Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

佐藤昂洋はここから巻き返す!

2018-08-27 23:04:56 | トリニータ
心のクラブが大分トリニータなら、体のクラブは武蔵野シティなんですよ。土曜日は何の気なしにいつも通り武蔵野のタオルマフラーを首に巻いて息子と一緒にムサリクに向かった。対戦相手がラインメール青森だということは分かっていたものの、開幕からしばらく動向を追っていた昂洋はもう半年近くベンチ入りすらなく、きっとケガしてるんだろうなと勝手に決めつけていた。いつも通り武蔵野を応援するためにスタンドに着座してふとスタメンを見るとそこには何と「佐藤昂洋」の名が。これはアガった。久々に猛烈にアガった。武蔵野の関係者には申し訳ないけど、すぐにタオルマフラーをカバンにしまい、青森側のスタンドへ。








ポジションは4バックの左のCB。青森は今の大分と似てボールを大事にしながら攻め込むスタイル。武蔵野の基本戦術が撤退守備なので、なかなか決定的なパスやフィードは出せなかったものの、大きな破綻もなく締まった試合にしっかりと入れてた。もともとキャプテンだったこともあってしっかりと声を出せてたし、チームを引き締め続けてた。
















後半15分くらいから屈伸を頻繁にするようになって、この酷暑で90分やり切るだけのゲーム体力は戻ってないのかなと思ってた矢先に、何とCBの相方が先に足をつって選手交代。ロースコアで拮抗した展開だっただけにこれ以上後ろに交代選手は割けないということでこれでフルタイム出場決定。そして見事ウノゼロの完封勝利に貢献。













試合後とにかく明るく喜ぶ昂洋が印象的だった。プロ入り後、ケガが多く大分ではほとんど出場機会がなかった中で遠く青森に移籍。ケガだったんだろうと思うけど、その青森でも半年近く出場機会がなく、本当に苦しかったと思う。そして移籍後初出場の試合で完封勝利。そりゃ嬉しいよ。その心中を察っしてこちらまで本当に嬉しくなってしまった。ムサリクは自転車置場の目の前がアウェイチームのロッカールームなので、スタジアムの入り待ちどころか、ロッカールームの入り待ちが出来てしまうというサポにとっては夢のようなスタジアム(選手はいやだろうけど)。おじさん普段はあんまりそういうことしないんだけど、あまりにも嬉しくて昂洋に「おめでとう!」と声をかけ、ガッチリと握手をした。ロッカールームに入る直前まで興奮冷めやらぬという感じで、本当に嬉しそうだった。



佐藤昂洋はここから巻き返す!まだまだこれからだ!オレたちの佐藤昂洋はこんなもんじゃねぇぞ!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お粗末試合(30節徳島戦)

2018-08-25 22:01:18 | マッチレポート18’
「こういう試合もある」という類いの試合だったと思うけど、それが例えば3連勝の後の試合だったとすればそれも理解出来る。ただ1週間前にああいう試合をやった後の試合、そして愛媛戦のような試合から1ヶ月も経ってない時期にやった内容としては全くもって評価出来ないお祖末な試合。ハッキリ言って何も準備をしてこず無策で臨んだに等しい。片野坂さんの言い訳を待ちたい。


7月の甲府戦に続いて今季2度目のラッキーな日程。甲府は週中の試合を捨てて週末の試合を取りに来たので仕方ないにしても、今日の徳島は5人の選手が中2日でアウェイゲームに乗り込んできたにも関わらず、この結果はお粗末試合以外の何物でもない。この日程を組んでくれた台風の神様からいつかバチを食らわされると思うよ。


とにかく工夫が足りない。ゲーゲンプレッシングが面白いようにハマった前半はまだ攻撃にバリエーションはあったものの、もう我々の攻撃のリズムに徳島が完全に対応し切った後半の攻撃はお粗末の一言。岩田以外の選手はほぼ思考が停止していたと言っても過言ではない。ミドルが少ない、ドリブルに至ってはないに等しい。少しは考えろよと言いたい。1枚剥がさなければズレは起きない、いつまで経っても待ち受けるのは相手選手の密集でしかない。徳島の最前線の位置取りがあれだけ低いんだから、仕掛けてボール奪われたところでカウンターを食らうリスクが一体どれだけあるって言うんだよ。「この意気地なし!」諸々の状況を考えれば徳島が撤退守備を敷いてくることなんて鼻くそほじりながら前節の試合を観てたって分かる。1週間もの時間を与えられて考えてくるべきは残り3分の1でどうするかで、そこに至るまでは全て徳島からのプレゼントでしかない。ハッキリ言ってこれだけ支配したら、モイーズ時代のマンUのように闇雲にクロスを上げまくって事故的なゴールを待つ方がずっと可能性は高いよ。今日は無策。この一言に尽きる。


原因を分析すると3センターのフォーメーションにあると思う。バランスがよくボールを支配しやすくなった一方で、それまでの3−4−3システムに比べて前線の枚数を削っているわけで、同じように攻めていたら枚数に余裕のある相手は対応しやすい。11人でやることには変わりはないわけで、結局のところは一長一短になるからこそ、人選には一考の余地がある。前田、コテ、マルの3センターはポジショニングがよくこのシステムの良さを出しやすい一方で、攻撃に移る際のトランジションのスピードがイライラするくらいに遅い。今日の試合だけで何度「そこ行けや!」と叫んだことか。この3人に共通して垣間見えるのは「自分たちの仕事はボールを支配すること」という意識が強いこと。象徴的なのは、ボールを失ってゲーゲンプレッシングで即時奪還に成功したにも関わらず、いったん下げて攻撃を落ち着かせてしまうことが多いことだ。ゲーゲンプレッシングである程度の混乱状態が作れているにも関わらず、自らそのチャンスを放棄しているように見えてしまう。ボールの支配に重きを置くのか、もっと前に絡める人選とするのか、このシステムを継続するのなら次節の片野坂さんのチョイスに注目したい。


自分も文章を書く時に注意しなきゃいけないと思うけど、今日のような展開で「大分が試合を支配していた」と書いてしまうことは大きな誤りであるということ。あくまでも支配していたのは「ボール」であって「試合」では決してない。「ボール」を支配しているということは見た目以上にそこまでいいことでもないという認識を持たないと今日のようなスタッツで負けてしまうんだ。失点シーンも試合中にある程度高木にセーブする機会があれば、触れてたように思う。単調な「ボール」支配を続けた弊害がこんなとこにも出てるように思えてしまう。


シーズンダブルを食らいやすい、つまりは同じ監督に勝てないというのは片野坂さんに戦術的な幅が少ないということを証明している顕著な現象じゃないかと思う。一つのことを徹底して浸透させていく胆力には優れているという印象は当初から変わらないものの、いわゆる勝負にこだわる部分には、同じ相手に勝てないという現象から物足りなさをどうしても感じてしまう。だからこそ自動昇格でなければならないと改めて思うわけだ。今季から始まるPOのレギュレーションはある意味でクレイジーな勝負をかけられる指揮官でないと勝ち抜くことは難しいと思う。品行方正な片野坂さんにそれを求めるのは無理があるし、片野坂さんの指揮官としての魅力はそこじゃない。クラブも監督も寝ぼけたことばっかり言ってないでもっと明確に自動昇格を狙うと発信しなさいよ。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夏の終わりのSBSカップ

2018-08-20 01:03:03 | トリニータ
「今日で夏休み(高校サッカー)が終わりました。長かったようで短かった9日間(3年間)。大好きなサッカーがたくさん観られて(出来て)、家族や選手達(仲間)には感謝しかないし、本当に充実した9日間(3年間)でした。」

これ育成年代の選手達が最後の大会で負けた直後にこぞってツイートするテンプレート的なやつを今の自分の気持ちに置き換えてみたらぴったりだったので、使ってみた。( )内の言葉に置き換えてみるとそのまま高校生とかがツイートするやつになるから。しかし今時の高校生くらいの年代の子たちってこの「◯◯しかない」って表現よく使うよね。まあおじさんも全く使わないわけではないんだけど、聞く度に違和感は残るんだよね。



ということで夏休みも終わりです。そろそろFMから直太朗の歌声が聞こえてくる季節です。そんな夏の終わりに2年ぶりにSBSカップを観に、草薙に出撃してきた。新幹線で行くと静岡は本当に近い。帰りは試合終了からジャスト3時間後には帰宅してた。





SBSカップは年代別代表が見られることはもちろん楽しみなんだけど、隠れた楽しみとして静岡ユースが見られることにあると思ってる。さすがサッカー王国ということもあってなかなかいい選手が揃ってる。ちなみに2年前に藤枝でこの大会を観た時には静岡ユースのCBは、清水で徐々に出場機会を掴みつつある立田悠悟と先日の大分戦でも途中出場してた岡山の下口稚葉だったんだよね。けっこう見逃せないタレントが多い。



ただ今日のオーストラリア戦はハッキリ言って凡戦だった。4日間で3試合をこなす大会の最終日ということもあったと思うけど、両チームとも攻守にメリハリがなくミスミスミスのオンパレード。2年生の頃からプレミアリーグで活躍してる齊藤聖七(清水ユース)あたりは期待してたんだけどいまいち色が出せてなかったかな。





そんな中で1人スタンドの我々を飽きさせずに楽しませ続けてくれたのが神田凛星(静岡学園)。見てのとおりにサイズはかなり小さい。多分160cmくらいしかないんじゃないかな。ただそういうサイズの選手にありがちな「トリッキー」な動きだけの選手じゃない。パスを出す時のモーションがほとんどないに等しいのでDFが対応しにくい上にさらにいいとこに出てくる。もちろんドリブルもキレがあるし、見ていて期待感があるし楽しい。この試合の文句なしのMOM。



もう1人。右SBの鈴木大晟(常葉橘)も正統派SBという感じで良かった。鈴木大誠(星稜→筑波大→徳島内定)と名前が似過ぎていてややこしい。





80分が終了してスコアレスドローだったので一応PK戦で決着をつけた。もうランゲラックにしか見えないオーストラリアのGKの活躍もあり、オーストラリアが勝利。





第2試合はU−18日本代表とU−18パラグアイ代表。



宮代大聖、福岡慎平、上月壮一郎、喜田陽あたりのU−17W杯組の存在感はやはり大きかった。特に宮代は先制点を奪われた直後にすぐにスコアを戻すゴールを決めてさすがエースと思わせる仕事ぶりだった。引っ張られて体勢を崩してもシュートに持っていく力強さと貪欲さもいい。そういえば昇格って発表されたんだっけ?



GKは小久保玲央ブライアン(柏U−18)。今日は目立った仕事はそんなになかったんだけど、GKというポジションにおけるハーフ系選手の台頭は勢いがすごい。この代表のもう1人のGKも相澤ピーターコアミ(日本文理)だし、アジア大会にもオビ・パウエル・オビンナがいるし、他のポジションと比較しても身体能力の高さが必須条件のポジションだけにこの傾向は今後ますます加速していきそうだね。



ハーフ系選手の流れでいくと、この驚異的な高さを見せつけた三国ケネディエブス(青森山田→福岡内定)。正月の選手権・長崎総科戦以来で見たけど、彼って本職どこなの?選手権の時は途中出場で確か最前線に投入されてたと思うんだよね。足がめちゃくちゃ長いから、1対1の時にクイックなドリブルを仕掛けられるとなかなか足の運びでついていけないんだけど、足が長いがゆえにボールを取ろうと意図してなくてもボールの方からその長い足に引っかかってきてくれるというシーンを何度か見かけた。あれは彼にしか出来ない武器だよなと思った。



大学生から唯一の選出となった井川空(筑波大学)。


今シーズンの開幕戦で1年生ながらにいきなりスタメンを掴み取ったゴールデンルーキー。魅力は何と言ってもそのサイズ。こういうサイズの大型ボランチがどんどん出てくると面白いなと思う。



そしてもうこの年代は早くも卒業してると言っても過言ではない大忙しの菅原由勢。序盤に浮いたボールを弾丸ボレーで最前線の宮代につけたパスはお見事だった。オーバーラップのタイミングとスピードがいいし、クロスも狙いがよく分かった。トップチームで出場機会を掴んでいるのも納得の能力の高さだった。





そしてその菅原と同じく名古屋U−18に所属する松岡ジョナタンがパラグアイ代表に選出された。今日の試合では名古屋U−18同士のマッチアップも見られるかと楽しみにしてたんだけど、理由は不明で松岡ジョナタンがベンチ外で残念ながら実現せず。もし実現していたら名古屋サポーターならたまらんよね。こんな夢のある話ないよね。


ちなみに松岡ジョナタンは先月のクラ選でうちのU−18と対戦してるんだよね。その時の写真を見返してみると膝にテーピングがされてるし、調子は万全ではなかったのかもしれないね。



今大会では試験的にVARが導入されていて、個人的にはVARありの試合を生で観るのが初めてだったからその点にも注目してた。残念ながら(残念ということでもないけど)今日の2試合ではVARが介入するプレーはなかった。


そのためにカメラの台数も多かった。




主審も1試合目が佐藤隆治さん、2試合目が今村さんと豪華な面子だった。さらに帰りの新幹線で東城さんと同じ車両に乗り合わせたので、画面の前には東城さんが座っていたものと思われる。興味本位ではあるけど、一度は目の前でVARチェックが入るところを見てみたい。



優勝はパラグアイ代表。日本代表にもこの試合を勝ち試合に持ち込めるタイミングはあったように感じたけど、パラグアイ代表の勝負強さを見せつけられたような結果となってしまった。大会なので勝ち負けには強くこだわってほしいとは思うけど、まあこの年代はそれだけじゃないから。試合終盤はちょっと危険なのではと思うようなタックルを連発してファールを取られようがお構いなしで流れを渡してくれなかったパラグアイ代表のようなやり方は自分たちがやるかは別にしていい勉強になったんじゃないかな。




今年の夏休みはインターハイに始まって、クラ選U15→ヴェルディ戦→SBSカップと蹴球三昧の本当に楽しい夏休みだった。これからどんどん涼しくなってきて日本サッカー界のあらゆるカテゴリーがクライマックスに近付いていく季節。本当に楽しみで仕方ない。楽しみしかない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カミのゴールこじ開けられず(29節東京V戦)

2018-08-19 02:23:32 | マッチレポート18’
眠い。たった今スパーズの開幕2連勝を見届けた時点で猛烈に眠い。まだ1行も書いてない時点でもう既に猛烈に眠いけど、明日は夏休みの仕上げに静岡までSBSカップを観に行く予定で帰りが遅くなるので、今日中に書き上げねばという義務感のみで半分寝ながら書いている。誤字、脱字、意味不明な文章があってもご容赦ください。


ものすごくざっくりと言ってしまうと、「前半はハマってたな、後半は少し修正されたかな」くらいしか味スタのゴール裏からは分からなかった。前半は終始ヴェルディ陣内で試合を進めながらもスペースは埋められてしまっているといういつもの展開になってたけど、崩そうという意図は随所に見てとれた。お互いに後ろは3枚で組みながらも、うちは岩田やフクがWBの外をオーバーラップしていく回数も多く攻撃に絡む一方で、ヴェルディの左右のCBにその仕事の役割はなく、そこで前半の優位性が発生していたように思う。ただ片野坂さんが苦手とするスペイン系のロティーナ監督のことなので、間違いなく後半は手を入れてくるだろうと予想していたけど、具体的にどう動かしてきたかまでは分からなかった。梶川が少し下がり目の位置でもらってドリブルで運ぶことで推進力を出していたことくらいしか印象に残らなかったけど、後半は五分五分の展開に。こじ開けたかったなぁと思う反面、本当に本当の決定機があったかと言うとそうでもないし、気持ちの落としどころが難しかった試合だ。


これで4試合連続で3センターのフォーメーションを採用した。基本フォーメーションとして定着しそうなくらいしっくりときている印象だ。以前の3−4−3の時のようにマルちゃんが最終ラインに下がってビルドアップの始発地点になることがなくなり、中盤の底にどっしりとまさに言葉のとおりアンカーのように固定され、一方でコテと前田がかなりフレキシブルに動き回るという組み立てが多い。バランスが良く安定感があるので、相手の対策を問わず相手陣内まで押し込むことはほぼほぼ出来てきている。今のJ2クラブを見回してボールの保持でうちに真っ向から対抗してこようとするクラブはまずないと思ってる。そうなるとピッチ上で高木を除いた21人のプレーヤーが相手陣内に入った状態が長く続いていくわけで、ここの対策が急がれる。今日もヴェルディ陣内で停滞した時間が長かった。サイドからの攻撃に活路を見出そうとしていたと思うんだけど、クロスが上がっても中の密集度合いが高く可能性はあまり感じられなかった。個人的にはもっと中を強引にこじ開けにいってもよかったんじゃないかと思ってる。ドリブルで1枚剥がせれば、どこかが空いてくるはずで、まさに和製ムサ・デンベレの登場を待っている。


一方でこのフォーメーションの採用で一番割を食ってるのが清本だと思ってる。攻撃に比重を置いたサイドハーフのポジションがなくなり、決して清本自身が調子を落としてたとは思えないんだけど、ここ数試合途中投入すらもなくなってる。状況が変わるまでじっと耐えるのか、新しい役割にチャレンジするのか、こういう状況に陥った選手には難しい判断だ。そもそもこのフォーメーションを採用してからチームがビハインドの状況になったことが1度もないので本当に何とも言えない。FW起用の判断が難しくなってきてることも含め、うまくいったらいったで新たな悩みが生まれる。組織を運営していくことは本当に難しいことだ。





今日の試合は昨シーズンの大分の正GK争いを繰り広げた2人のGKの出来が素晴らしかったということで、スコアレスドローが妥当なスコアということで整理しておこうと思う。


順位表を眺めても消化試合数が揃ってない関係で、ぐちゃぐちゃでよく分からない。このドローは決して悪いものとは言えないけど、こういう試合をモノにすることで見えてくる世界が必ずあると思っていて、昇格するにはそういう試合がそろそろ必要だ。





色々と準備してきたことのうちの一つなんだと思うけど、怜さんのCKは貴重なので貼っときます。







コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第33回日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会

2018-08-18 00:35:44 | トリニータ
今年も夏の帯広に行ってきた。



数ある育成年代の大会の中でももしかすると一番好きなのがこの大会かもしれない。そこには夏の北海道で開催されているということも多分に含まれてるわけだけど、今年ばかりは雨にやられた。滞在した丸2日ずっと雨。それもけっこうな本降り。1日に3試合観られるのがこの大会のいいところなんだけど、今回ばかりは長く外にいることが本当に嫌になった。本当もうしばらくは雨は勘弁。


今年観戦したのは以下の6試合。

FCトッカーノ−宇治FC
ディアブロッサ高田−東松山ペレーニア
サガン鳥栖−前橋FC
柏レイソル−ベガルタ仙台
セレッソ大阪−フェルボール愛知
Fマリノス追浜−ガンバ大阪

去年からこの年代での街クラブの面白さに気付き始め、今年は街クラブの試合を優先に観戦スケジュールを組んでみた。去年は九州で、今年は関東で街クラブの勢いが目立った。関東は全国大会への15の枠に対してJクラブの下部組織で勝ち抜けたのは7つと半分以下。さらにマリノスが新横浜と追浜の2チームを送り込んでいるので、クラブ数にするとわずかに6。川崎も湘南もその他多くのJ2クラブの下部組織もことごとく敗れた。U18年代になると街クラブで活躍していたタレント達がJクラブの下部組織に入ったりもするので、この傾向は弱まっていくけど、U15年代の面白みは街クラブにあるなと実感している。


前にも少し書いたことがあるけど、去年のこの大会の観戦記がここ1年での弊ブログでぶっちぎりのアクセス数を叩き出している。それも投稿直後だけじゃなく、1年間ずっと一定数のアクセスが継続している。個人的にいいなと思った選手の名前をたくさん出したことで検索から流れてきたんだろうと推測してるけど、もしほんの少しでも選手たちの励みなってるのなら嬉しい。



まずは一番最初に印象に残ったのが、FCトッカーノの細谷昇生(ヴェルディジュニア 3年)。トッカーノ自体は東京のクラブなので名前は聞くけど、詳しく知らなかった。予選ではPK戦で粘り強く勝ち進み、クラ選の本大会も今回が初出場。少し調べてみたら創設者はあの三浦ヤスとのこと。知らないことは意外と多い。細谷くんはヴェルディジュニアっぽいと言ってしまえばそれまでなんだけど、小柄ながら抜群のテクニックで最前線で存在感を放つ。159cmと小柄なので背負ってパスを受けてもまず振り向けないし、入れ替わりも出来ない。ただ彼は大柄のDFを背負ったまま走り込む味方の選手に絶妙なヒールパスが出せる。この試合では2本見られたけど、そのうちの1本が決勝点に繋がった。





2試合目は奈良のディアブロッサ高田と埼玉の東松山ペレーニア。それぞれ大和高田市と東松山市という全国的には極めてマイナーな自治体に本拠地を置くクラブで、そのマイナーさが逆に興味を抱かせた。



試合は基本的にディアブロッサペースで進むも先制はペレーニア。決めたキャプテンの佐藤柊椰(1FC川越水上公園 3年)のゴールパフォーマンスは多分グリーズマンだったと思われる。



この試合で一番気になったのは、ディアブロッサのハイライン戦術。それほどハイプレスではないんだけど、やたらとハイライン。GKの佐藤要大朗(ディアブロッサU12 3年)がカバーするエリアの広さはジェフの佐藤優也がカバーするエリアの広さを軽く超えてた。失点シーンもやや前に出てたところをシュートがディフレクションして頭を越えていってしまったというもの。チームにとって良いか悪いかは別にしてこの年代であのプレースタイルに挑戦出来てるのはいい経験だと思う。ジェフはエス将でこのままいくのなら、奈良方面で青田買っとくのどうですか?





3試合目の鳥栖はこの大会のディフェンディングチャンピオン。第一印象はとにかくタレント揃い。10番のキャプテン中村尚輝(FC BIGWAVE 3年)はトップチームの小野裕二を彷彿とさせるプレースタイルでとにかくうまい。試合終盤に相手を食ったようなドリブルを見せてそこからあわや失点というようなミスをやらかしかけたけど、ああいうのをなくすとかなり恐い選手になると思う。



さらにその中村に輪をかけてサッカーセンスを感じさせるのが中野伸哉(思斉館FC 3年)。球際やライン際でのプレーにうまさを感じさせるし、先制点となったシュートもちょうど真後ろから見ていたけど、コースを狙った見事な一撃だった。



DFラインでは岡英輝(プレジャーSC 3年)。試合開始直後の一発目のヘディングの飛距離でいきなりグッと引き込まれた。キックの精度はまだまだ改善の余地を残すものの、強いの一言。間違いなくCBが適性。



鳥栖の対戦相手の前橋FCの湯浅英明監督。全然知らなかったけど、大分トリニータでのプレー経験があるそうです。終了直前に魂の同点ゴールを決めながら、勢いで逆転ゴールを狙いにいったところをATにカウンターで決勝ゴールを被弾するというもったいない負け方をしただけに、試合後は選手に対して激おこでした。


この大会は48チーム出場して各グループの1位と2位が通過、3位でも12分の8がワイルドカードで通過出来て、32チームが決勝トーナメントに進出するというレギュレーションなので、初日に勝ち点3が取れるとかなり有利に大会を進められる。ただ今日グループリーグの3試合目が終わってこの後連敗した鳥栖が3位にもなれなかったというのを聞いて驚きを隠しきれなかった。確かに試合の運び方に問題はあったにせよ、チームとしては本当に強いイメージだったから。ちなみに激おこだった湯浅監督の前橋FCは見事2位通過。この年代は本当に難しい。


2日目は初日よりも強い雨が降り続いてまともに写真も取れない状態。かろうじて残ってる写真でご容赦ください。



鳥栖同様に個のレベルが高かったのが去年の準優勝である柏。エースの真家英嵩(柏U12 3年)は優しい顔してえぐいシュートを決める「平山系ストライカー」。ラインブレイクする抜け出し方もうまいけど、シュートがえぐい。かわいそうなくらい雨が降っててピッチコンディションは良くなかったと思うけど、何点でも決めそうな雰囲気を持ってた。





中盤でゲームをコントロールしていた10番の菅原大知(つくし野SC 3年)と15番の田制裕作(柏U12 3年)も存在感があった。どちらもスキルが高くて、見ていて楽しいプレーヤー。



対戦相手の仙台で気になったのは、キャプテンの大津瑠要(ベガルタジュニア 3年)。2列目からスタートして、最後は最終ラインという能力が高いがゆえに試合中に色々とコンバートされる典型のような選手。



この日の2試合目に見たのはフェルボール愛知。たまたま今回泊まったホテルにフェルボール愛知も泊まっていたので、何の縁もないけど、何となく気になってた。試合が始まってみるとなかなかしっかりとしたサッカーをして、関西予選トップ通過のセレッソ相手に押し込んでいた。ここがJクラブの下部組織との違いかなと感じてしまうんだけど、仕上げるえげつないストライカーがいないこと。フェルボールに限らずいいサッカーをする街クラブは多いんだけど、どうしてもその「個」の部分ではやはりJクラブのタレント達と比較してしまうと違いが見えてきてしまう。ただフェルボールはいいサッカーをしていた。出世頭はマリノスの伊藤翔らしいけど、今後ちょっと気になるクラブだ。気になった選手は6番の武藤寛(岐阜VAMOS 3年)。テクニックとか視野の広さとかなかなかいいものを持ってるんだけど、フィジカルに優れるセレッソの選手に潰されてしまうことが多かったので、U18年代でどこまで伸びるか注目したい選手。



ただそれでも勝ってしまうのがセレッソ。正直に言って3年前のタレント軍団だった頃と比較すると小粒感は否めないわけだけど、今回も結局危なげなく1位通過。そのセレッソでプレー以上に気になったのが、ほとんどの選手の感じがとてもいいこと。味方か相手か関係なく誰かが痛むとすぐに駆け寄る。交代で退く選手が相手でもきちんと握手する。その筆頭がこのGKの山形慈温(アイリスFC住吉 3年)。痛んでる選手がいれば、相手陣内でも走り寄っていって、めちゃくちゃいい奴感があふれてた。こんなこと言うとアレだけど、セレッソの特に3年前のチームなんてそういう点では腹立つくらいに感じの悪いチームだった。特に長崎方面の高校に移籍した彼とか。そのチームも代が替わるとこんなものなのかと感じるとともに、改めてこの部分って大事だよなとも思った。





で、大阪のもう一つの雄・ガンバ大阪。ここはいいタレントが集まってるなという印象。特に10番の中村仁郎(ダックSC 3年)。まずドリブルがえぐい。ボールの持ち方や抜き方からあふれ出す「建英(たけふさ)感」。今大会見た12チームの中で一番印象に残った選手。あえて注文をつけるとすると、もっとゴールを決めにいく仕事に絡んでいけばいいのにと思うことくらい。鳥栖の中村と大阪の中村がU18年代でどこまで成長するか楽しみにしておきたい。









ガンバの未来が明るい(トップチームは知らん)なと思うのは、1−0でまだ試合が決したとは言えない状況から次々と送り込まれてくる交代選手がことごとく2年生であること。

26番・鈴木大翔(ディアブロッサU12 2年)
27番・桒原陸人(京都長岡京SS 2年)
28番・南野遥海(ガンバ大阪ジュニア/セレッソ大阪U12 2年) ←前所属はプログラムとおりに書いたけど、名字も含めてちょっと気になる。
30番・高橋隆大(京都長岡京SS 2年)※先発





2年生という観点で見ると、昨年の大会で気になった当時の2年生プレーヤー(現3年生)が隣のピッチで試合をしてたので少しだけ覗いてきた。三菱養和の森山純平(三菱養和ジュニア 3年)。見立てとおりに順調に成長して背番号も4番に。サイズは2cmのアップだけだったけど、何よりも顔つきがたくましくなってた。わずかな時間しか見てないけど、しっかりと声も出してたし、いいステップを踏んでるようです。


最後の森山くんのような見方も出来るので、出来れば毎年参戦したい大会。1人で好き勝手出来る立場でもないので、あくまでも希望ですが、毎年参戦したい大会。そして何よりも大分でも宇佐でもいいから、トリニータU15に参戦してきてほしい大会。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

得点力復活(28節岡山戦)

2018-08-12 12:06:07 | マッチレポート18’
結果として大勝だったからこそあえて一言苦言を呈しておきたい。

終盤のゴールラッシュは先制点の後にやっておいて欲しかった。出来たとも思うし。間違いなく先制点の後に一度緩んだ。蒸し暑いコンデョションだったから「緩めた」とまでは言いたくないけど、間違いなく「緩んだ」。お盆だけに「危ないなー」「恐いなー」と何度もこぼしながら観ていたので、同点ゴールが決まった時は「ハイハイ」としか思わなかった。相手が戦術的な交代カードを1枚しか使えないという圧倒的に有利な条件での試合だったわけで誤解を恐れずに言えば「勝って当たり前」。4ゴール決めるよりも、あそこできっちりとチームが締まった試合の進め方をして1−0で終えていればそっちの方が評価出来た。あの時間帯での試合の進め方、チームとしての意識統一には大きな問題があったと言わざるを得ない。昇格を目指すにはもう一段階チームとして成熟させてほしいところ。


とは言え3連勝。得点力が復活し、チームは復調路線に乗ったと言っていいと思う。今日も前半は引いて守る相手の崩し方を毎度毎度のごとく求められる展開に。しかしラストパスやスイッチを入れるパスの前段階でのミスが多過ぎて話にならない前半だった。ただむしろ何もやってないだけに「ダメな前半」という割り切り方が逆に出来たのかなと思ってた。いつもであれば、「前半は支配は出来てた。あとは後半に決めるだけ。」というハーフタイムの迎え方をして、実はそれは相手のゲームプラン通りで逆襲を食うということが多かったわけだけど、あれだけミスオンパレードの前半なら、後半に対して割り切れるのかなと感じた。それが後半頭からの攻勢に繋がったと思うし、見事な崩しからの先制点となったと思う。相手の分析に対する明確な「解」ではないと思うけど、こういう試合展開もあるんだなという感想。ただ繰り返しになるけど、その後の試合の運び方に問題があった。


現在の中央を3枚にした布陣がこの3連勝を呼び込んでいるのか、さんぺー、前田、岩田とここまで出場機会に恵まれてこなかった選手たちの躍動が呼び込んでいるのか判断がつかないけど、この3人の働きが大きいのは間違いない。さんぺーは3試合4ゴールという結果に表れているので、何の文句のつけようもないし、先制点時の飛び込んでくるタイミングの良さに現在の好調ぶりが象徴されてる。さんぺーに関してはもう心配なのはケガだけだから、そこは神様にお祈りしながらこの「旬」な時期を出来る限り長くと願うばかり。岩田は好調というより体のキレに驚かされる。後半ATに相手ボールホルダーへ寄せていくスピード感に何よりもまず驚きという感情がわいてきた。「スタミナが無尽蔵」という表現がピッタリとくる暴れっぷりだ。そのスタミナがウィルキンソンによって作られてるのだとしたら、毎試合でも差し入れしたい気分だ。そろそろミドルを枠へ。そして前田がいい。現存するサッカー界の用語ではピッタリと説明出来ないポジションを取り続け、相手に捕まえにくさを感じさせ、前に出づらいなという感覚を植え付けさせていると思う。今日は縦パスを入れる回数は少なかったけど、曖昧なポジションで前を向いてプレー出来ている前田の存在が押し込む展開の一つの要因に繋がっていると思う。ここまで本当に悔しい思いをしてきたと思うから、今のポジションを絶対に手放さないって気持ちで必死にやってほしい。今日は先制点にも絡んだし、今の前田は本当にいい。


馬場、ごっちゃん、藤本と途中投入された選手全員が仕事をするという監督としてはこんなにも頭を悩ませる状態はないと思う。2ゴールのごっちゃんも、1ゴール1アシストの馬場も素晴らしかったけど、個人的には藤本の仕事っぷりが印象に残った。特に試合を決定付けた3点目はローングフィードに対して相手の前に入って落として、そのまま止まらずゴール前に入り込み、そして決定的なスルーともうFWの動きとしてパーフェクトと評価していい一連のプレー。2点目にも4点目にも絡み、ゴールという直接的な結果には繋がらなかったけど、ゴール以上の仕事は十分にしてた。伊佐もゴールこそないけど、フィジカルで相手を押し込み組織としての貢献は高いものがあるし、前節見た限りでは決して不調なわけではない様子の林がベンチ入りすら出来ないこの状況はまさに「FW戦国時代」。勝ったチームは変えないが定石と言われるサッカー界だけど、次節FWが2枚そっくり入れ替わっててもそれはそれで不思議じゃない状況だと思う。


様々な企画で試合を盛り上げたこの日の試合。結果は11千人ということで今季最多動員数だった福岡戦の数字にも届かなかったので、企画は失敗だったわだけど、動員に対するアプローチがこれまでとは異なっているような感じた。一時的な数字を叩き出したいのなら無料チケットをバラまけばいいわけで、そうではない企画や仕掛けがたくさんあって数字に表れなかった効果は今後に生きてくると思ってる。この後、チームの成績が上がって、そしてそれが集客に反映されていけば最高だ。


冒頭では厳しいことを書いたけど、7月に我々が勝ち点を積み上げられなかった時期に上に行かれたクラブが現状でなかなか勝ち点を落とさない以上、本当に細かいところまでこだわって勝ち点を積み上げていかなければこの差は埋まらない。仲間に決められた失点にはその部分の足りなさを感じたわけで、難癖を付けたいわけじゃない。再びチームの調子が上昇カーブを描き始めた今だからこそこだわってほしいのはその部分。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

インターハイ初参戦

2018-08-12 10:21:53 | トリニータ
昨日は人生で初めてインターハイの試合を観てきた。去年も仙台に行く予定を立ててたものの諸々と予定が入ってしまい、キャンセルしていた。今年の開催が三重県と聞き、微妙に遠いなと思ったけど、来年の開催は鹿児島県らしいので今年行くしかないということで日帰りで遠征してきた。


昨日はベスト8で会場が四日市と鈴鹿で開催されてた。組合せ的にはどちらでもいいから四日市に行こうと決めていた。昨日はほぼ始発の新幹線で名古屋まで行き、そこから近鉄名古屋線に乗り換えて、四日市を目指してた。この近鉄名古屋線がローカル線の趣きでなかなかいい感じでもうちょっと乗っていたいという気持ちになり、名古屋からの距離でいえば倍くらいにはなるけど、鈴鹿まで行くことに急遽変更。時間的には問題ないものの、駅に着いてから会場に行くまでのバスが分かりにくく、一応シャトルバスはあるものの、そもそも運行開始がキックオフより後というふざけた設定。やむなく乗ったそれっぽい路線バスが着いた先が鈴鹿サーキット。遊園地やプールに行く家族で賑わう様子を見ながら30分近くタクシーをじっと待ってたのは、なかなか切なかった。しかし何とかキックオフに間に合ったけど、自分の軽い気持ちの変化で危うく後悔するところだった。


さて前置きが長くなりました。鈴鹿会場の組合せは、第1試合・桐光学園−富山一、第2試合・山梨学院−日章学園の2試合。







第1試合は桐光のエース西川潤(横浜FMJY 2年)が全てを持っていった。既にプロクラブも注目しているという逸材だけど、その評判に間違いはなかった。全国ベスト8の舞台でハットトリックという結果も目立つんだけど、圧巻だったのは2点目。相手陣内に入ってすぐのあたりからドリブルを開始。寄せてきた複数のDFの間を力強く割っていくと、最後はGKまでかわして難なくシュートを決めてみせた。組合せに恵まれたとかではなく相手がプレミア所属の富山一であることを考えると、なおさらにその凄みが際立つ。選手権で見た時にお兄ちゃんもなかなかいい選手だったという印象だけど、弟はそれを軽く超えてきてる。まだ2年生の夏。ここからが楽しみな選手だ。



西川のハット以外にもゴールを重ねて桐光が5-0の圧勝。



桐光は富山一に早めに蹴らせて最終ラインで跳ね返すという意図を持ってプレスにいってたように感じたんだけど、それに富山一が完全にのってしまい、そしてことごとく桐光の2枚のCBに跳ね返され続けてしまい、終始ペースが掴めなかった。桐光は特に4番の内田拓寿(FC多摩JY 3年)が細身ながらも力強くハイボールを跳ね返していて好印象だった。FK時に壁に入った選手はキッカーに対して、「おら、来いやー!」みたいに声でも威嚇し続けるほどの気持ち先行のチーム。夏はこういうチームが勝ち上がっていけるのかもね。





富山一はここまで7得点(2回のハットトリック)で大会得点王だった小森飛絢(FCひがしJY 3年)が注目だったけど、上記の桐光CBにうまく抑え込まれてしまい悔しい結果に。ただ後半ATに放った左足のミドルはGKのファインセーブで止められてはしまったものの、その鋭さに最後の意地を感じた。ちなみに名前の読みは「ひいろ」。


第2試合の山梨学院−日章学園はスコアが動き続ける面白い試合展開となった。日章学園は正月の選手権でたまたま2試合観てたので、これで2018年に3試合も観たチームとなる。多分高体連のチームでここまで観てるチームは他になく宮崎県と遥か離れた場所にあるチームなのになぜか親近感がわいてしまう。ただそれはたまたまの巡り合わせということではなく、日章がとてもいいサッカーをするというのもある。全国に出てくる強豪としては珍しい中体連からそのまま継続的に強化されてきてるチームで、しっかりと繋いでいくスタイルに戦術が落とし込まれてる様子がうかがえる。去年の選手権ベスト16、インターハイベスト8と着実に結果も残し始めている。



まず一番見たかったのがGKの小原司(日章学園中 3年)。去年からレギュラーGKでクイックなパントで前線へ「ラストパス」を送り、次々とチャンスメイクする攻撃的なGK。そのキックの確かさは隣で見ていた東邦サッカー部の選手たちをも唸らせていた。選手権では惜しくも流経柏に負けたものの、ビッグセーブを連発していて「あわや」を漂わせていた。



フィールドプレーヤーで面白かったのは2人。10番・河原淳(日章学園中 3年)と6番・比嘉将貴(日章学園中 3年)。




河原は前半にセンターサークル内でDF2枚に囲まれたシーンでいったん自陣側に逃げる素振りを見せてからの180°ターンで2枚を一気に振り切り、すぐに40m近くのロングループでゴールを狙った瞬間に会場の空気が一瞬止まったような感覚になった。シュートはGKの頭は越えたものの惜しくもゴールマウスは外れた。ただその技術の高さと視野の広さには非凡なものを感じた。


比嘉は1人ピッチ上で流れている時間の速さが違うタイプの選手。全く慌てないし、パスを出す先のセンスの良さに感心する。





山梨学院の戦術はもう明確なまでに明確。「フィジカルで押しこむ」。もうこれ一本。そしてそれを実行出来るだけのガタイを持った選手が多くいるし、特に高さに関しては出てくる選手みんな大きくて驚いた。でも日章の3番・高田涼汰(日章学園中 3年)が身長では10cm以上高い相手に全く負けないし、空中戦での体の使い方が本当にうまかった。









しかしやっぱり最後に試合を決めるのは「個」の力。1年時から試合に出ていた宮崎純真(FC多摩JY 3年)は山梨学院のエースに成長し、そしてエースとしてビハインドの状態から2ゴールを決めて試合を決着させた。前半はボールが足についてない感じがあって、相手DFに抑え込まれていたけど、特に同点ゴールは何でもない局面から鋭い足の振りだけで決めてしまい、エースとはこういうものというものを見せつけた。


ただクドいようだけど、日章はいいチームだった。


大会はあと準決勝、決勝を残すだけ。昨日は桐光の選手が試合途中に嘔吐が止まらなくなり、途中交代するなんてこともあった。三重も本当に暑くて選手たちも大変だけど、最後まで頑張ってほしい。選手権ばかりが注目されるけど、インターハイも負けず劣らずいい大会。若者のスポーツと夏はこの上なく相性がいい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

完勝ということにしておこう(27節新潟戦)

2018-08-05 23:49:53 | マッチレポート18’
ちょっと予想外の点差となった完勝。岐阜と同様新潟も比較的相性のいい相手ではあるけど、それでも4点差というスコアはちょっと予想出来なかった。徐々に残り試合数が少なくなっていく中で、松本と町田が走り始めて今節は先に結果を知ってから試合をやるのがちょっと嫌だったんだけど、何とか食らいついていくことが出来た。クラブは「あくまでPO圏が目標」とかヘタレたこと言うけど、現時点でこの順位にいながら、そういうこと言うのは目標に向かって真剣に取り組んでないように聞こえるので、掲げるべきは意地でも「自動昇格」。今年から始まったレギュレーションでPO勝ち抜くのまず無理だから。


手放しで喜びたいところだけど、冷静に考えるとあまりにも新潟がお粗末だっただけというのが正直なところ。後半のキックオフ後に蹴られたボールに対して伊佐に誰も競りにいかずにそのまま繋がれて失点とか、もし大分があんなことやってたらマジでリモコンをテレビ画面に投げつけてたかもしれないくらいの無気力プレー。4点目も守備側から見ると絶望的な決壊の仕方だけど、まあアレは完全に気持ちが切れてたってことで整理がつくけど、さあここから追いかけるぞという後半のキックオフ直後でアレはやばい。心配する義理もないけど、完全に組織が崩壊してる感じを受けた。


と、まあよそのことは置いておいて、今日も前半は引いてきたチームの攻略が課題として突き付けられたわけだけど、那須川の「シュータリング」という意外な形で、課題を解決したみせた。シュートなのか、センタリングなのかというのが、狙ったものなのか、偶然なのかということで分かれてくるから重要だと思うんだけど、那須川の意図は別にして、新潟のGK大谷をあのポジショニングにさせたというところに意味があると思ってる。あのゴールシーンの直前は右から左から続けてクロスを上げてた。アウェイでの試合を観ても、今日の試合を観ても新潟の最終ラインはクロス対応に難があるのは間違いない。そこを嫌がって自分で処理をしたいと大谷がクロス対応で少し前に出たことで、結果としてゴールマウスに向かったボールに触れることが出来なかったというもの。ゴールライン上で待っていれば触れなかったボールじゃないでしょ。ということでもしかすると蹴ったボール自体は偶然だったのかもしれないけど、ゴールとなったことについては多分に偶然でない要素が含まれていると解釈している。ただ、やっぱり例えどんなに引かれても前半のうちに何としてでもこじ開けにいかなければ、勝ち点3は掴めないということを改めて実感した試合だった。


今日も躍動した岩田と前田。体中から溢れ出して止まらない「試合に出られる喜び」みたいなのが見ていて気持ちいい。岩田は本当によく上がっていってチャンスメイクにたくさん絡んでる。怜さんの外をまくっていく豪快なオーバラップを見せたかと思えば、斜めに密集に飛び込んでいくドリブルも相手を混乱に陥れてた。でも一番評価したいのは縦パス。何度か相手に引っかけて逆襲のチャンスを与えてたこともあったけど、4点目の前にさんぺーに付けた縦パスはお見事だった。前田はまず相手が捕まえにくい曖昧なポジションでボールを受ける動きがいい。そして前を向ける。そこから先に人が密集してたから、なかなか決定的なパスには繋げられなかったけど、相手を押し下げる要因にはなってた。さらに今日は体を張るシーンも多く、「頑張ってるな」感が強かった。今の3-5-2フォーメーションは真ん中3枚のバランスが極めて重要になると思うから、前田にはこのままどんどん調子に乗っていってほしい。そしてこのまま黙ってる川西さんでもないと思うので、常に安定してポジションが確約されている選手がいないことは大変なことだけど、それがチームとしては大事なこと。


そしてやはり今が「旬」のさんぺー。固め獲りモードに入りました。獲れる時にドバドバと。しかしこういう試合を観ると、あんなにゴールが決められなかったのは何だったんだろうかと思ってしまうね。サッカーは不思議なスポーツだ。さんぺーと伊佐の2トップはやはり長く連れ添った老夫婦のような「しっくり感」があって安心して見てられるんだけど、多分今後また3-4−3に戻すタイミングがあると思う。その時にどう組んでくるのか。今日は最後は林と馬場の2トップだったけど、やっぱりぎこちなさは感じた。林は1トップタイプだし、馬場はシャドータイプ。それぞれの若干の違和感が最終的な「しっくり感」のなさに繋がってるのかなとは思った。


次節はホーム連戦の集客試合。集客試合か否かは別にしてもお客さんがたくさん入ると弱いのが伝統的な大分トリニータ。15,000人くらいの目標人数なんだったらわざわざ大々的にやることでもないとどうしても思ってしまうけど、あまりFCのやることに文句は言いたくないので、黙っておきます。それよりも、今日は大分市内で花火大会があったらしいけど、とは言え久しぶりの大分−新潟に5,000人しか集まらなかったのは、地味に大ショック。目の前の集客試合の成否よりも重要な問題なんじゃないかと思う。7月の不調がこの数字の要因の一つだとするのなら、今日の勝利を来週に繋げていきたい。さあ、ホーム連勝で夏祭りだっ!!!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする