いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

最高裁の不平等選挙認定を支持します

2011年03月25日 | たまには意見表明
 平成21年8月30日の総選挙小選挙区において、1人別枠方式による定員割り振りが看過しがたい不平等を生じているとして争われていた裁判で、最高裁判所大法廷は選挙無効を求めた原告の要求を退けましたが、それは是正に十分な時間があったとは言えなかったためであって、有権者が憲法に基づいて要求する1票の価値の平等に反しているという解釈をしました。

 選挙の度に割を食っている都市部の有権者からすればこれは当然のことで、普通選挙において、ある有権者の票の価値が他の有権者の2倍以上あるということは、要するに1人で2票以上持っている人がいるのと同じことで到底認めることができません。

 過疎地の別枠方式に全く意味がないとは言えませんが、日本を小選挙区に分けてみれば、都市部よりむしろ過疎地の方が多いのです。1人別枠方式で優遇されて当選した議員が会派や派閥をなし、あるいは利害を共有することで過度に都市部の有権者の権利を損ねていることの弊害は明らかであり、遅きに失したとは言え最高裁判所がここまで言及してくれたことには賛同します。

 この国の税金を負担しているのは都市部の企業や住民です。都市部が稼ぎ、過疎地が予算を「確保」して遣うといういびつな関係は政治を大きく歪めており、このままでは国全体が貧する原因になります。まともな民主主義が実現されるためには、何より負担に応じた政治的権利が与えられることです。「代表なくして課税なし」とはアメリカ独立のスローガンになった有名なキャッチフレーズで、まさしく議会制民主主義の本質を表しています。私も都市部の勤労者として課税に見合うだけの選挙権を求めます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする