Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

好発進(1節福岡戦)

2017-02-28 00:45:15 | マッチレポート17'

『これが大分のやり方かぁー!!』


しっかりと見させていただきました2017シーズン版大分トリニータのサッカーをね。


前日に今季のやりたいところが見られればいいと書いたけど、それが叶っただけでなく昨季J1の福岡、それもアウェイで勝ち点3まで付いてきたわけだから文句のつけようのない好発進。劇的さで言えば、昨季の藤枝戦と同じくらいだったかもしれないけど、内容も加味するとここ数年でも3本の指に入るくらいのナイスゲームだったかもしれないと思ってる。本当に最高だった。


新加入の選手たちが少し驚くくらいに繋ぎにこだわっていたという今季のサッカー。まずは選手たちが自信を持ってそのサッカーの成熟に取り組めるという意味からもこの開幕戦の内容と結果は大きい。何よりもまず観ていて楽しい。このサッカーを支持したい一番の理由はそこにある。きっと長いシーズンの中では自陣で引っ掛けられて失点というシーンも出てくるでしょう。でもそんな時でも我慢して勇気を持ってこのサッカーを貫けるか。監督も選手もサポーターも試されてると思う。貫きたい。


昨日の試合に限ったわけではないけど、勝負は紙一重だと思う。キックオフから10秒ほどでこの試合のキーバトルになると思われたウェリントンと竹内のハイボールの競り合いのところでファールを取られた時は嫌な予感がした。さらに笛を吹いた後に今村主審の右手がポケットに入りそうな動きを見せた時は本当に肝を冷やした。でも竹内がさすがだったのはその後。ベテランらしく徐々に落ち着きを取り戻すと、ウェリントンに競り勝てなくてもいいところには落とさせないようにきっちりと体をぶつけて対応出来てた。それは両脇を固めるフクにもノリにもうまく伝わっていったように見えた。ウェリントンは今季のJ2のビースト系CFの中でもトップクラスだと思うので、ここに3人ともがしっかりと対応出来たのはかなり心強い。


序盤は動き自体が固くうまくボールも動かなかったけど、前半の終わり頃から狙い通りのパス回しで相手ゴールに近付けていた。福岡4バック、大分3バックとフォーメーションにギャップがあったため、ワイドが目一杯サイドに開くことで相手の守備陣形のコンパクトさを失わせ、間を通す縦パスの道筋を確保するというのが狙いだったんじゃないかなと見てる。実際にフクorノリからグラウンダーのパスで林に縦パスが入る回数は多かった。さらに、最終ラインの3枚にヒメ(前田)かコテのどちらかが加わり4枚でウェリントンと松田力のフォアチェックをかいくぐると福岡のプレスにはその後の連動がなく、面白いようにサイドに展開出来た。後半はさすがに井原監督が修正してくるかなと思ったけど、この傾向は後半より顕著になったところを見ると福岡はサイドは捨てて、中を4枚以上で固める戦術に舵を切ってきた印象だった。残念ながらクロスの精度、中との連携いずれもイマイチだったため、チャンスが多くあった割にはサイドのクロスから決定機を演出することはほとんど出来なかった。2014年最終節の先制点となった林容平の右からのクロスに飛び込んだヘディングゴールは彼のゴールの中でも一番好きなゴールなので、次節以降は林の迫力のあるニアへの飛び込みに期待したい。ちなみに試合前のアップで、サイドのクロスに中が合わせるという練習をよくやると思うんだけど、昨日見てたらクロスにボランチの2人が合わせる練習をしてたので、サイドで主導権を取って、そのクロスに枚数を増やして飛び込みたいという想定は十分にしてたのかもしれない。


パス回しが以前よりもスムーズになった。特にノリのパスを受ける前の動きを見て、かなり訓練されてきてるなという印象を持った。相手選手が寄ってくる→横の選手にパスをつける→相手選手の裏側(つまり相手ゴール寄り)に弧を描くように動き出してまたもらい直す、というのを何回か見せてて、これは4バックのCBだった時には見られなかった動きだなと思った。ノリもフクも2人とも前線まで何度か顔を出したように持ち場を捨ててでも攻撃に厚みを持たせる動きが出来てたと思う。もちろんそこにはボランチの賢いフォローの動きがあるからだけども。開幕戦で情報も少ない中で個の力では勝ると思われた福岡が相手だっただけに、少々面食らって1試合を通して修正が出来なかったという可能性が一番高いと思ってる。このサッカーをお披露目した後で、さらに福岡よりも個の力が劣るクラブ(大半がそうだと思うけど)は当然のことながらフォアチェックの強度を高めてくることが予想されるわけで、それをいなせれば本物だと思う。



誰が先発の座を勝ち取るか全く分からなかったGKのポジション。開幕戦は高木が勝ち取った。1試合を通して見ててここは恐いなと思うようなところが全くなくて非常にアベレージの高いGKだという印象を持った。千葉時代はもっとビッグセーバー系のGKだという印象だったけど、キャッチング、フィード、カバーエリア、野太いコーチングと申し分なかった。駒野のFKから失点はしたけど、アレは致し方ないと思う。駒野の前半ATの直接FKといえば、シャムスカラストマッチのヤマハもそうだったなと一瞬でフラッシュバックしたけども、あれから8年も経つのにキレ味の衰えない駒野はさすがだなと思った。



見せ場らしい見せ場はそこまでなかったけど、相変わらずの収まりの良さに頼もしさを感じた。試合開始から一気に押し込まれて苦しいなと思ってるところで5分くらいだったか、最初のくさびのパスを収めて相手のファールを誘っていったん流れを切ってくれた時はこれぞポストプレーヤーの鏡だと唸ってしまった。林を含めた前線の3人の連携は初の公式戦とは思えないくらいにスムーズな流れを見せるシーンが何度かあった。特に前半のごっちゃんのシュートでフィニッシュしたシーンは手数少なく効率的で可能性を感じた攻撃だった。まだまだ上げてきてくれると思う。次節は味スタでヴェルディ戦。多分FC東京サポーターが1万人くらい応援に来てくれると思うから、林さんのワンマンショーにしちまおうぜ!



今回のスタメンの中で最も意外だったのがコテのボランチ。そしてかつてコテに持ってたイメージを根こそぎ覆されるようなプレースタイルに新鮮な驚きを覚えた。軽快さと頼もしさを兼ね備えたような唯一無二のスタイル。ヒメと組んでも、前田と組んでもプレーのリズムが異なるのがいいと思った。ダブルボランチの異なるリズムがとてもいいアクセントになっていた。鈴木惇と組んだ時にどんな風になるのかも見てみたい。もちろんヒメも最高だった。交代直前に立て続けにボール奪取から相手のファールは誘った時間帯は痛快の一言。ボランチのスタメン争いから目が離せない。





黙々と守備に勤しむルーキー時代の印象から一気に「持ってる男」へ変貌を遂げつつあるノリさん。カッコいいぞ!



そして何と言っても松本さんである。そう、怜さんである。あの岩田でも足をつってしまうくらいにワイドのプレーヤーに負担を強いる展開となった昨日の試合。苦しさのピークだったであろう後半ATに城後にカウンターを食いそうになったところで見せた怜さんの超絶ネガティブトランジションは驚愕の一言。映像で見ると一部切れちゃってるけど、あれこそスタジアムで見るべきプロの業。そしてさらに返す刀で押し込んで決勝ゴールに繋がるCKも怜さんがゲット。あの時間帯にあれだけの強度を持てることこそ怜さんのストロングポイントだと思う。ジャスティスで滑り倒して、恐いものがなくなったのか、吹っ切れた怜さんからもう物足りなさを感じることはなかった。









永芳からは注文が付いてたけど、いつも以上にキレのあったさんぺーダンス。そう、オレたちは「踊るキミが見たいのだ!」



試合前のアップ後、ポツンと置き忘れられてたドリンク用のバッグを坂井達弥が抱えて小走りで帰ってくる姿を見て、絶対にいい奴だなと思ったよ。



もちろんこれで終わりにしたくないけど、何試合通ってもなかなか出会えるようなもんじゃないレベルの試合だったと思う。スタンドをギッシリと埋めて選手たちをバックアップしたサポーターたち。そしてそれに内容と結果で応えた選手たち。立ち上がりはしないものの、メインスタンドのサポーターも終盤は手拍子で加勢。最後のCKの時の雰囲気はいま思い出しても鳥肌がたつ。最高の試合だったけど、これを今季のピークにはしたくない。今季の大分トリニータのサッカーがたまらなく楽しみになってきた。
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2017シーズン J2開幕前夜

2017-02-25 22:39:15 | トリニータ
今日J1が開幕し、いよいよ明日J2が開幕する。J3だった昨年は2月に早々に開幕する上のカテゴリーを指をくわえて見てるしかなかったから、まずは開幕の日に試合があるということだけでちょっと満足してしまっているようなところがある。気を引き締めねば。


各媒体の予想スタメンをチェックした。最も予想外だったのはボランチの組み合わせ。福岡戦ということで鈴木惇が出られないことも影響してるのかは分からないけど、コテと前田の組み合わせ。コテが中盤の底にコンバートされてきたことや昨季一気に出場機会を増やしたヒメが外れたことの両方で驚きだった。それ以外は3バックなんだなということくらいで、メンバーはある程度予想通りかなというとこ。今月号のWGのさんぺーと林のやり取りが抜群に面白かったので、ピッチ上での2人の連携にも大いに期待したい。


今日のJ1で初めてDAZNのライブ放送を観たけど、正直に言って心配。安定してる時間もまあまああるけど、他の会場の試合が全て終わってそこに集中したのが原因だと思うけど、大宮−川崎戦の後半戦の頭はもうほとんど機能してなかった。J2だから観る人も少なくて安定しそうならそれはそれでいいけど、根本的な解決ではないから、まずは少々の画質には目をつむるから、何とか安定させてくれ。がんばれ、DAZN!


エルゴラで開幕戦の各チームの予想スタメンを見たけど、今季J2の22チームのうち3バックを採用しそうなのが13チームと何と半数を超えた。この辺もややトレンドに変化が出始めてるのかなと感じるとともに毎試合戦術を変えるような戦い方はちょっと向かなそうだなと思う。あとスタメンに外国籍選手が1人も入っていないチームがうち以外にも熊本、水戸、山形、町田、山口、金沢と意外と多い。


軽くJ2の昇降格予想でもしとこう。Aクラス(6チーム)、Bクラス(10チーム)、Cクラス(6チーム)にまず振り分けてそこから詳細の順位を振ってみた。

昇格予想

1位 アビスパ福岡
2位 湘南ベルマーレ
3位 京都サンガ
4位 名古屋グランパス
5位 大分トリニータ
6位 FC岐阜

自動昇格予想は福岡と湘南の2チームが出戻りと予想。福岡は何と言っても選手層が厚い。あえてウィークな部分を挙げるとするとキム・ヒョヌンの抜けた最終ラインかなと思うけど、一方でアタッカー陣はめちゃ豪華。さらに三門、ダニルソンの中盤センターは強烈。この中盤はJ2レベルではなかなか攻略出来ないんじゃないかな。湘南は秋野、野田あたりの補強に好印象ってのもあるんだけど、昇降格を繰り返すエレベータークラブの超長期政権の未来が単純に気になる。

PO圏の最上位は京都。プロでの監督キャリアは初めてとなる布部さんが新監督となるわけだけど、井原さんを見てるとネルシーニョ監督の下で勉強してきてから監督になるといい成績を出しそうな雰囲気がある。京都の最終ラインの予想が右から石櫃、牟田、闘莉王、本多になってるんだけど、この4人全員直近のキャリアが名古屋→京都なんだよね。名古屋にだけは絶対に負けなそうだし、名古屋の上に持ってきた。名古屋は4位で、さらにJ2残留と予想。確かにいいメンバー揃ったと思うけど、今までの1年で帰っていったサプライズクラブたちと比較するとそこまで豪華じゃない。未知のブラジル人が3人とも大当たりだったりすれば変わってもくるかもしれないけど、エルゴラの予想スタメンにそのブラジリアントリオが1人も出てこないし、頼みの田口がケガ、風間さんの川崎での1年目の成績も加味するとズッコケ要素満載なのはまさに名古屋。ちなみにそのエルゴラの予想スタメンで八反田が3バックの最終ラインに入ってたり、杉森のコメントが「J1初ゴールを狙う」とかもう番記者さんもメチャメチャだし、クラブの混乱はこんなとこにも反映されている。5位は大分。何か?6位はサプライズ枠で岐阜を挙げとく。大木監督、長島HCと充実の指導者陣。大卒、移籍ともに補強もなかなか面白かった。そこそこ面白い順位に突っ込んでくるんじゃないかな。


降格予想

21位 水戸ホーリーホック
22位 ロアッソ熊本

補強に魅力的なところがあまりない上に清武弟が抜け、さらにニューイヤーカップでJ3の北九州にボコボコにされてるのを見て熊本は即決だったけど、21位は水戸、讃岐、山口でめちゃめちゃ迷った。最後は消去法的に昨季からの上積み要素がないという点で水戸にした。


ま、どうせ当たらんよ。予想というより妄想だから。



ということで明日はレベスタ行きます。福岡に行くのは5年ぶりくらいだと思うので楽しみ。昇格予想でも1位に推しただけに明日は厳しい試合になるとは思うけど、大分が、片野坂さんが今季まずはどんなサッカーがしたいのかそれだけでも分かればいいかな。どうせ高揚して寝られないと思うから、もうちょっと夜更かしして明日のシミュレーションでもしとこうかな。
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デンソーカップ チャレンジサッカー

2017-02-20 00:29:45 | トリニータ


デンソーカップ チャレンジサッカーを観に刈谷へ出撃。日本全国の大学サッカー界の好選手が一度に観られる見本市的な素晴らしい大会。出来れば1泊して2日ほど観たかったけど、まあそんなに好き放題は出来ないので、最終日の今日だけで全日本、関東A、関東B、関西と4チームが観られた。



全日本選抜は何と言っても岩武くん。高校時代の活躍からこれくらいは十分に予想出来たとはいえ、それでも順調なステップアップぶりだ。今や多くの好選手を輩出する大学サッカー界の選抜チームで堂々と右SBのレギュラーポジションを獲得。本当に素晴らしい。












チーム戦術と思われるけど、あまり頻繁にSBが上がることはないため、最終ラインに張り付いてる時間が長かったけど、非常に堅実でディサロや鈴木国友といった個性豊かな関東Aのアタッカー陣とバチバチにやり合っていた。高校時代よりも体も少し厚みが出た感じがあるけど、相変わらず体幹がしっかりとして相手の寄せに負けない強さを90分通して見せていた。

これだけの注目選手が集まる大会なので、Jクラブのスカウトもかなりの数が来てる。今日分かっただけでも宮さん(FC東京)、慎吾(京都)、寺川(新潟)と大分に縁のあるスカウトも多く来ていた。ここ数年の明治の最終ラインでレギュラーだった選手、デンチャレでレギュラーだった選手を見れば、岩武くんもまず間違いなくかなりのJクラブから注目されていると思われる。


ちなみに同じ全日本選抜で逆サイドの左SBの小池裕太(流通経済大・2年)を比較対象にしてみると、新潟ユース出身の2年生で昨年鹿島に特別指定され、ルヴァン杯で既にプロデビュー済み。岩武くんと重なる部分が多く、普通に考えると岩武くんが今年もうどこかの特別指定として登録されてもおかしくない。理想を言えば、大分に帰ってきてほしいけど、こういう時に九州にあるクラブはとても不利だ。そして多分うちよりもずっといい条件を提示出来る、いい環境を提供出来るクラブからも声がかかるだろう。心の準備はしとこうと思う。

岩武くんは今大会のベスト11は逃したものの、この後のドイツ遠征と日韓定期戦のメンバーには選出されていた。今年の夏はユニバーシーアード。このまま順調にいって、是非とも日の丸を付けて戦ってもらいたい。






抜群のバランスだった重廣卓也(阪南大・3年)と柴戸海(明治大・3年)のダブルボランチ。特に重廣は広範囲に動き回って存在感がかなりあった。インカレでも見てたけど、こんなに戦える選手だと思わなかった。この2人は早々にプロ入りが発表されるでしょう。何の情報もないけど、柴戸海は甲府か仙台に決まる気がしてならない。





途中投入で劇的な決勝ゴールを決めた鈴木国友(桐蔭横浜大・3年)。その勝負強さはもちろん素晴らしいんだけど、そのゴールよりも少し前に左サイドで最終ラインにコンバートされてた柴戸海をドリブルでちぎったシーンの方が印象的だった。動ける183cmは魅力的だ。


優勝が決まって喜び爆発の関東A。きっとオレたちだって全日本でやれる力はあるっていうプライドの証明みたいなもんだったんだろうね。




第1試合は関西−関東B・北信越の一戦。後半はやや消えてしまったものの、前半は完全に石川大地(桐蔭横浜大・3年)の独断場だった。



大分U15出身の野口航(筑波大・3年)もボール際のトリッキーなプレーでスタンドをわかせること数度。



関西選抜で気になったのは末吉塁(大阪体育大・2年)。末吉に塁と大分サポーター的には親近感を感じる名前だけど、スピード豊かな左のサイドアタッカー。



一昨年のインカレで初めて見て、その雄叫びスタイルはすっかり定着した感があるけど、1年の時と比べると少しスケールダウンした感じがある菊池流帆(大阪体育大・2年)。ベスト11にも選ばれてたけど、途中出場した今日の3位決定戦ではイエローをもらった後にちょっとトーンダウンしちゃっててあまり良さが出てなかった印象。スタンドの反応もちょっと失笑気味になってるのが気になる。


ということで今年ももう少しすれば大学サッカーも開幕。4月からはどこに住んでるか分からないので、どこのリーグが観られるか分からないけど、今年も大学サッカーに注目してる。
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ブログ開設10年

2017-02-13 21:58:42 | トリニータ
このブログを開設してからちょうど10年が経ちました。2007年シーズンの開幕直前から始めてこの記事が1191本目。熱しやすく冷めやすいタイプの人間のため、正直に言ってこんなにも長く続けられるとは自分でも思っていなかった。以前はサッカーに関係のないこともちょこちょこと書いてたんだけど、今では完全にトリニータを中心としてサッカーオンリーに。遠征記もサッカーが絡んでないものは書いてない。


スカパーがJ1、J2全試合放送をやってたのも10年間らしいので、ちょうどスカパーの放送期間と同じだけ継続してたことになる。記念すべき10年目はトリニータがJ3に降格してしまったためスカパーの中継がなく、ずっと続けてたマッチレポートも遂に書くことが出来なくなってしまった。10年前の記事とか読むとなかなか恥ずかしい内容を書いてたりもするんだけど、そんなこともひっくるめて歴史だから、たまに読み返しても微笑ましい気持ちで読み流している。


もうあと2週間で11年目のシーズンが始まる。どんなシーズンになるのか、どんな記事を書きたい気分になるのか。「継続は力なり」。続けられる限り続けてみようと思う。
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【新戦力分析・その3】竹内彬選手

2017-02-11 11:11:35 | トリニータ
第3弾は名古屋から移籍してきた竹内彬選手。


1st・14節・A・湘南戦
1st・15節・H・鳥栖戦
1st・16節・H・柏戦
2nd・2節・H・川崎戦
2nd・7節・A・広島戦
2nd・8節・H・浦和戦
2nd・12節・H・ガンバ戦


以上の7試合をチェック。竹内の持つ最大の強みは何と言っても「経験」。33歳とCBとしてはピークを超えたとは言えない年齢にしてJ1で126試合、J2で122試合と十分な出場経験を持つ。名古屋は降格したけれども昨季もJ1で30試合に出場しているバリバリのCBだ。山形における川西もそうだったけど、名古屋が混乱しているような状況だからこそうちが獲得出来たような人材だと思う。


ポジションはCBで、昨季は組み合わせもあったかと思うけど、左に入ることが多かった。今季の大分は福森、坂井達と左利きのCBが2人いるので主には右に入ることが想定されていると思われる。昨季の名古屋は一時3バックも導入していたが、その時は真ん中に入っていた。はね返す力が強く、ベテランらしく読みも鋭い。下がってもらいにいく相手FWにけっこう高い位置まで食いついていってインターセプトを狙うシーンも多く見る。穴がなく、粗もなく、非常に堅実なプレーヤー。もの凄く雑に言ってしまうと、出来ないことはやらないけど、自分に課されたタスクは完璧にやり通す、そんな印象。まあ長いことGKやCBというポジションをやってると、出来ないものは出来ないという感覚を持ってないとやってられないよなとも思うけど。


昨季もJ1で2ゴールとセットプレーでは強みを見せる。我々も実体験として経験しているだけによく分かる。単純に高さがあるというよりは後方から走り込んできてその助走で高く飛ぶというタイプの合わせ方で少々ギャンブル的なところはあるものの、ドンピシャで合ってしまうと190cmある選手でもなかなか止められない高さだし、相手にとっては相当イヤだと思う。


昨季の名古屋は迷走したクラブらしく戦術やフォーメーションもコロコロと変わっていた。自分が観た試合の中では2ndステージの7節広島戦で3バックを採用していた。3バックの広島にマッチアップするフォーメーションを組みたい意図だったのかもしれないけど、この試合では他の試合に比べて名古屋の繋ぐ意識が異常に高かった。ただそこでの竹内のボールさばきは非常に拙いものがあり、試合も惨敗に終わった。先ほど出来ないことはやらないと書いたけど、いわゆるビルドアップの起点としての役割は昨季までのプレーを観る限りにおいては期待出来ない。CBなので当然ボールのタッチ数は多いわけだけど、試合を観ていてほぼ100%(誇張ではなく)次に竹内がどの選手にパスをつけるかが予想出来る。つまりは無難なパスに終始するということ。近年のCBに期待される攻撃のスイッチを入れる縦パスをビシッと通すような能力はないと思われる。トレーニングのレポートや選手のインタビューから去年以上にボールを繋ぐサッカーを志向してるいると思われる片野坂監督。ビルドアップの起点となるCBにも当然パスの部分は求められるわけで、相手のフォアチェックの間を通してボランチにつけるとか、1列飛ばして左右のMFに付けるようなパスは出来るようになってほしいなと思う。


あとは竹内の特徴として試合中によく水を飲むというのがある。CKやGKなどボールがアウトした際に、そのプレーに関与した選手の奥で水を飲みにいく竹内の姿がよく映る。若手選手には率先して竹内にボトルを渡すなどの気遣いを期待したい。


最後に竹内を語る上で外せないのは、加入が発表された2016年12月14日までは個人的に竹内のことが嫌いだったということ。好きじゃないというレベルじゃなくて嫌いだった。きっかけは2009年の開幕戦。大輔が一発レッドを食らうきっかけとなった竹内の危険なタックル。報復ととられる行動をとった大輔が悪いのはその通りなんだけど、そうは言っても怒っても仕方のないレベルに危険なタックルだった。数的不利になりながも1点差まで迫ったことを考えると、勝ち点1くらいは取れたと思ったし、もっと言うとあそこからチグハグだった大分トリニータにとって史上最悪のシーズンが始まったようにも思っていたから竹内のことが大嫌いだった。世間で言われているような試合後のコメントとかはあまり覚えていなくて、とにかくあのタックルだけが脳裏に焼き付いてる。まあでも、「2016年12月14日までは」と書いた通り、それは過去の話。大分トリニータの一員となることが決まったからには大事なのはチームに貢献してくれるであろうこれから将来の話だ。去年山岸の加入で、苦しい試合や大事な試合でバタバタしなくなったチームを見てベテランの重要性を改めて感じたし、竹内もきっとその豊富な経験をチームに還元してくれると思う。


今季は激戦区となるであろうCBのポジション争いを先頭を切って引っ張っていくような活躍を期待している。
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【新戦力分析・その2】岸田翔平選手

2017-02-06 01:41:28 | トリニータ
第2弾は岸田翔平をいってみたいと思う。國分のユース→大学→帰還が初なら、翔平のユース→大学→他クラブ→帰還のパターンも初だと思うけど、今季は本当に「カムバックサーモン人事」が多かった。サポーターとしては嬉しいから今後もあってほしいと思う。翔平についてはプレーは今までほとんど観たことがなかったので、今回特に重点的に試合を観た。

17節・H・セレッソ戦
24節・A・水戸戦
25節・A・松本戦
27節・A・熊本戦
28節・A・清水戦
31節・A・セレッソ戦
32節・H・札幌戦
33節・A・岡山戦
35節・A・横浜FC戦
36節・H・群馬戦

以上の10試合をチェック。翔平の2016シーズンの出場記録は34試合2820分(先発は33試合)。シーズン序盤は試合に絡めていなかったものの、4月からは完全にレギュラーの位置付け。川西もそうだけど、前年同じカテゴリーのチームの主力として試合に出続けた選手を獲得出来るのは本当に大きいと思う。

まずはポジション。昨季の長崎は一年を通して3バックを採用。その中で翔平はずっと右のWBを務めた。WBはその選手の特徴によって位置取りや役割も大きく変わってくるポジションだと思うけど、翔平の場合はやや重心が後ろにあるタイプのWBかなという印象。上がって攻撃に絡む回数もそこそこあるけど、最前線まで踏み込んでいくことはほとんどない。一方で押し込まれた際にぐっと位置取りを下げて最終ラインと連動することへのためらいはほとんどない。そういう意味ではもし今季大分で4バックが採用されたとしても右SBは全く問題なく務められるんじゃないだろうか。基本的にはフル出場することがほとんどだけど、32節の札幌戦(0−0)では珍しく70分で交代となった。その際に翔平の位置に入ったのが、流経大卒のルーキー中村慶太だった。中村はドリブルが上手くて、翔平よりも攻撃面に特徴のある選手。スコアレスで進んだホームゲームで点を取りにいきたかった高木監督が選んだ選択肢が翔平に替えて中村の投入だったように思われる。このことからも翔平に期待されていた(もしくは期待出来る)のはどちらかと言うとディフェンス面だったことが窺える。


スピードで相手を振り切ってクロスを上げ切るタイプのプレーヤーではないため、右足で切り返して左足でクロスを上げる回数も多いけど、この精度もなかなかいい。33節の岡山戦ではスタートからいつもは左WBのパク・ヒョンジンと左右を入れ替えて、左WBに入ったこともあった。高木監督の岡山対策として1試合だけ遂行された作戦だったと思うけど、自分が観た10試合の中でその岡山戦が一番良かったと思ったくらいで、翔平も左サイドで躍動していた。使い方次第では左でも輝くかもという印象を持った試合。


相手を抜き切るような局面でのスピードは乏しいもののロングスプリントではいいものを見せる。24節水戸戦での70mを走ってラストパスに合わせたカウンターのゴールは思わず唸ってしまうような素晴らしいゴールだった。あと、1試合に1〜2回は自分のポジションを捨てて、ダイアゴナルに相手ゴール前に侵入していってボールを要求する動きをする。特に試合が膠着してるような時間帯にやるような雰囲気があり、試合を動かしたいという判断がそうさせてるのかもしれないし、そうだとするとしっかりと試合の流れも読もうとしているんだなと思う。セットプレー時は密集には入らず、最後方待機役。身長もそこそこあるし、中に入ってもよさそうなのになぁとずっと思ってたけど、いつも被カウンター対策要員だった。


最終的に10試合を観たけど、途中からもうこれ以上観なくてもいいかなと思うようになった。それはどの試合からも感じる印象がほとんど変わらないから。どの試合でもミスが少なく、でも突出したプレーも少なく、常に平均値を出し続けられるプレーヤーという印象。42試合という長いJ2のシーズンを考えるとこういうプレーヤーは非常に大切だと思う。順当にいけば、ポジションを争うのはユースの後輩である岩田。素直な気持ちはどっちにもポジションを奪ってほしいという複雑なもの。切ないがどっちにも頑張ってほしい。

これは完全に余談だけど、長崎の試合を10試合観て、得点王争いに絡んだ永井龍が素晴らしかったのは言うまでもないけど、もう一人梶川がどの試合でも本当に良かった。クイックに動いて技術のある選手という印象だったけど、それまでの自分の印象から全てにおいて一回りレベルアップしていた印象。今季はヴェルディに移籍したので、第2節は注意したい。


話を戻して岸田翔平。プロ入り後、1シーズン通して試合に絡み続けたのは昨季が初めてだったわけで、選手として大きな経験を積んだと思われる。そのタイミングで地元大分に戻ってきてくれたことは本当に嬉しい。岸田兄弟の地元である日出町は嫁さんの実家があるので、翔平に感じる親近感は並々ならぬものがある。移籍してきて早々のシーズンが始まる前からこんなことを感じる選手もそうそういない。そんなこんなで色んな意味で勝手に過度に期待しちゃってるわけで、そんな一方的な期待に応えてくれたら本当に嬉しい。頑張れ、翔平!!
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