Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

去りゆく選手たちに感謝を〜2021〜

2021-01-16 22:33:47 | トリニータ
明日新体制の発表があるらしいので、区切りとして昨シーズンまで大分で戦ってくれ、そして去りゆく選手たちに感謝の気持ちを綴るこの時期恒例としている記事です。毎年思うが書かなきゃいけない選手が多すぎるんだよ。それについてはクラブに対して思うところもあるんだけど、この記事では関係ないので割愛します。


ムン・キョンゴン
ゴールキーパーの宿命と言ってしまえばそれまでなのかもしれないけど、日本に来てからも長く我慢の時期が続いたけれどもずっと努力を欠かさなかった結果としてJ1デビューを掴み取った時は本人と同じくらいに嬉しかった。そしてキョンゴンが高木と遜色ないプレーを見せてくれたことは大分のゴールキーパー陣に確実に刺激を与えたと思うよ。リアルでもSNSでも年上でも年下でも積極的に絡みにいくその人懐っこさはチーム内唯一の外国籍選手ということを忘れそうになってしまうくらいだったし、本当に魅力的な人柄だったと思う。キョンゴンだけじゃないけど、韓国から来る選手たちの日本語の上達の速さには毎度驚かされる。次のシーズンも高木と高いレベルでポジション争いをしてくれるものと思っていたけど、まさかの兵役での帰国ということに最初は本当に驚いた。韓国という国の背景や文化を理解していないので、軽々しいことは言えないけれどもどうしても釈然としない思いがあるし、何よりもキョンゴンはどう思っているのかを知りたくなってしまう。まだ年齢も若いし、兵役が終わったらまた日本に戻ってきてほしいと心の底から思う。


鈴木義宜
いつ移籍してもおかしくなかった選手だし、むしろいつまでもこの選手を強奪出来ない日本サッカー界の無能さに少し安心していた部分もあったし、何よりも報道から決定までがあっという間だったから残念がる余裕もなかったというのが正直な思い。フットボール的なキャリアも、プレースタイルも、人柄も、それからルックスもこんなにも大分トリニータらしい選手はいないという印象がどんどん強くなっていき、いつの間にか大分を象徴する選手にまでなっていった。監督交代のゴタゴタ、先輩のケツふき、脱臼、脳しんとう以外では一度もピッチを留守にしたことないってこんなすごいプレーヤー他にいないよって本当に思う。そこにいることが当り前だったし、そしてプレーも安定してるからこれだけたくさんの試合を戦ってくれた割にはこれっていう思い入れのあることが意外と出てこないんだよね。トリテンのインタビュー読んでも、高松のYouTube観ても移籍を決断した理由はよく分かんない(ハッキリとお金と言ってもらえた方がスッキリする)けど、仕事に対してマンネリを感じることもあるだろうし、気分や空気を変えたいって気持ちはすごくよく分かるから大義名分がなくても移籍を決断することってあるんだろうなって個人的にはいつも思っているから今回の移籍も受け入れてはいる。ただ一つだけ「なぜ清水なんだ」というのはこれからもずっと言い続けるし、その点においてだけはいくらノリさんでも絶対に後悔させてやるっていう思いだけは持ち続けるよ。ちなみに今季のリミテッドユニで初めて5番を入れたんだけど、いつかいつかと思いながら先延ばしにしてきていて手遅れにならずに良かったと今になって思ってる。ノリさん、A代表目指してよ。あなたほど「オレたちが育てた」と自信を持って言える選手はいないんだから。


星雄次
星との思い出はやっぱり昇格した2018シーズン。ストロングサイドだった右で仕掛けて大外の星が仕留めるという形で何度もゴールに迫った。昇格を決めた最終節でのゴールがその形だったというのはやっぱりあのシーズンの象徴的な形がそれだったっていうことだよね。J1昇格後は出場機会が限られ苦しかったと思うけど、選手層という意味では星がいてくれるからサイドは大丈夫という意識が見る側にあったのは間違いない。それくらいに頼もしい存在だった。達也の移籍が予測出来ていれば星の満了はなかったんじゃないかなと思ってるし、それくらいにまだまだ十分にやれると思ってる。新潟というシビアに昇格を狙ってくるクラブが獲得したように世間もそう見てると思うよ。思い返すとイサスタで照れてる顔ばっかりが浮かんでくるわけだけど、off the pitchでの不器用な感じがむしろ魅力的だった。新潟は間違いなく良いサイドの人材を確保したと思うので、昇格の有力候補になってくる。またJ1のピッチで星が躍動する姿を見たい。


