Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

ゴールキーパーの重要性(30節名古屋戦)

2020-11-28 23:27:05 | マッチレポート20'
体感的にはめちゃくちゃ寒くて、試合内容的にはちょい寒くらいだったかな。上位クラブとの3連戦を1勝1敗1分はもちろん悪くはないんだけど、結局その3試合でゴールは野村のPK1つのみ。こうなってくると主導権が握れているということの意味合いも異なってくるように思えてしまう。


まずは相手チームのことからになってしまうけど、ここ数試合でJ1のゴールキーパーの凄みのようなものを痛感させられている。東口もチョン・ソンリョンもキム・ジンヒョンもランゲラックも、そのセーブによってその試合の勝ち点の数が変わってくるようなセーブを見せてくる。この2試合何となくモヤっとした感覚だけど、髙澤のヘッダーや三竿のヘッダーが入っていれば、万事OKくらいの出来だったわけでなおさらにそれらのビッグセーブの重要性を痛感させられる。ゴールキーパーとは本当に大事なポジションだ。


正直に言うと、今日のスタメンを見て達也がシャドーだなと分かってこれくらいの塩試合になることは予想がついた。64分に野村を投入して達也を左サイドに動かしてからの戦局の激変ぶりを片野坂さんはどう感じているのだろうか。もし達也を左サイドに動かしてからが勝負と考えているのなら今日の先発は小塚で良かったはず。名古屋陣営がおそらく達也対策として成瀬を投入せざるを得ないと感じるくらいに脅威な存在になっているわけだからなぜそれをもっと有効活用しようとしないのか不思議でならない。万が一これだけ能力の高いシャドー適性の選手が多くいる中でそれでも優先順位高く達也の起用を考えているとしたらちょっと考えものだな。30分、35分と達也が後ろ向きでボールを受けた時のプレーの拙さが全てを象徴している。



その試合のビルドアップの質の高さを決めるのは上述のシャドー2人とボランチ2人次第だと思っている。当初は守備職人みたいな見方をしていた島川もどんどんビルドアップに関与してくるようになり、レギュラーを勝ち取った。ハセについては他の人には出来ないなと思わせるスキルがある一方で足りない部分もたくさんある。その最たる部分がシュートで、あれだけ精度の高いロングパスを通したあとにずっこけたくなるくらいにシュートをフカしちゃったりする。それともう一つがドリブル。受けてターンしてドリブルっていうプレーをほとんどしない(出来ない?)。アメフトのQBでイメージするところのパスばかりを狙っていて自らのランニングがないような選手。ただ今日の試合の77分頃に知念のシュートに繋がったシーンではまさにそんなプレーを見せてくれた。「それよ、それ!」とマスクの中で思わず口にしてしまうくらいハセに望んでいたプレーだった。それと自分は「小林裕紀の良さをイマイチよく分かっていないマン」であり、かつ羽田健人の将来性に高く期待しているので、ボランチのポジション争いは激しいなとつくづく思う。前田もそろそろ戻ってくるだろうしね。



ノリさんいよいよリーチ。本人の性格から察するに気負わないとは思うけど、本当にいつも通りのノリさんで残り5試合やればいいと思うよ。既にいま現在残している記録だけで本当に立派だから。このブログを定期的に読んでいただいている方はお気づきかと思いますが、このブログはノリさんを世間の注目から何とか隠そうと、極力話題に上げないということを徹底しているトリニータサポーターとして模範的なブログなんですよ(適当)。ただ何となく残り5試合でリーチがかかったこの状況で「オレたちは分かっているから大丈夫」という気持ちを表明したくてたまらない気持ちになってしまい、うっかり取り上げてしまった。



もちろん高木もキョンゴンもうちの戦術にとって欠かすことの出来ない重要なプレーヤー。高木が相手のハイプレッシャーを回避するミドルパスを通した時に周囲が誰一人していなくても出来る限り大きな拍手をする運動は継続していくつもり。



