F-1の前座として開催されたポルシェカレラカップです。公道用に市販もされているGT3を最小限だけ改造したマシンなので、このクラスのレーシングカーとしては安価な1800万円で新車が購入可能。100km/hしか出せない日本の高速道路で高級車を腐らせるより、こうした使い方もあります。レースを見ているだけのオーナーだって、自分のポルシェと同じマシンが活躍すれば嬉しいですよね。
そうは言っても観客の期待はやはりF-1。開会式で選手が荷台に乗ってコースを1周。拍手が起きますが、実のところ遠いのでよくわかりません。
レースの写真は難しい、と言うより無理です。お手軽スナップ用のS-520ではどうにも驚異的なスピードについて行けません。スピードの落ちる第1コーナーで、適当に撮った中から画面に入ってたやつをトリミングするとこんな感じです。高速AFと視野の広いファインダー、高速連射のある高級一眼レフを達人が使いこなして初めてF-1が写真になるので、お遊び機材と腕ではこの程度が限界です。
2.4L V8という形式は共通ですが、何回も聞いているとコンストラクター毎のエンジン音が少しずつ違うことに気付きます。やや甲高いフェラーリ、ずしりと響く感じのドイツ勢、ちょっと軽快なルノー、そして破れ太鼓みたいに「パン、プパン、ポッ、パアン」と抜けの悪い音を立てていたホンダ。第1コーナーの急減速箇所ではどのマシンも破裂音が混じるのですが、ホンダが遅いくせに一番やかましくて、音だけ聞いても出来が悪そうで幻滅しました。
「エンジンのホンダ」がエンジン開発を止められたら苦戦するのは当たり前で、現行のレギュレーションは技術開発の面白さを大いに削いでいると思います。開発力のある日本やドイツのメーカーがエンジン仕様の固定に反発するのは当然ですし、開発の停止はレース技術の市販車へのフィードバックという大義を否定するものなので、多大な環境負荷を伴うレースの社会的意義を失わせるものです。耐久レースでクリーンディーゼルの大きな可能性をアウディが示したような話題を、レースの最高峰たるF-1が提示できないのは寂しいことです。
ストレートは速度が高いので本当に難しく、何とか写っていたのはこれだけです。
さて、楽しめたかな?応援してたフェラーリが勝てなくて残念でした。