岩田智輝
残念なのは間違いないけど、智輝に関してはやることやって出ていくって感じだし、これで気持ち良く送り出してやれないのならそれはもう選手の幸せを願ってないってことだと思うよ。智輝にとって当面の最大の目標はオリンピックだと思うから、オリンピックの延期に伴ってもう一年は一緒にやれるかなと期待していた部分と、出来ることなら直接海外に行ってほしかった点だけが残念だったかな。高校2年生の頃はセンターフォワードとセンターバック兼用、高校3年生はボランチ、プロ入りしてから右SB、右WB、右CBとあらゆるポジションの智輝を見てきたから未だにここが適性って断言出来ないしむしろそこが智輝の秘めたるポテンシャルなのかもしれないね。J2に昇格してすぐはとにかくクロスを上げようとしても目の前の選手にぶつけまくってた印象があってそれこそサイドは適性じゃないんじゃないかとも思ってたけど、本人の成長もあってラスト2年の右CBは本当にハマったなと思う。それでも新しい監督のもとでまだまだ智輝の魅力が引き出されるんじゃないかと思うと楽しみでもある。今年は智輝の番号を入れて久しぶりに代表ユニを買うことを楽しみにしてるから絶対にオリンピック代表に選ばれるんだぞ。マツケンと同じポジションを争うこととなったら大分サポ的にはちょっと切なくもあるけど、マリノスで終わってほしくないしそこから先のステップアップを楽しみにしてるからな。


島川俊郎
予想外という意味では一番ショックが大きかったのは島川の移籍かもしれない。出場機会も十分にあったし、移籍先のお財布事情を考えてもそこまで良い条件提示があったとは考えにくいし、何度考えてもこのオフで一番不可解な移籍。甲府に虐殺された時も小塚を筆頭とした攻撃陣よりも島川がいい選手だと思ってた。それでも島川が大分のボランチでこれほどまでに序列を上げるとは予想出来なかった。もちろんパフォーマンスが良くない試合もいくつもあったけど、その度に島川は成長してきたような印象がある。1年目は献身性と運動量しか目立たなかったわけだけど、2年目はパスワークにもすんなり馴染んだ。次の鳥栖で8クラブ目。適応能力が高いからこそ次々とクラブを変えても一線でやっていけるんだろうなと思う。ただ鳥栖は間違いなく生き残るためには蹴落とさなければならないチームになると思うので、島川の活躍を祈っていられるほどの余裕はない。プロフェッショナルな移籍だと思うからこそ今シーズンは全力でぶっ潰す。リーグ戦中断期間中はあなたの歌声に何度も癒されました。本当にありがとう。


田中達也
飽くなき向上心。達也を一言で表現するならこうなるんだろうね。片野坂さんのスタイルにほれて無理して移籍してきたみたいな印象を持ってたわけだけど、あっさり次に移籍するところから判断するに常に上を目指したいという性格なんだろうなと思う。昨シーズンは10月くらいまでは本当に素晴らしい活躍だった。自分もシーズンMVPに選んだようにとにかく点が取れた。ただ11月頃から目に見えて失速していったし、当時は1シーズン戦い続けた疲労の蓄積かと思っていたけど、今になって考えると移籍の話が既に来ていたのかもしれないね。決して器用ではないけど、愚直に前を目指すスタイルはとても好きだった。サイドでは間違いなくその存在は武器だったし、移籍してしまうのは痛いわけだけど、何とかなりそうという思いがあるのは自分でも不思議だけど事実。色々な意味で難しいところに移籍したと思うから、その愚直さで上を目指し続けてほしい。


