Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

2巡目の難しさ(22節千葉戦)

2023-06-25 23:32:33 | マッチレポート23'
どうとでも取れるような試合だったと思うけど、個人的には千葉の対策が見事にハマった印象で、今シーズンの対戦が2巡目に入った難しさをいきなり感じさせられるような試合だった。1巡目にホームで対戦した時は最後は宏矢の素晴らしいアシストに失点はしたものの危なげのない完勝だったけど、この試合はがっぷり四つやや劣勢くらいだったと思う。


試合の入りから千葉の守り方は完全にハマっていた。うちが0トップで来ることはおそらく100%に近いくらいの想定で千葉はスカウティングをしてきていたと思う。高さはないし、裏抜けもない、だから蹴らせたら絶対に回収出来るという圧力のかけ方でそこに迷いはないように見えた。実際に蹴るしかないシチュエーションに追い込まれた回数も多かったし、苦し紛れに繋いだ先で引っかけられて局面をひっくり返されたことも複数回あった。前半の30分頃から藤本がトップの位置に立つようになって少し変化を加えたことで前進出来る回数も増えてはきたけど、結局後半に入っても完全にはがせたというシーンは果たして何回あっただろうかというくらいだった。


試合前のGKのアップメニューが変わっていた。山形戦以来1ヶ月ぶりの現地観戦だったのでもしかするとこの試合よりも前から変わっていたかもしれないけど、これまではまずキャッチングの練習からしていたけど、岩瀬さんが加わってGKに戻ってきたボールを1タッチないしは2タッチで繋ぐというトレーニングからアップを始めていた。これはおそらくこれまで以上にビルドアップの質を上げていきたいという意図でそれにはビルドアップのスタートであるGKにより高い繋ぐ意識や視野を持ってもらいたいということじゃないかなと思いながら見ていた。実際に幸之介のトリテンインタビューを読むとそういった内容のコメントを残している。熊本対策に代表されるように高い位置からプレッシャーをかけてくる相手に対してはロングボールで対抗するということをこれまでもやってきたわけだけど、そういう相手と対戦しても繋ぐんだという意図がこの試合では表れていたと思うので、決してうまくいっていたとは思わないけど、方向性としては良いと感じた。





2つのPK。現地ではまず藤本の転び方が若干不自然だったのでラッキーなPKだと思っていた。だから被PKの時は「帳尻だろうしやむなし」と思っていた。ただ試合後に映像で見たらどちらもまあ妥当なジャッジだし、勝ち点1は内容なりの結果なのかなと思う。ノムが蹴る時は随分と間が長かったので嫌な予感がしたけど、ああやってしっかり蹴り込めばコースを読まれても入るという素晴らしいシュートだった。



千葉県凱旋その1。千葉県出身、高校キャリアを習志野高で過ごした池田廉にとってフクアリはきっと思い入れが深いだろうから先発は嬉しかったんじゃないかな。ただプレーに関してはプレス耐性に若干難ありなところを露呈してしまっていたので、そこは明確な改善ポイントだ。プレースピードが周りと違うのはストロングポイントにもなり得るからいいんだけど、今のところの池田廉からは良さとしては取れないかな。今のレギュラーは奪い取ったものではなく回ってきたもの。もっと明確な違いを見せてほしい。



千葉県凱旋その2。東京都出身ながらも高校キャリアを市立船橋で過ごした松尾勇佑にとっても選手権決勝等大事な試合を何度もここフクアリでやってきたんだろうね。この試合では松尾まで生きた形でボールが回ってくる回数が少なかったので不完全燃焼だったかな。今のところ松尾を活かすにはスペースが欲しいかな。ちなみにこの試合の前に同じ千葉県で開催されていたプレミアリーグEAST市立船橋−青森山田の試合を観てきた。先日同県ライバル流経柏を破ってインターハイ出場を決めた市立船橋はタフな青森山田との肉弾戦にも真っ向から応じた上でうまさも感じさせるとても良いチームだった。インターハイで良い結果を掴みそうだなと見ていた思った。松尾先輩も負けていられない。





今シーズン初めての生新太。





この切り返しが決まった時は21シーズン最終節柏戦でのゴールがよぎったんだけどな。徐々に出場時間を増やして次はスタメン復帰だ。フクアリの距離感で体感する新太のワクワクたまらんかった。



途中出場で新太がピッチに入るとすぐに手を軽く手を合わせた2人。短い時間ながらも何度もマッチアップする機会があった。1巡目の千葉との対戦の時にも書こうと思ったんだけど、新太とマッチアップすることがあったこの試合で書く方が結果的に良かったかなと。


2016年シーズン後期の関東大学リーグプログラム。11番が新太で17番が千葉の67日高大。部員が200名を超すスーパー大所帯の流通経済大サッカー部で1年からトップチームで活動していた新太に対して、4年生の序盤もJFLが主戦場の流経大ドラゴンズ(いわゆるBチーム)で活動していた日高。2016シーズンは流経大Aチームが大苦戦を強いられていたシーズン。リーグ戦も振るわず総理大臣杯も予選敗退していた記憶。戦力入れ替えとして夏頃にBチームから昇格してきた日高を初めて見た時の印象がとても強く、プレースタイルが本当に躍動感そのものだった。弾けるようなスピード感あふれるプレースタイルが不甲斐ないチームにまるで喝を入れているようだった。ただ日高はAチームでの活動期間が短かったからなのかプロ入りはならずHondaFCで大卒1年目をスタートさせる。そしてそこからいわきに移籍して4年目でJ3昇格→千葉移籍と大学時代と同じようにステップアップの段階を踏む日高にどこのチームに所属していようとも応援したくなるような気持ちがわいてくるし、是非ともJ1まで上り詰めてほしいと思う。


もちろん新井とも旧交を温める。



こちらは琉球繋がり。


今シーズンは内容なり(もしくはそれ以上)に勝ち点が取れているからこの順位を保てている。だからこの内容での勝ち点1に「取りこぼした」とも「もったいない」とも思わない。何だかフワフワしていていまいち芯を感じないところに不安はあるし、どっちに転がっていくか全く読めないチームだと思うわけだけど、もうこのチームの残す結果に一喜一憂しながら残り20試合(+α)を楽しむしかないなと改めて思い直した一戦だった。
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おかえり新太(21節岡山戦)

2023-06-18 00:01:19 | マッチレポート23'
復帰までもっとかかるかなと思っていた。8月頃に復帰してシーズン終盤の最後のエンジンとして大復活してくれたらぐらいに考えていたからまさか前半戦のうちに復帰してくれるとは嬉しい誤算。本人が発信してくれるトレーニング動画や練習見学された方の写真で新太の太ももの太さに一喜一憂する変態のような日々もこれでおしまい。くれぐれも無理せずに、でも大黒柱としての活躍を期待しちゃうよ。長く伸びた髪をアバウトにまとめた髪型で復帰するところが、いかにも山ごもりでの武者修行から帰ってきたサムライ感があって自己プロデュースも上手だなと。


前節に続いて粘り強い試合運びで勝ち点3をモノにした。ただ前節と同じように消化不良感がどうしても残ってしまうのはこういう勝ち方がおそらく狙った試合展開じゃないと思うから。前半のチャンスは11分の将輝のシュートと上夷の巻いたシュートの2つで、後半はシュート自体がわずかに3本。オウンゴールを誘った藤本のシュート、CKから奎汰の大フカシ、とあと1本は不明。0トップは中盤に人数を割いているので支配は出来るものの肝心のゴール前に迫る段階で迫力不足は否めない。新太やサムエルを投入してからが勝負だと言うのならそこからのシュートがあまりにも少ない。そもそも目指しているチームコンセプトはウノゼロとははるか遠くに位置しているものだったはずだし、ケガ人が多いからいまはなりふり構わず勝ち点3を優先しているというならそれも理解出来るけど、だからこその消化不良感。このままでいいとは思わない。


ただ一方で結果が先行してそのチームの色合いがあとから決まっていくこともあると思う。古い例で言えば、08シーズンのシャムスカ大分も決して最初からウノゼロがチームコンセプトだったわけじゃないと思う(詳細は昔すぎて覚えてないけど)。真夏の3連戦をウノゼロ3連勝をしてから「オレたちは守り抜いて勝ち点を拾うんだ」という意識統一を生み出し、そして固い守備でのナビスコ優勝へと繋がっていく。だからここからの数試合が今シーズンの流れを決める重要な局面になるんじゃないかなと思う。次節千葉戦はもうお得意様と言い切っていいくらい相性が良い相手なのに何だか少し不安に思ってしまうのは古参サポだけだろうか。ここを越えられれば大きなチャンス。その次の磐田はその3日前にリーグ戦を消化しなければならないというまさに「ルヴァンカップ」という名の罰ゲーム。これは昨シーズンの我々でさえ経験していないし、もっと言うと3ヶ月前に続いて2度目のボーナスチャンス。もう磐田側から「不公平だ」と言われたら、「その通りだ」と全力で賛成せざるを得ないくらいに不公平日程。実際に4月は動きの悪い磐田からきっちりと勝ち点3をいただいている。まあ不公平だろうが何だろうがここで勝ち点3を落とさなければ5連勝。5連勝出来るチームは昇格出来ると思うんだよ。手応えがなくても結果がチームを引っ張ってくれることもあると思うんだよ。そしてその次が町田戦。やっぱりここからの3試合で今シーズンの方向性は決まると思う。


実況の方が「せんば」と呼ぶたびに「仙波」よりも「センターバック」かなと思ってしまった今日の試合。その仙波はラストパスや持ち上がり等すごく良いセントラルミッドフィールダーだなと思うシーンが多かったわけだけど、一方で失点シーンでの軽いディフェンスを見るとやはりJ2だと一長一短の選手が多いなという納得感に繋がる。池田や堅心にも物足りない印象を持ってしまうんだけど、相手チームの選手を見て贅沢は言ってもキリがないなとも思う。11分の将輝の決定機に代表されるように0トップだとボランチのエリア内侵入があって初めて厚みのある攻撃が完結するので、将輝にも池田にも堅心にももっともっと前に顔を出してほしいと思う。


昨シーズン也真人にうまく使われ出して健太の良さが出てきたのと同じように、中川のスペースへのパスから松尾が敵陣深くまで侵入する形が何度かあって可能性を感じた。これで2試合連続先発出場、慣れと同時に自らの活かし方を試合の中で考えられているんじゃないかなと思う。「速い」「高い」「強い」はもうそれだけ武器。これらの武器はプロになった時点でもう先天性の武器であって、欲しがったとして誰もが身につけられるものじゃないからこそ最大限に活用してほしいと思う。速いは武器。


藤本一輝2試合連続決勝ゴール。試合後伊佐に「オウンゴール!!」といじられてたけど、あれは決めたもん勝ちよ。こぼれたとしても新太が詰めてたしね。得点シーンを除くと、この試合で最大の決定機だった11分の攻撃も藤本のターンから。あの位置でのターンからの抜け出しは山口戦でのファインゴールを思い出すわけだけど、ゴールを積み重ねて徐々に攻撃の核になりつつあると思う。4バック移行後の最大のメリットは奎汰と藤本を縦関係に並べられるようになったことかなと思う。藤本の破壊力の恩恵として奎汰の上がりも効果的に出せてるし、いま左の連携がすごく良い。あと今シーズン何度か触れてるけど、地味に藤本のディフェンスの質が上がっていることは見逃せない。昨シーズンあれだけ酷評したので良くなったものは良くなったと評価してあげないといけないよね。藤本はこれで5ゴールでチーム内得点王に。ただリーグ内順位だとやっと16位タイなので、何でチームが2位にいるのかよく分からんよ、ホント....





ピンクのデルラン、完全にフラム時代のバベルだわ。
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上がってんの?下がってんの?(20節群馬戦)

2023-06-12 00:44:41 | マッチレポート23'
ほんの1週間前。上位の甲府を破り2位に浮上するというこの上ない状況だったにも関わらず、1週間も経たないうちに天国から地獄へ突き落とされたかのごときチームの雰囲気。試合のことを書く前に触れなければいけないことが多すぎる。


まずは天皇杯ヴェルスパ戦の敗退。後付けでも何でもなく「ちゃんと」やらなければ負けることはチーム関係者も分かっていたはずだ。ここ数年のフットボール面でのヴェルスパの充実ぶりは結果を見るだけで分かるし、この試合にかけてくる思いも分かりやす過ぎるくらいに分かりやすかったはずだ。しかし真っ直ぐ勝負をしなかったうんこクラブである大分トリニータは自ら大分県No.1クラブの称号をヴェルスパへ譲ってしまった。これまで大分県唯一のプロフットボールクラブであったがゆえに様々な恩恵を受けてきたことは動かしがたい事実。その甘えから脱却する覚悟がまだ見えない中で自らその地位を捨てようとする行為に賢さは感じない。大分の誇りですらないクラブが九州の誇り?ふーん。


ただリーグ戦を優先したい気持ちは分からなくはない。出ずっぱりの主力選手を休めたい気持ちも理解出来る。だからこそリードを奪われた展開で焦って主力選手を出してしまい負傷させてしまうなど悪手に継ぐ悪手。前節の記事で茂平こそ前半戦のMVPと書いてからわずか3日でこの惨劇。「毎試合を引退試合だと思ってプレーしていたので悔いは全くありません」という茂平の真っ直ぐな言葉に救われたような気持ちにもなるけど、こんな辛いことないよ。


ユースは今年も九州予選を突破して見事クラ選本選の切符を摑み取った。先週熊本に負けてしまい、3位決定戦でも負ければ出場を逃してしまう大一番。トップチームの体たらくにより中心選手である松岡くんが出場することが出来ず、大変だったと思うけどよく勝ちきったと思う。今年は九州第4代表のため本選の組み分けも厳しいところに入る可能性が高いと思うけど、クラブ史上最高成績を収めた昨年を是非とも超えてほしい。


やっと本日の試合。試合が始まる前からこの試合の実況が原大悟さんと分かった時点でもう勝ったような気になってた。それくらいこの人との相性は良いと思う。個人集計なので漏れがもしかするとあるかもしれないけど、これで原大悟実況試合は負けなしの4連勝。結果だけでなく今日の試合のように内容も伴ってくるのが原大悟実況試合の歓迎すべき特徴だ。大分FCはシーズン終盤のホームゲームでここは絶対に勝ちたいというタイミングで原大悟さんをお呼び出来るように今から根回しをしておいてほしい。国賓級の待遇でもてなすべし。


なかなかこじ開けられなかったものの終始ペースを握り続け久しぶりに良い展開での勝利だったと思う。後半20分頃の選手交代をきっかけに群馬のプレッシャーラインが少し上がり流れが群馬に移りそうになったタイミングがあった。じれったい展開でもあったしこれはいつもの相手の戦術変更に対応出来ずにあっさりやられるパターンを覚悟しかけたけど、今日は何とか耐えた。得点シーンは池田→中川→ノムの2つの早い判断での縦パスが良かった。サムエルの投入でおそらく中川のポジショニングが少し下がったことであのスペースに入り込みやすくなったのかなと思うけど、その時間帯までこういう形が作れていなかったことを考えると0トップ気味のスタメン布陣にはやっぱり少し無理があったと思うよ。怪我人が多いと言われるけど、サムエルは出られる状態にあるにも関わらずそれでも先発に値しないという評価を受けていることの方が問題だと思うよ。伊佐も離脱してしまったかもしれないこの状況においてサムエルが頑張ってくれる以外に誰がやってくれんのよ。サムエル先発させるよりも0トップを選択されるこの状況は屈辱と思ってくれていいと思うぞ。このままロマン枠の選手で終ってくれるな。


この試合でMOMを選ぶなら上夷。決勝点のナイスクロスはもちろん、ソリッドな守備が抜群だった。試合が始まるまで知らなかったけど、群馬のストロングポイントは完全に左からのサイド攻撃だった。浦和ユース出身の左サイド・山中にボールを集めたい意図が手にとるように分かった。その山中に決定的な仕事をさせなかっただけでも良い仕事だったけど、山中に代わって入ってきた岩元ルナも縦へのスピードがめちゃくちゃ速くて解説の名良橋さんの言葉を借りれば「勘弁してよ」レベルの仕事量だったと思う。集中力を切らさずそれを完遂した上夷がこの試合のMOMだ。


CKの数が18本。なかなかこれだけCKを獲得出来る試合もないと思うから何とか1本は決めたかった。それにしても空中戦で勝ちまくる安藤の高さはやはり相手チームからすると脅威。次節の対戦相手である岡山はこの試合を観て最大級の警戒で安藤をケアしてくると思うけど、それを見越して安藤をデコイに走らせるようなしたたかな準備をしてくれることを期待しています。


自分が何者でどんなことが出来るのかをまずは松尾がこの試合で見せてくれた。31分に見せた前にボールを預けて中に入っていきながらリターンをもらってペナ侵入という流れがおそらく松尾が一番得意にしている形だと思う。素走りが速いので何となく縦にぶっちぎってほしいと思ってしまうわけだけど、昨シーズン関西学生リーグで何試合も松尾の試合を観たけど、このパターンが最もゴールに迫れていたし、何ならシュートを打てずにそのままドリブルで逆サイドまで流れていってしまうなんてこともあった。茂平が抜けたポジションへまず一番最初に名乗りを上げたのは松尾。チャンスはあるはずだから、ここからの成長曲線に期待したい。


次節で早くも1巡目の対戦が終了。少なくともPOホーム開催順位以上での折り返しが決まったので、昨年のフィニッシュ順位よりも改善したこととなる。ただ何だろうな、このスッキリとしないモヤモヤとした気持ちは。喜ぶべき好位置での折り返しにも関わらず手放しでは喜んじゃいけないんじゃないのかという疑心暗鬼感。まあ分かってんだよ、漠然とは。J1昇格に値するサッカーが今の時点では出来ていないことは認めたくないけど分かってんの。だからこそ改善しながら渋とく勝ち点を拾い続けていくしか道はないんだよ。


上がってんの?下がってんの?上がってくしかねーだろ。
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都合のいい男・茂平(19節甲府戦)

2023-06-04 23:12:29 | マッチレポート23'
内容に見るべきところはなくこの勝利をきっかけに浮上してきそうだという期待感もないわけだけど、自分たちより上位の甲府に勝ち、そして2位に浮上したことを考えればとにかく勝ち点3を喜んでいればいいのかなと思う。終盤にまともにパワープレーすら出来ない甲府を見ていて「え、これで3位なの?」と思ったけど、似たようなことは我々も思われてるんだろうし、今シーズンのJ2の上位レベルが何となく分かってきたところでとにかく我慢強く勝ち点を取ることに集中だと思った。パッとしない上位陣を見て、「間に合ったかも」と一番安心してるのは山形かもしれないね。


大分トリニータにとって「元祖・都合のいい男」といえばジョンハンだと思うけど、今日の試合で右SH→左SB→左WBと選手交代の度にポジションチェンジを繰り返す茂平を見て、この男こそ「シン・都合のいい男」だなと思った。チームはこういう選手が1人いてくれると本当に助かる。秋田戦でも一人キレの良い動きを見せていて古巣戦補正なのかなと思っていたけど、球際の力強さや正確な判断からの鋭い動きだしなど今日も素晴らしい働きだった。ノムのキレが明らかに落ちてきていて、野嶽も離脱した現在、開幕からずっと精力的に動き回っている茂平が前半戦MVPかもしれないね。


続々と新戦力がお披露目。プロデビューの松尾勇佑、そして大分デビューの池田廉。まだ出場時間の短い優成も含めて今日は突き上げを期待したけど、試合展開も難しいものだったしアピールに成功したと言える選手はいなかった。長崎戦に出場した丈晟も含めてこの辺りの選手が頑張らないとチーム力は上がっていかないし、そもそも目の前の課題として3日後の天皇杯ヴェルスパ戦が危ない気がして仕方ない。ヴェルスパはおそらくスーパーフルマックスのモチベーションで臨んでくるだろうし、一昨年はベスト16進出という実績もあるクラブで天皇杯の戦い方もよく知っている。その4日後のアウェイ群馬戦にメンバーを回したい気持ちも分かるけど、ヴェルスパと戦うことはただの都道府県代表と戦うのとはわけが違う。言い訳前提のスカした戦い方だけはしてほしくない。


話を今日の試合に戻して、果たして4-4-2(もしくは4-2-3-1)は機能しているのだろうか。この試合で3試合連続4バックスタートとなったわけだけど、3試合でゴールは3つ。流れの中からのゴールは1つでそれも相手が数的不利の状態に奪ったもの。あとの2つは相手からのプレゼントゴールとCKから。秋田戦はコンディションの問題もあったので参考外かもしれないけど、今のところ点が取れそうな布陣にはどうしても思えない。まず漠然と感じるのは誰に(もしくはどのポジションの選手に)点を取らせることを想定しているのだろうか。前の選手の数がシンプルに少なく感じるので攻撃に厚みを感じない。今日の試合で言えばせっかくノムをボランチに入れたんだからもっと10番的な立ち振る舞いで攻撃に絡んでほしかったけど、思っていたよりも後ろに位置していたから伊佐と中川の後ろのスカスカ感がどうしても気になってしまった。中川の落としにノムが突っ込んでくる10分の攻撃が唯一良かったと思うけど、アレを枠内に仕留め切れないところにノムのキレが落ちてきていることを感じてしまう。也真人はどうした、新太はまだか。かと言って3バックスタートが機能していたかと言えばそれも疑問なわけで、最適解を探す旅はまだ始まったばかりなのかもしれないね。


試合後のラインダンスを見ていてテイシェイラの腕の長さに釘付けになった。おそらく水曜日の天皇杯で大分デビューになると思うけど、どんなプレーをするのか生で見てみたかったな。あと今日の入場者数が7,746人と週末のホームゲームとしては今シーズン最低を更新してしまった。リーグ2位とは言え、試合内容が面白くないとこんなにもダイレクトに客足に響くものなんだろうか。ちょっと気になりますな。
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