いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

経済書を読んでみる

2007年04月12日 | 極楽日記(読書、各種鑑賞)

 長久手中央図書館で借りた本です。専門外の本はどれがいいのかよくわかりませんので、ちょっと見て興味の湧いたものを選びました。何回も読まない本を新本で買うのは負担が大きいですし、ブックオフの100円コーナーでは品揃えが貧弱です。無料で借りて試し読みできる図書館は今更ながら重宝します。

 ベッカーさんとポズナーさんの本は、"The Becker-Posner Blog"として今でも続いている人気ブログと新聞などに連載したコラムを基にしたもので、自由主義、グローバリズム経済を支持する人の立場がよくわかります。アメリカの様々な課題に関する2人の学者の意見が、ある場合には一致し、ある場合には反対となるのは、そのプロセスも味わってみると興味深いです。

 森永卓郎さんは、「萌え」ビジネスへの造詣の深さでも有名になってしまった人気経済アナリスト。自由経済主義者のはずなのですが、政治的、経済的に力のない弱い立場の個人に温かい目を向ける異色の経済人です。「年収300万円時代を生き抜く経済学」なんて、今が絶頂の新自由主義者の視点からは絶対に出て来ない着想です。

 大きな経済格差を容認する新自由経済主義者と、軍備拡張や憲法「改正」により戦争ができる国家体制を目指す人がかなりオーバーラップするのは、前線に行く兵士として想定しているのが格差の底辺から上がれないワーキングプアやニートの若者だから、という指摘はもっともです。自分や家族が戦場に行くなら、この陰惨な近代戦の時代に誰が戦争を起こしたがるものですか。経済格差が広がるほど為政者のみならず社会一般の戦争への抵抗がなくなることは、アメリカの実例が示しているのではないでしょうか。

 こちらは、少し変わった本も読んでみたくて借りたもの。まあ、「買わなくて済んで良かった」とだけ論評しましょう。

 今回借りた4冊はページを開いた形跡がほとんどなく、図書館での貸し出しが児童書などに集中していることがよくわかります。これは実にもったいない。大人はなかなか図書館などに行かないのでしょうが、昔と違って広く快適ですし、端末があるので本の検索も簡単です。子供の本を探すついでに、日頃は読まない本を漁ってみるのも楽しいのではないでしょうか。
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