いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

ROSES ET VEUVE

2006年02月20日 | 極楽日記(お店紹介)
 名東区貴船のカフェ、ROSES ET VEUVE(ローズ・エ・ヴーヴ)に行って来ました。東邦ガスのお店紹介サイト、grappee(グラッピー)にわかりやすい記事が載っています。でも、実際のメニューはもっとインパクトがありました。

 この辺は交通量の多い302号線と、並行して走る東名阪自動車道の高架に近いのですが、最近の幹線道路は防音壁などの騒音対策がしっかりしているため、静かな環境が守られています。おや、中庭で鳩が巣作りをしている。

 そんな住宅地のひっそりしたカフェで、かわいらしい外観の建物なのですが、いわゆる「カフェめし」を求めて行くと当てが外れます。この日のランチはたっぷりの煮野菜盛り合わせと、手作りのポテトスープ、そしてメインが日間賀島直送の小エビとイカを大根と炊き合わせたもの。甲殻類とイカの香りが濃厚で、大根にしっかり味が染みています。

 しゃれた和食の店で出す鰤大根と違って、これはまるで漁師料理。身の部分が多い高級魚と異なり、殻や皮の部分が多い小魚、雑魚ならではの磯の味が強烈。魚が好きな人には堪らないでしょうが、好きでない人は寄りたくもないでしょう。これが知多半島の居酒屋じゃなくて、名古屋市名東区のカフェのランチメニューとは驚きです。

 考えてみれば、フランス料理のブイヤベースだって、日本の浜鍋とかさしつけ鍋とか呼ばれている漁師のまかない料理だって、小魚、雑魚の味を楽しむもの。フレンチカフェのメニューでも構わないわけです。マルセイユあたりでこの料理を出されたら、ああなるほどと思うでしょう。

 元々、伊勢湾や三河湾は海の幸が豊富で、特にアカザエビの大産地だったと聞いたことがあります。今でも愛知県に「えびせん」の工場が多いのはそのためです。アカザエビは、すっかり食卓に馴染みのなくなった今では、イタリア料理に使うスカンピのことだと書いてある記事も多いですけど、実は"Japanese lobster"という英名まである日本固有のエビでした。今でも少しは漁獲があるようです。

 伊勢湾や三河湾は今では「魚の博物館」とか呼ばれてるらしいです。魚からタコ、イカ、貝、海苔まで何でも獲れるけど、どれも少しずつだから。中部国際空港の埋め立て工事で、それまで知多半島で生産されていた上質の海苔も手に入らなくなったようです。

 近所のカフェのメニューが、実は磯の香の漂う日間賀島に繋がっていたとは…。なかなか楽しませてもらいました。上述のように癖のある店なので誰にでも、というわけにはいきませんが、お好きな人にはお薦めできます。私はもちろん気に入っています。極楽家の2代前は瀬戸内海の漁師でしたから。
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