バスは内子を出て、今度は徳島県に向かいます。いや、このバスじゃありませんが、面白いので特別出演してもらいました。
四国最大の川、吉野川中流にある渓谷美で知られる大歩危(おおぼけ)です。三好市(旧池田町を含む)から遡ってきたので、小歩危(こぼけ)を先に通過していますが、止まらなかったので小歩危の写真はなし。
狭い電車やバスの中が多かったので、壮大な景観は嬉しいですね。古い言い方では「浩然の気を養う」というところです。旅の間中、天気はぐずつき気味だったのですが、この時ばかりは少し持ち直してくれました。
ガイドさんの話では、公式の長さでは吉野川(194km)より四万十川(196km)がわずかに長いんだそうです。ただし流域面積では吉野川の3,750平方キロが四万十川の2270平方キロを圧倒。もっとも、流域面積世界最大のアマゾン川は705万平方キロと桁が3つも違います。吉野川は昔から「坂東太郎(利根川)、筑紫次郎(筑後川)、四国三郎(吉野川)」と並び称される暴れ川で、その旺盛な浸食作用がこの峡谷を作り出しました。
こんな楽しそうな川下り。櫓を押していますが、実はエンジン船なのでこの程度の流れではまず危険はありません。
徳島県と言ってもここは人口の多い海辺から遠く離れた四国山地の中で、徳島自動車道が開通する前は実に不便だった地域です。徳島県自体、日本で最後まで自動車道のなかった県なので交通網の整備は長らく滞っていましたが、今は本四連絡橋も整備され、京阪神との往来はとても便利になりました。便利になったらなったで、今度は人口の流出が懸念されているのは痛し痒しですが。
国道32号線と並んで生命線のJR土讃線。断崖にへばり付くようにして峡谷を越えて行きます。特急が毎時だいたい1本はあるのに対し、普通電車が少ない独特のダイヤなので、小さな大歩危駅にも特急が停まります。特急と言っても3両しかありませんけど。
紅葉の名所でもある大歩危峡。少しずつ山が色づいてきています。
大歩危はこのように岩の割れ目がごつごつと荒々しく、小歩危ではもっと繊細なパターンになるらしいです。岩の硬度や粘度の違いでもあるのでしょうかね。