Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

半年間だけの救世主 〜half year hero〜

2022-01-28 21:15:27 | トリニータ
シーズンが始まるまでどうしてもブログを放置してしまうので、オフシーズンも頑張れと自分を奮い立たせるための中継ぎ記事です。


前々から一度まとめてみたいと思っていた在籍期間半年以下の選手で誰が一番インパクトを残したかという内容の記事。タイトルがちょっとだけ洋画っぽい。


「夏に移籍してしまった(前半)」パターンと「夏に移籍してきた(後半)」パターンの2つがあるかな。個人的な印象の強かった度合いのランキング形式で。記憶を頼りにピックアップしているだけなので、「この選手もいるよ!」みたいのあったらコメント欄に記載してもらえると嬉しいです。


第5位 阿部吉朗(2005シーズン前半)

吉朗に関してはまず加入してきた時の期待感が高かった。それまで大卒3年目くらいのバリバリのアタッカーが移籍加入してくることとかあまりなかったからJ1も3年目になって少しクラブも変わってきたかなという印象を持つような移籍だった。ただ残念ながら2005年シーズンの夏まではファンボ第1次政権という暗黒期だったので、移籍してきた選手を輝かせてあげられるほどの余裕が我がクラブにあるわけもなく。結局リーグ戦でゴールすることはなく確かナビスコの柏戦で1ゴールだけ決めたんじゃなかったかな。ポテンシャルが間違いないことは大分にいた当時から分かってはいたし、その後多くのクラブから必要とされそして結果を残し続けたことから、大分に入団するタイミングさえ違えばなと思わざるを得ない選手だった。


2年ほど前にたつのこ(茨城県)に大学サッカーを観にいった時、隣に多分中学生くらいのチームが見学に来ていた。自分の隣に座った監督と思われる方がプレーを見ながら今のプレーにはこういう意図があるとか、オフザボールの動きとかを一生懸命その中学生たちに語っていた。ふとその監督の顔を見るとなんと吉朗だった。隣が吉朗だと気付いてからは試合そっちのけで吉朗の解説が気になって仕方なかったし、あまり集中して聞いていない中学生たちに「おいお前ら、お前らの監督はめちゃくちゃ強烈なアタッカーだったんだぞ、有難く話を聞け!!」と説教してやりたくなる気持ちを抑えるのに必死だった。試合後は恩師である流経大の中野監督に挨拶をしていた。ちなみにWikipediaを読んでいて初めて知ったんだけど、今じゃJリーグでも最大勢力と言っても過言ではない流経大OBだけど、最初のプロ選手は吉朗らしい。



第4位 河原和寿(2010シーズン後半)

クラブ再生1年目だった2010年シーズン。一度は死んだわけだからこれまでのことはリセットしなきゃいけないはずなのにサポーターもどうしても2009年以前と比較してしまい本当に悲惨だったこのシーズン。ファンボが監督をやらざるを得なかったというのがその悲惨さに拍車をかけていた。そんな状態だったチームに文字通り「救世主」のごとく現れたのが河原だった。期待していた通りの気持ちを見せていくそのプレースタイルには本当に救われたような気持ちになったことをよく覚えている。ただ皮肉だったのは在籍時に感じた素晴らしいプレーヤーという印象を強固なものにしていくのは、退団後に我々自らが彼のゴールゲッターとしての能力の標的になってしまったこと。結局何点取られたんだっけ?「もうやめてー」と何度悲鳴を上げたか分からない。確か今は愛媛のアカデミーコーチをしていたと記憶しているけど、育成年代に携わるのは適任だろうね。




第3位 松田力(2013シーズン後半)

未だに大分のクラブ史上最も成功した特別指定選手という印象は変わらない。不振にあえいでいたチームの中で半年間で4ゴールは驚異的な数字。J1残留を争おうとしているクラブが特別指定選手に助けを求めている時点であのシーズンは本当に終っていたんだけどね、まあそれは別の話。特別指定選手ってそれまでは有力な選手の青田買い的な意味合いだと思っていたけど、松田力の出現で考えが一変した。難しいことはあまり考えずにとにかくゴールを目指していくその姿勢は清々しくもあった。前にも書いた気がするけど、中断明けのニッパツでのマリノス戦でタメの速いアーリークロスを松田力がヘッダーで決めた時には「もしかすると残留出来るかも」と淡い期待を持ったんだけどね... それくらいの期待感を持たせてくれるくらい素晴らしいゴールだった。結局ホームでもアウェイでも名古屋からゴールを決めて名古屋から声がかかる過程は、自らの未来は自分の手で切り拓く成功劇の典型のような流れで美しさすら感じたよね。今シーズンはJ3とのことでまたゴールを重ねていく松田力の姿が見られそうだ。






第2位 永井龍(2015シーズン前半)

松田力と印象がかぶるのがその2年後に大分を助けに来てくれた永井龍だ。しなやかな体の使い方が印象的でたちまちレギュラーの座に落ち着いた。シーズン序盤だったにも関わらずなぜか夏までの文字通り「期限付き移籍」。あのシーズンに残留したとしてクラブに未来があったのかと言われると首を傾げざるを得ないけど、永井がシーズン終了までいてくれたら残留出来ていたかもしれないなという思いはあった。




結果的に5月の水戸での負傷が本人にとってもクラブにとっても致命傷になってしまった印象が強く残念で仕方ない。確か本人もレンタル延長を希望してくれていたと思うんだけど、いま思い返しても永井のレンタルバックは残念で仕方なかった。永井自身は救世主であり得たと思うけど、契約交渉を含めてクラブがそれを引き出しきれなかった、だから降格した。違う側面から切って見ても必然の降格だったんだよね。


この写真は永井自身にピントが合ってなくて当時のブログでは使わなかったんだけど、いま見返してみると永井自身と永井の幕がピッタリと1枚に収まっていてなかなかいい。



第1位 ドド(2005シーズン前半)

ドドに関してはこの記事の主旨とちょっと逸れるんだけど、もしも願いが叶うなら見てみたかったシチュエーションとして個人的に一番だと思っているのがシャムスカのもとで躍動するドドだった。見たまんまの能力は間違いないけどムラっけのあるブラジリアンだったドド。当然のことがながらファンボで扱いきれるわけはなく能力の片鱗を見せつつもチームは降格圏に沈む。ドドの退団が発表されたのが2005年8月。確かそれから1ヶ月もしないうちにシャムスカが就任しているはずなので、あと少しだったのになと悔いが残る。もちろんマグノ・高松・吉田孝行のトライアングルであれだけ無双したわけだから物足りなかったわけじゃないけど、一度だけでいいからシャムスカのもとで自由奔放に躍動するマグノとドドの2トップが見てみたかったと思い返すことが今でもある。きっと強烈だっただろうなあ。



皆さんも短期在籍だったけど印象に残る選手はいたでしょうか。
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遠征の相棒と半導体不足

2022-01-25 21:37:06 | トリニータ


我が家の遠征の相棒です。2009年の秋に買ったので、かれこれ12年も乗った。その12年の間に大分トリニータは4回も降格を経験。北は盛岡から西は山口まで本当によく走ってくれたよ。東京ではほとんど車に乗らない生活だったので、実質遠征専用車です。


社会人最初の10年は車社会で生活していたので、10年で5台も車を乗り換えたけど、東京に転勤してからは10年間で1度も乗り換えなかった。やっぱり車社会で生活しなくなると車に興味がなくなるわけだけど、昨年から滋賀という車社会に生活拠点を移してから再び車への興味が再燃。そして8月に12年ぶりの新車購入。


購入する時に納車まで少し時間がかかることは言われていたので、年末に自宅に帰る時までに納車されればいいやくらいに考えていたんだけど、ここで立ちはだかったのが「半導体不足問題」。ニュースで見る程度でしか把握はしていなかったんだけど、まさか我がごととしてその問題が降り掛かってこようとは夢にも思っていなかった。今乗っている車では考えられないくらい最近の車には半導体が必要らしい。そして注文から5ヶ月経過した今もまだ納車はされていない。今のところ工場出荷が2月2日頃、納車はそこからさらに2週間程度と言われている。ただこのスケジュールもこれまで延ばしに延ばされてきた身からすると、どうせまた延びるでしょくらいでしか受け取れない。


今シーズンの最初の遠征は第2節の甲府戦(2月27日)を予定しているわけだけど、注文時点では夢にも思わなかったまさかまさかの旧車での遠征になるかもしれないという事態に。ジタバタしても納車が早まるわけではないので待つしかないわけだけど、それにしても待ち遠しい。ただここまで待たされるともう注文した事実すら忘れてしまうくらいに待たされている感覚になってしまう。


