Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

完勝で折り返し(17節浦和戦)

2019-06-30 23:51:19 | マッチレポート19'
今日は浦和のスカウティングが間違っていた時点で完勝は約束されたようなものだったから、久しぶりの勝利とはいえ大きな驚きはなかった。韓国遠征から中3日のアウェイゲーム、湿度90%超のコンディション、7人ものターンオーバーといった浦和にとって負の要素が集まりまくった状況からして結論は「撤退守備」しかなかったはず。キックオフから勢い良くかつ無秩序にハイプレスを仕掛けてきた時点で勝ち点3は強く予感出来た。ただその予感を大きく上回る完勝だったわけだけど。


まずこの試合の最大のポイントは契約の関係で出られない阿道のところに誰が入るかということだった。前節の劇的なゴールで成豪の存在が急激にクローズアップされたけど、片野坂さんはごっちゃんを抜擢した。個人的にもスタートはごっちゃんで行ってほしいと思っていたし、ごっちゃんはその期待に見事に応えてくれる躍動感だった。惜しいシュートも2本あったし、なかなか満足いく出場機会が得られない中でもしっかりと準備が出来ているという何よりの証だったと思う。そして90分を通して阿道不在の懸念を微塵も感じさせなかった。


そしてまたもや成豪。桑原さん(※)の言葉を借りなくても「スーペルゴラッソ!!!」と叫びたくなるほどのスーペルゴラッソ!!!神戸戦でも中盤で相手のパスミスを奪ってシュートまで持ち込んだシーンがあったけど、あそこでは惜しくもシュートは枠を外れたけど、今日は見事に突き刺した。アレは周作でも、アリソン・ベッカーでも、エデルソンでも、ウーゴ・ロリスでも止められないよ。しかしこの確変ぶりは本当に何なのか。それまでリーグ戦15試合でたったの11分しか出場機会のなかった選手が2試合連続で途中出場からゴール。何だか突如としてとんでもないジョーカーを手に入れてしまったような感覚になる。能動的に自ら仕掛けてゴールを狙いにいける今の大分には少ないタイプだけに貴重なオプションが台頭してきてくれて本当に嬉しい。いま思い返しても本当にスカッとするゴールだった。
(※)
ちなみにその桑原さん。終盤に浦和のCK時に浦和のファールが連発したところで、「当たりは厳しくないけど、興梠がボールに全然チャレンジしていない」という見解をサラッと話して、さすがは「Jリーグジャッジリプレイ」のMCだなというところを見せてきた。桑原さんはいまJリーグ実況界の頂点が見えてきてる人だと思うよ。


藤本が6試合ぶりにゴール。その間藤本が輝かなかった試合も多かったけど、それってもうチーム戦術みたいなもんだからむしろよく我慢して阿道あたりが活きるように動いてくれていたと思うよ。だから今日の浦和みたいに中途半端な対策で来てくれるとさすがに藤本も見逃さない。アシストとなった小塚のパスも素晴らしかったと言いたとこだけど、浦和の中盤がユルすぎて小塚に誰も付いていない。そりゃフリーでやらせてくれたらあれくらいの精度のパスは出しちゃうよ。小塚に関してはその後の中盤で一度タメてからごっちゃんに出したスルーパスの方により声が出ちゃったな。テレビで見ててもあのタメには騙されたくらいだから浦和の選手たちも翻弄されちゃうよね。話を戻して藤本。

第1節  鹿島戦 2ゴール ◯
第3節  磐田戦 1ゴール ◯
第4節  横浜戦 2ゴール ◯
第6節  札幌戦 1ゴール ◯
第11節  湘南戦 1ゴール ◯
第17節  浦和戦 1ゴール ◯

試合結果を見ていてふと気が付いたんだけど、藤本がゴール決めた試合は全勝なんだよね。さっき「チーム戦術みたいなもん」って書いたけど、こうやって結果を見るとまさに藤本が活きる試合展開こそ我々の必勝パターンなんだよね。もうシーズン序盤ほど量産するのは難しいかもしれないけど、相手チームが対策を絞り切っていないなという試合でキッチリ決めてくれるだけでエースとして十分な働きだから今のペースで何も問題ない。


コパ帰りの智輝はいきなり先発。昨日の味スタの試合で三好が途中出場していたので、1日遅い智輝は先発でくるだろうなとは思ってた。そして智輝が醸し出すこの上ない「しっくり感」。今日は右サイドのしっくり感がハンパなかった。右サイドのしっくり感は怜さんの躍動に直結し、そしてそれはさらに進めていくと左サイド(今日は特に高山)の決定機へと繋がっていく。高山の3本のシュートはどれも本当に惜しかった。1本くらい決まってもいいだろと思うくらいに際どいのばかりだった。しかし自分のち◯こを生け贄として差し出した橋岡くんの勇気に免じて今日はこのくらいにしといてやるよ。と、話が逸れちゃったけど、智輝の存在感はもうこのチームにとって不可欠だなと思わせるレベルにまで引き上がっていることが再認識された復帰試合だった。ただそれだけにケガは心配。スローで見るとゴールから逃げていく興梠を追走した時にグネった感じに見えたけど、表情はかなり痛そうだった。その存在の重要性を認識したばかりだけに、重くないことを祈るしかない。ただ交代で入った庄司は良かったね。前節を引きずってる感じもなさそうだったし、改めて期待したい選手だ。



これで全てのクラブとの1巡目の対戦が終了して、次節から折り返しの後半戦。前半戦総括は別の記事で書こうかと思っていたけど、もう6日後には後半戦が始まってしまうので、ここでサクッと振り返っておく。勝ち点29の暫定4位。ACL圏内まで勝ち点1差、降格圏内から勝ち点13差。何じゃこの素晴らしい成績は。シーズン終わった時点で勝ち点29と言われてもある程度は納得するくらいなのに。たったの4回しか負けてないことは特筆に値するし、昇格した昨シーズンのJ2ですら守備が固いとは言い難いチームだったのに、複数失点での敗戦が首位のFC東京とのアウェイゲームだけというのは驚き以外の何物でもない。J1、J2を問わず下のカテゴリーで「勝ち癖」を付けてきたクラブが昇格後も継続性のあるチーム作りをして序盤に予算規模で遥かにデカいクラブを次々と食っていくというのは決して珍しい話ではないと思うんだけど、でも同時に少しずつ札束の圧力に耐え切れなくなってきて、方向性を見失って迷走するというのも珍しい話ではないと思うんだよね。だからこそ数試合前からその傾向が見え始めている中で忍耐強く地道に改善を図り続けて、地味ながらも勝ち点を積み上げ続けられていることは本当に賞賛に値すると思うよ。試合内容が相手の対策に左右されてしまうのはもう仕方ないし、別に優勝を狙ってるわけじゃないからそこまで乗り越えようとする必要はない。後半戦も同じように地道にブラッシュアップして成長していくチームを微力ながらも後押ししていきたい。後半戦1発目はいまリーグで一番強いと言っても過言じゃないマリノス。何でこのタイミングで来るかねとも思わなくもないけど、でももう慣れた。J1ってそういうところだから。「一難去ってまた一難」じゃないけど、休ませてくれる暇を与えてくれないことにももう慣れたよ。マリノスが相手なら藤本が輝くかもなって思えるし、そうなると厳しい相手ではあるけど、もしかするともしかするかもなって思いもある。とにかく残り17試合も楽しみ。
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最適解を探す旅は続く(16節神戸戦)

2019-06-23 20:40:46 | マッチレポート19'
ちょっと予想外なほどにトピックス満載の試合となった。何かもう満載すぎてイニエスタが居ぬエスタだったこととかもうどうでもよくなったわ。長谷川のスパイクがちゃんとしてれば勝ててたんじゃないかと思うし、個人的には比較的ポジティブにこの試合を捉えてる。


まずは失点について。庄司がまだ大分のサッカーに馴染み切っていないこと(主に攻撃面で)はルヴァンカップで十分に分かっていた。それでも智輝不在時のポジション争いに勝ったのはスタンダードなCBとしての高いポテンシャルを買われてだと思う。実際にウェリントンやジョーときっちりやり合ってきている。しかしこの試合ではその心配された繋ぎの部分で決定的なミスをしてしまい先制点を許すこととなった。ただ庄司はその後もメンタル面で落ちることなく、記憶にある限りで2回は相手のプレッシャーラインを超える縦方向へのパスを成功させている。

2失点目についても確かに失点の直接的な原因は高木のトラップが大きくなったことだけど、ポイントはその前の島川から高木へのバックパスだと思ってる。あのシーンは小塚がDF2枚を引きつけながら下がってきて前を向けている島川にリターンした時点で我々としては狙いが「ハマって」いた。右斜め方向で阿道がフリーになっており、そこに付けられていたらまず間違いなくビッグチャンスになっていたシーンだったが、島川の選択は体を窮屈に曲げてまでGKへのバックパスだった。

この後、庄司が45分、島川が54分といずれも早い時間にそっくりそのままポジションを入れ替えられてしまったわけで、繋ぎの部分で問題があると判断された可能性は明らかに高い。ただ個人的にはその部分についてはあまり大きな問題だと感じていなくて、庄司も島川も片野坂さんのサッカーをやり始めてわずか半年。例えば1試合5得点とか、5連勝とか、J1昇格とかこのサッカーでの明確な成功体験がない中でかつ高いプレッシャーに晒されて視野が広く保てないことなんてそんなに大きな問題ではない。その点についてはむしろそういう起用をした片野坂さんに責任があるのであって、失敗をしたとしても日々ブラッシュアップしていくだけだよ。2年くらい前からこういうサッカーは試合が始まってしまえば一番大事なのは「勇気」だとずっと言い続けてきた。でもそれもそろそろ特段言うことでもなくなってきたかなと思うくらいに成熟してきたわけだけど、改めてその部分がフォーカスされくるのかなと思った試合だった。2人には下だけは向いてほしくない。


ちなみに2失点目が決まった直後に怜さんがダッシュで島川のところに駆け寄り、もちろん聞こえたわけじゃないけど、まず間違いなく「阿道が空いてたよ」と直前のプレーを振り返ってアドバイスを出していた。良い意味で自分の仕事だけを淡々とかつ爆速でこなすようなイメージの怜さんがこんな行動するのは珍しいなと思ったんだけど、片野坂サッカー4年目の怜さんと、半年の島川では見えている世界が違って当然。繰り返しになるけど、こんな失点全然問題じゃない。失敗したからこそよりチャレンジングな姿勢を貫いてほしい。そういう姿を後押ししたい。







試合が始まるまではこの試合のポイントは前田の神戸凱旋になると思ってた。自分が育った神戸ではなかなか出場機会を掴めずに17年に大分に移籍。移籍当初はその状況が変わることがなかったけど、持ち前の高い戦術理解力で中盤の核となっていった。18年もシーズン中盤まではベンチにすら入れない日々が続くも「これでダメなら最後」の覚悟で臨んだ愛媛戦で片野坂さんの信頼を勝ち取ってからはずっと大分の中盤に欠かせない人材にまで成長し、そして現在に至っている。自分も長いこと転勤族をしているので、かつての職場に自分の成長した姿を見せられることの喜びや嬉しさがよく分かるし、実際に昨日の前田も普段より気持ちが入っていたように感じた。



しかしより輝いたのは同じ凱旋ではあるもののここまでリーグ戦には全く絡めていなかった小林成豪だったわけで、これには本当に驚いた。でも成豪は準備が出来ていた。それはゴール裏に一気に火をつけた投入直後のドリブルに表れていた。


これが!!


こうで!!


こうだ!!

多分大分サポーターの多くが「シャドーの成豪が見たい」と思っていたはずで、自分もその1人だった。去年の山形での活躍を見ていれば普通にその思いは持つはずで、そんな期待に反するようにワイドでしか使われないことに釈然としない思いはあったし、成豪が本来持っている力を考えれば夏の移籍は不可避だと思っていた。




試合後のチームメートの祝福の仕方を見てもここまでの苦労が少なくなかったことはすぐに分かったし、インタビューではこの不遇の期間のメンタルコンディションにも言及していて、それを聞くと本当によく耐えて耐えてチャンスを待ち続けてくれたなと改めて思う。小塚にも、阿道にも、ごっちゃんにも、さんぺーにもない魅力が成豪にはある。それをこの試合では一度じゃなく見せてくれた。次週やってくる阿道不在という現在の大分が抱える最大の危機に対して、何の前触れもなくやってきた「小林成豪」という躍動感あふれるアタッカーがもしかすると最適解になるのだろうか。楽しみが一つ増えたことだけは間違いない。







何とかもぎ取った勝ち点にあまり水を差したくないんだけど、一応触れておきます。気持ちは分かる。気持ちは分かるけど、試合中の「スペース・トルネード・オガワ」はダメ、ゼッタイ!本気で痛がる成豪の姿に手首の骨でも折れたのかと、同点ゴールの興奮が一瞬で覚めてしまったよ。前田さん、猛省ね。やるならキレイに投げ切ろう(そういうことじゃない)。







そしてこの試合を語る上でもう一つ外せないトピックが、刀根亮輔の大分でのJ1デビューでしょう。本当にこのタイミングを待っていたかのように、合同新聞が大分FCによる企業再生ファンドからの全株買い戻しの見通しを報じたまさにその日に刀根亮輔が大分のユニフォームを着てJ1のピッチに立つ日がやってきたのは何だか偶然だけでは片付けられないような気がしている。プロ入りが発表された時はJ1クラブだったけど、入団してみたら借金しか残っていないJ2クラブだったという最悪としか言いようのないタイミングでプロになった刀根がわずか2年でこのクラブを離れることが決まった時はこんな未来は予想すら出来なかったわけで、大分復帰が決まった時も嬉しかったし、昨季右CBのレギュラーに定着したことも嬉しかったけど、このJ1デビューはこの10年の道のりを考えると涙なしでは語れないね。庄司に教え込むかのように落ち着き払ったパス回しを見せたかと思えば、ユースの後輩には負けてらんねーぞとばかりにオーバラップも見せた。本当に嬉しかった刀根亮輔の復帰。まだまだここから。溜め込んだうっぷんを晴らすのはここからだよ。やったれ、刀根亮輔!!





イニエスタは居ぬエスタだったわけだけど、ビジャのプレーは見ることが出来た。高木が何とかかき出したループを筆頭に繊細なプレーが印象的だった。自分は本当に年がら年中国内外を問わずサッカーを観てるんだけど、不思議とスペインのサッカーを観てこなかった。スペインのサッカーのレベルがどうとかいう問題ではなく、Jリーグ、国内の育成年代、プレミアリーグを観ていると単純に観る時間がないというだけのことなんだけど、そんな感じなので世間一般で言うほどイニエスタとかビジャに思い入れはないんだよね。この試合でも単純に三田がいいプレーを連発していたので、イニエスタの存在とか全く気にしてなかったなというレベルの感想しか残らなかったな。



神戸もガンバと同じで13年シーズンが入れ替わりだったので、本当に久しぶりだなぁと懐かしくなった。08年はナビスコ制覇直前なのに負けちゃった記憶がしっかりと残ってたんだけど、09年は全く記憶に残ってなかったから記録を見返してみたら結果的にホベが大分ラストマッチになっちゃった試合だったね。だから多分記憶から消し去りたかったのかもしれないね。チケットの半券が残ってるからスタジアムに行ってるはずなのに本当に全く記憶にない。その09年以来のノエビアスタジアム(当時はホームズスタジアム)だからちょうど10年ぶり。ここも本当にいいスタジアムだね。


ということでリーグ戦の勝ちなしはこれで5試合に。1ヶ月以上勝ち点3から遠ざかっているわけだけど、試合の度に違う課題が出てきて、片野坂さんの最適解を探す悩ましい旅はまだまだ続くよという感じですな。でもその道のりはそんなに暗いものでもないと思ってる。期待しつつ一緒に進んでいきたい。
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耐えて掴んだ勝ち点1(15節名古屋戦)

2019-06-15 22:59:12 | マッチレポート19'
完全に負け試合だっただけにこの勝ち点1はポジティブに捉えるべきでしょう。完全に浮かれてました、すいません。残留目指します。


大分DF陣がボールを回していると、ボールよりも前の位置でジョーが高木へのパスコースを切るというかなり特異なポジショニングを取ってきた名古屋。それだけが要因ではないが、結果的に押し込まれて防戦一方。90分を通してなかなか反撃の糸口を見つけられなかった。ただ当然のことながら名古屋のプレスにも穴はあるわけでチャンスになりかけるシーンも単発ながら数多く作れたけど、今日は前線へのパスの精度がやたらと低かった。ミスとなるようなパスにさせられてたのか、単純なミスだったのか、この辺は監督や選手のコメントで確認したい。


ガブリエル・シャビエルがドフリーのボレーを外した時点で完全に拾った勝ち点だったわけだけど、それでもよく耐えたと思う。特にノリさんはシンプルにジョーに入れられる回数は多かったけど、体を密着させ反転させずギリギリのところでよく耐えた。ジョーは負傷明けの影響なのかもっと恐い選手だと思ってたけど、今日に限ってはそこまでの恐さはなかった。それでもノリさんは90分通してよく耐えたと思う。


それぞれのゴールにそれぞれの良さが出てた試合だと思う。まず大分は粘り強く名古屋のプレスをはがしてサイドから決めた狙い通りの形。そして名古屋はサイドで勝負して中に送ったボールに大分の5バックのさらに外からSBが突っ込んでくるという超攻撃的な形。大分のゴールが決まった時は今日はこの形がどんどんハマりそうで2年前のゲームの再現かなと思ったけど、そこからうまく試合を運べなかったことでこの展開に繋がってしまった。何とかボールを奪っても名古屋の即時奪還の網に引っかかってたちまちピンチになるシーンが多かった。名古屋の強度の高いプレスに周りが見えなくなったか、もう少し落ち着きたかった。一方で名古屋のゴールも表裏一体なところがあると思ってて、あそこで和泉からのクロスがどこかで引っかかっていれば、名古屋の右サイドはガラ空きだったはずで、そこに藤本や阿道が走り込めれば逆にうちが決定機を作りだせてたと思うんだよ。まあ、その辺が駆け引きみたいなもんでゲームの醍醐味だからね。今日は主導権争いでは完全に負けた。


約1年不動の右CBとしてBOX to BOXを駆け抜け続けた岩田智輝の代表選出に伴いそのポジションに誰が入るのかは今日の試合の大きなポイントの一つだった。結果として直近の流れを汲んで庄司が抜擢された。相手にジョーがいたことも影響したかと思うけど、庄司は屈強な外国人に対してもかなりやれる感じはある。ただ一方で智輝ほどの攻撃参加は求めないにしても後半45分くらいのノープレッシャーの状態で上げたアーリークロスが何の可能性も感じないままゴールラインを超えたのにはズッコけたぞ。アレはない。明日から居残りで毎日100本クロス練習な。しかし主力を代表選出で欠いて苦しいなんてJ1的な悩みが出来るのは心の片隅でちょっと嬉しい気持ちもあったりはするんだな。ただここからまだ数試合は智輝不在が続くわけで、代表で主力を抜かれてるクラブが今節どうだったのかを見てみた。(GK除く)

菅大輝(札幌)  △
杉岡大暉(湘南) ×
原輝綺(鳥栖)  ×
立田悠悟(清水) ◯
岩田智輝(大分) △
松本泰志(広島) ◯
三好康児(横浜) ×
久保建英(東京) ×
前田大然(松本) ×

原輝綺は監督交代後に出場機会を減らしているので正確には準主力だけど、全体でこんな感じ。明確な傾向が出たとは言いにくい結果だけど、その選手への依存度が高そうだったという意味ではFC東京や松本が負けているのはやはり影響があったと考えていいと思う。特にFC東京の選手たちはこのタイミングでは絶対に負けてはいけなかったと思うんだよね。うちも90分を通して怜さんが前線まで走り込めたのはゴールシーンくらいで、後半は実質4バックになってしまうくらい最終ラインに張り付きだった。慣れの問題もあったとは思うけど、後方からの支援不足は明らか。智輝不在はまだ続くわけで、不在期間中は右サイドからの攻撃を少し控えて今日の後半のように左サイドを張り出す形でいくか、もしくは智輝のように上下動を出来る選手を持ってきて形を崩さないか。そもそもそんな代わりがいるのかって話でもあるし、こう考えていくと智輝不在は予想以上に影響があると考えておいた方がよさそうだ。特に阿道も涼太郎も出られない浦和戦は口先だけじゃない「総力戦」になりそうだ。ちなみにコパ・アメリカに大学生で唯一選出された上田綺世が所属する法政大学も総理大臣杯予選のアミノバイタルカップ準々決勝で筑波大学に敗れている(今日順位決定戦で2部の拓殖大に勝って出場権は確保)。やはり主力が抜かれる影響は間違いなくある。


今日の勝ち点1はよく摑み取ったと思うし、ゴールも狙い通りだった。チーム自体の状況は決して悪くないとは思うんだけど、今季は順位表で下に位置するクラブが早めに手を打ったり、早々に巻き返してきたりともうすぐ折り返しを迎えるこの時期でも1つも降格枠が埋まらない状況なので、一息つく余裕すらない。早々に勝ち点35まで取れればあとは惰性で残留圏を確保出来ると思うから、何とかあと3勝を早く決めたい。やはりうちは残留を目指すチームということを今日で再認識。謙虚に、謙虚に。
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ボクとたけふさ(14節FC東京戦)

2019-06-02 15:25:43 | マッチレポート19'

まあ、これ以上はないだろうってくらい最低な気分で週末を過ごしていますよ。昨日は味スタから帰宅後、仮眠を取ろうにも遠足前の小学生的な気分で一睡も出来ないまま深夜に都内のCLファイナル観戦会場へ。日本中にこんなにもスパーズ好きの外国人がいたのかと思うくらいの環境でCLファイナルを観戦。正直ここまで来たのが奇跡みたいなもんだから結果にはこだわらず楽しく観戦するつもりでいたけど、そうは言ってもやはり始まってしまえば勝ちたいもの。十分に楽しいフットボールは見せてくれたけど、結果は残念なものに。1日で2回も敗戦の悔しさとともに「ゆるねば」を聞かされるハメに。今後悪い夢のBGMに必ず流れてくるんじゃないかと思うくらいのトラウマレベル。ま、こんな日もある。スパーズは今季もまた前季を超える景色を見せてくれて本当に素晴らしいクラブになった。そしていよいよ「お隣さん」との差も決定的なものに。


順番が逆になったけどFC東京戦。今季初の複数失点という事実もそうだけど、FC東京が息の根を止めにきた後半の序盤は強度の高いプレッシングに昨季の甲府戦以来なかったパニック状態を見せる等明確な力の差を感じる一戦となった。特に前半はFC東京の両SBを極端に高く押し上げるやり方に効果的なポジトラを許してもらえずずっと苦しい時間帯だった。俯瞰して見るとセンターサークルという名の芝生のある公園で藤本とFC東京の両CBがピクニックをしてるかのようにのどかな光景だった。それくらいに押し込まれていたということ。


ただこの試合を評価するにあたって難しいのは、90分を通して勝ち点の可能性を感じなかったのかというとそうでもないというところ。序盤の星のビッグチャンスは完全に「たられば」なので何とも言えないけど、後半13分のダブルチェンジ&フォーメーションチェンジを機に流れを一気にこちら側に持ってきた時は明確に勝ち点の香りを感じた。たださすがに選手の配置を少し動かしただけでこんなにも試合の表情が変わるのかというくらいの激変ぶりだったのは、やはりFC東京の足が止まったことも大きな要因の一つとしてあると思う。うちのパスワークに対して位置取りと運動量で対抗するという戦術を採用したツケは思ったよりも早く来たし、思ったよりも明確なダメージとして現れてきた。あそこで追いつく、もしくはひっくり返すところまで持ち込めないのは現状の力が足りていないことを認めざるを得ないと思うけど、そこはこれからの伸びしろと捉えておきたい。



阿道は一人別格のキレと強さ。追撃の号砲となったゴールは「シュートは撃たなきゃ始まらない」の最たる例だし、フィジカルコンディションの良さがメンタルコンディションの良さを呼び込んでるいるような好循環に見える。藤本の良さは試合展開に影響されてしまう側面がある一方で、阿道の良さは展開不問で暴れられる力強さがあり頼もしいの一言。前半戦最後の浦和戦を阿道なしでやらないといけないのは非常に難しくなりそうだ。


最後は足をつってしまったけど、長谷川も非常にいいと思う。まだミスも多いけど、あの糸を引くような軌道のパスの質は唯一無二だ。何よりもワンタッチのチャレンジングなパスが多いことに好感が持てる。一方でティティパンのミスは出るべくして出たという印象。ここ数試合戦術的に非常に重要になる2.5列目の交代のファーストチョイスがティティパンであることにずっと不安感があった。軽いとまでは言わないけど守備にどっしりとした感じがない上に少しバタバタと動きすぎるところがあり、さらに細かいミスが多い。ティティパン自体が悪いわけじゃないけど、非常に重要な交代の最初が今のティティパンで固定されてしまっていることに不安感があったけど、追撃ムードを自ら鎮火するという最悪の形でそれは的中してしまった。そういう意味ではコテがやっとベンチメンバー入りしたのは好材料だと思うし、経験という観点からは馬場の起用も期待したいところだけど・・。さんぺーがケガをしてしまったことも影響しているとは思うけど、普通に考えて攻撃的なカードがごっちゃんしかいないのは終盤に勢いをつけたい時に手薄すぎると思うよ。







日本全国から注目され、「伸び悩み」だ「出場機会がない」だと16歳とは思えない評価を受けてきた久保くんさんは見事としか言いようのない突き抜け方を見せて、素晴らしい17歳として成長していた。試合後にバルサ移籍が破談みたいな話が流れてきたけど、FC東京云々ではなくヨーロッパでチャレンジしてと思える人材だけにうまくいってほしいなと思う。




自分が初めて生で久保くんさんを見たのは3年前。まだ中学3年生になったばかりの頃に既にプレミアリーグの試合に出場していて、その試合でも途中出場ながら見事なターンでDFを振り切って豪快にシュートを決めた。この試合に限らず当時印象的だったのは、小さい体から放たれるシュートの強烈さ。多分ミートの技術が高いんだろうけど、中学生とは思えないスピードとコースには驚かされた。そして今ではそこにキレ味鋭いドリブルも加わってアタッカーとしてさらに破壊力を増している。しかしこうやって見ると、当り前だけど中学生の久保くんさんの表情はあどけない。



セル爺も来場。世間的にも注目度の高い一戦だったかな。











昨日の試合後はそこかしこで旧交を温めるシーンが。一番面白かったのは、東が吉坂さんのところに向かうといったん10mほど手前で立ち止まって深々とお辞儀をしてから改めて握手しに行っていたこと。当時の関係性がうかがえて微笑ましかった。自分がユースの試合を初めて観に行ったのは東慶悟の世代。ナビスコ制覇直後のJユースカップ@万博だった。あの時の選手がJ1首位クラブで10番を背負うようになったんだなとしみじみと思った。ちなみに対戦相手には確か当時高1だった宇佐美くんさんという元祖天才がいた。


今季初の複数失点、今季初の連敗、降格圏との勝ち点差が11に縮小とこの試合で一気に負の方向に振れたわけだけど、ここからどうしていきますかね。ちょっとブレかけたけど、個人的にはやはり残留が目標だなと冷静になれたことが収穫だったと思う。前節の記事で「左サイド問題」について書いてその後も色々と考えてみたけど、「左サイド問題」の一番の根っこの部分って片野坂さんの目線が上がってしまったことじゃないかというところに個人的には落ち着いた。十分に機能していたチームに守備面は目をつむっても攻撃力を増したいという「色気を出した」ところに端を発していると思うんだよ。幸いにも2週間の時間があるし、しっかりと見直せる時間はある。智輝不在の対応も含めてしっかりと「考える2週間」ですな。
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