小塚和季
この移籍は「もったいない」という感想以外に何も思い浮かばない。小塚自身にコンディション不良とかもあったのかもしれないけど、19年シーズンは絶対的な存在であったにも関わらず、本職ではない達也や大学生が自分のポジションで優先的に起用されればモチベーションを落としたとしても不思議ではない。そう考えると片野坂さんが自ら小塚を手放してしまったということだよ。この事態は想定出来たはず。本当にもったいない。去年の総括記事でも書いたけど、自分はあまりファンタジスタ的な選手を好きになることはないんだけど、19年シーズンの小塚は特別だった。昨シーズン90分換算したらたったの4試合にしか出場していなくても干されていればチャンピオンチームからお声がかかることに小塚の市場価値が表れている。野村や町田と争って出場機会を減らしてしまったのならまだ分かる。達也や大学生に出場機会を与えて小塚の出場機会が減っていたとしたらこんなにもったいないことはない。本当に魅力的な選手だと思うから、もっともっと輝いてほしいと思える。圧倒的なチャンピオンチームで出場機会を掴むことは簡単なことではないけど、頑張ってほしい。


小手川宏基
1年間ほぼ出場機会がなかったので満了になってしまうことは予想していたけど、それでも現実のこととなるとやはり寂しい。昨シーズンでの引退を決断した裕大とコテはこのクラブの一番苦しい時期しか背負わせてこなかった気がするから、コテの復帰が決まった時は本当に嬉しかったし、1人のプレーヤーとして頼もしかった。J2の時に中盤センターを2枚か3枚かで迷っていた時期があったけど、どっちでも高いレベルで対応出来るコテがいたからこその悩みだったと思うよ。プロの選手になれば育成組織出身かどうかというのは関係がなくなるわけだけど、それでもやっぱり育成組織出身者がかわいいと思ってしまうのが親心であって、それが一度離れて戻ってきた選手となればなおさらなわけで、さらに二度目の別れの寂しさはもう言葉では表現出来ない。もう選手として三度目の帰還を果たすことは現実的にはないと思うけど、どんな形でもいいからもう一度地元に戻ってきてほしいと思う。コテ、ありがとう。松本での活躍を見守っています。


國分伸太郎
このオフに一番期待していたと言っても過言ではなかった伸太郎の帰還。J1昇格のタイミングで補強を行い、まだ若かった伸太郎をレンタルで出した。そしてレンタル先で主力となり、J3優勝、J1昇格争いも経験し、コバちゃんに鍛えられプレーの幅も広がった。北九州での充実感から北九州への完全移籍なら百歩譲って理解する。それは伸太郎が出した結論だろうし、それくらいに北九州での伸太郎は輝いていた。北九州には申し訳ないけどキッチリと経験積ませてもらって戻ってきてもらうことこそレンタル移籍させる最大の意味じゃないのかよ。このタイミングで戻さないのだとしたら、何のためのレンタル移籍だったのか全く理解出来ない。片野坂さんや哲平さんの仕事には基本的に何の不満もないんだけど、この伸太郎の移籍に関してだけは怒りを覚える。大卒2年で放出し最初から戻す気がなかったじゃねーかと言われて反論出来るのだろうか。伸太郎に対しての何の感謝の言葉にもなってないけど、もう一度大分で伸太郎のプレーを見たかった。自分は伸太郎にはめちゃくちゃ期待していたんだよ....


前田凌佑
年齢的にもまだチャンスはあると思っていたんだけど残念ながら満了となってしまった。J2昇格のタイミングでほとんど無名の存在として神戸から移籍してきた。最初は頼りない部分もあったけど、本当にチームとともに成長してきたような選手でチームがうまくいってないと「早く前田戻ってこないかな」と思うまでの存在になっていったよね。サッカー選手だから足のケガは仕方ないとも思うけど、今季の腕のケガは悔しかった。コンディションが万全でもっと出場時間を伸ばせれば違った結論になってたかもしれないからな。ただ諸々の条件を考えても次のチームは決まるだろうなと思っていたし、愛媛に決まって本当に良かった。愛媛は本来であれば新しいシーズンはJ3で迎えるはずだったわけでそれくらいに昨シーズン苦労したチーム。J1のチームから来た前田に期待するところはかなり大きいと思うので、片野坂さんのもとで鍛えられたハードワークとパスワークで存分に貢献してほしい。


