Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

耐えた一戦(33節秋田戦)

2022-08-29 01:37:58 | マッチレポート22’
正直に言って負けると思ってた。諸々の難しい状況が重なって今のチームで乗り越えられるとは思っていなかった。相手からのプレゼントゴールのみでサムエルのハンド見逃しもあっての勝利なので手放しで喜べる内容ではないけど、吉田・伊東・羽田・三竿の急造感あふれるディフェンス陣はよく頑張って耐えたと思う。この試合で評価出来るのはそこだけかな。


秋田はもっと割り切ってどんどん放り込んでくるかと思っていたけど、前半は中途半端で全く怖さがなかった。ハーフタイムで徹底されたのか躊躇なくロングスローを連発してこちらが悪いわけでもないんだけど何となくペースを持っていかれてしまった。この辺りから予想していた通りの展開になったけど、ここからよく耐えたと思うよ。伊東なんかはルヴァン・ガンバ戦で散々の出来でチームが3バックを継続する限りはもう出番はないだろうと思っていたし、もっと言うと本人のためにも夏に移籍した方がいいくらいに思っていた。実際にガンバ戦以降全く出場機会がなかったわけだけど、突然にやってきた出場機会によく対応していたと思う。羽田健人もボランチが最適ポジションだという思いに変わりはないんだけど、今日は高さでしっかりとアピールした。三竿には改めて評価の必要はないよね。攻守に素晴らしかった。ただあの決定機は決めて。


吉田舜さん、出場試合での平均勝ち点2。つまり勝ち点84ペース。ショートレンジの良いパス2本、好セーブ2本と明らかに好パフォーマンス。次節高木がコロナから戻ってきたとしても変えられる理由はどこにもないと思うけど、今の監督、コーチ陣のダメっぷりからすると全く信用出来ない。


次節新潟戦は非常に難しい試合になると思う。結果云々よりも昇格争う資質がこのチームにはあるのかを試される試合という位置づけで観ようと思う。現実突きつけられるんだろうなと予想はしているけど。
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3日経ってから観た(28節水戸戦)

2022-08-26 22:39:41 | マッチレポート22’
このご時世に飲み会があったり、静岡に遠征行ってたり、チャンピオンズリーグの組合せ抽選があったりと色々あったとは言え火曜日の試合を金曜日の今日まで放置してやっと観た。それでも何とも思わないし、もうこのチームに全然興味が持てなくなってきている。


試合からかなり時間が経過して色々な情報が入った上で観た試合なので純粋な自分の感想ではないと割り切って書いている。この試合に負けたことで「ここ一番で勝てない大分」みたいな表現をちょこちょこと見かけたんだけど、そもそも今シーズンの最長連勝が「2」なわけでどこに「ここ一番」があったのだろうか。むしろ後半戦に入ってからは全てがここ一番みたいなわけで、この試合に限らずここ一番で勝ち点を落としまくっているのが今シーズンの大分トリニータだと思っているから、この試合から新たな失望感なんて生まれるわけもなく。


前節が快勝でここから上昇気流に乗っていくんだとあえてこの試合を「ここ一番」と位置付けようとするならば、結論は岩手が弱すぎたことによる勘違いだったにすぎないということ。この可能性は絶対に捨てきれないと思って前節の記事にも書いたし、前節後も極めて冷静に下平監督の采配を見ていたけど、もう予想するのもつまらないくらいに確実に勝ち点を落とせる監督だという評価にしかならないよ。この試合の一つのテーマと言っても良かった水戸のリバウンドメンタリティ。秋葉監督の大きな感情の起伏がリーグ戦にエンターテインメント性をもたらしているのは大事な側面だけど、個人的にはそれを持って優秀な監督だと持ち上げる気はさらさらなくて、本当に優秀なら山口戦でしっかりとした試合をさせられるはずだと思うから。だから秋葉監督と下平監督を比較するのもあまり意味がないように思うけど、試合後のインタビューで下平監督自身も言及していたようにその点はこの試合の大きなポイントだったわけでそれにあっさりと飲み込まれてしまうような試合しか出来ない下平監督からどうやって良さを見つけ出せばいいのか。少なくとも「何もない、今季最低の試合」から「This is 水戸ホーリーホック!」でこの試合にクライマックスを作った秋葉監督の方が明らかに魅力的。意味がないように思えるけど比較せざるを得ないよ、これでは。


この試合で一番目を引いたのは健太のクロス。実況と解説がやたらとほめるのでもともとそういう能力があった選手のように見えてしまうけど、ずっと健太を見てきている大分サポーターからすれば健太が地道にクロス練習をしているんだろうなというのが感じられた試合だった。確か坪井さんが「多彩」という表現を使っていたと思うんだけど、これまでの健太ならまずはスピードで縦に仕掛ける、複数人で対応されればドリブルで中に入っていく、相手に追いつかれる前にアーリークロスを上げてしまうの3パターンだったと思う。シンプルにそれらの精度が上がってきたということもあると思うけど、48分のクロスに健太の成長を見たような気がする。前半に何度も仕掛けられてやや嫌気がさしていたであろう対面の大崎。後半の入りからは少し距離を取って健太の仕掛けに対応しようとしていた。ここで健太が「来ないなら上げます」とばかりに仕掛ける前にクロスを上げてサムエルに合わせた。シュートはキーバーに止められたものの、また一つ健太がスピードだけでない成長を見せてくれたなというのがこの試合で一番良かったところ。


木下康介すごかったな。切り返しでディフェンダーを振り切り、追いすがられてもなぎ倒し、カバーリングに来た選手はかわしきらずにシュートコースのみ作ってサイドネットに決めきった。強さ、イメージ、精度の高さと先制点のゴールは相当ハイレベルなゴールだと思う。献身的な面もあるためどうしても後半はキレが落ちるもののトータルバランスとしてはとてもいいFWだと思う。これでシーズン11ゴール。改めてJ1から注目されても不思議はない選手だと思う。


明らかに朝陽のコンディションが良さそう。ただ長沢、新太、藤本と今シーズンはコンディションが上がり始めた選手から順に負傷していると言っても過言ではないような状態なので十分に気を付けてほしい。


この試合は変則日程ではあったものの水戸も前節山口でのアウェイゲームだったから大きな有利不利はなかったと思うけどあっさりと負けた。次の秋田戦の方がよっぽど大変なわけで勝てるんでしょうかね。今シーズン最も遠方のアウェイ、アウェイーアウェイの連戦で中4日、パワフルなサッカーを展開してくる秋田、今週だけで3選手のコロナ陽性判定。期待出来ない下平監督が乗り越えるにはちょっと壁が高すぎるし、そして厚すぎる。
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とりあえず勝ったっぽい(32節岩手戦)

2022-08-21 00:10:11 | マッチレポート22’
とりあえず勝ったっぽいなんてこれっぽっちも思っていないけど、今日は大切な筆頭株主であるTKP様のスペシャルデーだったので、何かしらTとKとPにかけたタイトルにしないといけないのではないかという使命感にかられたんだけど、Pが難しすぎるのよ。


今日の試合で唯一注文をつけるとすればもう少し早い時間帯に岩手のディフェンスを攻略してほしかったというところくらいか。がっちり5-4-1ですき間を埋めてきたので難しかったとは思うけど、不満なのはそのペースに合わせちゃって全員が全員とも2〜3タッチでのらりくらしとパスを回してて本当に崩す気あんのかよという進め方をしていたところ。どこかでダイレクトのパスを繋ぐなりしなきゃズレなんて生まれるわけないのにタラタラとしてるから先制点まではイライラしながら観ていた。先制点はまさにダイレクトパスが繋がってうまく中に入り込めた形だ。そこからは言うことなしだったけど、先制点が39分だからもう少し粘られていたらハーフタイムに入っていたわけで、守る気しかない岩手からすればそこで大きな勇気を手に入れるところだったから本当にギリギリだったと思う。もう少し早い時間帯にあれが出来ていればというのがこの試合で唯一の注文。


将輝はリーグ戦初ゴールおめでとう!そのポジションの選手に期待したい形のゴールだと思うし利き足じゃない右足でしっかりと枠に収めたのも見事。もう誰が何と言おうとこのチームのNo.1ボランチはあなた。ファールされた時でも不適な笑みを浮かべる感じとかどんどん頼もしくなっているしもっともっとこのチームを引っ張っていってほしい。下田塾でたくさん学べ。受講料ならオレが出す。


3点目がとても良い形だったと思う。スローインの地点から最短距離でゴールに向かう相手が嫌がる組み立てがまず良し。也真人にパスが通った時点でほぼほぼ勝負ありだったけど、パスを出した後も止まらずに走り続けた朝陽のところにご褒美としてボールがこぼれてくるところがこのゴールの一番好きなところ。徳島戦の教訓を試すかのように今日もハーフタイムで2-0というシチュエーションだったけど、見事に一発回答。こういうのをシーズンのもっと早い段階で見たかった。


喜びたいところではあるけど、岩手が弱すぎたという側面を無視するわけにはいかない。2-0になった時点でみんな大好き増田さんも言ってたけど、このままずっと大分のディフェンスラインがボール回しを続けていたら岩手はどうしたんだろうかというのは自分も思った。最低でも2点取らなきゃ勝ち点は得られないのに前半と同じように5-4-1で全く出てこないのにはさすがに驚いた。もう秋田さんにスコアレスドローのプランしかなかったんじゃないかと疑いたくなるくらいに腰の引けたサッカーだった。シーズン序盤は高さと強さを全面に押し出したスタイルが勝ち点をもたらしていたけど、4ヶ月ぶりに対戦したらただのラフプレー連発のチームになってしまっていた。このままだと1年でJ3に戻ることになっちゃうんじゃないかと他人事ながら心配になりました。


この試合の一番大きな収穫は也真人の完全復活だと思う。朝陽のゴールシーンでのシュートは決めてほしかったけど、何よりもアグレッシブなディフェンスに本来の也真人が戻ってきたと感じた。もともと也真人の良さってプレッシャーに行くだけじゃなく足を出して少しでも相手ボールを突っついたり、自分より大きい相手の懐にもぐり込んでマイボールにしたりするアグレッシブなディフェンスだったと思うんだよ。攻撃面での良さって後から気付いたような気がするんだよね。今日はそういうアグレッシブなディフェンスが随所で見られたのでこれは也真人完全復活と言っていいんじゃないかな。3日後の水戸戦は先発濃厚だと思うので、次は也真人完全復活祭をやりたい。




そしてこの姿が遂に実現した。1週間前なら夢にも思わなかったことが実現するんだからサッカークラブというのは分からないものだし、長く追いかけていればこんな幸せな気持ちになることもあるんだなというのが今回の移籍の一番の実感。プレー面ではまだこれからという感じだったけど、中川が試合後のインタビューで言ってた通り、ここから相互理解が進んでチームが成長していけばクラブを取り巻く雰囲気も変わってくるんじゃないかな。正直哲平さんのこのやり方で誤摩化されるのちょっと腹立つんだけど、そんなのを軽く超越して夢生が大分のユニを着て走っている姿に心が揺さぶられた。哲平さん、もっとちょうだい、もっともっとちょうだい。


次節は変則日程で火曜日開催というレア日程。今日の試合が不甲斐ない内容で秋葉監督のインタビューがすごかったと話題の水戸と対戦。ロッカールームで軽く2〜3人はぶん殴られているだろうし火曜日に水戸の選手たちがどんな心構えで臨んでくるかは火を見るより明らか。そういう前のめりの相手に対してどう対峙するか、どういうプランを練るのか、チームの総合力を試される試合としてはこんなにも最適なシチュエーションはないんじゃないだろうか。ホームで対戦した時もガラッとメンバーを変えられてあっさりとポイントを持ち帰られた。あれから5ヶ月、下平監督の手腕をけっこう引いた位置から冷静に見てみようと思う。
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金崎夢生帰還 司と夢生の物語

2022-08-18 23:05:31 | トリニータ
さすがにこれは予想外だった。昨夏の司帰還である程度予想は出来たと言っても夢生が帰ってくることはちょっと予想出来なかった。

でも嬉しいなぁ。夢生は本当に好きな選手だったから本当に嬉しい。そもそも高校時代に特A級の人気銘柄だったにも関わらず大分を選んでくれた時点で嬉しかったのに、またこうして帰還して喜ばせてくれるなんて何て孝行息子なんだろうか。


ノスタルジックな気持ちに浸りたいところだけど戦力としてどうなのかというところは冷静に見ないといけないけど、正直に言って分からない。今シーズンも名古屋でほとんど出場していなかったみたいだしコンディション面も含めて未知数と言っていいんじゃないだろうか。ただトリテン記事によれば大分以外にも手を挙げていたクラブはあるようだから間違いはないんだろうけど。とりあえず下平監督は週末の試合で必ず使ってくださいよ。残り試合数が少ない中で獲得したんだからとりあえずは使ってくださいよ。あなたの戦術よりも夢生が入ることによって巻き起こるかもしれない変化の方が何百倍も期待出来るんだから余計なことしないでくださいよ。


司が15年ぶりのゴールを決めた直後に夢生の帰還。どうしても2人の因縁めいた関係性を思わずにはいられない。06年オフにフランスのグルノーブルへ移籍した司と入れ替わるように入団してきた夢生。高卒ルーキーながら開幕戦から躍動感を見せるとコンスタントに出場機会を得る。その活躍はまるで司を失って我々の心にぽっかりと開いた喪失感を埋めてくれるような爽快感があったことを覚えている。しかし夢生の活躍の一方で07年シーズンはチームが低迷。夏を前に司が早々に帰還することとなる。低迷するチームで司が復帰後即ポジションを掴んだ一方で夢生の出場時間は確実に減少していった。ルーキーイヤーにJ1で18試合2得点という成績は立派なものだと思うけど、前半戦の輝きを思うと尻すぼみに終った感は強かった。エジやホベとともにチームを救った司はシーズンオフに浦和へのステップアップ移籍を選択。この頃のインタビューで夢生は「あんな思い(ポジションを奪われる)は二度としたくない」と新シーズンへの強い意欲を見せていたが、信頼を勝ち得ている状況とはまだ言いづらく、チームはそのオフに家長獲得に動いた。しかしご存知の通りプレシーズンで家長が重傷を負ってしまい、消去法的ではあるものの新シーズンはチームとして夢生に期待をせざるを得ない状況で始まった。そこからの上昇曲線はここに書くまでもなく。


すれ違ったと思ったら重なって1つのポジションを争った2人が10年以上の時を経て再び大分のユニを着てピッチに並び立つかもしれないと思ったら懐かしいとか嬉しいという一つの言葉では表せないポジティブな気持ちがこみ上げてくる。長い時間を経て2人もプレイヤーとしての幅が出た。今度は1つのポジションを争う必要はなく、2人同時にピッチに立ってほしい。願わくば、司のアシストクロスから夢生のダイレクトボレーでゴールなんて見られたら今シーズンはもうそれでいいやと思うかもしれない。


「力を貸してほしい」と哲平さんが夢生を口説きにいったようだけど、この2人の関係性も面白くて08年の出場記録を見ると夢生→哲平の交代がシーズン中に3回もあるんだよね。かつてのチームメートは今ではGMとチームを救うベテラン選手。何かを起こしてくれるか。ちなみにトリテンの中で哲平さんが言っていた「OBを大事にしたい。もっと戻ってきてほしい選手もいる」というコメントが気になって仕方ない。



夏休みで自宅にいたので昔のユニを引っ張り出してきた。08年シーズンのアウェイ西京極での試合後にもらったサイン。個人的に非公式の場でサインをもらうことなどほとんどなかったのにこの時だけは何か特別だった。まあ、それくらい夢生に夢中だったんだろうね。よく見るとひらがなで「むう」って書いてあってかわいいな。


突然今週末が楽しみになってしまう精神状態が正しいのかはよく分からないけど、とにかくめちゃくちゃ楽しみだ。
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第37回日本クラブユース選手権(U-15)大会

2022-08-18 14:30:57 | トリニータ
数ある育成年代の大会の中でも帯広で開催されるこのクラ選U-15が一番好き。

実は弊ブログは表向きは大分トリニータ応援ブログのように見えますが、アクセス数が多いのは育成年代の記事、特にU-15関連の記事は長期間にわたってアクセスいただいているんです。そんなこともあって今回もちょっと盛りだくさん。これを書き上げたら何だか夏休みの宿題を終えたような気分。


3年前はロンドン遠征、2年前はコロナで中止、昨年は無観客開催だったため個人的に4年ぶりの参戦となった帯広。U-18の前橋開催が早朝一斉キックオフのため1日1試合しか観られないのに対して帯広では1日3試合観戦が可能。たくさん観たい人間にとってはこれほど楽しい大会はないんですよね。もうU-18も帯広開催にしちゃえばいいのに。


今回は予選リーグ3日間全て参戦。初日の第1試合だけ飛行機の時間の関係で間に合わなかったけど、合計で8試合観戦。

ヴィクサーレ沖縄ーFCV可児
清水エスパルスーガンバ大阪門真
リップエースーソレッソ熊本
フレスカ神戸ークラブ与野
サガン鳥栖ーTSV1973四日市
鹿島アントラーズーセレッソ大阪
インテルナシオナルー長野パルセイロ
ヴィッセル神戸ーベガルタ仙台

初めての街クラブもいくつかあって充実した3日間だったけど、さすがに3日目終った後はけっこうヘロヘロだった。東京や群馬と比較すると当然涼しいんだけど、時間帯によっては30°を超える時もあってそれなりに厳しい観戦環境だった。


最初に観たのがヴィクサーレ沖縄。沖縄県のクラブとして初のクラ選出場だったらしくその初陣に立ち会えたのは光栄でした。左SBの2瑞慶覧長汰。SBながらボールに関与する回数が多くチームからの信頼感がうかがえた。球際も強くタフな選手。


対戦相手のFCV可児。ジュビロが予選敗退する激戦の東海地域を勝ち抜いてこちらもクラブ史上初のクラ選出場。調べてみるとサッカーだけではなく地域の総合型スポーツクラブのサッカー部門という感じみたいだね。こちらも左SBの6和田樹生也。自分でも行けるし、人を使っても行けて推進力がある上に、クロスを上げる局面では無理もきいてサイドバックに欲しい資質をたくさん持ち合わせている。


FCV可児のエースストライカー・9井上蓮斗。馬力系でシュート強烈。この日2ゴール、2日目も1ゴール決めて予選合計3ゴール。






ガンバ大阪門真の9中積爲。個人的に今大会一番印象に残ったのは彼。清水戦で決めた1点目のミドルは中学年代の試合じゃちょっとお目にかかれない強烈さ。隣に森岡隆三さんが座ってたんだけど、おかまいなしに思わず声を出してしまった。そして2点目は鋭い裏抜けと引き出しの多さも見せてくれた。セットプレーのキッカーを務めているところからキックの精度も高そうだし、これは楽しみな素材。ガンバ本隊に昇格するのか、大阪のハイレベルな高体連に進むのか分からないけど、楽しみにしておきたい。


清水の中盤・8菊池武蔵ジョセフ。183cmの高さがありながらCBやCFとして育てるのではなくドリブラーとして育てられるところに育成名門清水の懐の深さが垣間見える。


2日目第1試合は今大会で一番楽しみにしていたリップエースーソレッソ熊本。どちらも地域を代表する街クラブで一度は観てみたかった。予選3日間でこの時間帯だけ大雨だったこともあり普段通りのサッカーというわけにはいかなかったのが少し残念だった。そんな中、リップエースは馬力のある選手が多くピッチ状態に関係なく力強さが際立った。特にハットトリックの99新川志音は強引にシュートを枠に持っていく力があり「それ入るのか」というのが2つあり圧巻だった。


一方でソレッソ熊本も面白かった。このグループはJFAアカデミーが辞退した関係でリップエースのみ初日に試合がなかった。連戦のソレッソはその点でちょっと押し込まれてしまったかなという印象。ただ総じて技術的に高くリップエースの圧力を受けながらも面白いサッカーを展開していた。7岡本桂乙は中でも高い技術と抜群のボールタッチで目立っていた。


2年生の28梶原夢月は重心の低いドリブルでなかなかボールを奪われない。158cmの小柄な体型が3年前に見た高橋隆大(ガンバJY→静岡学園)を思い起こさせる。









関西地域は先に触れたリップエースが優勝。フレスカ神戸もガンバ、MIO、ヴィッセルを3タテで決勝まで駒を進めている。明石市に本拠を置くインテルナシオナルも4位でクラブ史上初クラ選出場。関西は7枠のうち3つを街クラブが勝ち取り、京都サンガは出場を逃している。他にもたくさん思い浮かぶ街クラブがあるし関西の中学年代は激戦だなと思う。



そのフレスカ神戸に競り勝ったクラブ与野も初出場。近年力を付けている印象のクラブ。10深田京吾はドッピエッタ。


このお方によると深田は浦和や湘南が興味をしめしているらしい。


クラブ与野といえば、3年前のエースでその後浦和に進んだ堀内陽太がちょうど昨日トップ昇格が発表されたばかり。深田もこの選手を追って浦和に行くかもしれないね。







チームとして一番印象に残ったのは鳥栖。選手のレベルが高いのはもちろんだけど、チームとしての完成度も高い。各ポジションが責任持って仕事を全うしネガティブな声出しがほとんどない。対戦相手とのチーム力の差が明らかで3-0のスコアになってもチームが緩まず芯の強さが見える良いチームだった。ちなみに自分の後ろで見ていた松本の赤帽さんが徹底してロングスローを投げる様子を見て「ノーストライク3ボールからでもフルスイングしてくるんだから相手はたまんないよ」と評していたのが的確な表現だなと思った。鳥栖やソレッソのようなハイレベルのクラブと戦って結果を残していかなくちゃいけないわけだから大分アカデミーも大変だよ。ちなみに保田堅心の出身チームですな。






中でも10東口藍太朗は強豪チームのNo.10らしい好プレイヤー。157cmとサイズはないものの中央でさばきに徹するだけじゃなくて何でもやる。


最初は残酷なスコアになるかなと思ったけど、3失点で食い止めて最後にFKから乾坤一擲のヘディングを決めたTSV1973四日市はお見事だった。先ほどの金髪の方によると旗手怜央の出身クラブらしい。





3日目は決勝の会場である幕別陸上競技場に初めて行った。セレッソのGK1イシボウ拳。名前からハーフだと思われるけど、中学3年生にして身長192cm。ただ高いだけじゃなく前半にあった1対1のピンチにも足でセーブする俊敏性も兼ね備えている。高校年代だと190cmに近い身長をちょこちょこ見かけるようになってきたけど、これからは中学年代でもどんどん出てくるのだろうか。動ける190cm超がGKの基準となる時代が日本にもそろそろ来るかもね。




対戦相手の鹿島のGK1黒澤奨永は後半一気の猛攻でセレッソに攻め込まれるもビッグセーブを連発して何とか耐えていた。結果3ゴールは許すものの彼がいなければもう倍は差がついていたと思う。ちなみに鹿島のサブのGKは16黒澤慈永。生年月日が同じなので多分双子。全国レベルで双子でGKやってるのは初めて見たかもしれない。









セレッソの後半の猛攻はお見事だった。決定機につぐ決定機。何度も決めきれなくて監督から「決めてくれよー」という指示ともクレームともつかない要望を出されてたけど。


セレッソの36永添功樹はまだ中学1年生。ほんの5ヶ月前までは小学生だったわけで出場しているだけですごいと思う。競っているのは鹿島のU-15日本代表の大川佑梧。いい経験だよね。




鹿島の8三浦直人は身のこなし軽やかなゲームメーカー然とした印象に残る選手。





長野もグループステージ2勝でノックアウトステージ進出。特に浦和から5点も取っておりかなり力があるかも。自分が見たインテルナシオナル戦は勝ちたくて気持ちばかりが先行している相手をうまくいなしてしっかりと勝ちきった。北信越予選は新潟が出場権を逃して富山、長野、松本とJ3クラブのアカデミーが出場権を獲得しておりここも激戦。



神戸の3島佑成はU-15日本代表。審判とのやり取りなんかを聞いていると何ともいえない落ち着きを持っていて、この年代にありがちなフィジカルにものを言わせる系のCBとは一線を画すレフティのCB。


仙台の5似内久隠は中学年代だとあまりお見かけしない気持ち系のストロングヘッダー。はね返しも素晴らしかったけど、チャンスでのヘッダーを決めておけば試合結果も変わったかもしれなかった。





クラ選のひそかな楽しみである懐かしのJリーガー達。神戸のGKコーチは荻晃太。現役時代と全然変わらないね。大分関係だとセレッソの小松塁コーチ。相変わらずデカい。あとは千葉のコーチに村井慎二さん、湘南の監督に山口貴弘さん、ガンバのコーチに高木和道さんあたりかな。









女性レフリーがとても多かった。女性の場合、特に主審だと声がよく通って選手とどんなコミュニケーションを取ろうとしているのかがよく分かってとても良かった。










試合後はばんえい競馬行って、インデアンカレー食べて、ウイスキー飲んで、移動中は十勝地方の大自然を堪能して本当に楽しい3日間。来年もまたこの大会が観戦出来ますように。
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中学3年生になりました(31節徳島戦)

2022-08-14 23:03:22 | マッチレポート22’

いまこんなところでこの記事書いています。今日まで仕事で明日から夏休み。定時で退社、そのまま新幹線に飛び乗り今日は羽田空港内のカプセルホテル泊。この後、この中でスパーズとチェルシーの試合を観る予定なんだけど、周りにもたくさんの人が宿泊しているから絶対に声は出せない。点は決めてほしいけど声は出せない。タオルを口に突っ込んで身もだえるような試合を期待。


徳島戦は新幹線の中で観た。単身赴任をするようになってから新幹線に乗る回数が増えて、正直にもう新幹線に乗っている2時間が苦痛になりつつある。だから新幹線乗る日と試合が重なった場合は出来るだけキックオフ時間に合わせて切符を買うようにしている。途中トンネルで少し切れたりすることもあるけど、暇せず2時間を過ごせるので十分に快適。ちなみに帰りも岩手戦のキックオフにピッタリと合わせてある。


6月に司が最後に大分トリニータでゴールを決めてから何日経過したかみたいな記事を書いたらその週の天皇杯でいきなり司がゴールを決めた。そして今度は正真正銘のリーグ戦ゴール。最後に決めた甲府戦のゴールが2007年9月2日なので何と5460日ぶり。司が甲府戦でゴールを決めた日に産まれた子はもう中学3年生ですよ。これだけの長い時間が経過してもまだキレ味鋭いプレーを見せてくれる司には改めて脱帽。同一チームでのゴールでこれだけ期間があいたのってリーグ記録とかじゃないかな。当時の司の写真と現在の司の写真を並べてグッズを作るんだ、大分FC。ミンチャレとかいう集金事業には辟易とするけど、選手の偉業を一緒に喜ぶことは健全なことだ。お前ら、そういうとこだぞ。


今のチームをシンプルに表現すると「強くない」だと思う。「弱い」まで言っちゃうとちょっとかわいそうかな。少し前にも書いたけど、プレーオフから昇格を目指すためにはもうチームの完成度が完全に右肩上がりのフェーズに入らないと絶対に間に合わない。にも関わらず前節も今節も勝ち点1を取るので精一杯。もうそういうことだから間に合わないと思うよ。それよりも早く来季の話しようぜ。


後半に強度がズルズルと下がり全く押し返せないチームを見て多くの人が弓場将輝の不在を嘆いたと思う。羽田健人はよく頑張っていたと思うけど一番大事なところで屈辱的なまでに寝転がされてしまって同点ゴールを許してしまったし、小林裕はその出来ることの少なさからこのチームでの居場所はもうほとんどないし、1失点目のシーンでDFラインに完全に吸収されてしまっているネットはやはり諸刃の剣でしかなく昇格を託せる人材ではなかったということ。もはや結果はどうでもいいから弓場将輝と保田堅心がピッチ上を縦横無尽に駆け回るのが見たい、ただそれだけ。


恒例になりました本日の藤本一輝ディフェンスチェック。今シーズン一番良かったんじゃないだろうか。チームと一緒に飲み込まれた後半は評価外として、前半はとても良かった。あと今日の試合で地味に感心したのが健太のディフェンス。個人的な印象として今シーズンの徳島は西谷和希が飛び抜けてスペシャルで夏頃にはマリノスあたりに引き抜かれてそうという感じだった。それくらい昨シーズンや今シーズン序盤の西谷はキレていた。だから今日も途中から西谷が出てきてズタズタに切り裂かれそうだなと思っていたんだけど、何だか健太が抜群の間合いで西谷に仕掛けさせないスタンスを取り続けていたのは少し驚きだったし、素晴らしかったと思う。


今日もその左足のポテンシャルを見せつけたサムエル。これで使える目処が立ったのと同時に来シーズン上のカテゴリーに引き抜かれるリスクも上昇しているわけで、結局ダイエットの場として使われただけってのが最悪のシナリオだなーと目の覚めるようなシュートを見ながらぼーと考えてた。金払ってダイエットさせてあげただけ....


相手チームの監督との対比においてまたも引き出しの少なさ、能力の低さを露呈した下平監督。もはや監督自身には微塵も期待していないんだけど、来シーズンについてクラブがどう考えているかに注目している。どうせ続投させるしか考えはないと思うけど、まあ地方の2部クラブだしそれも仕方ないかなと渋々だけど納得する。ただ来シーズンこそはプランBは準備してくれよ。これは必ずな。そしてまたも下平監督が下手こくようなら開幕戦だろうが容赦なく切ってプランBに移行する、それなら渋々だけど納得する。
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サムエル砲ついに炸裂(30節町田戦)

2022-08-07 01:51:49 | マッチレポート22’
今シーズンの自分にとっての大分トリニータのシーズンはもうこれで終ったかなと今日の試合を観ていて感じた。43分のドゥドゥのシュートシーンで「入れ!」とまでは言わないけど、「入ればいいのに」くらいは明確に気持ちの中にあった。その直前のプレーでペレイラがいつものペレイラをやらかしやがって作られた決定機。先週の試合でもペレイラがやらかしやがっているにも関わらず、何も考えずにスタメンで使ってしまうおとぼけ下平がこれで気が付けばいいんだよくらいに思っていたので、もう今シーズンはいいかなという気持ち。現地観戦もよくてあと2試合くらいしか行けないし、2010年の経営危機から再び買い始めたシーズンパスも今シーズンついに初の全欠見込みだし、もういいかなと。ペレイラのプレースタイルはハッキリと嫌いなので、ペレイラが使われ続ける限りはもう適当に観るくらいでちょうどいいかな。


ホームでの町田戦では深津のところを破り続けて前半のうちに試合を決めてしまったわけだけど、多分その成功体験から前半は大分の左サイド偏重と言っていいくらいに左からばかり攻めた。残念ながら深津のところで1対1を作り出すことがあまり出来なかったためホームでの再現とはならなかったわけだけど、狙いとしては良かったと思う。今日は三竿が抜群だった。藤本と組んでも、奎汰と組んでも特に攻撃の局面では効果的に何度も何度もファイナルサードに侵入していった。

その藤本。今日もいつもの前弁慶の藤本だった。攻撃では荒ぶるのに、守備では借りてきた猫のようになる藤本のために「前弁慶」という言葉を作ってあげた。イエローをもらってしまった2つのプレー。どちらも対面の選手に飛び込んでかわされて足が入ってファールというプレー。「守備頑張んなきゃ、守備頑張んなきゃ」という意識が強いんだろうなというのが痛いくらいに伝わってくるプレーだけに何とかしてあげたいなと思うけど、もう自分で何とかするしかないんだよ。毎試合ハットトリック決めれば守備が今の水準でも誰も何も言わないよ。どっちに進むかは藤本次第。

そして奎汰。復帰戦の前節も良かったけど、今日も良かった。迷いなく前に出ていけるのが良化の何よりの証拠かな。61分の抜け出しとかすごく良かった。ただ2試合連続での決定機逸はもう看過出来ない。奎汰が決めきれないことで試合結果に甚大な影響を及ぼしていることを肝に銘じるべし。良くなっているだけに厳しく言いたい。


町田の大分対策は前からはそこそこのプレッシャーでいいけどアンカーにボールが入った時に絶対に前を向かせないという約束事があったように思う。DF3枚+北斗でボールを握ってもプレッシャーが緩いからアンカーの位置に立つ羽田まではボールが入る。ただ大体10平戸太貴がピタッと背後にいるためアンカーがターンで前を向けることはほとんどなかった。逆に後半には後ろを向いたまま無理にダイレクトではたこうとして引っかけられて大ピンチを招いていたので、対策はそこそこ効果的だったんじゃないだろうか。


「オレは頭より左足がすごいから」と前々から言い切っていたサムエル。その言葉がウソじゃなかったことを証明するような豪快なサムエル砲がついに炸裂した。プラスして今の大分のボランチ陣だとネットしか出せないだろうなっていう縦パスも見事だった。ちょっとオフサイドっぽかったけど、2人の規格外のプレーで何とか同点に追いつくことが出来た。シーズン前に期待していた姿のネットとサムエルがやっと見られたのが8月に入ってというところがこのチームが今シーズンいかにダメかということを表していると思うよ。サムエルもネットも素晴らしかったけど、時既に遅し感が強すぎる。


現実的にも難しいと思うし今シーズンは昇格出来なくてももう全然いいと思い始めてるけど、このままだと来シーズンもおとぼけ下平がいそうだなと思うとそっちの方が暗い気持ちになる。百歩譲って勝てないのを許容したとしても、「J1復帰」とか「連勝が止まらなくなる」とか自ら上げたハードルを全然クリア出来ないみたいな自己分析能力の低さまでは受け入れられるわけないだろ。おとぼけにも程があるんだよ。早よ、ペレイラ教育しろ。
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