![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/42/1e/bcd84f8e2d7cd8e2c41cd4550cc95f3e_s.jpg)
すくすくと大きくなったキュウリ。見た目も涼しげで、食卓に欠かせない夏野菜です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/6c/21/456e8aec7d2dbe467e268c47318975fa_s.jpg)
しかしトラブルなしにできる株だけではありません。ご覧のように葉が白く変色。光合成ができなくなるので、もちろん収穫にも悪い影響があります。カビの一種によるうどん粉病です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/0c/da/b2ea1af27ea009e799fbf1947dd8a6d4_s.jpg)
カビだけに真夏の暑さで多少は消退するかと期待していたのですが、あまり変わりがないため仕方なく薬剤を使うことにしました。ダブルプレーALは合剤で、キュウリとトマトへの適用が認められています。分解が早く、収穫前日まで散布できるので家庭菜園向き。家庭で使うには、生態系をぶっ壊さないように局所性、短期間の投与にとどめたいですから。
成分のフェンプロパトリンは合成ピレスロイド系殺虫剤。テトラコナゾールは抗真菌剤です。ピレスロイド(pyrethroid)はジョチュウギク(pyrethrum)の殺虫成分および、これに類似の構造を持つ化学物質の総称。多くは昆虫や両生類などには強力な神経毒として作用しますが、脊椎動物では細胞膜上のチャンネルたんぱく質の構造が異なるため、よほどの高濃度でなければ害は出ません。また酸化により速やかに作用を失うため、最も安心して使える殺虫剤であり、室内でも広く使われます。
今回はうどん粉病対策ですから、テトラコナゾールの作用を当てにしています。これも試験をした上で前日まで散布可能になっているのでしょうが、念のためになるべくキュウリには掛からないようにします。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/27/d0/4cbc24b528e154c73ef4db0e50470609_s.jpg)
うどん粉病よりも厄介なのがこのウリハムシ。親は葉っぱを小さくくり抜いて食べるだけですが、幼虫が根を食い荒らします。大きくなってきたスイカがいきなり枯れるなど、こいつには散々煮え湯を飲まされました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/4c/01/22257d9f711bfd5f0c2c5bd3d5da87b0_s.jpg)
親は移動能力が低いため、数が少なければ捕殺できますし、ダブルプレーALでも処理できると思いますが、土の中にいる幼虫に対してはこれしか手がありません。マラソン乳剤の主成分マラチオンは代表的な有機リン剤であり、コリンエステラーゼという酵素の作用を阻害することで、神経の一種をブロックします。この仲間にはサリンのような人間に致死的な薬剤もありますが、マラチオンの場合は脊椎動物の体内で分解されやすく、毒性は低いとされています。また分解しやすいため効果の持続は数時間であり、キュウリやトマトでは収穫前日まで散布可能です。これなら正しく使えば残留の危険はないでしょう。