色んな意味で鬱陶しかったマテウス。



瑞穂に行くといつもカメラマンが近くにいるので、このカンペを毎回盗撮してしまう。



こうやって見るとかなりギッシリ入っているように見えるね。これから改装に入るという瑞穂。どんな風に変わるのでしょうか。これで来年はトヨスタ確定ということで喜んじゃっていいのかな。瑞穂ももう何回行ったか数えられないくらいだけど、一番の思い出はやっぱり2008年のナビスコカップ・セミファイナル1stレグかな。この後の2ndレグをホームでのベストゲームに挙げる人も多いけど、実は地味に1stレグも好ゲームだったんだよね。



「これでACL圏内なのか」というのは今日の率直な感想。夢生が離脱して山﨑凌吾も不在のようで0トップみたいな布陣になっていた。名古屋の最も恐い部分って前田、マテウス、相馬あたりのサイドでの単騎突破だと思うんだけど、トップ不在により近距離での地上戦に持ち込まざるを得ずその最も恐い部分をやむなく捨てているように感じた。ACLを狙うだけならこの勝ち点1は受け入れられるけど、天皇杯を狙うなら痛い勝ち点2ロスト、そんな感じでしょうか。


ここ2試合ノーゴールで29試合30ゴール。次節仙台戦でゴールがないと遂に1試合1ゴールとなってしまう。1試合1ゴールしか決められないチームが上位進出を目指すなら相当試合運びがうまくなければならない。今のところそういう部分はどちらかというと拙く、かつセットプレーも弱い。これでは来シーズンをにらんでも上位進出など到底望めるわけもなく、やはりもっとゴールを取りたい。やれるメンバーは揃っている。もがきながら模索していくしかないわけで、残り5試合も頑張りましょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ロティナチオ(29節セレッソ戦)

2020-11-26 21:27:24 | マッチレポート20'
これけっこうあるあるだと思うんだけど、結果を知っていてあまりポジティブな意見を聞かない試合を後で観てみると、思ってたほど悪くなかったなと感じることがよくあると思うんだよね。先ほどディレイで観たけど、まさにそんな試合だったかな。


しかし取れんもんだね。監督同士が意識し合って偏った成績になってしまうのは分からなくもないんだけど、チームも変わって当のやってる選手たちも徐々に変わっていく中で結果だけが変わらないっていうのは不思議なもんだね。まあ、でも千葉からの呪縛も突然解けたようにいつロティーナがカモになるかも分からないから、あまり否定的になったりとか、意識し過ぎるのも良くないとも思うけどね。そもそも来季はロティーナ自身がいない可能性が高そうだし。あとはあれだけのビッグゲームが終わってわずか4日後の試合というのもフィジカル的なことよりもメンタル的な部分で影響したんじゃないかなとも思ってる。川崎に勝てたんだからロティーナ(もはやセレッソに負けたとは思っていない)にも勝てるだろというロジックが成り立っちゃったら大分トリニータJ1優勝だもんな。


失点シーンはディフレクションを嘆くよりもコーナー付近までノリさんと智輝の2人で深追いしたにも関わらずパスを通されてしまったところがポイントだった。あそこまで深追いしたのならあのパスは絶対に通させちゃいけなかった。そこからスライドがズレてズレてを繰り返して、もう中は混乱していた。例えスコアレスで進行していたとしても難しいゲームになると予想出来たはずなのに、ビハインドを負えばどうなるかは分かりきっていたはず。ちょっと失点が早すぎた。


香川の負傷、小出の負傷、達也の疲労、井上健太の学業専念(知らんけど)等が重なりサイドの人材不足から三竿を1列上げるという選択を片野坂さんはしたと思うんだけど、三竿が抜けた最終ラインに入るファーストチョイスが右利きの刀根になるのならば、智輝を上げるという選択の方がいいと思うんだよね。三竿もかなり走れる方だと思うけど、終盤まで運動量が落ちないという点では智輝はこのチームの中でも1、2を争う選手だからワイドでより活きるはずだ。


62分の前3枚での崩しとか、76分の高澤の強烈ヘッダーとか、ゴールになってもおかしくないシーンは複数あったから、やっぱり冷静になって思い返してもロティーナに勝てないとか、点が取れないは過剰に気にする必要はないと思う。それなりの要素が揃えば川崎にだって勝てるように、いくつかのたまたまを排除出来れば、今までが何だったんだと思えるくらいにあっさりと勝つ時が来ると思うよ。


そんなことより次節の名古屋はセレッソより失点数少ないからね。次から次に試合がある時は深く考えすぎない。次だ次。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

丁寧にサッカーをしています(28節川崎戦)

2020-11-25 00:11:15 | マッチレポート20'
押し込んで、チャレンジして、セカンドボールを拾ってを繰り返していた前半22分頃に実況の下田さんが発した「丁寧にサッカーをしています」という言葉は片野坂さんの作るチームに対してのこれ以上ない賛辞だったんじゃないかなと感じた。8月にアウェイで対戦した時には文字通り手も足も出なかった川崎に対して、しっかりと対策を立ててそして選手たちに自信を持たせてピッチへと送り込み、そしてアウェイでの対戦の頃を思うと信じられないような自信に満ちたプレーぶりでチャンピオンチーム(もう間違いないでしょう)に対して堂々と渡り合った。そして日本サッカー界に対して「大分ここにあり」を見せつけるように勝利を摑み取ってみせた。「丁寧に」という言葉は時にいい方向に働かないことがあることもよく分かっているけど、この試合に関しては「丁寧にサッカーをした」以上に当てはまる言葉はなかったように思う。


セレッソ戦のキックオフまであと19時間しかないので、今さらそれこそ「丁寧に」試合を振り返っても仕方ないので、まあ思ったことをざっと書いていきますよ。


先週の水曜日の川崎とマリノスとの試合を観ていて、コンディション面でアドバンテージがあること、ジェジエウが出場停止になったことで勝てるとまでは思えなかったものの、アウェイでの対戦の時よりはちゃんとしたゲームが出来るのではくらいには思っていたけど、本当に勝ちきってしまうとはね。ただ結果も大事だけど、特に前半の数的有利な状況になる前にもちゃんとチャンピオンチームを押し込めていたことが重要なんじゃないだろうか。アウェイでの対戦時にはほとんどボールを前に進めることが出来ずに、よく0−2で済んだなという内容だった。その試合でも先発した小出はビルドアップ時に決定的なパスミスを犯し試合を決定づけてしまっていたけど、あれから3ヶ月半、このチームに見事にフィットし決定機を作り出し素晴らしいプレーぶりだった。もちろん良かったのは小出だけじゃないけど、小出に代表されるようにシーズン中に選手を成長させながらチームの順位を押し上げていく片野坂さんの手腕には信頼感しかないわけで、今シーズンはおそらく10位くらいでフィニッシュしそうだけど前のシーズンよりも順位は落としていながらも次のシーズンに対してはまだまだ期待感を積み上げても応えてくれそうだという思いしかない。去年はFC東京と川崎にはダブルを食らい、そして率直な感想としてこの2チームには勝てそうにないとしか思えなかったわけだけど、今シーズンはどちらにも見事なゲーム運びで勝つことが出来た。順位だけでないチームの成長はこういうところにも表れてきていると思う。


手集計なので若干の誤差はご容赦いただきたいですが、今シーズンここまで27試合のリーグ戦を消化して2シャドーの組合せは何と18パターンもあった。もともと選手層の最も厚いポジションでありながら、達也や井上健太という専門外の選手の起用も多かったため、毎試合のように異なるメンバーが起用された。しかしこの試合の也真人&野村がこれまでの組合せの中で一番良かったのではと思えるくらいにPK獲得シーンだけでなく躍動していた。ちなみに也真人&野村の組合せはこの試合以外だと18節のホーム広島戦、21節のアウェイマリノス戦とここまではいずれも内容も悪く敗戦というどちらかというと結果は残してこられなかった組合せ。しかしこの試合ではベストパフォーマンスと言ってもいいくらいの内容だった。こんなところにも片野坂さんが毎試合のように悩んでいるだろうことがうかがえるし、逆に言えばまだまだ改善の余地も残していると言うことが出来ると思う。


ダメだ、眠い。とりあえずセレッソ戦始まっちゃうのでこのまま投稿しちゃう。後から書き足りないことをもし思い出したら追記する予定(は未定)。記憶と印象が新鮮なうちに書かないとやっぱダメだな。こんなにも素晴らしかった試合をこんなにも適当に振り返ってしまって自分で自分を殴ってやりたい気分。次からちゃんとします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヴェルスパ大分、JFL初優勝おめでとうございます!