ここでも書いてきたけど、今シーズンのJ2は滋賀県民にとっては全てが遠征。必然的に長距離運転が多くなるわけだけど、新車には長距離運転の味方とも言うべき機能が多く搭載されているのでその面でも1日でも早く納車になってほしいと願っている。


新車が来るのが楽しみである一方、たくさん頑張ってくれた旧車への感謝の気持ちも忘れずにいようと思う。子どもが生まれる前から我が家の一員なので本当にたくさんの大分トリニータの悲喜こもごもを一緒に見てきた。唯一の心残りは九州の地を一度も踏ませてあげることが出来なかったこと。あと少しだけど、我が家の足としてよろしくお願いします。
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新シーズン始動、見えてきた新チーム

2022-01-23 00:53:06 | トリニータ
タイトルのような記事を書こうと思ってたら昨晩の地震でキャンプ期間を短縮してもしかするとキャンプ自体やらないかもとちょっとバタバタしてきた。コロナだ地震だともうサッカーどうこうじゃなくて無事に開幕を迎えたチームが勝ち点を積んでいきそうな雰囲気すらしてきたよ。キャンプ地の高知まで行って9人も感染者が出てしまった新潟なんてもう絶望的。キャンプに参加している50人全員が濃厚接触者だから全員ホテルで1人ずつ待機。もちろんトレーニングなんて出来ない。新潟の惨状を見ているとわざわざ共同生活でトレーニングするのはコロナ禍においてはリスクかもしれないからこのまま大分でトレーニングでいいんじゃないだろうか。


さて、トリテンの下平さんのインタビューを読んだ。片野坂さんと比較するとかなりしゃべってくれそうな監督だという印象。新チームについてかなりたくさんのキーワードがち散りばめられていたと思うけど有料記事なので詳しくは書きません。他のところのインタビューでも言ってたから4−3−3がベースだということだけは書いておきましょうかね。それぞれのポジション別に今シーズンの選手を配置してみた。


まずエンリケが抜けたので左利きのCBが三竿さんだけになったのでここから組み立てていく。これまで以上に三竿さんの重要度が増しそうなシーズンだけど、そんな三竿さんが始動から不在なのはちょっと心配ね。アンカーが混雑気味なので羽田はCBへ。3トップのウイングを重要視していそうなのでスピードタイプは全部ウイングへ。司と怜さんがどの辺りで見られているのか分からなかったので人数配分で司はインサイドハーフ、怜さんは右SBとした。4−3−3とは言ったものの配置してみると4−1−4−1っぽいのかなとも思った。リンクマンとしてのアンカー、ウイングを生かすためのワントップが戦術上の鍵を握りそうな気がしてきた。伊佐も呉屋も動きたがりなのでもしかすると長沢が最もフィットするやり方かもしれないという感じもする。


ただこうやって見てみるとポジション争いは激戦of激戦。ルヴァンと天皇杯をうまく活用していかないと全く出場機会を掴めない選手もある程度の数出てきそうな感じだ。 この激戦状態から誰がレギュラーを勝ち取るか。ワクワクするね。


トリテンの内容に触れずに書けるのはこんなもんかな。下平さんのインタビューは必読なのでトリテンはさっさと課金した方がいいと思うよ。あと、下平さんは自分で自分のことを「シモさん」って呼ぶめちゃくちゃお茶目な人だからな。そんな一面も知れちゃうトリテンに今すぐ Let's 課金だ!
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去りゆく選手たちに感謝を〜2022〜

2022-01-22 13:53:52 | トリニータ
毎年書いてるこの記事だけど、ついについに感謝を伝える選手の数がまともなシーズンがやってきましたよ。ここ数年は本当にクラブへの怒りをエネルギーに10人以上の選手のことを思い出していたわけだけど、今年は6人でいいとのことで本当に感謝感謝。


ポープ・ウィリアム
今シーズン念願のJ1デビューとなったポープ。その時に本人がnoteに書き綴った想いはグッとくるもんがあった。今回の移籍も含めてポープのここ数年の移籍続きを見てもGKがどれだけ厳しいポジションなのかがよく分かる。やっぱりサッカー選手である以上、試合に出たいしトップカテゴリーに挑戦したいという思いは誰にでもあると思う。だからポープが移籍してしまうのは残念だけど、それと同じくらい仕方ないという思いがあるのも本音。SNSも含めて口数は多い方ではなかったと思うけど、時折発せられる言葉は人間味にあふれていて本当に好感の持てる選手だった。かつて大分のゴールマウスを守ってきたGKたちがいまJリーグを席巻していると言っても過言ではない状況だ。そんな状況も後押ししてポープが町田の正GKとなる姿は容易く想像出来るよ。今シーズン対戦出来るのは間違いないだろうから絶対に負けないよ。


