歴史上有名ですが詳しい仕組みまではみんな知らないエレキテル。お馴染み学研の「大人の科学」からキットが出ています。
部品はこれだけ。簡単といえば簡単ですが、電気火花が出るまでには大変な試行錯誤があったことでしょう。エレキテルは平賀源内が独自に作成したものだと思っていましたが、どうも中古屋で買ったものを修理しただけのようです。エレキテルそのものは恐らくオランダ製とのことです。しかし修理するにも原理を知らないといけないわけですから、要求される知識水準が江戸時代のそれを大きく越えていたことは明らかです。
ラジオペンチで導線を切っています。最近は大学工学部の学生でも、研究室に配属されると配線や半田付けから教えないといけないようで、素材からの電気工作に馴染みのない子供が増えているようです。昔ならクラスに数人はラジオ少年がいたものです。私みたいに工作そのものが好きなタイプや、アマチュア無線やBCLを目的とするタイプなど、人種も多様でした。
静電気を起こす心臓部は樹脂製のドラムです。こういう真剣な表情っていいものです。今から練習させておけば、この子が工学部に入った折には感謝されること間違いなしですな。ただし、日本ではエンジニアや理科系研究者の待遇が金融などの文系職種に比べると明らかに悪いため、私の影響で理科系に進んだら恨まれそうな気もします。
ちょっと問題発覚。このキットでは樹脂製(塩化ビニール?)のドラムを手回しで回転させ、脱脂綿との摩擦で静電気を起こす構造なのですが、脱脂綿を筐体に取り付ける両面テープに適当なものがなく、建材用の厚手のものを流用したため、ドラムの回転抵抗がえらく大きくなってしまいました。周りのパネルも挿入しにくくなったため、対策が必要です。
脱脂綿を少し薄く剥いで応急処置。何とか形はできてきました。しかし脱脂綿って-OH基があるから電気抵抗あまり高くないはずだけど、静電気が起きるのかな?木綿の服で静電気は起きにくいですよね。失敗したらこれを他の素材に替えてみましょう。古くなったウールの靴下など良さそうですね。
当時のハイテクだったライデン瓶、今で言うコンデンサーです。オランダの名門、ライデン大学で発明されたのでこの名が知られています。
この蓄電器を底板に取り付けたところで本日の作業は終了。