2020-11-24 21:46:52 | トリニータ
この1週間はフットボール的にとても忙しかった。本当に久しぶりに「堪能したな」と思えるくらいにしっかりとフットボールを現地観戦出来た。それらをまとめて振り返る記事です。でも主旨は「ヴェルスパおめでとう!」です。


まずは遡ること5日前の19日(木)。もう自分のフットボールカレンダーの中では恒例行事となっていると言っても過言ではない地域サッカーチャンピオンズリーグの観戦に市原へ。


観戦概要がなかなか発表されずにもしかすると今年は行けないかもなと思っていたところ、第1試合と第2試合総入れ替えでかつ1試合1,000名限定で観戦可能とのお達しが。当初から有給取って平日に行くつもりだったので、1,000名も入れてくれれば楽勝だろということで無事に観戦出来ました。

もう最終日まで終了し結果も出ているので詳しくは書きませんが、まずはFC TIAMO枚方とFC刈谷の皆さまはJFL昇格おめでとうございます!


定期的にこういうクラブが出てくる印象ではあるけど、その中でも今季の枚方はモンスター級の選手層で地域リーグを駆け上がった。ヨンチョルのキレ味なんかはまだまだ健在だったしJFLでいきなり存在感を発揮してもおかしくないなと感じた。FC大阪との大阪第三勢力争いは注目だね。


第1試合の試合前にスタンドの端の方でひっそりと1人で観戦しているおじさんがいて最初は気にもしてなかったんだけど、試合前の両チーム紹介で枚方の小川佳純監督がコールされるとひっそりと拍手をしていたので誰かと思ってよく見てみると元明治大サッカー部監督の神川さんだった。かつての教え子が監督をやっている姿を応援に来てひっそりと拍手を送ってる姿がとてもいいなと思ったし、師弟愛っていうのはいつまでも続くもんなんだなとも思った。


刈谷は2009シーズンの金沢との入替戦に敗れて以来のJFL復帰。その入替戦を刈谷で観ていたので、この復帰は少し思い入れを持って期待していた。2009シーズンって大分が最初にJ1降格したシーズンだからね。それを考えるとただでさえ運営の難しい地域リーグのチームをこうやって復活させたのは素晴らしいの一言に尽きる。22蛭田悠弥が面白かったな。



そして3連休はその地域サッカーチャンピオンズリーグに参加したクラブが目指すJFLのハシゴ遠征をしてきた。同じ週末にテゲバジャーロ宮崎のJ3昇格が決まったため、いよいよJクラブのない県が福井から和歌山へと繋がる日本のド真ん中エリアに限られてきてしまい、まさにその「Jなし県」の三重と滋賀をハシゴしてきた。大分だけを追っているとなかなか遠征出来ない土地なのでとても楽しかった。


初日は鈴鹿市のAGF鈴鹿陸上競技場で鈴鹿ポイントゲッターズ−ヴェルスパ大分の一戦を観戦。スタジアムは伊勢鉄道・玉垣駅の駅前でアクセスはいいもののご覧のとおり外から丸見え。有料興行をやっていいスタジアムではないね。Jリーグ昇格という観点で考えると、三重県は現在「Jなし県」。そこを鈴鹿ポイントゲッターズとヴィアティン三重で競っている構図。今週末の結果次第ではヴィアティン三重が先にJ3昇格する可能性もあるけど、長い目で見たらいいスタジアムを準備出来た方が成長していくんじゃないかなと思う。再来年に完成するという鈴鹿のスタジアムはそういう意味ではとても楽しみ。


今シーズンで引退する鈴鹿のレジェンド小澤司選手はこの試合がラストホーム。地域CLの頃から既にチームの中心だったので、何試合も観たことがない自分でも小澤選手のレジェンド感は伝わっていた。途中出場だったけど、まだまだ動けそうな感じもあったし惜しまれつつの引退なんだろうね。







ただ今回鈴鹿に遠征したのはポイントゲッターズが見たかったのではなく、JFL優勝にリーチをかけたヴェルスパ大分の試合が観たかったから。大分に本拠地を構えるクラブとして、大分トリニータの若手選手の修業先として、これまでももちろん身近に感じるクラブではあったけど、つぶさに追ってきたクラブというわけではなかった。今季のJFLは試合数が半分に縮小され、各チームが苦労する中ヴェルスパは着実に勝ち点を積み上げ、残り2試合で優勝まであと勝ち点1と迫っていた。

Jリーグのライセンスを持たないヴェルスパのJFL優勝はハッキリ言って注目度としては低かったと思う。奇しくも同じ週末に同じ九州のクラブであるテゲバジャーロ宮崎のJ3昇格が決定した。世間の注目として九州最後の「Jなし県」からの昇格ということでヴェルスパのJFL優勝よりも遥かに話題性があった。でも冷静に考えて、ヴェルスパのJFL優勝はもっと評価されてしかるべしの偉業だと思うし、もっと注目されてほしい。別にテゲバジャーロ宮崎のJ3昇格を腐すつもりはないし、他でもない大分トリニータを筆頭にJFLの優勝経験なくJリーグに昇格していったチームなんてそれこそ腐るほどある。Hondaやソニー仙台、遡れば佐川等がいて、それほどまでにJFLで優勝することは難しいことでそれをJFL昇格から10年経たないヴェルスパがやり切ったことは本当に素晴らしいことでもっともっと評価されてほしいと思うわけだ。今回久しぶりにヴェルスパの試合を観るにあたって選手のことも事前に勉強していったけどほとんどが知らない選手。もちろん知名度の高さだけでサッカーをするわけじゃないけど、無名の選手ばかりで勝てるチームを作ることの難しさはトリニータを見ていても分かること。本当に素晴らしいと思う。

今週末のJFL最終節はヴェルスパのホームゲーム・FC大阪戦。トリニータの名古屋戦と被らない日曜開催。さらに12月13日には天皇杯4回戦・Honda戦が市陸である。これもトリニータのゲームとは被らないので、大分の方は是非応援に行ってあげてほしい。大分の名を冠してJFL優勝を勝ち取ったヴェルスパ大分がもう一つデカいことをやり遂げるかもしれないその過程を応援してあげてほしい。将来的にトリニータと大分の覇権をめぐってライバル関係になったのならば、それはそれでその時に考えましょう。

ヴェルスパ大分の皆さま、JFL初優勝本当におめでとうございます!!





初日は津に泊まり、翌日は紀勢本線→関西本線→草津線→近江鉄道と人生で乗ったことのない路線ばかりを乗り継いで東近江市へ。






前日に引き続きJFLのリーグ戦・MIOびわこ滋賀−東京武蔵野シティを観戦。武蔵野のアウェイゲームは年イチくらいは行きたいなと思っていて昨年は青森に遠征。今年は難しいかなと思ってたけど何とか遠征にこぎ着けることが出来た。




試合は早々にMIOに2点先制されてしまい、温存していた石原と差波を前半途中で慌てて投入。前半のうちに1点返して、そしてクライマックスは後半に。この試合の3日前に現役引退を発表した望月湧斗選手が自ら得たPKを蹴り込んで同点というこれ以上ない展開に!この勢いで逆転まであると俄然盛り上がってきた試合終了直前に決勝ゴールを決められ敗戦... まあ、そこまでうまくはいかないかと納得して帰路に。今週末はスパーズがシティを完封して首位浮上、トリニータがダントツ首位の川崎の優勝を阻止、ヴェルスパ大分がJFL優勝だったので、これで武蔵野が2点ビハインドから逆転勝ちしてたら本当に最高だったんだけどね。


そしてこの数日間でたくさんのトリニータOBの頑張ってる姿を見ることが出来たのも嬉しかった。


石神直哉(FC TIAMO枚方) ガミさんはこの地域CLで引退。伝説の左足は引退直前まで健在でしたよ。最後にチームを昇格させて引退ってカッコいいよね。ガミさん、お疲れさまでした!


