いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

地上デジタル支援金は「バイ・ジャパニーズ」か

2009年02月18日 | たまには意見表明
 NIKKEI NETによれば(記事引用の魚拓)、自民党は景気刺激策として地上デジタル受信機(主力は地デジテレビと思われる)を購入する世帯に支援金を配布することを検討しているようです。

 今年になって初めての地上デジタル普及率調べで、目標を大きく下回る50%未満の数値に危機感を抱いてのことでしょうが、この「地上デジタル支援金」の効果は巨額(まだ地上デジタル機器を買っていない約2,500万世帯に2万円ずつ配布すると5,000億円!)の財政出動に見合うものでしょうか?いや、そもそも実現可能でしょうか?

 2月4日の衆院予算委員会で麻生首相はアメリカの景気対策法案に「バイ・アメリカン条項」が含まれていることを「WTOの原則に反している」と批判したばかりです。17日のクリントン国務長官との会談でも、「世界1位と2位の経済大国としての責任」が強調されたはず。底の知れない不況を1日でも早く脱するために、世界中が痛みを分かち合って保護主義と対決しようというこの時に、こんな「バイ・ジャパニーズ」政策を打ち出したりしたら、日本政府は世界の信用を失います。

 「テレビを買うことがどうしてバイ・ジャパニーズなのか?」という言い訳はアメリカに通じません。地上デジタルの基本仕様である暗号化とB-CAS社による認証システムは、日本の「官民複合パラダイス」にたてつく外部勢力を徹底して排除する非関税障壁だからです。地上デジタル受信機を日本で合法的に売ろうと思ったら、利権を持つ日本の電器メーカーや放送局のフロント企業であるB-CAS社の認証を受けて、B-CASカードを発行してもらわない限り不可能なのです。

 この競争阻害システムにより、安価な受信機を世界で販売しているアジアの企業は日本市場に本格参入できません。デジタルテレビを安価にパソコンに組み込みたいDELLやマイクロソフトも、日本では高くて使い勝手の悪い日本仕様に合わせざるを得ません。「地上デジタル支援金」が支出されたところで、消費者は世界に流通している安価な製品を買うことができないのです。

 アメリカのテレビ受信機メーカーは日本との競争に敗れて長らく壊滅状態だったのですが、最近はファブレス企業であるVIZIOが台湾企業の協力により安価な液晶テレビで北米のシェアを確保しており、日本への進出をうかがっています。日本のテレビ市場から不公正なやり方で同社を排除すれば、恐ろしい結果が待っていると考えるべきです。この点から国内メーカー限定の「地上デジタル支援金」など不可能ではないでしょうか。

 仮に「地上デジタル支援金」が可能だとして、その経済効果についても疑問があります。日本でデジタルテレビを作って売っているメーカーは何社あるでしょう?パナソニック、ソニー、シャープ、東芝、三菱、日立、ビクター、三洋、ナナオ、飯山、DXアンテナ、(パイオニア)、…。とにかく多過ぎるんです。

 かつて日本が世界に誇る基幹産業だった家電は、今や生産性の極めて低い構造不況業種です。理由は、どこも同じような物を作っていて競争力がないから。日本のメーカーが束になってもメモリではサムソンに勝てず、携帯電話ではノキアに勝てず、ミュージックプレイヤーではアップルに勝てず、という非効率を続けています。

 この業界を再編して世界で戦える体質に作り直すのが先決であって、斜陽産業にそのまま補助金を投入したところで(アメリカの自動車メーカーみたいに)ひとときの延命措置になるだけです。B-CASのような非関税障壁に守ってもらおうという家電業界のもたれ合い体質を排するためにも、デジタルテレビの市場は海外に広く開かれたものでなければいけません。

 ここまで地上デジタル受信世帯が伸び悩んできたのは、日本の消費者はデジタル放送の恩恵を正しく享受することができないため、高額の支出を伴ってまでデジタルに切り替える世帯が少なかっただけのことで、解決すべきより大きな問題はテレビの値段ではなく「テレビ放送のあり方」です。的外れの支援金政策に反対します。
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ひっしょうだんごけん

2009年02月18日 | 極楽日記

 大好きな「ぜんまいざむらい」のだんご剣を買ってもらいました。

 テレビのぜんまいざむらいは「必笑だんご剣、受けてみよ!」と叫んでだんごを飛ばすのですが、極楽息子(小)はまだ言えないので「ひっしょうだんごけん、うてめきよ!」と剣を振り回しています。

 ちなみに「ぜんまいざむらい」は「じぇんまい」、「かぶと虫」は「かむとし」、「カマキリ」は「かますり」、「動物」は「どうつぶ」、「ゆきだるま」は「ゆきだむら」としか言えません。従姉の茉莉(まり)ちゃんは「まりちゃん」ですが茉莉ちゃんのママは「まりまりちゃん」だそうです。
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