川西翔太
一度でいいからJ1大分トリニータでの川西翔太のプレーが見たかった。もうこれに尽きる。そして十分にやれたと思うからこそ残念でならない。ただもう川西も岐阜で押しも押されぬ中心選手となっているので、この結論も仕方ないのかなと思っている。多くの人がそうであるように自分も未だに2018シーズンのホーム最終戦の感動が忘れられない。あのシーズン唯一ホーム参戦した試合で劇的な決勝ゴール。それも川西の個人技のみで文字通り「こじ開けた」ゴール。昇格をぐっと手繰り寄せた値千金のゴール。もちろんその1つのゴールを持ってして川西のプレーをもっと見たかったと言っているわけではなくて片野坂さんが目指したサッカーを形成していく過程で担った川西の役割は本当に大きかったと思っていて、その先を一緒に進みたかったと思っているのが本音。基本がしっかりとしていてかつトリッキー。川西のプレースタイルは本当に人となりを表していたように思う。今シーズンは是非とも岐阜の昇格を決定づける川西のゴールが見たい。


知念慶
1年を通してずっと大分サポーターの心を揺さぶり続けたまさに「未完の大器」。長居に響かせたポスト直撃の乾いた音は我々の期待値を最大限まで引き上げ、しかしそこからずっと停滞、シーズン終盤に差し掛かりやっとらしさとチームプレーの調和が見えつつあった。ただ本人のコメントから留まる意図がないことも窺えただけにレンタル契約満了は予想していた。これまでにあまりいなかったタイプだけにある意味では記憶に残る選手だった。「代表目指そう」という片野坂さん直々の口説きでの入団だっただけに本当に期待していたけど、まさかこんなにも頑固というか、こだわりを捨てられないというか、going my wayな選手だとは想像もつかなかった。ただ知念本人のことを考えると、プレーの幅は広がったと思うし、川崎に戻って成長した姿は見せられるんじゃないかなと思うよ。最終節鳥栖戦の先制点のような少し偶発的なゴールの決め方って実はけっこう大事だと思っていて、今の片野坂さんのやり方ではあまり生まれないゴールだと思っている。最後まで片野坂さんの色に染まらなかった知念と渡だからこそのゴールだと思っていて、サッカーって本当に面白いなと思うよ。またチャンピオンチームで満足に出場機会が得られないようならいつでも戻っておいで。


渡大生
知念以上に謎のまま移籍を決断してしまった渡。能力が高いことは入団前から分かっていたし、大分の一員になってからもその認識が変わることはなかった。ただいつまでもしっくりこないなという状況が続き、ついには出場機会もなくなりシーズンが終わってしまった印象。チームからの評価が低かったのか、このチームとは合わないと本人が判断したからの移籍なのかは分からないけど、やり続ければ良くなる感じはあっただけに移籍先も含めて出ていく決断は残念だった。鳥栖戦の記事にも書いたけど、あの試合での渡の気合いは凄まじかった。毎試合それならなと思ってしまうのは、もう手遅れと言うべきなのか。ふんわりとした印象を残して去っていくのも何となく渡らしいというか何というか。いずれにしても今シーズンは絶対にやらせないからな。



在籍期間に関係なく1年でも大分にいてくれた選手には本当に感謝をしている。主力選手が移籍の決断をしてしまうことは残念なことだけど、ノリさんの移籍が決まってしまった時に思ったよ。あれだけ残留してほしいと思っていたノリさんでも移籍を決断してしまったらそれ以上先はあまり深くは感じないし、もう早くも坂のプレーを楽しみにしている自分がいることに驚くとともにこれが健全なクラブとの距離感だなと思った。キレイごとやチャントの一節じゃないけど、「大分のために」「大分で」やってくれることを決めてくれた選手しか愛せないし、「大分のために」「大分で」やってくれることを決めた選手だからこそ後押しをしたいと思うわけだよ。新シーズンが本当に楽しみ。


さんぺーは別記事にします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする