Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

大分の想い、国立で結実(J1昇格プレーオフ決勝・千葉戦)

2012-11-24 00:14:43 | マッチレポート12’
いま、この記事を書けることを心の底から幸せだと思う。

国立からフワフワした気持ちで帰宅して、家族と祝杯をあげて、録画を観た今もまだ来年J1で戦うことの実感がわいてない。もちろん信じていたけど、いざ昇格が現実のものになると、そのことをうまく消化出来ない自分がいることに不思議な気持ちになる。


こういうの見ると、ナビスコファイナルをどうしても思い出しちゃうよね。あいにくの天気であの日ほどのパンパンのスタンドにはならなかったけど、熱気は全くひけをとるものじゃなかった。







濡れたピッチが影響したのと、単純に緊張してたんだろうということで前半は凡ミス連発でよく0点に抑えられたなというのが正直な感想。後半スタートと同時に運動量が上がり、ペースを握りつつあったものの、得点のにおいはあまりしなかった。ここ数試合リードされるシチュエーションがなかっただけに田坂さんが交代カードをどう切ってくるかが注目だったけど、その1枚目が林だった。得点シーンの落ち着きはさすがとしか言いようがないんだけど、その少し前にあの1対1を制する伏線になったんじゃないかなと思うシーンがあった。モリシのシュートがゴールをわずかに逸れた後に流れでGKの岡本選手と林が軽く交錯した。多分避けられた交錯だったと思うけど、林はけっこう強めに岡本選手に当たりにいった。まるで先輩が後輩を「かわいがる」ように。もちろん林はジェフ時代、岡本選手の先輩なわけで。後半丸谷をド突いたり、調子に乗りかけてた相手GKに存在感を見せつけ、勢いを削がせるようなプレーだった。そんな先制攻撃があの1対1での心理的優位な状況を作り出したんじゃないかなと思ってる。完全に全て想像ですけど。

そんな林や今日一番目立ってたと思う村井といい、やっぱりこういう大一番でのベテランの存在が不可欠だということを再認識した試合だった。


千葉は実の兄がサポートしてるクラブでもあり、そういう意味では少し複雑ではある。03年の大分の昇格を機に始まった千葉と大分の「主従関係」。年貢を納め続けた月日は今年で遂に10年を数えた。この虐げられ続けた10年間は全てこの日のためにあったといっても過言ではないくらいに出来過ぎたストーリーで完結した。まあでも千葉は現在のJ2クラブで唯一債務超過のないクラブ。豪華補強で近いうちには昇格出来るでしょう。


「青野」コールに号泣の社長。サポーターはみんな社長のことを応援してるよ。








キャプテンのインタビューの中で「(来年は)いい思いをしましょう!」っていう言葉があったけど、オレはその言葉をそっくりそのままあなたに返したいと思う。07年の加入から6年。何も「いい思い」をしてこれなかったにも関わらず、黙々と若いチームを引っ張ってくれた。来年はあなたこそ「いい思い」をしていい番だ。


ちょうど1年前の田坂さんの「J1挑戦宣言」から始まったこの大冒険。まさか本当に1年で完結するとは。インタビュー中にこみ上げてきた田坂さんを見て、グッときてしまった。田坂さんも感謝という言葉をたくさん使ってくれるけど、今から思えば、本当に暗黒の時代だった10年のオフに新人監督としてやってきてくれて、あれだけ若かったチームをわずか2年で昇格させてくれた。こちらこそ感謝してもしきれない。ヤスとかドンミョンみたいなサポーターの心を鷲掴みにする選手の育成にかけては右に出る者はいないと断言出来る。来季もよろしくお願いします。ワクワクする選手をどんどん育ててください。




エースの風格。このプレーオフで4ゴール1アシスト。あればの話だけど、文句なしのMVP。こんなにも成長が気にかかり、親のような目で見てしまう選手もそうそういないと思う。京都戦の4ゴールで完全に一皮むけた感のあるモリシ。長いことサポーターをやってるとそういう場面に遭遇出来るのがこの上ない喜びだったりする。色々と難しいこともあると思うけど、オレはこれからもずっとモリシを応援し続ける。首にかけたそのスパイクは是非ともクラブハウスに飾ってほしいと思う。「県民とともに戦う」。そんな言葉をスパイクに刻んでくれた選手がかつていただろうか。


何度考えてもストーリーが出来上がり過ぎてる気がしてならない。昨年プレーオフ制度の導入が決定され、Jリーグへの3億の借金返済のメドが立たないままにシーズン最終戦で監督から「J1挑戦宣言」。シーズンが始まり、選手たちのがんばりもあり、5月まで上位に食らいつく。成績面が現実味を帯びてきたことで借金返済に本気で動き出す。三位一体の本領発揮で10月までに3億返済。後半戦はモタつきながらも何とか6位でプレーオフに滑り込む。そのプレーオフ初戦が降格をした因縁の地・西京極。エースの大爆発で因縁の地を突破した先には、辛酸をなめさせられ続けた天敵が待つメモリアルな地・国立。そして昇格を決定づけるゴールを決めたのが、あの日、西京極でオレたちを絶望の底に叩き落とした張本人であり、かつて天敵にいた男。去年の最終節の日、どんなに有能な脚本家でもこんな出来過ぎたシナリオは書けないと思う。それだけのことを今年の大分トリニータはやってのけたんだ。自分のクラブがやり遂げたことに驚きを覚えると同時に誇りに思う。

福岡、札幌を見るまでもなく、昇格は喜びや期待と同時に地獄への第一歩かもしれないという思いはある。それでも喜ぼう。この3年間強く想い続けたことなんだ。そして楽しもう。J1という新しい冒険を。

大分トリニータに関わる全ての人に、「1年間、お疲れさまでした。」そして「おめでとうございました!」来年はJ1で会いましょう!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

まだ何も手にしていない(J1昇格プレーオフ準決勝・京都戦)

2012-11-20 00:28:59 | マッチレポート12’
完勝だった。

「完膚なきまでに叩きのめす」とはまさにこんな試合のことを言うんだろうと思う。運動量で圧倒、個で圧倒、声で圧倒、そして何よりも気持ちで圧倒。試合前はレギュレーションがどうのとか、メンタルがどうのとか、あれこれ考えてたのがバカバカしくなるくらいに圧倒した。夏に徳島で4-0の試合を観た時に「あー、年イチの試合観たなぁ」って幸せな気持ちに浸ってたけど、こんなにすぐにまた4-0の試合が、それもこんな痺れるシチュエーションで観られるとはあの時は想像すら出来なかった。

個人の良かったとこ列挙し出すと多分書いてるうちにプレーオフ決勝が始まっちゃうくらいたくさんあったので、それは土曜日にでも泣きながら(もちろんうれし涙ね)書こうと思うんだけど、一人どうしてもここに書いておきたいのは、土岐田のこと。昨日はキジが60分で完全に足が止まったり、キャプテンも足つったりとみんな本当によく走ってた。中でも群を抜いてたのが土岐田だったと思う。録画を観てて気が付いたんだけど、アディショナルタイム5分もほぼ終わりかけの頃、最後の相手の攻撃の芽を摘み取ったのが土岐田のパスカットだった。さらに最後の大分の攻撃も土岐田のライン裏への飛び出し(結果的にはオフサイド)だった。そして最後にタイムアップの笛が吹かれた時、ゴール裏のサポーターから見て最も近く、つまりは相手ゴールに最も近い位置にいたのが土岐田だった。スコアは完全に決していたとは言え、95分守り倒した3バックの一角の選手がその試合のラストプレーで相手ライン裏に飛び出すなんて、そんなサッカーしてるの世界中探したってそうそうないと思うぞ。福岡戦後の記事で土岐田がプロフェッショナルだと書いた。あれから3週間。この試合があるかどうかすら確定していなかったにも関わらず、最高の準備をして待っていたことが十分に分かるパフォーマンスだった。そう言えば、去年は途切れちゃったけど、土岐田は最終節男だったね。国立はどんな結果になろうが、泣いても笑っても最終戦だ。いや、別にだから何だってわけじゃないんだけどね。そういうことなのかもしれないかなって少し思っただけだ。そういうこともあるかもしれないと思えるくらいのプレーを土岐田は西京極で見せてくれたってこと。

昨日は新幹線で京都に行きました。前の週の最終節・アウェイ松本戦にあれだけの人が駆けつけて、さらに来週国立で試合があるかもしれないっていう日曜日の試合。さすがに今日はサポーターも少ないかもなって思いながら家を出た。ところがどっこい、京都どころか新横浜で早速この日最初のトリサポに遭遇して、こりゃひょっとするとと思い直して、西京極に入った。結果はあの埋まりっぷり。完全に松本を超えてたし、サポーターの声の出方もハンパなかった。大一番での大分サポーターの機動力の高さと愛情の深さには毎度泣けてくる。負けたチームのことをあれやこれや言っても仕方ないけど、せっかくのこの盛り上がるシチュエーションで、さらに相手クラブからも大挙してやってきてるのに、1万人ちょぼちょぼしか集められないクラブがJ1にふさわしいかと言えば、そうではないと思う。もちろん集客の多さでサッカーをしてるわけではないけれど、大分VS千葉がプレーオフ決勝に相応しいカードだと断言出来る。永芳にも煽られちゃったことだし、大分県民の皆さん、こりゃ民族大移動を再びやるしかないっすな!

最近は準決勝の勝者が常套句のように使う「まだ何も手にしていない。」っていうコメント。昨日もうちの選手や千葉の選手から何度となく出たコメントだ。言わんとするところはもちろん分かるんだけど、本当に今のうちの選手たちは「まだ何も手にしていない」んだろうか?昨日の試合を観てて、オレはもう既に大分の選手たちが「自信」という何物にも勝る武器を手にしてるような気がしてならない。永芳が試合後に言っていた「ダメなら走ってリズムを作る」っていう言葉に今の大分の選手たちが持つ自信が集約されていると思う。あとやるべきは目に見えない「自信」を「昇格」という形あるものに変えていく作業だけだ!いよいよ2012シーズンの集大成。全力で楽しんで、全力で戦って、そして歓喜の瞬間へ!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「恩」ならとっくに返してもらってる

2012-11-16 22:05:46 | トリニータ
J1昇格プレーオフ準決勝・京都戦プレビューです。

いやー、それにしても今週1週間は例の煽りVにお世話になりっぱなしだったわ。疲れた時にこれ観るとレッドブル飲むより何倍も効果あったわ。これ作った人間違いなくプロレス好きだよ。完全にテイストがプロレスだもんね。

さて今季3度目の京都との対戦。前節の京都-甲府と、33節の大分-京都を観直した。甲府戦はスコアレスドローだったけど、内容は面白かった。それにしても京都って本当にスマート(半分褒め言葉、半分皮肉)だよね。甲府との試合の最終盤、1点取ればJ1昇格なのに、そんな大詰めなのに、頑なにスマートなサッカーをやってるよね。良くも悪くもブレないってことなんだろうけど。ゴールを決めて勝たなきゃならない試合で、ゴール前をガッチリ固めるのが得意なチームと当たるよりもずっと良かったよね。

ポイントになるのはやっぱり勝たなきゃならないってことになるんだろうけど、城福さんも美濃部さんも京都のメンタル面でのディスアドバンテージを考えれば、レギュレーション面のアドバンテージはないに等しいと口を揃える。甲府戦は最終節だったために試合後に京都はセレモニーをやってた。素晴らしい雰囲気だったうちの最終戦セレモニーとは天と地ほどの差があった。社長の挨拶時は拍手もなければ、ヤジもない、完全にお通夜状態。メンタル面だけでなく、クラブの団結力でもうちが上。今季2戦2勝の相性も考えれば、絶対に勝てる相手だ。怯む必要なんてどこにもない。自分たちのサッカーを3位クラブ様にご披露してやるだけ。

エルゴラの予想スタメンでは若狭のところに土岐田。GKは一応タンタンで、カッコして圭介になってた。右CBもGKも田坂さんは迷うよね。どっち出したっていい仕事するだろうし。

京都は33節対戦時はバヤリッツァ選手と染谷選手が出場停止だったので、そこが変わってくるでしょう。こちらはキジ、永芳、それからジョンハンのサイド先発あたりが手合わせという観点からして初というとこかな。試合展開は誰が予想しても、同じようなものになるだろうからあえて書かないけど、1点の重みが通常のリーグ戦の比じゃないからね。固くなっても仕方ないと思う。早々に完売したニッパツとは対照的に西京極は伸び悩んでるらしい。こういうとこにも昇格慣れ(完全に皮肉)なさってるクラブの苦悩が見え隠れしますな。大分からも多くの人たちが駆けつけてくれると思うし、選手たちが思い切ってやれる雰囲気を作り出してあげたいと思う。先取点さえ取れれば、立場は完全に入れ替わるわけだし。

例の煽りVには「恩返し」という言葉が出てくる。田坂さんや選手たちからも今季はよく聞かれた言葉だ。でもね、オレはもう「恩返し」はとっくにしてくれてると思ってる。今年のシーズンをこれだけエキサイティングにしてくれて、さらには他の18クラブが体感することの出来ない舞台に一緒に立たせてくれた。もうこれだけで十分に「恩返し」はしてもらったよ。だからラスト2試合はもう伸び伸びとやってほしい。支援活動が糧になってくれるのならそれは最高にサポーター冥利につきるけど、決して重荷にだけは感じてほしくない。あの借金は今の監督や選手たちが背負う十字架では決してないからね。行政やスポンサーの支援を受けてというのが前提にあるけど、今季、選手もスタッフもフロントもサポーターも本当にがんばった。最後は誰のためでもなく、みんな自分のためにがんばればいいと思う。それが一つになった時に「不撓不屈の三位一体」は完結すると思う。

さあ、みんなで行きましょう。いざ因縁の地・西京極へ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

運と運命と(42節松本戦)

2012-11-12 22:27:19 | マッチレポート12’
「ポチッ」と。

松本から帰ってきて、まず最初にしたのは、18日の大分行きの飛行機のキャンセル。もちろん自動昇格を信じていたけど、千葉戦の後くらいだったかな、POホーム開催が一番現実味があるなと思い、安いうちに予約しておいた。自動昇格はもちろん、POホーム開催もなくなってしまったわけで、結局は無駄になってしまった。だけど、いま不思議とネガティブな感情はほとんどない。

いやー、それにしても本当に寒かった。スタジアムに着いた時は風もなくて、これは余裕だななんて思って、選手が練習に出てくる前あたりにわざわざユニの下に着てた長袖を脱いで「ユニイチ」になっちゃってた。そんで、試合が始まって身動きが取れなくなるタイミングで降り出しやがってよ。本当に寒かったよ。3月の山形も、6月の北九州もそれなりに劣悪な観戦環境だったけど、間違いなく今回が一番しんどかった。何よりも試合が終わってから、ゴミ袋に詰め込んだ家族全員分の荷物を脇に抱えながら、駐車場まで帰る道のりがしんどかった、もちろん「ユニイチ」のままで。

昇格とか、優勝とか、大きな目標を達成するには大なり小なりの「運」は絶対に必要だといつも思ってる。昨日の試合はそういう意味では「運」がなかった。審判の「運」ね。スタジアムでは分かんなかったけど、録画を観直したら、最初のCKはファールないしゴールだよ、どう観ても。カウンター主体の松本に対して序盤にリードが奪えれば、主導権を握れてもっと楽に試合を運べたと思う。なかなかゴール出来ず(本当はしたんだけど)に時間が経ってしまったことによって、松本が得意とする試合展開にお付き合いせざるを得なくなってしまったのが苦しかった。バックスタンド側の線審も終始不安定なジャッジングだったにも関わらず、さんぺーのオフサイドだけはビシっと旗上げちゃってさ。まあ、さんぺーのは録画で観ても微妙だとは思うけどね。帳尻で見逃していいレベルではあった。残念ながらそういう意味での「運」はなかったけど、これで終わりじゃない。本当に大事なのは、ここから2試合。「運」なんてどういう形で転がり込んでくるか分からない。アルウィンで「不運」は全て使い切ったと思って、前向きに行こう。絶対いいことある。

大分の出来としては決して悲観的になるようなもんじゃなくて、直近2試合と同じように出来てたと思う。クロスから先の精度だったり、最後のアイデアだったりが不足してたのは、寒さなのか、緊張なのか、少し固かったかなという印象。こういうサッカーが出来てれば、プレーオフでも十分にやれると信じてる。反町さんはさすがによくスカウティングしてきて、ロングボールはほとんど阪田のところを外してきてたけど、ヤスも若狭もガンガン跳ね返してて、安心して観てられた。今回はモリシにやっぱり期待してたんだけど、残念ながら不発。気持ちは良く分かるけど、審判とうまく折り合えてなかった。まあでもこれはPOでの爆発のための一回休みということにしておこう。エースの躍動なくして、昇格はない。マークは厳しくなるだろうけど、昇格はそこを乗り越えてこそ。京都戦もその次もやっぱりモリシに期待するよ。

レギュラーシーズンは最終的には21勝8分13敗の勝ち点71でフィニッシュ。正直に言って、シーズンが始まる前の期待の上をいってくれたと思う。特に得失点差+19が素晴らしい数字だ。大分は歴史的にチームの調子がいい時でもゴールを量産するようなチームカラーでなかっただけに、これだけの数字が出せたことが驚きだし、やっぱり嬉しい。で、さんぺーが言うようにこのチームでもう2試合(ぜってー1試合じゃ終わらせねえ!)出来ることを喜びたい。今日京都戦のチケットを買ってきたけど、誰も経験したことのない試合に当事者として関われることが嬉しい。京都、横浜FC、千葉、みんなシーズン前のバリバリの昇格候補たちだよね。そこにしぶとく食い込んできた、シーズン前はダークホースでしかなかったマイクラブを誇りに思うし、ここまで来たら一発かましてやりたいと強く思う。西京極と国立。大分の歴史を語る上で、絶対に外すことの出来ない2つのスタジアム。もう運命に導かれてるとしか思えない。よく分からんが、もう泣きそう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いよいよ最終節

2012-11-09 21:44:40 | トリニータ
最終節・松本戦プレビューです。

楽しかったり、胃が痛くなったりと、本当に充実した2012シーズンもいよいよ最終節。勝てば自動昇格もあり得るという状況で最終節に臨めることに感謝して、悔いの残らないように選手たちをサポートする。もう自分に出来るのはそれだけ。

今年は試合前にしっかりと自分なりのプレビュー記事を書こうと決心してシーズンに入った。週中に試合がある時に書けないこともあったけど、最後まで書き続けることが出来た。シーズンが半分を過ぎてくらいからは週末の試合で対戦する相手の前節(さらには前々節も)を観ておかないと落ち着かないまでになってた。ただやっぱり最後まで書き続けられたのは「この状況」に居続けてくれたチームのおかげに他ならない。やっぱり感謝。

まずは松本の前節・千葉戦をチェック。前々節の栃木戦に敗れたことでPO進出の可能性が絶たれた松本。少しモチベーションを落としたのか千葉に対して、文字通り手も足も出なかった。先制された後にカウンターからビッグチャンスがあったが、それを外すとあとはノーチャンス。米倉選手のポスト直撃や荒田選手の1対1等、よく0-2で収まったなという内容。チームの中心である船山選手が出場停止だったので、そこは割り引いてみないといけないということはあるかもしれないけど、それにしても攻撃の形はカウンターを除いて皆無に等しい。船山選手が入った時にどれくらい組織が機能するのかを見ておきたかったというのはある。

松本のフォーメーションは3-4-3。いまうちは2シャドーを置く3-5-2が基本スタイルとなってるけど、このフォーメーションの生い立ちを辿ると確か5月のアウェイ湘南戦にたどり着くはず。当時うちも3-4-3を採用してて、完全マッチアップ状態からのズレを自ら作りにいくために採用したのが最初だったと記憶してる。その後、2シャドーの豊富な運動量を前提に中盤で主導権を握ることが出来るようになってきたこともあり、基本フォーメーションとなった。よって3-4-3システムの松本とはマッチアップにズレが生まれ、試合は動きやすくなるんじゃないかなと思う。ただこれはどっちにとって有利とは言い切れない部分があるように思う。山形戦の後半に、ゴール裏から山形のビルドアップを見てて、完全に守備がハマってた。山形の攻める意欲が既に削がれてて、運動量が低下していたということもあるとは思うけど、それにしてもうちの3-5-2システムが山形(福岡もそうだった)の4-4-2システムに対してハマり切っていた。それだけに最後も4バックのチームの方が良かったなというのが本音。

松本の3-4-3は湘南やうちと違って、両WBがあまり開かない。千葉に完全に主導権を握られて、真ん中を固めざるを得なかったのかもしれないけど、バイタルエリア付近に10人が固まって守るというシーンが多かった。その中でも松本の右WBの玉林選手のところは穴だと思う。千葉の左SBの渡邊選手に何度も1対1を仕掛けられて、間合いを詰め切れずにクロスを許し続けた。うちとの対戦の時も渡邊選手はいい選手だなとは思ったけど、今のジョンハンのキレの方がはるかに上だ。玉林選手は相手の最終ラインやボランチにボールがある時にかなり中に位置しているので、ワイドにボールが入ってから間合いを詰めにいかないといけない。そうすると相手は既にスピードに乗り始めてて、勝負をしかけられやすい。縦にも速くてカットインも鋭い今のジョンハンを、千葉戦を観る限りにおいては玉林選手が対応出来るとはとても思えない。福岡戦のようにキャプテン→ジョンハンのホットラインを築ければ、相当にビッグチャンスは作れると思う。反町さんはどんな手を打ってくるだろうか。選手を替えてくる等の対症療法じゃないことだけは間違いないと思う。

あとは松本市の情報を少し。ワタクシ、ちょうど1年前の2011年11月にアルウィンに松本山雅の試合を観に行ってるんです。その時のことを思い出すと、良い天気だったということもあるんだけど、そんなに寒くなかったんですよね。夕方キックオフだった前日の宇都宮の方が圧倒的に寒かった記憶がある。ただ今週末は松本市に雨予報も出てて、そうなるとさすがに寒いと思う。週間天気予報で最高気温の平均をとって大分市と比較してみても3~4℃ほど低い。ただ今日のTLに情報が溢れてたけど、クラブは万全を期して前々日に松本入り。前日入りよりも間違いなく気温への適応は出来るはず。そういうことで寒さに対してはあまり恐れる必要はないのかなと思う一方で、地味に気になるのは標高。松本市(役所)の標高は592m。大分市がほぼ0mであるとすると、その差は約600m。これくらいの差がどれほど影響するのか科学的なことは分かんないけど、体のキレとかそういうレベルには少し影響してくるんじゃないかなとは思う。学生時代は季節労働的に1年のうち2ヶ月強を長野県で生活していて、長野県にはかなり造詣が深いです。山の形とか田園風景とか、寒さだけでなく景色も九州とは全然違う。さらには松本山雅の大サポーター。少しでも選手たちからアウェイ感を取り除いてあげるためにも、サポーターがいつも以上にがんばんないとと改めて思う。

ちょっと完全な余談を一つ。アルウィンはバックスタンドの裏側が信州まつもと空港の滑走路になってる。今週末はそんな余裕ないけど、メインスタンドに陣取ると滑走路に着陸してくる飛行機がピッチとバックスタンド越しに見える。セスナ級だと何とも思わないんだけど、FDAの旅客機が降りてきた時の非日常感はものスゴイ。サッカーの試合越しに見える巨大な旅客機。あんなの見られるの多分日本でアルウィンだけ。


9月初旬に発売された大分トリニータ特集が掲載されたサッカーダイジェストを読み返した。中でもモリシとさんぺーの対談はいま読み返すと本当に興味深い。取材がホーム甲府戦前の31節終了時点。当時さんぺーが絶好調で13ゴール、一方モリシは9ゴール。実際にさんぺーは直後の甲府戦でもゴールを決めたし、あの時の勢いからしてモリシが逆転するのは無理じゃないかなと思ってた。ところがどっこい、10月に入って完全にエンジンのかかったモリシが急追して、最終節を前に2人とも14ゴールで並んだ。この取材の中でモリシはさんぺーのゴール数を抜けなかったら罰ゲームをすると自ら提言。この時にさんぺーが発してる「俺の予言ってけっこう当たるんですよ。モリシに抜かれれば、J1に上がれると思うし。」って言葉はいまこの状況で聞くとあまりにも言霊めいてて、ドキドキを通り越してちょっと怖さすら感じる。だって、京都× 湘南△ モリシ2ゴールで昇格ですよ、皆さん!もうさんぺーの言葉を信じるしかないでしょ!

ということで、何だか気持ちが高ぶり過ぎて文章がまとめられない。試合に向けてもっともっと気持ちを高めるために松本前泊で行きたかったんだけど、この秋2度目の後輩の結婚式が入ってしまったので、やむなく当日入り。もう本当にいよいよ。運命のキックオフまであと約37時間。みんなで喜びたい。色々なことを乗り越えた大分に関わるみんなで喜びたい。

アルプスからの風に乗せて「SEE OFF」と「大分よりの使者」を轟かそう!オレたちの夢を掴み取った歓喜とともに!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いっさいがっさい全部のせ的なホームゲーム最終戦(41節山形戦)

2012-11-05 23:53:02 | マッチレポート12’
無類のラー好きではありますが、トッピング全部のせとかで美味かったことがない。スープと麺と具とのバランスがとれてこそ美味いラーだと思ってる。

ただ昨日のホームゲーム最終戦はこれでもかってくらいの全部のせだったにもかかわらず、本当に最高のホームゲーム最終戦だった。

3-0の完勝はもちろん、アウェイサポで合同の読めない身からすると垂涎ものの合同の特別号がもらえたり、その合同の副社長の挨拶が刺激的でまた良かったり、あだっちーが来たり、ちょっぴりノスタルジックな気持ちにさせてくれた風船飛ばしがあったり、17,000人も入って熱気のあるスタジアムになったり、トリニータオーレで締めたりと挙げ出せばキリがないくらい。

中でもコレオは本当に最高だった。前の人のボードのすき間からチラっとヴィジョンに映し出された全景が見えた瞬間になんかもう涙腺が決壊してた。仕上がりも素晴らしかったし、間違いなく選手たちに気持ちは伝わったと思う。毎度準備していただいている方々には感謝の気持ちしかない。


真ん中は若狭。試合前の各所のスタメン予想から大分サポの間でちょっとしたドンミョン祭りが開催されてましたが、結局先発は若狭だった。プレビューにも書いたけど、オレはこれで良かったと思ってる。ドンミョンの復帰はもちろん嬉しいけど、ここ数試合の流れから若狭が出るべきだと思ってた。そしてそれに若狭は十分に応えたと思う。もはやルーキーだという感覚はない。写真は練習が始まる前にピッチに入ってきて自分が主に陣取るエリアでイメージトレーニングをしてるところ。


試合の入りはちょっと固いかなと思ってたけど、さすがに17,000人も入ったので、スタジアムの雰囲気は完全に大分のものだった。ちょっとでもいいプレーが出るとスタジアムがどよめき、そしてそれに選手が呼応するという形であっという間に大分ペースになった。球際に厳しくいけてて、福岡戦と同じように試合を進められた。また前半のうちにゴールは奪えなかったけど、勝てるという確信はハーフタイムにも微塵も揺らがなかった。

激しくチェイスを繰り返した前線。サッカーの神様は見てるからゴールというご褒美が転がり込んできたと思う。中盤でボールを刈りにいって一緒に相手選手をなぎ倒したキャプテンの力強いディフェンスには思わず声が出た。こんな大事な試合で試合当日に今季リーグ戦初先発を告げられた丹野は間違いなく緊張したと思う。第2GKという本当に難しい役回りをこなし続けた同じくご褒美がこの日の先発だったと思うよ。

松本はいま強いと思う。でもここ2試合で見せてくれた魂の試合が出来れば、恐れることは何もない。今季1年やってきたことを楽しんで実践出来てる選手たちなら絶対にやれる。全力で松本ぶっ倒して、あとは運を天に任せよう。




筑波トリオ。


ドンミョン、おかえり!


2大エンターテイナー。


この笑顔。この人の左足から悪魔のようなシュートが放たれるとはとても思えない。ザ・癒し。


おい、ガミさん!パパ姿がカッコよすぎるだろ!ちなみここでモリシが撮ってる写真がモリシのブログに載せられてると思われる。


もうオレいまキャプテンに夢中。





田坂さんの試合後のコメント。丹野について言及してるところを読んで、今まで田坂さんについてモヤモヤとしてたことの全てがクリアになった。偉そうなことを言える立場ではないけど、オレは文字通り「総力戦」という言葉とそういうチームが好き。そりゃ、部活であってプロのクラブの話じゃないと言われればそれまでなんだけど、それでもそういうのが好きで、どうしてもその部分で田坂さんにモヤモヤしたものを感じてた。でもここ数試合で田坂さんのやり方に変化も見えたし、選手もそれに応えてる。いま本当に心からこのチームで昇格したいと思う。


何度も繰り返しになっちゃうけど、本当に最高のホームゲーム最終戦だったと思う。でもまだ何も終わってないんだよね。この日フォロワーさんにいただいた言葉を拝借させていただくと、この最高のホームゲーム最終戦を超える「超最高な最終節」を実現させた時にそこにはオレたちの夢があると思う。大分サポの皆さん、松本に行きましょう!「超最高な最終節」を作りに行きましょう!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アグレッシブに

2012-11-02 23:59:04 | トリニータ
山形戦プレビューです。

11月になったばかりにホーム最終戦と言われてもやっぱりピンときませんな。それでもやってきてしまったホーム最終戦。何度も言うけど、プレーオフには行かないから、今節がホーム最終戦。

前節福岡戦で悔やまれることといえば、複数ゴール出来なかったことくらいで本当に素晴らしい試合だったと思う。山形は福岡とそれほど戦力的にも変わらないと思うし、フォーメーションも4-4-2で同じ。だからって前節と同じような試合が出来れば勝てるってほど甘くはないよね。山形と福岡では試合に臨むモチベーションが天と地ほども違うだろうし、福岡は全くケアしてこなかったキャプテンのところにも厳しく来るでしょう。厳しく苦しい試合になるのは間違いない。

福岡戦の勝因の一つにボールにアグレッシブにいくことで試合の主導権を握ったということがあると思う。前々節でも鳥取が大分を上回ったことと言えば、やっぱり運動量。甲府を除いて21クラブの実力が拮抗してる今のJ2でとにかく勝敗を分ける大きなポイントが「走る」こと。極端な話をしてしまえば、その「走る」部分さえきっちりと出来れば、突然4バックにしたりしても勝てると思うんだよね。それくらい「走る」ことで差を生みだせるのが今のJ2。

07年、残留争いまっただ中の大分で、フォアチェックという「誰にでも出来ること」を「誰にも出来ないくらい」やり続けてチームに推進力をもたらした一人のFWがいた。90分もたないことは百も承知でキックオフの笛から交代のボードに30番が刻まれるまでとにかく走り続けた。シーズン序盤は新外国人選手や前年にブレイクしたスピードスターに押され、出番がほとんどなかったけど、夏を越す頃から本当に「走る」ということだけでレギュラーの座を掴んだ。その男は今節、キャプテンマークを巻いてオレたちの向かいに立ちはだかる。その男があの頃、九州石油ドーム(当時)で体現していたことを今の選手たちが実践出来れば、昇格という夢は必ず掴める。

今朝の通勤中にエルゴラを開いて声が出ちゃうくらいに驚いたドンミョンのスタメン予想。全体練習に合流したという噂は聞いていたけど、十分に計算の出来る若狭がいるだけにまさかのいきなりスタメン予想は本当に驚いた。前節の土岐田、永芳もちゃんと予想してるひぐらしさんの予想だけに信憑性も高いと思われる。もちろん嬉しいし、サポーターからの人気も高いドンミョンの登場は盛り上がるとは思うけど、さすがに4ヶ月以上のブランクがあって、復帰後公式戦に一度も出てない状態でいきなりのスタメンは大丈夫なんだろうかという思いも少なからずある。まあ、スーパードンミョンのことだからオレの心配なんかクソ食らえで、走りまくっちゃったりするんだろうなあ。ただ冷静に考えてドンミョンの起用がありそうだなと思えるのは、山形がセットプレーに強みを持つチームであるということ。セットプレーの守備時にモリシを真ん中に置くと高さで信頼がおけるのは阪田と安川くらいしかいない。さんぺーは攻撃では高さを発揮出来るけど、守備時にはあんまりうまく高さを活かせてない印象。そうなると若狭がどれくらい高さがあったか分かんないんだけど、ドンミョンは間違いなく計算が出来る。たまに田坂さんがジョンヒョンを唐突に使うことがあるけど、あれもこんな意図があったんじゃないかなとも思うんだよね。いずれにしても今のチーム状態なら誰が出ても高いモチベーションで戦ってくれるだろうから心配はいらない。出てきた選手をサポーターも必死に応援することだけだ。



今節も13時キックオフで、京都、湘南、横浜FC、千葉全てが16時キックオフ。勝って最大限のプレッシャーかけてやろう。

福岡、監督交代の劇薬効果見せてくれ!

鳥取、上位いじめは平等にしてくれよ!

今節が終わった時点で最終順位がかなりの部分で確定してくる。ちなみ今節勝てば無条件でプレーオフ圏以上は確定。自動昇格するから関係ないけど。いよいよ最終局面。選手たちが普段通りの精神状態で臨めるように最大限のサポートをするべく今節も大分に行きます。泣こうが、笑おうが、ヤジろうが、祈ろうが、諦めようが、信じようが、闘おうが、逃げようが、使者歌おうが、使者歌おうが、あと残された時間は180分。全員で勝とう。オレたちの夢はもう目の前だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする