるプレーがそのチームの本当の力であって残念ながらプレッシャーから解き放たれて良いゲームをしたとしてそれが未来に繋がるわけでもなく、つまりこの群馬戦が2024シーズンJ2第0節として何かを担保してくれわけでもない。良い試合だったと思うけど、これはあくまでも2023シーズンの42分の1。


選手交代にも消化試合感は表れていた。1週間遅れで試合を観たわけだけど、群馬側の終盤の交代選手は軒並み退団が発表されていて記念出場ぽさは拭えない。その観点でいくとこの試合で最も良かった将輝を60分で下げてノムを投入しているわけだけど、あれもしかしてノムも退団なのかなと思ったり。そんなこんなを含めて真剣にはやるけどどちらもシビアに勝ち点を求めていたとは言いづらい消化試合だったと思う。


希望があるとすれば4-1-4-1システム採用後に将輝と堅心が躍動したこと。特にこの群馬戦ではゴールに近いところで良い仕事をたくさんした将輝が目立った。来シーズンはこの2人がチームの中心となるくらいの活躍を期待している。


先制点はまさに「長沢用のボール」。ふんわりクロスをピンポイントで合わせてしまえばDFは競ることすら許してもらえない。今シーズンも1年を通しての活躍は出来なかったけど、要所要所で長沢らしさを見せるのはさすがにたくさんのクラブを渡り歩いてきたベテランらしさがあるなと思わされる。


そしてやはり新太。パス&ゴーでペナ内に侵入、相手GKという壁を利用して将輝へラストパス。仕掛けることの重要性を最も理解しているのが新太だと思う。もともと新太の魅力はパンチ力のあるシュートだと思っていた。実際に前節も今節も決まったものも含めて何本も強烈なシュートを放っている。でも改めてゴールに向けて仕掛ける新太の姿勢こそこのチームに一番足りていなかったことじゃないかなと思い始めている。まあ、素人でもこんな感想を持つわけで他クラブが見逃しているはずはないので移籍してしまったとしてもそれはやむを得ないんだけど、せめてもう一年違う監督のもとで輝く新太が見たい。


2023シーズンは17勝11分14敗の9位で終了。結局得失点差はマイナスから浮上せず。前年よりも勝ち点、順位、得点数、失点数全てで成績が悪化。クラブが昇格が目標という看板を下ろさない限り、ここから3年目のシーズンを同じ監督に託すことは普通に考えてあり得ない。試合後のインタビューで将輝もさも当り前のように「大分はJ1にいるべきクラブ」と発言してしまっているけど、そろそろこの認識を全員で改める時が来ているように思う。もちろんJ1を目指すなということではなくて、もう通算の在籍年数でもJ1よりJ2の方が長いし来シーズンで最低でも連続3シーズンはJ2に在籍することが確定しているわけだから「大分トリニータはJ2のクラブ」っていうのが世間一般の認識だよ。それを当事者たちだけが「大分はJ1にいるべきクラブ」と発信し続けるのはもはやダサい。甲府が天皇杯を獲りそしてACLでも結果を残したり、福岡がルヴァンカップを獲ったりともう我々が地方クラブのトップランナーだった時代は終った。もう一度地に足をつけて本当に目指すべきところはどこなのかをクラブでじっくりと考える時なんじゃないのかな。それでもなお「J1昇格が目標」だとクラブが言うのならそれはサポーターとして後押しをしたいと思う。


8月のアウェイ岡山戦を最後に現地観戦からも遠ざかったし、1〜2週間遅れで見逃し配信を観るとかざらだったのでシーズンの振り返り記事なんて書けないし、こんなシーズンでアウォーズもないなと思うので2023シーズンに関する記事はこれで終わり。ここから新シーズンに切り替えだ!新監督楽しみだぞ!!








哲平さん、アントニオ・コンテもサム・アラーダイスもヴァイド・ハリルホジッチもみーんなフリーだぞ!候補者はあの人だけじゃないはずだ、頼むぞ!!
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シーズン閉幕(41節金沢戦)

2023-11-18 16:13:16 | マッチレポート23'
これまでシーズンが終る時に「終戦」という単語を使ってきたんだけど、ふと「閉幕」の方が相応しいなと思った。開幕戦なんだからシーズンが終るのは「閉幕」だな。


シーズンが始まる前は新スタジアムの栃木と現在の自宅から2番目に近い金沢の遠征は行く予定にしていたんだけど、結局どちらも行かず。数少ない週末の休みは他のカテゴリーの試合を観たいという気持ちを大分トリニータが上回れず。来シーズンは本当によろしくお願いします。


堅心ワンアンカーシステム継続。堅心自体の判断、ポジショニング、パスの質等決してベストな配置だとは思わないけど堅心の成長を促すために多くのタスクを与えて鍛えることには大賛成だ。堅心の周囲がスカスカなので前半の15分までにボールロスト=被シュートフィニッシュという絶望的な展開でアンカーが堅心じゃなきゃこんなシステムとてもじゃないけど受け入れられなかった。その後バランスを修正したのか試合は膠着。DAZNの解説の方も言ってたけど膠着したらミドルで局面を動かすというのは定石だと思うんだけど、あの場面でその意識が堅心にあった上でのあのミドルシュートだったとしたら本当に素晴らしいと思う。このチームでちょっと気になるのはファイナルサードでこじ開けられない展開が続くと必ずと言っていいほど最後の選択をするのが新太しかいないこと。勝負の縦パスだったりクロスだったりいつも新太が最後の決断を下しているように思う。つまり他の選手に勇気がないように見えてしまう。もちろん危ない奪われ方をしてはいけないという判断は尊重するけども、いつまでも決断せずに最後に何でもないパスミスとかでロストすると失望感がこの上ない。こういうところに本当に信頼すべき選手が誰なのかが見えてくるように思うんだよね。そして起点からシュートフィニッシュまで本当に完璧だった2点目。シーズンオフが残念なことになるのは覚悟しているけど、個人的に一番残ってほしいのは新太。


勝たなければシーズンが終る試合で最下位相手に2-2の展開から30分もあったのに1ゴールも奪えないところがこのチームの本当の実力だなと思う。試合を単体で評価すれば面白かったけど、対戦相手の金沢は直近3試合ゴールなし、ホームゲームに限ると3ヶ月もゴール出来ていないらしい。そのチーム相手にきっちりと2点献上してしまい勝てないところが我々の立ち位置。昇格とか本当におこがましい。


その金沢は新スタジアム完成のシーズンを下のカテゴリーで迎えるというタイミングの悪さ。かつて同じようなことをやらかした九州方面のクラブを知ってるけど、そのクラブがいまどうなっているかを思うと金沢も他人事じゃないと思う。クラブにはいくつもターニングポイントがあるし、絶対に逃してはいけないタイミングというのがあると思う。金沢は粘りきれなかったね。それにしても専スタ原理主義者としてはNACK5、金沢の新スタ、ヤマハが流出して入ってくるのがニンスタとかもはや来シーズンは絶望的。さらに50%の可能性で日本平かフクアリという日本最高レベルのスタジアムまでも流出してしまうとかもうこれ以上考えたくない。マジでスタジアムだけならJ3の方が充実している。


ということで最終節群馬戦は消化試合に。
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こういう試合をもっと作りたかった(40節秋田戦)

2023-11-18 16:11:23 | マッチレポート23'
2012年よりも2018年よりも今の方がJ1昇格は遥かに難しくなっているし、今後もどんどん難易度は上がってくるんじゃないかな。そんな中で小手先じゃないチーム強化が必要なのは大前提としてそれ以外にもちょっと精神論に寄ったような勝ち方をどれだけ出来るかが昇格出来るかの分かれ目になっているような気もする。例えばこの秋田戦みたいな試合がもう何試合か必要だったんだろうね。ただそれって精神論と言ったように神がかっているように見せて実は自分たちで引き寄せるもんだと思うし、そういうことが出来るチームではなかったよね、今シーズンの大分トリニータは。


素晴らしい前半、と書こうと思ったんだけど、もうここまで来ると本当にそうか?と思わざるを得ない。清水よりも上位でフィニッシュしたヴェルディを相手にしても試合の入りは攻勢で入れた。でも結果的に勝ち点3は手に入らない。その理由として監督の采配の乏しさだとずっと思ってきたわけだけど、これだけ何度も繰り返すとそれだけでもないような気がする。身も蓋もない話をしてしまえば、もしかするとシンプルにゲーム体力の問題とか。だからもうこの段階においては前半の優位性には何の意味もないのではないかと疑っている。


将輝を1列前に出すワンアンカーシステム。堅心への負担は大きいもののハマれば面白いと思う。来シーズンに向けて堅心の成長をより促すという意味では良いチャレンジだと思う。角度がある位置からのプレースキックも良かったね。バリエーションは少なそうだけど、3回ほどあった機会全て同じような軌道のボールを送ってていてキックの質自体は高かった。左のセンターバックがデルランから香川に変更。結果的にとても良かった香川の起用だけど、おそらく栃木戦のデルランを見て「これはもう使えん」と判断したケガの功名ではないかなと思っている。デルランがケガしたのかもしれないけど、それは知らん。自分が監督ならあんな愚行をする選手危なくて使ってられない。1点目の起点のボールとなった香川のロングパスはサイドバックを本職とする選手ならではのアイデアだなと思った。なかなかセンターバックが本職だとあの位置からゴールに直結するパスを入れようとは思わないんじゃないかな。そして長沢の真骨頂のようなゴール。バイタルエリアで2人に寄せられながらでも、ダイレクトで叩き込むもあり、フリックもあり、そして手前に落としもありとなると相手DFはなかなか捕まえられない。走り込んだ鮎川もタイミング合わなかったものの何とかねじ込んでみせた。連携面は個人的にシーズンベストゴールの上位にランクインさせたい好きなゴール。


そして司のPK。フリーキックの流れの中からのPK獲得だけど、この前の数分間は間違いなくゴールのにおいがしていたしタイトルにもしたけどこういうゴールをもっと決めてこういう勝ち点の取り方をしなければ昇格戦線には絡めないんだと思う。司は少し前に決定機をポストにぶつけて外しているので精神的には楽ではなかったと思う。これまでチームとしてはノムをキッカーにしていたわけでちょうど復帰戦でピッチにいたノムという選択肢もあったとは思うけど、チームとしてキッカーを司に決める過程に迷いはなかったように見えた。そして司のキックの当たりも決して完璧ではなかったと思うけど、それでも決めた。精神論に寄ってでも何でも勝たなければならない、そんな試合をもっと作らなければいけなかった。そんな風に思った1ヶ月ぶりの勝利だった。
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アカデミーから3選手が昇格、大分の未来となれ!

2023-11-13 21:01:35 | トリニータ
シーズンが終わりましたが、まだ3試合書いてない。でもこれだけはちゃんとやろうと思う。出来る限り早く。


8月頃からもうちゃんとこのチームを見ていないので昇格に失敗したことに何の思い入れもないわけだけど、とりあえずクラブが来季に向けてまともな判断をしてくれたということは本当に嬉しい。来シーズンはちゃんと応援しようと思う。タイムリーさは完全に欠いているけれども後ろを振り返るよりも先を見たい、ということで来シーズンもアカデミーから3選手が昇格。本当に嬉しいねぇ。







まず1人目は木許太賀(津久見市出身)。37番は2年生の時、7番が今年。まず一言で「うまい」。ボールの扱いがうまく、ボール保持時にも全く慌てない。シュート技術も高く昨年のクラ選では確か3ゴールほど決めていたはず。グループステージの金沢戦で決めたペナ外からの豪快なシュートを見た時には「あれ、この子ちゃんとうちに上がってくれるのかな?いきなり海外とかあり得るんじゃ?」と心配すらしてしまうくらいだった。なのでまず間違いなく昇格してくるだろうなとは1年前から思っていた期待の選手。適正はおそらく2列目の中寄りじゃないかなと思う。屋敷優成とのコンビネーションで相手を崩していくシーンなんか想像するだけでウキウキしてしまう。











2人目は松岡颯人(杵築市出身)。32番が2年生、そして10番でキャプテンマークが今年。2年生の時も活躍していたけど正直木許くんほどではなかった。ただ1年経って今年見た時は本当に驚いた。急激な成長カーブを描いて中盤に君臨している松岡くんは本当に頼もしかった。ボールを奪われることがほとんどなく長短のパスでチャンスメイクの山を築き上げていく。木許くんを創造性の「うまい」とするなら、松岡くんは安定性の「うまい」。だから2列目に木許くん3列目に松岡くんがどしっと構える今シーズンの大分トリニータU-18の試合は楽しかったのなんのって。適正はセンターハーフとかボランチの3列目。将輝-堅心-松岡の3センターで先発が組まれる日なんかを想像しちゃうよね。たまらんよね。













3人目は正直サプライズだった小野俊輔(大分市出身)。佐藤昂洋や高橋祐翔の例を挙げるまでもなく高卒センターバックで成功するのは本当に難しいわけで、それでもクラブが昇格にゴーサインを出したわけだからやっぱり期待したい。16番が2年生、4番が今年。そしてやはり彼を語る上で外せないのが21年天皇杯群馬戦。保田堅心らと2種登録されベンチ入りした時まだ高校1年生。ディフェンダーというポジションから残念ながら出場機会はなかったものの中学卒業からわずか数ヶ月でプロの遠征に帯同したということは大きな経験だし、クラブからの大きな期待の表れでもある。姓が「小野」で名が「俊輔」、でもポジションはセンターバック。過去に類を見ないファンタジスタセンターバック、大分に爆誕だ!!



アカデミーはクラブの宝。トップチームの状況に関わらず、とにかくアカデミーには金を出し惜しまない。クラブにはこの姿勢だけは求め続けたい。
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まるで大宮戦(39節栃木戦)

2023-11-03 01:29:25 | マッチレポート23'
さっき順位表見たら明日のお昼にある甲府−熊本で甲府が勝つともう昇格を目指すという意味合いでの今シーズンは終了なんだね。まあ明日は仕事だから試合は観られないけど、熊本にシーズンの大目標を託さないといけないのは何か嫌だね。自分たちが弱いのが一番悪いんだけど。


終盤に力尽きて勝ち点を失うという今シーズン何度も見た試合展開。押し込みながら点が取れなかった大宮戦は勝ち点ゼロだけど、この試合は前半に先制点を決めることが出来たから何とか勝ち点1は拾えたけど、同じような展開でもう見飽きたなという印象。


ボランチのところの攻守分業制はうまく機能した感じ。ビルドアップのスタートは羽田に任せて将輝は前での仕事を担当。得点シーン以外でも藤本のさらに前に走り込んでクロスを上げたりとしっかりとタスクを理解して躍動していた。将輝がもう一つレベルを上げるには運動量とか球際の強さだけじゃダメだと思うからこういうタスクをやり切れたことは大きな収穫だと思う。羽田もボールへの関与回数多くビルドアップに貢献出来ていた。


この試合で印象的だったのは実況、解説ともに伊佐の前線での奮闘をやたらと褒めちぎってくれたこと。解説の戸川さんにいたっては67分くらいのやや伊佐が不利な体勢からマイボールにした場面では感嘆のため息をもらすほどだった。伊佐の魅力であるこういうところを分かってもらえると本当に嬉しい。


最近頻発するこういう展開だけど、なぜそうなってしまうのかとやはり考えるわけだけど試合後の監督インタビューでは「選手がボールを持つことを放棄したから」とまとめている。「ボールを持つことを放棄する」つまり「大きなボールを蹴ること」だと思うんだけど、確かに終盤に近づくにつれて香川やデルラン、テイシェイラあたりが大きなボールを蹴ることが多くなってきている。ただそれは時間の経過とともに追いつかないといけない栃木の選手のプレッシャーが強まってくるのは当然のことであってリスクを考慮したら前半などにくらべて蹴る回数は多くなってしまう。ボールを持つことを放棄した理由として監督が挙げているのが①選手のポジショニング(が悪い)、②選手の判断(が悪い)、③選手の勇気が足りないの3つ。( )内は補足だけど、それでもここまで明確に選手に責任を求める監督も珍しいと思うけど、まあそれはいいか。でもここで思い出されるのが先ほどの伊佐のこと。伊佐の前線からの頑張りがあれだけ実況、解説から評価されるということは前半からそれなりに大きいボールの数もあったからではないのか。この試合での伊佐のアウトは73分。大きく蹴っても前線で頑張ってくれる人がいなくなってしまったから押し込まれてしまうのではないかという仮説もとんでもなく外れているわけではないと思う。長沢がどうのというつもりはないけど、伊佐のハードワークが前提で成り立っているビルドアップでしかないのではないかと思えてしまう。


あとこの試合で「ジャッジに若干ストレスを感じた」とかコメントしちゃう監督マジでどうなのよ。終盤とはいえデルランの愚行はレッドカード出されても何の文句も言えないわけであってそれを大甘で救ってもらったにも関わらずだよ。自分がイエローカード出されたからだろうけど感情的なコメントを口走る監督は信頼出来ないよ。あとデルランは矢野貴章が差し出してくれた握手を拒否したらアカンよ。それはあまりにも幼い。


半日後には厳しい現実を突き付けられているのか、はたまた首の皮一枚残して金沢戦に臨めるのか。金沢も降格が決まっているから完全な消化試合になってしまうことだけは避けたい。
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