小島享介
小島への思いも同じだ。試合に出られるのなら移籍をした方がいいと心の底から思う。学生時代からたくさんの試合を観てきた選手だったから小島の入団が決まった時は本当に嬉しくて本当に驚いた。でも結局生で試合に出ているのを見られたのはルヴァンカップのアウェイ名古屋戦だけだったかな。昨シーズンはケガで大変だったみたいだけど今シーズンは必ず正GKの座を奪還して対戦したいね。関東大学リーグで切磋琢磨した阿部航斗とのレギュラー争いは簡単じゃないだろうけど、小島なら必ずやれる。「Hカップの余韻」はきっと一生忘れない、いや忘れるかもしれない。


エンリケ・トレヴィザン
哲平さんは全体的には優秀なのにブラジル人を見抜く目についてだけは節穴すぎるから、エンリケに関しても当初から懐疑的に見ていた。ただ結果1シーズン終ってみてここ10年の大分トリニータ最優秀外国籍選手で間違いなかったね。エンリケが最も優れていたと思うのはその長いリーチの足でボールを奪い取ってしまう球際のプレー。度々チームの危機を救ってくれた。食い付いた時に入れ替わられることはちょこちょことあったけど、最後のところではことごとく止めてくれた印象が強い。今シーズンも残ってくれたらこんなにも心強いことはなかったけど、今の日本サッカー界における左利きCBの需要の高さを考えたら争奪戦になってしまうのは理解出来る。そもそもこの年齢で日本に来るブラジル人選手がどんどん高みを目指すのは当然の行動。個人的に一番好きじゃないクラブに行ってしまったのは残念で仕方ないけど、エンリケ個人の活躍だけは願っているよ。出来る限り速やかに更なるステップアップを。


黒﨑隼人
移籍が決まってしまった時に色々な感情がわいてくるわけだけど、黒﨑の場合は単純に残念な気持ちが強いかな。夏に期限付きでの移籍が決まった時はチームの状況や黒﨑のチーム内での立ち位置を考えたら仕方がないかなと思っていたけど、完全に栃木に戻ることが決まってしまうと残念に思う。残念というよりはもったいないという思いの方が強いかな。個人的に黒﨑にはかなり可能性を感じていて、ずっと大分にいれば小出くらいには余裕でなれるポテンシャルがあると思ってたんだよね。特に馬力のある推進力が魅力的で出場機会が少なかったのは単なるチームへの適性がまだ足りていなかっただけだと思うんだよね。チームの状況さえ許せばもう少し時間をかけて組織に取り込んでいけたんだろうなという思いがあるから残念で仕方ない。ただ嫌味を言われてでも古巣に戻ることを決めたのは強い気持ちがあるからだろうから頑張ってほしい。今シーズンは同じカテゴリーだからお手柔らかにね。


長谷川雄志
色々な感情という意味ではハセの移籍にはネガティブな印象しか持てない。ストレートに言ってしまうと「逃げた」と。選手にも生活があるから居場所を確保出来なければ別の場所を探すのは当然正しい行動だと思うけど、サッカー的な観点のみで言うとどうしても「弱いな」と思ってしまう。チームの不振を個人に背負わせるつもりはないけど、昨シーズンのチームを引っ張るべき存在はやっぱり髙澤とハセだったと思うんだよ。1〜2年目の輝きを知る者としてはどこかで巻き返してきてくれるという淡い希望を持ち続けたけど、結局最後までハセが光を取り戻すことはなかった。最後はもうボランチとしての序列は一番下だったもんな。本人の努力が足りなかったのか、それ以外の要素が色々あったのかは分からないけどハセ本人として成長するのにいい経験をした一年だったんじゃないかな。移籍先を考えたらとてもじゃないけど応援なんて出来ないけど、今シーズンの徳島は昨シーズンの大分の状況と似ていると思うし移籍初年度とはいえハセに求められる部分は大きいんじゃないかな。


高山薫
J1昇格の切り札的補強だった薫さん。大分の選手として初めて見たカシマスタジアムでのワクワクは今でも鮮明に覚えている。3バック(5バック)システムを採用する場合、WBには身体的にも戦術理解的にも能力の高い選手が必要になる。昇格初年度の前半に一気に勝ち点を稼げたのは薫さんの早いチームへのフィットがあったことは間違いない。ただもう少し縦に仕掛けたりしてもいいのになという思いはあって、そんな思いとタイミングを同じくするように達也が移籍してきた。達也加入以降に明確に出場機会を失ってしまったし年齢的なことも考えると今回の移籍は仕方ないなと受け止めている。ピッチを離れてからの空気感も独特で面白く個性的な選手だったなという印象。



多分これで漏れはないはず。純粋にシーズン最後までチームに在籍していた選手はポープ、エンリケ、ハセだけなのでこのオフの残留率はやっぱり異常と言ってもいいと思う。選手は様々な理由で移籍していくし本当のところはサポーターからは分からない。ただ今や復帰や再加入なんて不思議ではないくらいに移籍市場は流動化しているしまた一緒にプレー出来ることがあるかもしれない。一度でも大分トリニータのユニフォームに袖を通してくれた選手たちには豊かなフットボールライフを送ってほしいと願ってやまない。大分トリニータで戦ってくれてありがとう。
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新チームが33日で仕上がるのかチャレンジ

2022-01-14 22:42:36 | トリニータ
天皇杯決勝に勝ち上がった時点で他のチームより2週間もシーズン終了が遅かったわけだからこうなることは分かってはいた。毎年のように開幕が早くなるJリーグも今シーズンはついに2月の第3週開幕。そして今日ついに大分は1月17日からの始動を発表した。つまり開幕までの期間はわずかに33日。さらに今シーズンの大分トリニータは6年ぶりの新監督就任による新チームでの始動となる。果たして新チームがわずか33日で仕上がるのだろうか。「1年でのJ1復帰」を明言しているクラブにとってスタートでの出遅れは致命傷になりかねない。いきなり不安を抱えながらの始動となった。


不安だ不安だと言う前に、まずは「新チーム」とは何なのかを考えてみる。監督は代わらなかったものの主力選手が大きく入れ替わった2021シーズンはスタートでコケた。2節までに勝ち点4を確保したけどこれはいずれも降格したクラブからの勝ち点なので参考外。3節からの5試合で獲得した勝ち点わずかに1。完全にスタートで出遅れたチームは結局そのシーズンの目標を達成することは出来なかった。5年かけて積み上げてきたビルドアップも突然おっかなびっくりなパス回ししか出来なくなってしまい実質「新チーム」のような仕上がりだった。

一方で監督は代わるけど主力選手はほぼ残留となった今シーズンは果たして「新チーム」なのだろうか。新監督の選定にあたって片野坂さんが指向してきたサッカーをおおむね継承出来る人材という選定理由は間違いなくあったと思う。選手の面で言えば、昨シーズンは苦しかったけれどもラスト1ヶ月に限れば成功体験だったと言っても過言ではない試合を重ねられた。だから純粋な新戦力のフィールドプレーヤー2人を除けばいきなり始動日からでも選手たちに共通理解はあると考えていい。そういう意味ではおぼろげではあるものの全くの更地にイチから建物を作っていくような作業ではないことだけは言える。ただいざ試合が始まればピッチ上では予想外のことがたくさん起きるだろうし、細かな約束事をチームに落とし込んでいくのは時間のかかる作業だと思う。その必要な時間として33日が十分なのかどうかは今の時点では分からない。


そんな中で一つ心強いのは下平さんの横浜FCでの実績だ。2019年5月にシーズン途中で就任した横浜FCでチームを立て直すだけでなくいきなりJ1昇格まで導くという「短期決戦タイプ」としての適性を見せている。このシーズンは29試合で19勝、65.5%という驚異的な勝率を叩き出している。ちなみに2018シーズンの反町監督50.0%、片野坂監督54.8%、2020シーズンに昇格したリカロド監督、長谷部監督ともに59.5%という数字と比較しても下平さんの数字は傑出している。つまり短期間でチームに戦術を落とし込める監督ではないかという推測は成り立つ。


泣こうが喚こうが開幕までに我々に残された時間は33日しかない。ただ集まった戦力、新監督の能力を総合すれば楽しみに待てる33日ではないだろうか。まずは下平さんの生の言葉を早く聞いてみたい。
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