Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

大分の想い、国立で結実(J1昇格プレーオフ決勝・千葉戦)

2012-11-24 00:14:43 | マッチレポート12’
いま、この記事を書けることを心の底から幸せだと思う。

国立からフワフワした気持ちで帰宅して、家族と祝杯をあげて、録画を観た今もまだ来年J1で戦うことの実感がわいてない。もちろん信じていたけど、いざ昇格が現実のものになると、そのことをうまく消化出来ない自分がいることに不思議な気持ちになる。


こういうの見ると、ナビスコファイナルをどうしても思い出しちゃうよね。あいにくの天気であの日ほどのパンパンのスタンドにはならなかったけど、熱気は全くひけをとるものじゃなかった。







濡れたピッチが影響したのと、単純に緊張してたんだろうということで前半は凡ミス連発でよく0点に抑えられたなというのが正直な感想。後半スタートと同時に運動量が上がり、ペースを握りつつあったものの、得点のにおいはあまりしなかった。ここ数試合リードされるシチュエーションがなかっただけに田坂さんが交代カードをどう切ってくるかが注目だったけど、その1枚目が林だった。得点シーンの落ち着きはさすがとしか言いようがないんだけど、その少し前にあの1対1を制する伏線になったんじゃないかなと思うシーンがあった。モリシのシュートがゴールをわずかに逸れた後に流れでGKの岡本選手と林が軽く交錯した。多分避けられた交錯だったと思うけど、林はけっこう強めに岡本選手に当たりにいった。まるで先輩が後輩を「かわいがる」ように。もちろん林はジェフ時代、岡本選手の先輩なわけで。後半丸谷をド突いたり、調子に乗りかけてた相手GKに存在感を見せつけ、勢いを削がせるようなプレーだった。そんな先制攻撃があの1対1での心理的優位な状況を作り出したんじゃないかなと思ってる。完全に全て想像ですけど。

そんな林や今日一番目立ってたと思う村井といい、やっぱりこういう大一番でのベテランの存在が不可欠だということを再認識した試合だった。


千葉は実の兄がサポートしてるクラブでもあり、そういう意味では少し複雑ではある。03年の大分の昇格を機に始まった千葉と大分の「主従関係」。年貢を納め続けた月日は今年で遂に10年を数えた。この虐げられ続けた10年間は全てこの日のためにあったといっても過言ではないくらいに出来過ぎたストーリーで完結した。まあでも千葉は現在のJ2クラブで唯一債務超過のないクラブ。豪華補強で近いうちには昇格出来るでしょう。


「青野」コールに号泣の社長。サポーターはみんな社長のことを応援してるよ。








キャプテンのインタビューの中で「(来年は)いい思いをしましょう!」っていう言葉があったけど、オレはその言葉をそっくりそのままあなたに返したいと思う。07年の加入から6年。何も「いい思い」をしてこれなかったにも関わらず、黙々と若いチームを引っ張ってくれた。来年はあなたこそ「いい思い」をしていい番だ。


ちょうど1年前の田坂さんの「J1挑戦宣言」から始まったこの大冒険。まさか本当に1年で完結するとは。インタビュー中にこみ上げてきた田坂さんを見て、グッときてしまった。田坂さんも感謝という言葉をたくさん使ってくれるけど、今から思えば、本当に暗黒の時代だった10年のオフに新人監督としてやってきてくれて、あれだけ若かったチームをわずか2年で昇格させてくれた。こちらこそ感謝してもしきれない。ヤスとかドンミョンみたいなサポーターの心を鷲掴みにする選手の育成にかけては右に出る者はいないと断言出来る。来季もよろしくお願いします。ワクワクする選手をどんどん育ててください。




エースの風格。このプレーオフで4ゴール1アシスト。あればの話だけど、文句なしのMVP。こんなにも成長が気にかかり、親のような目で見てしまう選手もそうそういないと思う。京都戦の4ゴールで完全に一皮むけた感のあるモリシ。長いことサポーターをやってるとそういう場面に遭遇出来るのがこの上ない喜びだったりする。色々と難しいこともあると思うけど、オレはこれからもずっとモリシを応援し続ける。首にかけたそのスパイクは是非ともクラブハウスに飾ってほしいと思う。「県民とともに戦う」。そんな言葉をスパイクに刻んでくれた選手がかつていただろうか。


何度考えてもストーリーが出来上がり過ぎてる気がしてならない。昨年プレーオフ制度の導入が決定され、Jリーグへの3億の借金返済のメドが立たないままにシーズン最終戦で監督から「J1挑戦宣言」。シーズンが始まり、選手たちのがんばりもあり、5月まで上位に食らいつく。成績面が現実味を帯びてきたことで借金返済に本気で動き出す。三位一体の本領発揮で10月までに3億返済。後半戦はモタつきながらも何とか6位でプレーオフに滑り込む。そのプレーオフ初戦が降格をした因縁の地・西京極。エースの大爆発で因縁の地を突破した先には、辛酸をなめさせられ続けた天敵が待つメモリアルな地・国立。そして昇格を決定づけるゴールを決めたのが、あの日、西京極でオレたちを絶望の底に叩き落とした張本人であり、かつて天敵にいた男。去年の最終節の日、どんなに有能な脚本家でもこんな出来過ぎたシナリオは書けないと思う。それだけのことを今年の大分トリニータはやってのけたんだ。自分のクラブがやり遂げたことに驚きを覚えると同時に誇りに思う。

福岡、札幌を見るまでもなく、昇格は喜びや期待と同時に地獄への第一歩かもしれないという思いはある。それでも喜ぼう。この3年間強く想い続けたことなんだ。そして楽しもう。J1という新しい冒険を。

大分トリニータに関わる全ての人に、「1年間、お疲れさまでした。」そして「おめでとうございました!」来年はJ1で会いましょう!
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