田中輝希(栃木シティ) 枚方には及ばないものの選手層の厚い栃木シティで奮闘中。2列目のアウトサイドをやってたけど、個人的に輝希の適性はセンターフォワードだと思うけどね。


佐藤昂洋(鈴鹿ポイントゲッターズ) 青森でレギュラーだったので退団は意外だったけど、鈴鹿でもしっかりと出場機会を得ているようです。帰りに昂洋のグッズを買って帰ろうとしたら売り切れで鈴鹿でも愛されているようで安心しました。


山口真司(MIOびわこ滋賀) 18年の在籍時は出場機会がなかったもののJ3の時は確実に昇格に貢献してくれた真司。特に昇格を決めた鳥取戦のクロスが忘れられないな。


ということで盛りだくさんだったここ数日。やっぱりサッカーは現場で見てナンボを実感。そして今週末はまた名古屋。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

伊佐と知念(26節横浜FC戦)

2020-11-03 23:48:42 | マッチレポート20'






今日の試合についてはこの2人を軸にして書きたいと試合前から思っていた。ただ本当は伊佐がメインになると思っていたんですよ。それこそ2ゴールくらい決める大活躍で。とりあえず前節の知念コメントと片野坂さんコメントを読んでほしい。片野坂さんコメントは有料なので、トリテンの会員登録がまだの方は今すぐ大分トリニータ公式ホームページへレッツゴー。

【知念コメント】
「正直、僕自身もそこらへんは迷いながらやっているところもある。いまはチームのやり方にしたがって、ある程度我慢しつつ模索しながらやっている。この時期にそんなことを言ってても遅いだろうと言われるかもしれないが、探り探りやっている感じなので、残り9試合で答えを見つけていきたい。」

【片野坂さんコメント】
「ガンバ戦のフィードバックで守備と攻撃の狙いの部分を、浦和戦と今後のゲームに向けていろいろ話をした。こちらが言う戦術に対する知念の理解と、ガンバ戦の伊佐のプレー映像を照らし合わせて見たことで、こういうことかと腑に落ちた部分があったのではないかと。」

特に片野坂さんのコメントはもっと長く、知念が変わり始めていることに対しての示唆にあふれているので是非全文読んでほしい。知念のコメントは本当にその通りだと思う。多分知念は我々が思うよりもずっと頑固なんだろうね。頑固さだけでなくもちろんストライカーとしてここまでやってきた矜持を捨てられないということも含めて。ただねこのコメント読む前から浦和戦での知念には間違いなく変化を感じていたし、それで片野坂さんのコメント読んだら「そういうことか!」と思わず膝を打ったわけですよ。そして何よりも片野坂さんが1トップの仕事の説明として伊佐のプレー映像を使って説明したという部分に涙がちょちょ切れるくらいに嬉しかった。ルーキーイヤーは自らを「犬」と呼び、前線から相手ボールを追い回すことしか出来ないFWだった。それが今や難解な戦術で試合を組み立てていく指揮官が、戦術理解が足りていないと感じる選手に対して説明する映像に伊佐の映像を使うんだってよ。選手が成長していく過程をずっと側で見続けることこそサポーターを長くやっていることの醍醐味だと思うし、何か自分のことじゃないのに誇らしさすら芽生えてくるから不思議だ。だからこそ今日は浦和戦を回避して満を持して先発した伊佐が大活躍するんだという文脈で書いていく想定をしていたんだよ。もちろん伊佐は活躍したけども、知念がそれを上回る存在感を見せつけ、そして貴重な貴重な同点ゴールをもぎ取って劇的な試合展開を呼び込んでくれた。だから今日はこの2人を軸にした文脈にしたくなった。不器用ながらもずっと右肩上がりに成長を続け、on the pitchでもoff the pitchでもチームにはなくてはならない存在にまでなった伊佐。誰もが認めるポテンシャルを持ちながら自らのスタイルに固執し過ぎてしまうが故に期待に応え切れなかった知念がその殻を破ろうとしている。この2連戦はそんな2人の進む矢印が絶妙に交差したように感じた。残り8試合、2人がどんな活躍を見せてくれるか楽しみで仕方ない。


お互いが相手のポゼッションに食い付かなかったため、試合の温度は極めて低いまま進んでいった。そんな温まりきらないうちにあれよあれよと2失点。FKからの失点はその前にも同じようにキックフェイントでラインが乱れてシュートを撃たれていたので、ちょっとお粗末。2失点目もこれぞ「ボールウォッチャーの教科書」とも言うべき棒立ちぶりでお粗末。どっちも智輝。要反省。そんなズルズルと進んでしまいそうだった試合を形に出来たのは、前半のうちに1つ返せたことに尽きる。こう考えると何の脈絡もないところから試合の流れを変えられるセットプレーってやっぱり偉大だよなと思う。それにしてもこのCKは美しかった。野村のプレースキックはボールにスピードがあるので、何か起こるんじゃないかという期待感と相手は守りにくいだろうなという嫌らしさがある。来季はもっとたくさんセットプレーの練習しよう。



そして後半に大きな転機が訪れる。我々同様に低い位置から繋ぎたい横浜FCに対して伊佐を急先鋒に前線からプレッシャーをかける形に変更。特にボールを繋ぐことに若干の自信のなさを垣間見せるストロングヘッダー六反に対して伊佐は容赦なかった。本当に噛み付かんばかりの視線でプレッシャーをかけていた。プレッシングに行くチーム共通のスイッチは「GKにボールが戻ってきたタイミング」だったと思われる。声援なし試合の最大のメリットとしてベンチの指示が全て聞こえることがあって、まさにボランチから六反にボールが戻されたタイミングで大分ベンチから「伊佐、GOGOGOGO!!!!!」と怒濤のかけ声がかかり、そしてそれに呼応して猛然とプレッシャーをかける伊佐。アレは六反はたまらなかったと思うよ。そこから遅延行為のイエローに繋がり、それをきっかけに横浜FCは低い位置からの繋ぎを放棄することとなった。低い位置からの繋ぎを放棄すること、それはつまりこれ以上の追加点を放棄することと同義で残りの30分は我々に主導権が委ねられたということ。ここは本当に大きなポイントだったと思う。この時の伊佐の様子は本当に「獰猛」そのもの。まさにこれこそが片野坂さんが評価する「チームのための仕事」なんだろうなと思う。





古巣戦となった野村。1アシストでも十分な働きだったけど、少し気合いが空回り気味だったかな。





横浜FCの両SB、袴田裕太郎と瀬古樹はどちらも明治大卒。


そしてその2人がまだ2年生と1年生でメンバー入りすら出来なかった頃にバリバリのレギュラーCBだったのが小出悠太。どっちが意識したのか、もしくはどっちも意識したのか対面となった袴田とはバッチバチだった。高木駿も含めてこの試合では明治大卒が4人も先発。



そしてそして本当に何なんでしょうこの決めっぷりは。ああいう形なら別に達也じゃなくても全然よさそうなもんだけど、でもあそこにいるのは達也。そして決める。まだ今季は残り8試合を残しているわけだけど、Player of the Seasonはもう満場一致で達也で決まりでしょう。本当にすごい。後半の仕掛けまくりも目の前で堪能させてもらったけど、対面の瀬古はCKに逃げるので精一杯。結局決勝ゴールはその繰り返されたCKの流れの中から決まったわけで、そこまでの達也の貢献が光るわけだ。ただもうこの試合で個人的には結論が出たんだけど、達也は左WBの選手だということ。片野坂さんが何を言おうとシャドーでの起用は反対。それはもう星のイサスタでの言葉に凝縮されている。それにシャドーでの立ち回りにおいて達也より優れている選手は今の大分には何人もいる。いじり過ぎずにシンプルに行こう。サイドでの達也は脅威、これはもう紛れもなくシンプル。



コロナ以降では初めて大分のユニフォームを着てアウェイスタジアムに行ったわけだけど、制限があることはもちろん仕方ないんだけど、いきなりこんな極上の逆転劇見せてもらったのに、選手に労いの言葉をかけてあげられないわ、使者も歌えないわで何かむしろフラストレーションが溜まってしまったような気すらしたよ。最初はもうちょっと刺激の少ない試合でも良かったかな、なんて贅沢も言ってみたりしてね。でもやっぱりスタジアムはいい。サッカーはスタジアムで観るもの。分かってはいるつもりだったけど、スタジアムに行ってみて改めて気付かされたような気が今日はした。何の制限もなくスタジアムで観戦出来るのがいつになるかは分からないけど、それまでは叫びたい衝動を歯を食いしばって耐え、飛び跳ねて喜びたい気持ちを軽くケツを浮かすくらいで留めておいて、新たな楽しみ方も覚えていきたいなと思う。スタジアムでは叫べなかった分ここで発散しておきます。

やったぜぇぇぇぇぇぇ!!!!!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする